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 こんにちは!Hamu's Sidewalk Cafeのマスター・はむ!です。
 この第2ブログでは、ばんえい競馬を中心に地方競馬などスポーツ一般中心について語ります。

2019年3月26日火曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第51回ばんえい記念(3/24)

ばんえい重賞レース回顧
第51回ばんえい記念(BG1)-2019年3月24日-10R 200m直 晴 1.2%
  1着▲(5)センゴクエース(工藤篤) 3分35秒0
  2着◎(2)オレノココロ
  3着○(4)フジダイビクトリー
   単勝 5 350円(2番人気) 馬複 2-5 250円 三連単 5-2-4 1,450円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○▲等の印は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい重賞の最高峰、第51回ばんえい記念は、2番人気の7歳馬センゴクエースが障害2番手から直線止まることなく勢いよくゴールを駆け抜け初挑戦で初優勝となった。重賞は昨年度のドリームエイジカップ以来で12勝目。工藤篤騎手もばんえい記念初優勝で通算重賞7勝目。

レース振り返り
  帯広は、寒の戻りがあり、金曜日に1cm程度の雪、そして当日も時折にわか雪が降って若干水分を含むつつも、ほぼ平均的なタイムの出る馬場であった。
  レースは、第1障害でドルフィンは大きく遅れたものの、他の各馬は第1障害をほぼ問題なく越え一線。早めの刻みで出たり入ったりのレースで、ばんえい記念らしくゆったりしたペース。その中で1番人気オレノココロが心持ち前を伺いつつ、センゴクエース、フジダイビクトリー、コウシュハウンカイが差なく並びかける。この有力4頭が先頭集団を形成し、そのままの流れで第2障害へ。第2障害手前にはフジダイビクトリーがわずかに先着したものの、4頭ほぼ一斉に並ぶ。ここまで1分52秒。各馬かなりの時間を溜めて障害の仕掛けのタイミングを伺う。その間に後続のソウクンボーイらも到着する。そして先に行った4頭は互いに息を合わせたようにほぼ同時に障害にチャレンジ。各馬いずれも坂の中腹で止まるも、その中でセンゴクエースが7~8分目まで上がっていた。その後は、各馬1歩ずつ力を入れながら少しずつ登っていく。最も先に障害を越えたのがフジダイビクトリー、次にセンゴクエースが一旦膝を折りつつ2番手でクリアし前を追い、コウシュハウンカイ、オレノココロと続く。直線に入ってフジダイビクトリーが逃げるが、センゴクエースの脚色が良い。そして残り30mでフジダイビクトリーが止まったところで、センゴクエースがかわし先頭へ、フジダイビクトリーは立て直すが、後方から追って来たコウシュハウンカイとオレノココロに含まれ横一線で前を追う。しかしその前を行くセンゴクエースもスピードが緩まず逃げ込み態勢へ。残り20mあたりで約3馬身差のリード。2番手集団からオレノココロが抜け出し激しく追うが、センゴクエースは止まらず、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。勝ちタイム3分30秒台でばんえい記念としては速めの決着であった。3連覇を目指したオレノココロは最後は1馬身差程度まで詰めたが届かず2着。3着争いは一旦コウシュハウンカイが前に出るが残り10mあたりで詰まり、その間にフジダイビクトリーが差し返して3着に入った。

次走へのメモ
センゴクエース(1着):デビュー時から注目されていた馬が素質開花。ニューヒーローの誕生となった。勝因は実力はもちろん、障害の一歩目でかなり上の方まで行けたことが最も大きかった。やや馬場が軽くなっていた割には、前半のペースが速くならなかったことが障害をうまくクリアできた要因だろう。止まらなかった最後の直線の走りはさすがで、スピード、スタミナとも十分であった。また、一旦膝を折ってもすぐ立て直せたこともこの馬が勝てる力を付けてきたということだろう。来年度以降がさらに楽しみになってきた。ただ年度明け早々は一旦ひと息つくかどうか。オレノココロや同厩舎との兼ね合いもあるだろう。
オレノココロ(2着):3連覇はならなかったが、この馬のパフォーマンスは十分出せていたのではないか。強いていうなら馬場がやや軽く、センゴクの方が最も力を出せる展開になったということだろう。障害を降りてからも本来なら十分差せる位置ではあったが、それ以上に勝ち馬に上手く走られた。まだばんえいの盟主の座は渡したくないところ、ダメージが少なければ年度当初のオッズパーク杯から狙いに行くか。
フジダイビクトリー(3着):ラストランであったが立派な3着であった。予想どおり前半からレースを作りに行き、他馬を引きつけるような走りであった。障害を先頭で越えた時はさすがと思わせたが、想定以上に直線の馬場が軽く、切れ味のある馬たちに差された。しかし最後までこの馬らしい粘りをみせたのではないか。個性的な馬の引退は残念だが、今後種牡馬としての活躍が期待される。
コウシュハウンカイ(4着):この馬としては自分の走りはしていた。軽めの馬場も走りやすかったようだ。しかし障害で珍しくふらついたりソラを使う場面も見受けられた。やはり高重量はあまり得意ではなさそうだ。最内枠もこの馬には不利に働いたか。しかし大きな差はなく、力のあるところは見せた。来シーズンは始めから比較的得意な軽めの古馬重賞を狙っていくか。
シンザンボーイ(5着):障害を上手く越えて好走した帯広記念と同様の展開を狙ったが、今回は障害での2歩目で膝を折り、その後力が入らなかった。先行の各馬が行ってからは半ば諦めた形になった。上位馬とは力の差が見えた形にはなったが、良い経験は積めたのではないか。来年度の重賞戦線でも期待。
ソウクンボーイ(6着):7秒差に迫った昨年のようには上手くはいかなかった。前半は想定どおりに運んだが、軽馬場で全体として障害から直線にかけてのタイムが速くなったことで引き離される形になった。
カンシャノココロ(7着):本来なら先行して障害を一歩一歩踏みしめて上がれるタイプなのだが、さすがに荷物が重かった。しかし崩れてはおらず、今後に向け良い経験にはなったのではないか。
ドルフィン(8着):さすがに力の差は歴然としていたが、最後まで完走したことに大拍手。障害も何度も崩れそうになりながらも常にゴールを目指す気持ちが出ており、今後に生かせそう。

はむ!の予想(馬券)結果
  (通常分)今回 -3,000   (配当)2,700 (投入)5,700
  (単複・ワイド)今回 -1,660   (配当)640 (投入)2,300
  今年度累計 -18,200 (3/24・今年度最終)
    通常  -2,640 (配当 107,800 - 投入 105,160)
   単・ワ -15,560 (配当 23,040 - 投入 38,600)
  やはりばんえい記念は感動的、そしてセンゴクエースが新しい主役に踊り出たことは良かった。馬券も一応は押さえていて外れではないのだが、それにしても配当が安かった。有力馬サイドならやはりもう少し買い目を絞らないといけないのだが、ここはお祭りだし、仕方ない。ま、自分らしい結末だったと言えるだろう。年間を通して結局赤字にはなったが、例年より回収率が回復しただけでも良しとしよう。来年度はまた気分一新、頑張っていこう。

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2018データ・馬券成績表)

  ばんえい記念dayが終了し、今年度のばんえい競馬は終了。次は、1か月ほどあいて、4月27日から始まります。年度最初の重賞は5月5日、ばんえい十勝オッズパーク杯です。またその前に4月14日に新たな2歳馬の能検もあります。当欄では、来年度も同様に重賞予想を行う予定ですが、来年度の方針については、また4月に入ってからお知らせしますので、お待ちください。

2019年3月21日木曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第51回ばんえい記念(3/24)

  今年も、ばんえいの最高峰のレース、ばんえい記念の季節がやってきました。1年で唯一、1トンの荷物を引っ張る最高重量戦、そして年度最後の重賞締めくくりのレースでもあります。ばんえい関係者なら誰もがここを最終目標にしのぎを削るわけです。3連覇を目指すオレノココロに対して待ったをかける馬はいるでしょうか。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第51回ばんえい記念(BG1)
(2019年3月24日(日)17:15発走 帯広10R ダ200m 4歳以上オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
コウシュハウンカイ 牡9 1000 藤本匠 松井浩 栗毛 先
オレノココロ 牡9 1000 鈴木恵 槻舘重 青毛 差
  ドルフィン 牡9 1000 松田道 坂本東 栗毛 追
フジダイビクトリー 牡11 1000 菊池一 中島敏 栗毛 逃
センゴクエース 牡7 1000 工藤篤 槻舘重 鹿毛 差
  ソウクンボーイ 牡9 1000 村上章 西邑春 鹿毛 追
  カンシャノココロ 牡8 1000 西謙一 坂本東 鹿毛 先
シンザンボーイ 牡8 1000 阿部武 坂本東 栗毛 先
 ※出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえい記念」の概要と傾向
  ばんえい競馬においては数々の重賞があるが、その中でも「ばんえい記念」は別格。いくら力持ちのばん馬といえども、限界に限りなく近い負担重量1トン。昨年のニュータカラコマがこのレース中に力尽きて息が途絶える悲しい出来事もあった。しかしこのレースが存在することが生産者を始め、重種馬に携わる全ての人の拠り所にもなっている。ここに出てきてくれたことだけでも各馬に拍手を送りたい。
  レースの傾向は、過去10年で1番人気は(7,1,1,1)とやはり強い。しかも連覇または2回以上優勝、つまりリピーターが非常に多く、その中ではカネサブラックやオレノココロのように他のレースでも強い馬と、トモエパワーやニシキダイジンのように高重量戦だけが強いという馬もいる。いずれにせよ重量適性は絶対条件である。2番人気は(1,2,2,5)、3番人気は(0,3,1,6)とやや苦戦。実力馬ながら、ばんえい記念になるとその重量適性などで一歩足りないというイメージか。タイムは馬場によっても大きく違うが、概ね4分前後かかっている。障害力はあるに越したことはないが、いずれにしてもひと腰で上がることはなく、何度かかってもしっかり前に進められることが重要である。臨戦過程については、このレースの次に重い荷物を引っ張る正月の帯広記念がトライアル的存在だが、過去10年で2勝と意外と連動していない。直前重賞のチャンピオンカップも同じような傾向で直結はしておらず、それぞれの調整プロセスを経てここに挑戦してくるというところか。年齢は最低でも7歳以上でないと勝ち目はなく、8~9歳が最も充実している。騎手では現役では藤野俊一騎手が過去5勝と最も多く、鈴木恵介騎手、松田道明騎手がそれぞれ3勝、藤本匠騎手が2勝となっている。

今回のみどころ
  ばんえい関係者なら誰もが目指す最高峰のレース、それがばんえい記念であるが、昨年のニュータカラコマのようなこともあり、今回どれだけの馬が出てくるのかが心配されたがフルゲートまではいかないまでも主要なメンバーは揃った。注目はなんといっても3連覇を目指すオレノココロ。今年も万全の態勢のここに臨んでいる。他の誰かこれを阻む馬は出るのかというより、オレノココロ自身がどんな勝ち方を見せるか、が焦点と言っても良い。一方、他馬も指をくわえて見ているわけにはいかない。その中でもライバルのコウシュハウンカイ。昨年は1000kgを引っ張りながらひと腰で天板に達したが、今年はどうか。そして、ばんえい記念初挑戦のセンゴクエースらがどれだけ走れるのかも注目。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 コウシュハウンカイ:ばんえい記念は4度目の出走。初めて出走した6歳時に3着と好走、以下5着、3着と確実に上位に来る走りをみせている。特に昨年のばんえい記念では障害をほぼひと腰でクリアし場内をどよめかせた。安定感は抜群だが、この馬の課題はやはり切れ味と最後の粘り。今年の帯広記念でも先行しながら直線失速し5着に沈み、以降やや調子が下降気味であったが、当然ここに向けて調整してきているであろう。軽馬場ならなお良い。
 2 オレノココロ:ばんえい記念3連覇のほか重賞最多勝記録もかかっている。既にばんえいの歴史に残る名馬になりつつあるが、今回もその強さを見せる確率は高い。チャンピオンカップでは若馬に逃げ切られたものの50kgものハンデを与えてのもの。それでも2着を確保するあたりはこの馬の強さを感じさせた。高重量戦では障害をあえて一気に行かずに何歩かに分けてしっかり登る作戦を取っている。それほど直線の脚にも自信があるのだろう。
 3 ドルフィン:B2クラスとオープン馬の4ランク下の格付けだが、果敢に挑戦してきた。重賞どころか特別戦も一度も出走したことがない。そんな馬でもまずはチャレンジすることが大切で、そのことに拍手を送りたい。いきなりの1トンの荷物は厳しいが、これまでの走りから重量適性はありそうで、遅い流れになるばんえい記念では意外にも活躍できそうな要素は持っている。障害ももともと得意な方。この馬も9歳。最強世代の一角に存在感を見せるか。
 4 フジダイビクトリー:ばんえい記念は実に5度目の出走。2度目の出走であった2016年に優勝、昨年も2着に入っており、このレースに欠かせない存在となっている。それまでの前2~3走で凡走しても、ばんえい記念になると強みを発揮する。やはり高重量適性であろう。一時期は得意なはずの障害も上れなくなり衰えが見えたかのように思われたが今年に入って更に勝ち星を挙げるなど元気いっぱい。ラストランとなるが最後にもう一花咲かせるか。
 5 センゴクエース:ばんえい記念初登場。6歳になるのを待って満を持して出走してきた。力強い先行力と切れ味これまで、重賞や特別戦などで常に上位に入っているが、一方、いま一歩勝ちきれない場面も多く見られた。障害も焦ると時折ミスする場面がある。初めての1トンの荷物でどこまでやれるか。両親とも重賞を何度も勝った名馬で血統的裏付けもある。前半力をセーブして、障害を上手く越えられれば、最後の直線の切れ味と粘りは脅威でもある。
 6 ソウクンボーイ:ばんえい記念は昨年に続き2度目の出走。昨年は最後の直線で力強い追い込みの脚を見せ、優勝馬と7秒差の5着に食い込む健闘だった。今年度は本格的に重賞戦線にも参加。結果は順位こそ芳しくなかったが、直線でのスピードなど見せ場はあった。障害はかなり苦手な部類だが、ばんえい記念のように各馬力がいるレースになるとじっくり構えて障害に挑めるので逆に力を発揮できることも。障害がうまく抜け出せればチャンスはある。
 7 カンシャノココロ:ばんえい記念は初出走。若馬時代の世代重賞では好走していたが重賞は未勝利。昨年になってから古馬重賞にもしばしば顔を出している。今年は正月の準重賞・金杯を大接戦の上粘り勝ち、持ち味を発揮した。ばんえい記念に出てくる馬としては大きくはないものの、障害では一歩一歩踏みしめて登る姿が力強い。一瞬の切れ味はないものの、先行力、障害力ともに安定性はある。接戦になれば強いので、どこまでペースに付いて行けるか。
 8 シンザンボーイ:グランプリや帯広記念には顔を出し好走しているが、ばんえい記念は初出走。この馬は若馬時代はあまりパッとせず重賞も出るのが精一杯だったが、年を重ねるごとに力をつけてきたイメージだ。持ち味は先行力と粘り。帯広記念でも最後の直線で一瞬先頭に立つ場面も見られた。また準重賞ウィナーズカップではセンゴクエースなども出る中、他馬を寄せ付けず圧勝した。重い荷物でもしっかり登り切るだけの障害力があり、これが生きるか。

まとめ:
  今年は8頭立て。現時点で最高レベルの力を持った精鋭たちが勢揃いした。ここ数年は頭数がそろわずフルゲートにはならないのは残念だが、ドルフィンのようにチャレンジしてくる馬もいて、もしこの馬が好走すれば将来裾野は広がっていきそうだ。
  展開だが、馬場状態がポイント。金曜日に1cm程度の雪が降っており、ヒーティングは停止した後で気温は低めに推移。このあたりがどう影響するか。いずれにしても軽くはなさそうで、序盤からゆったりしたペースになるだろう。何が何でも前に行きたいという馬も見当たらず、フジダイビクトリーあたりが押し出されるように前を行きそう。これにコウシュハウンカイが続き、ペースが遅くなればセンゴクエースも早めに展開するか。オレノココロも前につけそう。後方から行く馬も離されないように好位置に付けたいところ。障害はどの馬もよく鍛えられており、力の差はなさそう。タイミング良くスムーズに登っていけるかがカギ。昨年のコウシュハウンカイや、帯広記念のシンザンボーイなど一発目で坂の上の方まで行ければ見せ場は十分。オレノココロがどの位置で坂を下りられるか。勝ちタイムは丁度4分くらいを予想するが重くなればさらにかかるか。
  さて、当欄予想だが、◎(2)オレノココロの敗れるパターンを想定したものの、この馬が障害で自滅するなどの余程のトラブルでもない限り、他の馬が逆転することは難しく、3連覇は高い確率で達成できるだろう。当然競馬なので何が起こるかはわからないが、それを差し引いてもやはり本命は外せないところ。
  そうなると相手を一ひねりしたい。そこで、ラストランとなる○(4)フジダイビクトリーを対抗に持ってきた。11歳になっても決して衰えはみえず、近走も好走が続いている。過去ばんえい記念の優勝経験があるように、しっかり1トンを最後まで引っ張りきる力は持っており、少なくとも2着候補には入りそう。初挑戦の▲(5)センゴクエースも狙いたい一頭であるが、果たして1トンを背負って走りきれるか。障害での手間取りも想定される。ただ帯広記念で好走したように、元々の能力の高さの片鱗は見せており、この本番で素質が大開花することは十分考えられる。そして実力馬△(1)コウシュハウンカイだが、この馬の実力は誰もが認めるところであるが、今年度の調子を見ると今回はどうも推しづらい。最内枠に入ったのもプラスとはいえず、ゴール直線での失速も心配だ。但し、軽馬場になれば直線を押し切ることも考えられ、馬場状態を見極めたい。上位に挙げた4頭は奇しくもすべてウンカイ産駒となった。
  その他の馬は若干差はあるが、障害をうまく抜け出せれば食い込んでくるチャンスのある馬は多い。その中でも注(8)シンザンボーイは帯広記念やドリームエイジカップでも一旦先頭に立つなど見せ場を作っており、流れを作れる強みがあるので侮れない。注(6)ソウクンボーイは好走した昨年のこのレースのイメージが残り今回も期待されるが、昨年ほどの好調感はなく変わり身を見せられるか。あとは走りが安定している(7)カンシャノココロ、そして格上挑戦ながら重量戦での一変が期待される(3)ドルフィンも期待されるところだが、やや力不足か。

はむ!の馬券狙いどころ:
  お祭りなので、これまでの収支はともかく、まずは楽しむことを心がけていきたい。そして馬券だが、やはりオレノココロの頭は外せないだろう。そうすると2着候補も絞って、3着で流すというパターンか。一応、馬複など保険的な馬券も押さえておきたいが。単勝は儲け無視。ワイドは配当のつきそうなところから。今回は最後なので少し足が出ることを容赦願いたい。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 
   2→4,5→4,5,1,8 合計6通り 各300円
   2→4,5→6,7,3 合計6通り 各200円
   4,5→2=4,5,1,8 合計12通り 各100円
  馬複 2=4,5,1 合計3通り 各500円
  合計 5,700円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 2 1,200円
  ワイド 5=2,4,1,8 合計4点 各200円
    8=2,4,1 合計3点 各100円
  合計 2,300円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、後日報告したいと思います。(今回は筆者多忙につき、数日後になるかもしれません)

(コラム)騎手リーディング
  今年度のクライマックスであるばんえい記念と同時に、ばんえいではもう一つ非常に注目されていることがあります。それが今年度の騎手の最多勝いわゆるリーディング争いです。ばんえいのリーディングは帯広単独開催以降10年間すべて鈴木恵介騎手が獲得しています。2011年度には年間最多勝記録の246勝を挙げるなど、押しも押されぬばんえいのトップジョッキーです。しかし近年は阿部武臣騎手が急上昇。昨年は最終日まで最多勝争いがもつれ込み、ばんえい記念で鈴木騎手が勝ちリーディングの座を死守、10連覇を決めました。そして今年はさらに激戦、抜きつ抜かれつを繰り返し(この記事アップ時点で)2日を残し190勝と全く並んでおり、2着の数の差で阿部騎手が正にハナの差リードとなっています。鈴木騎手にはばんえい記念3連覇を狙うオレノココロ、阿部騎手には目下23連勝中のホクショウマサルなどがいます。最終節でどう決着するのでしょうか。ちなみにこの二人、年齢は阿部騎手の方が4つ上ですが、デビュー同期のライバル同士。最後まで目が離せません。

2019年3月12日火曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第40回ポプラ賞(3/10)

ばんえい重賞レース回顧
第40回ポプラ賞(BG3)-2019年3月10日-10R 200m直 晴 0.5%
  1着○(1)メジロゴーリキ(西謙一) 2分09秒6
  2着◎(5)キタノユウジロウ
  3着▲(4)ゴールデンフウジン
   単勝 1 150円(1番人気) 馬複 1-5 1,270円 三連単 1-5-4 5,920円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○▲等の印は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい明け4歳、5歳の世代重賞優勝馬による重賞第40回ポプラ賞は、1番人気の5歳馬メジロゴーリキが終始先頭を守り逃げ切り、2月のチャンピオンカップに続く重賞制覇で重賞は通算4勝目となった。西謙一騎手もこの馬で今年重賞3勝、通算8勝目。

レース振り返り
  帯広は、この時期としては異例の積雪ゼロ。この日も晴れで最高気温が10℃を越えた。馬場も乾燥し水分は0.5%、これほど乾くと逆に若干足抜きが良くなったイメージ。
  レースは、スタートから各馬ほぼ横一線で展開。向かい風にあおられかなりの砂煙が上がり後ろの方に流れて行った。第1障害を越えたあたりから、早めに刻みを入れる馬も出たが、全体的にはほとんど差がなく進む。1,2障害の中間あたりから最内のメジロゴーリキが心持ち前に出て、これにゴールデンフウジン、アアモンドグンシンあたりが続くがそれでも大きくは差がつかず、そのままの流れで第2障害へ、ミスタカシマとオレワチャンピオンの2頭が一歩後方追走となったものの7~8頭がほぼ一斉に第2障害手前に並んだ。ここまで63秒の平均ペース。
  各馬牽制しあいながら機を伺う間に遅れていた2頭も追いつき、10頭が並ぶ大接戦の展開となった。そして5、6頭がほぼ同時に障害にチャレンジ。膝を折ったり立ち止まったりする馬もいる中、メジロゴーリキが一歩一歩力強く踏みしめて障害をクリアして先頭に立った。2番目に降りたのが、後方待機から障害を一腰で切ってきたミスタカシマ。そして軽い膝折から立て直したキタノユウジロウ、これにふた腰で越えてきたコウシュハレガシー、ゴールデンフウジンが切れ味を生かして前を追う。このうちゴールデンフウジンは第2障害を降りたところで躓いて膝をつき遅れをとった。この間に外からはミノルシャープ、オレワチャンピオンあたりが障害を降りてきた。
  先頭争いはメジロゴーリキがしっかりした脚取りで逃げ、残り30mで3馬身ほどのリード。これにミスタカシマをかわしたキタノユウジロウが追い、コウシュハレガシーと、そして外から勢いよくミノルシャープが続くが差は縮まらない。残り10m近くになるとメジロゴーリキもやや緩み、1馬身差近くまで差は縮まるが、キタノユウジロウ以下追ってくる他馬も苦しくなり、そのままメジロゴーリキがゴールを駆け抜け1番人気に応えた。2着争いは前をしっかり追っていたキタノユウジロウが他馬をリードしたまま2着に粘り込んだ。3着争いは、躓いて遅れを取っていたゴールデンフウジンが立て直し、その前を行っていたミスタカシマとミノルシャープに追いつき、ゴール前で一旦詰まりつつも、他馬も同じように詰まって、その間に再度立て直し3着に食い込んだ。

次走へのメモ
メジロゴーリキ(1着):この馬が得意とする馬場ではあったが、想定より時計が出て厳しい流れになった中、自分の走りを貫いた。前半で後続に脚を使わせ、障害を越えてからはしっかり歩いて追い込みを封じ、着差以上の強さを感じる横綱相撲であった。馬体も充実していた。最内枠は天馬賞でも勝っており、楽に行ける分この馬向きのレーンなのであろう。この枠に入った時は留意が必要。今後、古馬戦線でも中心的存在になることが期待される。次は年度明けのオッズパーク杯か。
キタノユウジロウ(2着):ハンデ差を生かし前半からうまく流れに乗って、遅れを取らずに行けたことが好走につながった。障害の軽い膝折は想定内。むしろ立て直しが早かった。ハンデ有利であったとはいえ高重量にも対応できる力を見せたのではないか。直線も最後までしっかり走り切った。またもや2着ということで来年度はなんとか重賞タイトルが欲しいところ。次の大きな目標は初夏の柏林賞か。
ゴールデンフウジン(3着):健闘とも残念ともいえる3着。障害を降りてから勢い余って躓いたことは、これがなければ勝ち負けになっていたと思われるだけに実に惜しい出来事であった。元々障害は得意ではない方なので、今回の躓きもそれがゆえといったところか。今後のポイントになりそう。まずは、古馬重賞に出られるよう勝ち星を重ねていきたい。
ミノルシャープ(4着):障害を降りてからの一瞬の切れ味の鋭さはさすがである一方、いつもの詰めの甘さも見られ、この馬の良い面と悪い面の両方が出た結果の4着。ただ存在感は見せた。あとここ数戦は障害で苦労しており、癖にならなければ良いが。持てる力をしっかり出せれば、強い相手でも勝てるはずだが。
ミスタカシマ(5着):今年に入って順調ではなかったことと、4歳馬にしてはハンデが重かったので人気も落としていたが、かなり復調していた。持ち前の障害の上手さで、2番手で障害を降りるなど見せ場も十分にあった。コンディションなど条件が整えば、牡馬や古馬相手でも十分勝負になるはず。
  その他ではマツカゼウンカイ(6着)は古馬重賞好走から今回も期待されたが、障害でかなり手間取った。大外枠が影響したか。コウシュハレガシー(7着)は障害は好位置で降りられたが切れ味がなかった。あとアアモンドグンシン(9着)は終始後手にまわり障害も登り切れずやはり4歳にはハンデがきつかったか。

はむ!の予想(馬券)結果
  (通常分)今回 +5,080   (配当)9,580 (投入)4,500
  (単複・ワイド)今回 -660   (配当)540 (投入)1,200
  今年度累計 -13,540 (3/10・ポプラ賞終了時点)
    通常  +360 (配当 102,460 - 投入 102,100)
   単・ワ -13,900 (配当 22,400 - 投入 36,300)
  改めてゴーリキの強さに脱帽。一方、本命にしたキタノユウジロウは正直半信半疑だったが、よく2着に粘ってくれた。ゴールデンフウジンの方も一発あるのではというのもあったので、ハラハラしたがこれもよく3着まで来てくれたものだ。○◎▲ならなんとかプラスにできる。本当は◎と○が入れ替わったら最高だったが、そこまで贅沢を言うこともないだろう。自分にしてはまずまずで、資金もつながったということで、なんとか最後のばんえい記念も馬券的にも楽しめそうだ。

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2018データ・馬券成績表)

  次の重賞は、いよいよ年度末の大一番。3月24日、ばんえい記念(BG1)です。予想はいつもどおり前日までには書きたいと思いますが、出走予定馬が出次第早く取りかかり、なるべく早くアップすることを心がけたいと思います。

2019年3月9日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第40回ポプラ賞(3/10)

  今週は、ばんえいならでは4歳馬、5歳馬の世代間重賞、ポプラ賞です。それぞれの重賞などを戦い、互いの意地がぶつかる興味深いレースになりそうです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第40回ポプラ賞(BG3)
(2019年3月10日(日)18:00発走 帯広10R ダ200m 4・5歳選抜別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
メジロゴーリキ 牡5 790 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
天馬賞
  ミスタカシマ 牝4 770 工藤篤 槻舘重 栗毛 先
オークスほか
コウシュハレガシー 牡4 750 西将太 平田義 栗毛 差
4歳5位
ゴールデンフウジン 牡5 780 藤野俊 今井茂 青毛 追
5歳5位
◎  キタノユウジロウ 牡4 760 松田道 村上慎 栗毛 差
4歳3位
アアモンドグンシン セン4 790 長澤幸 小林長 鹿毛 先
ダービーほか
  ミノルシャープ 牡5 790 阿部武 大友人 鹿毛 先
銀河賞
  オレワチャンピオン 牡4 750 鈴木恵 中島敏 栗毛 逃
4歳4位
  カネサスペシャル 牡5 780 島津新 村上慎 青毛 差
5歳4位
  10 マツカゼウンカイ 牡5 790 藤本匠 松井浩 鹿毛 先
はまなす賞
 ※出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ポプラ賞」の概要と傾向
  年度末の重賞シリーズは、ばんえいならでは4歳、5歳世代対抗戦。各世代の重賞勝ち馬を中心に出走馬が構成される。特殊な条件ではあるが40回もの歴史があり、意義のあるレースとなっている。ハンデ差が大きいレースでもあり予想には一工夫必要。
  過去10年で1番人気は(3,3,1,3)と微妙、ここ3年は飛び抜けた馬がいたため堅く収まっているが、それまでは波乱もあった。2,3番人気の馬も勝ち星は上げているが大敗もある。5番人気の馬も2勝しているし6番人気以下の人気薄でも連対までは可能性がある。ハンデ差や力関係の読みが難しいレースとなっている。年齢では5歳馬が7勝3敗とやや有利。興味深い傾向として、7年連続で1着2着が同年齢で決まっており、その時の世代の勢いが重要ともいえる。牝馬の優勝や連対も多く善戦傾向、ここでもハンデ差が生きてくることが多い。4歳5歳の連覇はセンゴクエース1頭のみ。騎手では鈴木恵介騎手が5勝と得意としている。
今回のみどころ
  ダービー馬アアモンドグンシン、オークス馬ミスタカシマを中心とした4歳勢は切れ味のある馬たちが揃っている。一方、群雄割拠の5歳勢。柏林賞を勝ったジェイワンは残念ながら引退したが、ダービー、天馬賞の定量戦で力を見せ、古馬との一戦チャンピオンカップでも勝ったメジロゴーリキ、夏の世代間重賞はまなす賞で混戦を抜け出し優勝、チャンピオンカップでも好走したマツカゼウンカイなど個性派揃い。両世代入り乱れての混戦が予想されるが、果たして抜け出すのはどの馬か。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 メジロゴーリキ:天馬賞の勝ち馬で、2月のチャンピオンカップでは古馬相手に逃げ切った。3歳時ダービーにも勝っており大レースに強い。ハナを切れる先行力と障害力がモットー。かつてパワー一辺倒であったが最近は馬体が絞れて動きが良くなった。
 2 ミスタカシマ:今年度のオークス馬。ばんえい菊花賞にも勝っている。ダービーでは牝馬ながら1番人気。この時は馬場や体調面で厳しかったが、順調なら世代トップクラスであることに違いない。先頭集団に付け直線で抜け出す流れ、障害はこなす。
 3 コウシュハレガシー:4歳の賞金ランクで5番目。重賞は常連だが未勝利で、3歳の3冠はいずれも3着に入るなど地味な存在になっている。安定した走りで障害もまずまずこなすが、なぜかインパクトに欠ける。メジロゴーリキとの兄弟対決が見もの。
 4 ゴールデンフウジン:5歳馬でメヂカラら回避馬が出てこの馬にチャンスが巡ってきた。2歳時ナナカマド賞に勝って以来重賞勝ちからは遠ざかっているが、今年正月の天馬賞でわずか0.1秒の差の2着と健闘。切れ味には自信を持つ。障害がカギ。
 5 キタノユウジロウ:4歳の賞金ランクで3番目。重賞は未勝利だが、今年度のダービー2着などの実績がある。馬格があり力強い。脚質はやや後方で待機し、直線で勝負する。一瞬の切れ味よりもじわじわ伸びてくるタイプ。速すぎる流れだと厳しいか。
 6 アアモンドグンシン:今年度のダービー馬。大賞典でも勝利するなど4歳世代では大将格だが、古馬一線級相手ではさすがに力の差を見せつけられている。抜群の切れ味がモットー。先行力もある。課題は障害だが落ち着いて走れれば問題なくさばける。
 7 ミノルシャープ:銀河賞の勝ち馬。ドリームエイジカップでも古馬相手に勝利目前のところまで行った。先行力と豊富なスピードを持っており、障害力もしっかりしているが、最後の5mでどうしても緩んでしまいそれがこの馬の最大の課題。前に行きたい。
 8 オレワチャンピオン:4歳の賞金ランクで4番目。重賞は2歳時にヤングCSを勝っている。先行力と障害力が持ち味で、スピードも持ち合わせているが、切れる脚はなく、なんとか先頭で障害を下ろして最後の直線で粘りこむ流れに持ち込みたい。
 9 カネサスペシャル:ジェイワンが引退したことによりこの馬に出走権が回ってきた、とはいうもののこの馬も大賞典勝ち馬。好位につけ、障害を越えてからじわじわ追いついて抜け出すタイプで、重賞向けの走りといえる。ここは存在感を示したいところ。
 10 マツカゼウンカイ:今年度のはまなす賞の勝ち馬、地味ながらも重賞で好走しており侮れない。古馬相手のチャンピオンカップでは積極的なレースで3着に粘り込んだ。好位につけて、直線の我慢比べで抜け出す展開。障害はこなす程度。軽馬場は歓迎。

【はむ!の見解まとめ】
  見どころでも述べたように、今年は4歳、5歳両世代とも骨っぽいメンバーが揃っており、予想はなかなか難しい。力関係ではやはり5歳世代の方がレース経験が多い分強そうだが、スピードがあり動きの良い馬が多い4歳世代は、ハンデ面でも恵まれており、大混戦は必至だ。
  展開は、やはりメジロゴーリキが前を行くか。ただマークされる立場であり荷物も重いので、何がなんでもというわけではなく、他馬を牽制しながら進むといったところか、むしろミノルシャープのように直線に不安のある馬たちが早めに前に行くか。他にはマツカゼウンカイ、4歳馬ではミスタカシマ、アアモンドグンシンといったところが先行馬についていくか。ただ4歳勢の軽ハンデの馬が積極的に出ることも考えられる。先行勢は障害も上手い馬が多いので、あとはどの位置で降りられるかといったところ。もたつくようだと後続から一気にということもあり得る。
  予想は非常に難しいが、当欄では4歳馬から◎(5)キタノユウジロウがハンデ面や展開面で恵まれているとみて本命とした。前半うまく好位置につけられれば、直線の追い比べでは引けを取らない。最後まで走りきれる脚もあり有力とみる。
  2番手評価として、堅いところでメンバー中実力ナンバー1の○(1)メジロゴーリキを推す。チャンピオンカップでオレノココロら古馬一線級を完封した走りはやはりただ者ではない。ハンデは重いが、過去の実力馬はこれぐらいのハンデでも勝ってきている。しっかり逃げられれば。そして天馬賞でメジロゴーリキと大接戦を演じた▲(4)ゴールデンフウジンが繰り上がり出走ながら有力の一頭。直線の切れ味は抜群。出走の強運を生かせるか。障害次第か。
  その次には△(3)コウシュハレガシーを持ってきた。この馬も750kgの軽ハンデが魅力。展開に左右されない走りができ、意外としぶとい面もある。連候補に残したい。ダービー馬注(6)アアモンドグンシンももちろんノーマークというわけにはいかない。4歳で790kgというハンデは厳しいが、前走古馬重賞では810kgでそこそこ走れており、経験したことが大きい。直線の切れ味は素晴らしいものを持っている。相対的評価としてこの位置だが、勢いに乗れば勝ちきることも。
  あとは(10)マツカゼウンカイも前走重賞で積極的なレースを展開して好走。今回はやや荷物が重い感じはするが、しぶとく粘れる脚もあり侮れない。牝馬(2)ミスタカシマをどう取るか。このメンバーでも遜色はなく、展開面でも引けは取らないが、オークス勝利以降やや疲れも見え、レース間隔が開いているのが気になる。立て直せていれば。あとは(9)カネサスペシャルは上手く流れればしぶといが展開的にどうか。(7)ミノルシャープ(8)オレワチャンピオンは直線の失速が心配。

はむ!の馬券狙いどころ:
  年度末の大一番ばんえい記念を控えて資金をキープしたいところだが、その前に開かれるポプラ賞はいつも難解、特に今回は超難解となっている。予想の上ではキタノユウジロウがやってくれる気がするが、馬券的には自信が全くない。どうしても手広く行かざるを得ないので、頭は3頭に絞り、印が届かなかったところはワイドでカバーしつつ半分あきらめということで。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 5,1,4→5,1,4,3,6→5,1,4,3,6 合計36通り 各100円
  枠複 5,1,4 BOX 合計3通り 各300円
  合計 4,500円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 5 500円  
  ワイド 4=5,3,6,10 10=5,3,6 合計7点 各100円
  合計 1,200円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

(コラム)名牝キサラキクなど
  前回のコラム欄で、年度替わりでばんえいの馬も出会いと別れがあるようなことについて触れましたが、その中でもばんえい一線級で活躍し人気もあった牝馬キサラキクについて述べたいと思います。かつて、ばんえいにも名牝と呼ばれる強い牝馬は結構いました。ハイトップレディやサダエリコ、アンローズ、フクイズミなど牡馬相手でも堂々と重賞勝ちを収める馬もよく出ておりました。しかし近年はそういう馬もめっきり減っていて(理由ははっきりしませんが、馬の総数が減ってきたのも一因か)久しく互角に戦える強い牝馬が出ておりませんでした。そんな中、牡馬と対等に戦える馬がキサラキクでした。オークスなど牝馬同士の重賞はもちろん、イレネー記念、ダービーなど牡馬相手での重賞でもほぼハナ差の2着(この時勝ったのがいずれも後に連勝記録を打ち立てるホクショウマサル)、そして世代重賞のBG1天馬賞では牡馬勢をかわし快勝。さらには古馬相手のドリームエイジカップでも勝利しました。キサラキクは切れ味と最後まで走れる力強さを兼ね備えた強い牝馬でしたが、一方では、気まぐれで、障害が上がらないというより上がる気がないような素振りが見られることもありました。そこがまた愛嬌とも言えるでしょう。また、ばんえいでは減っていた芦毛の馬で、デビュー当初は白さはなかったのですが、段々白い毛が目立つようになるとまだら模様の馬体が個性的で、そういう面でも人気がありました。今後走り続けても重賞を勝てるくらいの力は持っている馬ですが、後の世代につなげることになったようです。現在のばんえいは、今回のポプラ賞にも出る5歳のミスタカシマがかろうじて今後どれぐらい強くなるかという期待があがるくらいの状況です。競馬全体ではJRAのアーモンドアイなど牝馬のスターが活躍しています。ばんえいにも、今後また強い牝馬が出てきて盛り上がることを祈るばかりです。

2019年3月4日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第50回イレネー記念(3/3)

ばんえい重賞レース回顧
第50回イレネー記念(BG1)-2019年3月3日-10R 200m直 晴 1.0%
  1着△(10)メムロボブサップ(阿部武) 1分58秒8
  2着◎(3)ギンノダイマオー
  3着○(8)アオノブラック
   単勝 10 290円(1番人気) 馬複 3-10 490円 三連単 10-3-8 3,290円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○▲等の印は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい明け3歳の王者決定戦、第50回イレネー記念は、1番人気のメムロボブサップが障害2番手から力強く抜け出し快勝。三冠1戦目のナナカマド賞に続き、重賞2勝目となった。阿部武臣騎手はイレネー記念は2013年のホクショウマサル以来6年ぶり2度目、重賞は今年度ダービー以来で通算19勝目。

レース振り返り
  帯広は晴天が続き雪も降らず、この時期にしては気温も高く乾燥して、時計もかなり要する重い馬場であった。
  レースは、各馬勢いよく飛び出したが、スタート直後にアオノブラックが立ち上がり気味となり一歩出遅れ。しかしすぐに追いつき、第1障害を越えてすぐほぼ横一線に。各馬早めに刻みを入れ始めてからはペースが落ち着いた。そして先行されるとみられたインビクタが徐々に押し出されるように前へ、これにエースモリウチ、そしてギンノダイマオーあたりがついて行く。各馬刻みを入れていく中でばらついた展開に、ハイトップフーガとサクラドリーマーが後方から行く形になった。インビクタはそれほど大きくは逃げず、むしろエースモリウチが横に並ぶ形になり、第2障害手前に到達。これにギンノダイマオーとジェイカトレアが追いついた。ここまで63秒。
  障害を真っ先に仕掛けたのはやはりインビクタ。しかし坂の8分目あたりでストップ。他も4,5頭が一斉に挑戦するが、いずれも苦戦。その中でギンノダイマオーが一歩ずつ力強く踏み込んで障害を越えて、先頭で最後の直線に入った。その他の各馬がもたつく中、一歩後ろで待機していた大外枠のメムロボブサップが勢いを付けて障害を軽くクリア、その後はアオノブラックが2腰ほどで障害を越えこれに続いた。先頭争いは2番人気ギンノダイマオーが逃げ込みを図り、1番人気のメムロボブサップがこれを追っていく展開で、両者ともスピードは落ちずこの2頭の一騎打ちとなった。しかし前で粘っていたギンノダイマオーが残り10mのところで詰まった。そこをすかさずメムロボブサップがかわし、そのまま緩むことなくゴールまで駆け抜けた。立て直したギンノダイマオーが2着。その後は、直線で終始3番手を進んでいたアオノブラックが、最後は一杯になったものの後続とは差があり粘って3着。結局ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップと同じ3頭が1~3着を占めた。(ナナカマド賞とは着順も同じであった。)なお、連勝で3番人気まで推された上がり馬サクラドリーマーは終始後方で障害にも時間がかかり6着に終わった。

次走へのメモ
メムロボブサップ(1着):重馬場でかつ初めての高重量の荷物という厳しい条件と思えないほど軽い動きであった。前半にペースがゆったりしたことでしっかり構えて進め、障害も落ち着いてさばけたというところか。障害を降りれば一瞬の切れ味で射程圏内へ、そしてしっかり前をかわしてゴールを駆け抜けた。過去10年で最も馬体重の軽い勝ち馬ということも特筆もの。動きの良さはあるので、今後さらに成長して力を付けてくれば大成しそうだ。来シーズンのクラシック路線の柱となることは間違いない。
ギンノダイマオー(2着):先行して障害もしっかり越え、直線もしっかり歩き、この馬としてはこれ以上ない走りをしていた。三冠いずれも2着と名前のとおりの「銀」コレクター、これでも立派な成績だが、勝ちきるにはやはり決め手が欲しいところ。この馬の持ち味である安定感が、かえって他の目標にされやすくなっているともいえる。能力は十分持っているところを見せており、今後もライバルたちとしのぎを削り強くなっていくことが期待される。
アオノブラック(3着):ヤングCS勝ち後、調子を落としていたかようにも見えたが、しっかり立て直してきていた。スタート直後に出遅れたが、これは態勢に影響なかったように見える。むしろ障害でもう一歩力が入っていればというところか。課題を克服してさらなる成長が見込まれる。来シーズンは早めに古馬のレースに出て、揉まれて強くなっていくのも良いか。
アオノゴッド(4着):前走A-2クラスで勝って最後にイレネー記念の出走権を得てきた馬。それでいて10番人気の4着に入ったのは立派。中団の後方から追い込んで掲示板内に食い込んだ。前走の勝ちのイメージを持ってここに臨んできたのが好走の要因か。動きの素軽さがあり、今後もあれゆる場面で見せ場を作れそうだ。
ジェイエース(5着):重賞初出走ということもあり、重量への適性や底を見せていない未知の魅力などで穴人気していた。しかし障害が厳しかった。序盤も荷物が重いこともあり、周りのペースに合わせるのに一杯で自分の走りができていなかったように見えた。課題は見えたので今後立て直してくるだろう。   その他では、注目された上がり馬サクラドリーマー(6着)だが、やはり勢いだけではゴール板は遠かった。前半から位置取りが後ろ過ぎたようにも見える。障害でも課題が残った。ハイトップフーガ(7着)はこの強い相手の中で自分のペースで走り切った、良い経験になったのではないか。これら下位の馬も、今後の成長が楽しみであるだけでなく、軽馬場になれば一変する可能性のある馬も多く、来シーズンに向け目が離せない。

はむ!の予想(馬券)結果
  (通常分)今回 -300   (配当)4,400 (投入)4,700
  (単複・ワイド)今回 -400   (配当)800 (投入)1,200
  今年度累計 -17,960 (3/3・イレネー記念終了時点)
    通常  -4,720 (配当 92,880 - 投入 97,600)
   単・ワ -13,240 (配当 21,860 - 投入 35,100)
  本命にしたギンノダイマオーが2着で、△まで落としたボブサップがきたものの、今回はBOXで買っていたためなんとか引っかかった。とはいうもののまたわずかな取りガミで、馬券の下手さは相変わらずなわけだが、ここ数戦ズルズルと負け続けていただけに、わずかながら歯止めがかかってホッというところか。残り2戦、プラスになるに越したことはないが、とにかくこれ以上負けが増えないようにしたい。

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2018データ・馬券成績表)

  次の重賞は、また来週あります。3月10日、4歳5歳の世代別対抗重賞、ポプラ賞(BG3)です。そしてさらのその二週間後にはいよいよ大一番ばんえい記念も近づいています。予想はいつもどおり前日までには書きたいと思います。

2019年3月2日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第50回イレネー記念(3/3・帯広10R)

  ばんえいの3週続きの重賞の第2弾は明け3歳馬のチャンピオン決定戦、BG1のイレネー記念です。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第50回イレネー記念(BG1)
(2019年3月3日(日)18:00発走 帯広10R ダ200m 3歳オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  ハイトップフーガ 牝3 670 村上章 松井浩 栗毛 先
父ウンカイ
  ジェイカトレア 牝3 670 西将太 平田義 青毛 追
父トカチタカラ
ギンノダイマオー 牡3 690 藤野俊 松井浩 芦毛 先
父キタノドリーマー
ジェイエース 牡3 690 鈴木恵 松井浩 栗毛 差
父ウンカイ
  アオノゴッド 牡3 690 島津新 金田勇 栗毛 差
父マルニセンプー
  エースモリウチ 牡3 690 西謙一 西弘美 鹿毛 先
父アカダケキング
  インビクタ 牡3 690 藤本匠 松井浩 青毛 逃
父イッスンボウシ
アオノブラック 牡3 690 菊池一 金田勇 鹿毛 差
父ケンジュオー
サクラドリーマー 牡3 690 工藤篤 今井茂 鹿毛 追
父キタノドリーマー
10 メムロボブサップ 牡3 690 阿部武 坂本東 鹿毛 逃
父ナリタボブサップ
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「イレネー記念」の概要と傾向
  ばんえいの2歳(明け3歳)世代の三冠レース最終戦である以上に、ばんえいで唯一顕著馬の名前がつく重賞で格付けはBG1、今年で50回目を数え、ダービー以上に格調高いレースである。第1回以降一貫して帯広で開催されている。過去の勝ち馬を見ると、後に最高峰のばんえい記念を勝つ馬はニューフロンテヤとキタノタイショウの2頭のみ。力のある馬より、成長の早いスピード馬が有利となっている。JRAでいえば皐月賞と朝日杯FSを足して2で割ったような位置づけというところか。
  過去10年で1番人気は(3,3,2,2)とまずまず。大敗はないものの勝ちきれないことも多い。逆に2番人気が(5,2,2,1)とこちらの方が狙い目か。定量戦であるので大荒れは少ないが、混戦の場合は下位人気にも注意しておいた方が良いか。時計は馬場にもよるが2分弱というところで、この年齢にしては未経験の重さの荷物ということもありスピードだけでは押しきれない。過去10年の勝ち馬の馬体重は990kg以上となっており、ここからも、ある程度成長して力を付けていることが必要であることがわかる。実績は重賞勝ちにはこだわらないが、ヤングCS勝ち馬2勝に対し、ナナカマド賞勝ち馬が4勝とこちらがやや有利。牝馬の優勝は過去2頭のみで1999年アーティガール以来19年勝っていない。連対も2004年(エンジュオウカン)以来14年も遠ざかっており圧倒的不利。騎手については、過去には大河原騎手(現調教師)などこのレースに強い騎手がいたが、現役では鈴木恵介騎手の3勝が最高で特に傾向はない。ただ若手はほとんど勝てていない。

今回のみどころ
  今年の明け3歳世代は上位拮抗。三冠の第1弾ナナカマド賞はメムロボブサップ、第2弾ヤングチャンピオンシップ(今後「ヤングCS」と略します。)はアオノブラック、そして両レースで2着のギンノダイマオー、の上位3頭が切磋琢磨を繰り返しつつリードしてきたが、ここに来て上昇気流にあるのがサクラドリーマー。鋭い切れ味で連勝し戦線に加わってきた。どこまで食い込んでくるかも見もの。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 ハイトップフーガ:黒ユリ賞では果敢に先行、障害も力強くひと腰で越えた。最後はジェイカトレアの切れ味に敗れたが人気馬総崩れの中で2着に粘った走りは印象的だ。馬体重が1070kg台と牡馬を含めて世代では最も大きい。その体を生かした力強い走りがモットー。今回の相手でも、ペースが落ち着き前半しっかりついて行ければあれよあれよと逃げ粘るような展開になるか。
 2 ジェイカトレア:牝馬重賞の黒ユリ賞勝ち馬。この時は人気薄ながら直線の切れ味で優勝した。牝馬ながら馬体順1050kg台の雄大な馬格、平場戦の速いペースの時はこの体を持て余し障害でも引っかかる場面が見られたが、重賞のようにペースが落ち着けば自分のペースに持ちこめ力強さを発揮する。末脚もしっかりしており、牡馬相手でも見劣りはしないがどこまでやれるか。
 3 ギンノダイマオー:デビューから4連勝。ナナカマド賞、ヤングCSはいずれも2着。ライバルたちと激しいバトルを繰り広げながらも常に上位に入っており過去15走で13連対3着1回、前走4着と初めて着を外したが差はわずか。馬場状態やペースにも左右されない強みがある。障害も巧者の部類。最後の接戦になったときに勝ちきるだけの粘りを発揮できるか。好位には付けたい。
 4 ジェイエース:能検1番時計で、潜在能力はありながら重賞の出走権に恵まれず、今回重賞初挑戦がいきなりこのレースになった。同厩舎に有力馬が多いこともあり、影に隠れた存在ではあるが、最上位クラスで常に勝負になるレースを展開している。障害は得意とは言えないが、これまで崩れず乗り越え、持ち前の切れ味でリカバリーしている。直線勝負に持ち込めればチャンスも。
 5 アオノゴッド:重賞も特別戦も未出走であったが、直前のA-2クラスのレースで快勝し最後のイレネー記念の切符を手にして出走にこぎつけた。これまでもA~Bクラスのレースで掲示板内に確実に入り、力は持っている。脚質的には前半控えて、障害はしっかり越えて直線で加速していくタイプ。あまり前が早いと置いて行かれる可能性はあるが、ペースが落ち着けば追って行けそう。
トーだが、切れる脚を持っておらずペースが速くなると厳しい。ただ荷物が重くなって各馬が苦しめば浮上する可能性も。
 6 エースモリウチ:重賞はヤングCSのみ。この時は持ち前の障害の上手さを発揮し、直線で一旦先頭に立つなど見せ場を作った。特別戦でも青雲賞2着、北央産駒特別では2着に20秒以上をつけて圧勝している。どのような展開でも対応できるが、直線での切れ味は他の有力馬に見劣りするので前半先頭グループにはつけたい。馬体重が増えてこないなど体調面での心配はある。
 7 インビクタ:ナナカマド賞5着、ヤングCSは9着。抜群の先行力でトップ馬相手でもハナは譲らない。障害もしっかりこなす。しかし最後の切れ味とスタミナ面に課題がある。しかし大崩れしたのはヤングYCのみ、この時も果敢に攻めて大逃げを打った末での崩れ。結果的には同厩舎のギンノダイマオーのアシスト役になっている。軽馬場になれば逃げ切りも可能か。
 8 アオノブラック:暮れの重賞ヤングCSの勝ち馬。デビュー当時は遅れをとっていたが、時期が進むにつれ馬体も急成長しメキメキ力を付けてきた。脚質的には差しタイプで、好位につけて中団から直線で抜け出すレースを見せる。障害もこれまでのところ崩れはなくスムーズ。馬格もあり高重量の荷物にも対応できそうだ。ただあまり速いペースになると追いつかないことも。
 9 サクラドリーマー:重賞初出走、特別戦は十勝産駒特別で10番人気ながら4着に入っている。シーズン当初は若さが目立ち、重賞出走の機会も逃していたが、ここに来て本格化。特に前走は後方から鋭い切れ味を見せ差し切り勝ち、素質開花を感じさせた。元々は障害があまり得意でない方で、時折大敗することもあったが、ここにきて馬体も成長し、苦手も克服しつつある印象。
 10 メムロボブサップ:ナナカマド賞では、直線の追い比べから切れ味の差で快勝。ハンデを背負ったヤングCSでは障害でわずかに出遅れ3着。実績は申し分なく定量戦なら持てる力をそのまま発揮できそう。馬体重が900kg台前半とまだ成長途上、見た目もフワフワした感じだが、その分素軽い動きで立ち回れる。障害はまずまず。前半からうまく流れに乗れるかがポイント。

【はむ!の見解まとめ】
  いよいよ明け3歳最高峰のイレネー記念。この世代は昨年秋ごろまでは当初メムロボブサップとギンノダイマオーの2強のように思われ、ナナカマド賞ではメムロボブサップ1着、ギンノダイマオー2着であったが、その後、まずアオノブラックが出てきてヤングCSを勝ち、そしてここにきてサクラドリーマーがものすごい勢いで上がって来た。後発の馬たちは鋭い切れ味で勝負する馬が多く、これに対して春から活躍していた馬は前に行って粘るタイプが多い。各馬絡み合って混戦模様。展開や馬場状態によってもかなり左右されそう。当欄は少し早めに書くので、予想のファクターとしてはどうしても過去の成績などが中心となるが、できれば当日の各馬の気配なども見ながら予想を組み立てていきたいところ。
  展開は、まずはインビクタが何が何でも前に行くだろう。ただこれまでで最も重い荷物なので、どこまで逃げられるか、それにより後続の馬たちがどこまで絡んで来られるかというところ。同厩舎のギンノダイマオーはこれに付けるだろうし、メムロボブサップ、エースモリウチあたりも前の方で展開するだろう。ジェイエースも障害を意識してなんとか前に付けたいところ。アオノブラックはその次か、そして末脚にかけるサクラドリーマーはどの位置に付けられるか。先行馬勢は、障害もある程度こなせるので引き離して行きたいところだが、タイミング一つで流れが変わることも。
  そして予想だが、当欄ではこれまで、ナナカマド賞、ヤングCSとも本命をギンノダイマオーにして、いずれも2着であったことからここは初志貫徹、イレネー記念の本命も◎(3)ギンノダイマオーでいきたい。前々走までは全て3着以内の安定性、前走こそ混戦に巻き込まれ4着に沈んだが、決して大敗はしていない。障害も上手だし、切れ味もあるのであとは最後の10mをしっかり走り切れれば、後続を断ち切ることは可能。
  対抗には、ヤングCS勝ち馬の○(8)アオノブラックを挙げたい。年末あたりは非常に勢いがあった。ここにきて若干動きが重くなり、2戦連続で着外に沈んでいるのが心配だが、ハンデ差もあり大負けしているわけではない。ここは一息入れて立て直しを図ってきた。直線の脚はしっかりしているし、重い荷物にも対応できそう。人気を落とすようだと更に狙い目か。そして怖い怖い上がり馬▲(9)サクラドリーマー。前走、前々走のように直線をキャンターで駆け抜けるものすごい脚を見せられると、もしかして主役交代とも感じさせる。奇しくもギンノダイマオーと同じキタノドリーマー産駒だが、これほどまでに脚質が違うのかというイメージ。ただ、重賞でしかも初めての690kgの荷物、これまでと同様に剛脚が見られるのか。また、障害に一抹の不安があり、展開もカギになる。ということでこの馬は当欄では単穴とした。狙い目の馬を挙げていくと、実績馬△(10)メムロボブサップの評価が相対的に低くなってしまった。実力は申し分ない。ただこの馬はまだ成長途上のイメージがあって、道中若干フラついたりすることがあり、持てる力を全て出し切っていないようにも見える。そんな中、今回大外に入ったことで障害なども含めて不安材料が見える。負担重量も微妙。ただ定量戦でもあり、自分の力を普通に出せれば勝ち負けまで。
  あとは、一方、能検1番時計など素質がありながら重賞出走の機会がなかった注(4)ジェイエース。一発があるとすればこの馬だろう。実績のあるウンカイ産駒、大きいレースの方が走れそう。障害をしっかり切れれば面白いことになりそうだ。他では、最後に出走権を得てきた(5)アオノゴッドは、ペースが遅くなり、前半でついていければ直線勝負で見せ場もありそう。(6)エースモリウチは先行できれば粘り込みも。牝馬勢はいずれも力はあるが今回は厳しそう。

はむ!の馬券狙いどころ:
  重賞も残り3つ。但し、ここ2戦ほどほぼゼロ配当の大外れでまた赤字街道に入っているだけに、流れを引き戻したい。イレネー記念は定量戦で世代チャンピオンを決める一戦。狙いは絞れそうだが、馬券になるとまた組み合わせでやられそう。買い方をなんとか工夫していきたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 BOX 3,8,9,10 合計24通り 各100円
   3→8,9,10→8,9,10,4 合計9通り 各100円
  馬複  BOX 3,8,9,10 合計6通り 各100円
  枠複  3=7,8 8=7,8 合計4通り 各200円
 合計 4,700円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 3 500円
  ワイド 8=3,9,10,4 4=3,9,10 合計7点 各100円
  合計 1,200円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。
(コラム)年度
  日本の競馬の1年は、JRAは1月に始まり12月に終わる暦年を、地方競馬では、基本は4月から3月までのいわゆる会計年度を取っている場合が多いです。もっとも地方でも年度代表馬やリーディングなどは暦年進行を取ることもあり、まちまちです。一方、ばんえいは完全に年度による進行となり、1年は4月に始まり3月に終わります。これは冬期に開かれない期間があったことにより年度進行の方が都合が良いからでしょう。(地方競馬では岩手や金沢のように冬期休業の期間があり、こちらも春になって新年度開幕というイメージです)そして、3月の年度末が近づくと、ばんえいでは引退する馬が出てきます。ばんえいの引退するパターンとしては事故などを除いては、種牡馬又は繁殖牝馬になる(ばんえいの場合は引退してすぐ繁殖に入ることがあります)あるいは年度替わりのクラス編成変えを機に活躍できなかった馬の見切りというのがあります。そのうち前者については、年度末が来る前に引退し、春の繁殖シーズンに備えます。今年度は5歳馬のジェイエースが早めの引退。そして現役牝馬の最上位だったキサラキクが先週引退しました。キサラキクのことについては次回のこの欄でもう少し書きたいと思います。