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 こんにちは!Hamu's Sidewalk Cafeのマスター・はむ!です。
 この第2ブログでは、ばんえい競馬を中心に地方競馬などスポーツ一般中心について語ります。

2019年11月30日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第10回ドリームエイジカップ(12/1)

  今週のばんえいは世代別の対抗重賞、ドリームエイジカップです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想

【出馬表及びはむ!の予想印】
第10回ドリームエイジカップ(BG3)
(2019年12月1日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 4歳以上馬齢選抜別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
オレノココロ 牡9 780 鈴木恵 槻舘重 青毛 差
  コウリキ 牡7 770 西将太 長部幸 鹿毛 差
コウシュハウンカイ 牡9 790 藤本匠 松井浩 栗毛 先
  タカラシップ 牡6 760 阿部武 岩本利 鹿毛 先
メジロゴーリキ 牡5 770 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
  キタノユウジロウ 牡4 770 松田道 村上慎 栗毛 差
  フナノクン 牡6 760 船山蔵 松井浩 栗毛 先
ミノルシャープ 牡5 770 島津新 大友人 鹿毛 逃
アアモンドグンシン セン4 750 長澤幸 小林長 鹿毛 先
  10 センゴクエース 牡7 770 菊池一 槻舘重 鹿毛 追
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ドリームエイジカップ」の概要と傾向
  4歳から8歳以上まで馬の年齢別にそれぞれ賞金上位2頭が選抜されるばんえい独自の出走条件で今年で10回目の開催。それ以前にも「オールスターカップ」という馬齢別選抜のレースが行われていた時期もあったが、2010年以降はグレード格付けされた重賞レースとして確立している。同時期の古馬重賞に比べ負担重量が軽いこと、ハンデ差が大きいレースであることから例年波乱を呼ぶレースである。
  過去9年で1番人気は(2,2,1,4)と苦戦傾向。6番人気以下が4勝で連対数も多く大波乱もしばしば見られる。しかし優勝馬の名前を並べると名馬と呼ばれる馬が多く、ハンデ差などが原因で負けが込んで人気を落としていた実力馬というのが狙い目か。若馬が善戦で5歳馬が過去4勝している。さすがに4歳馬は厳しい。牝馬は出走自体が少ないものの、3年前にキサラキクが勝っている。したがって非力ながらスピードのある馬が四大記念競走では厳しくてもこのレースならチャンスがあるというところか。騎手では鈴木恵介騎手が4勝と抜けている。

今回のみどころ
  今シーズンの古馬重賞戦線は、前半はオレノココロやセンゴクエース、夏はコウシュハウンカイが台頭、そして前回の重賞北見記念では適性を生かしてシンザンボーイが優勝。これらにメジロゴーリキやミノルシャープらの5歳馬勢が好走し、存在感をみせている状況。今回は古馬重賞の中でも負担重量が軽いこと、ハンデ差があることなどがどのように影響するか。特に近走障害での苦戦が続くオレノココロやセンゴクエースが軽くなって一変できるかが注目。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 オレノココロ:ばんえいのトップランナー。今シーズン前半は強さを発揮していたが、その後は若干体調を崩した影響か全体的に動きが悪く苦戦している。前走の特別戦の狩勝賞では8番人気と屈辱的であったが障害は改善してきている。一息入れそろそろエンジン始動か。
 2 コウリキ:7歳馬。昨年のこのレース以来の重賞出走。昨年は直線の切れ味を見せ、勝ち馬とは約6秒差の5着に入った。かつて障害は苦手だったが、近走は前半から積極的に攻めて行き、障害も時間はかかるもののしっかり踏みしめて上がってくる。前半で流れに乗れれば。
 3 コウシュハウンカイ:昨年は好調を維持しながらこのレースの出走権がなく涙をのんだが、今年は文句なく出走。夏は絶好調でグランプリなどで強い勝ち方を見せたが、前走の北見記念では珍しく障害で止まるなど本来の力が出せなかった。重量的には適鞍で立て直しを図る。
 4 タカラシップ:6歳馬。重賞は一昨年のポプラ賞以来で4度目の出走。特別戦では常連だが、今シーズンはあまり成績が上がっていない。先行力がこの馬の持ち味だが、同タイプの馬が多い中でどこまで行けるか。障害は時間はかかるが崩れない。ペースが落ち着けば。
 5 メジロゴーリキ:5歳馬勢の中でも世代トップを行き、今シーズンは古馬トップ馬相手に全て4着以内と安定した成績を上げている。先行力と障害力には自信を持っており、レースを引っ張っていけるだけのものは持っている。最後の粘りは課題だが、今回の条件ならチャンスか。
 6 キタノユウジロウ:4歳馬。ミスタカシマが回避したためこの馬にチャンスが回ってきた。世代重賞では常連だが古馬重賞は初めて。重賞も善戦止まりだったが、ここにきてはまなす賞、銀河賞と連勝し勢いをつけている。安定した走りで自在の展開に対応。障害もこなす。
 7 フナノクン:6歳馬ではマルミゴウカイが登録抹消となり、この馬が世代筆頭となった。重賞は3度目の出走で今回は出走権を最初から取ってきた。切れ味があり粘りも持っているが、今シーズンは行き脚が悪く障害でも手間取るなど伸び悩んでいる。重賞なら巻き返しも。
 8 ミノルシャープ:5歳馬として古馬重賞戦線にも果敢に挑戦。旭川記念や北見記念ではいずれも2着に粘っている。スピードと障害力で押して行ってどこまで粘れるかというのがこの馬の型。以前はジリ貧な面もあったが近走は馬体重も増え最後まで力を出せるようになってきた。
 9 アアモンドグンシン:4歳セン馬。重賞は昨年のダービー以来遠ざかっている。今シーズン前半は障害が上がれず苦戦が続いたが、秋になり充実してきている。北見記念では840kgながら力を見せ5着に粘った一方、その後のオープン戦では軽馬場を味方につけ快勝した。
 10 センゴクエース:7歳馬。今年は3月にばんえい記念勝利後、障害が全く上がらず崩れるシーンが多く苦戦している。夏前には体調も崩しそれ以降は復活の兆しも見えていない。馬体重自体は減っておらず、障害をクリアできれば必ず伸びてくる、あとは気持ち次第。

【はむ!の見解まとめ】
  若馬か実績馬か。特に力のある実績馬がここまで順調とはいえないだけに、若馬にもチャンスは出てくる。
  展開だが、前の方で勝負したい馬が多く、牽制しあいながらもペースは速くなりそう。その中でもミノルシャープ、メジロゴーリキの5歳馬2頭はハナが速く、これらが引っ張る展開か。タカラシップあたりも前に行きたいだろうがついて行けるか。コウシュハウンカイも早めには行きたいが極端に速くならなければ焦る必要はないか。アアモンドグンシン、キタノユウジロウの4歳勢、コウリキ、フナノクンあたりも流れによって前に出て行くことも考えられる。オレノココロやセンゴクエースは必然的に後方からとなりそう。荷物も軽めで早めに行った馬が粘り込むことが考えられ障害の巧拙はかなりものを言いそう。
  そして予想だが、全体の流れを見て、今回は思い切って5歳馬◎(8)ミノルシャープを本命に置いた。しっかり先行し確実に障害が越えられる。昨年は4歳ながら3着の実績。ウィークポイントは最後の詰めだが、最近は力をつけしぶとさも増している。他馬をリードして直線に入れればそのままゴールまで粘り込む展開が考えられる。
  相手だがこちらも5歳馬○(5)メジロゴーリキ。力は十分持っており安定感もあるが、近走は障害を含めやや動きが固いように見える。ただ今回の斤量ならスムーズに動けるか。抜群の先行力はあるが決め手のない分対抗に回した。実力馬▲(3)コウシュハウンカイも北見記念ではまさかの失速だったが、ここでは負けられないところ。しかし流れが速くなれば追走一杯になることも考えられる。ハンデも微妙。展開に左右されそうで安定性のあるこの馬としては珍しく単穴評価とした。
  一発を狙うなら4歳馬△(9)アアモンドグンシン。北見記念での好走を見れば力で見劣りすることはない。障害さえ上手く降りれば最も切れ味のあるのはこの馬だろう。4歳馬不利のデータもハンデ差が生きれば。そして実績馬注(1)オレノココロがどこまで復調しているか。流れ的には不利には見えるが、この馬の本領が発揮されれば最後の末脚は確かだろう。本番は先だが、昨年も優勝しており無視はできない。その他では繰り上がり出走の4歳馬(6)キタノユウジロウの勢いも侮れない。目下絶好調。重量も対応できる。ただ先行馬が強力なのでついて行けるか。そして問題は(10)センゴクエース。障害で苦しんでおりまだ復活まで時間がかかりそうか。たとえ立て直せても、今回は若馬の方が勢いがありそうで、今は見送りが賢明か。

はむ!の馬券狙いどころ:
  今シーズンの収支はなんだかんだ持ちこたえてはいるものの、これから重賞は年末年始に向けて佳境に入ってくる。このへんでスカッとクリーンヒットを打ちたいところ。
  今回の本命は思い切ってミノルシャープ。でも馬券的にはメジロゴーリキとコウシュハウンカイと無難なところを混ぜて、結局手広くなってしまった。枠複あたりでなんとか取りたいところ。ワイドは4歳馬から狙ってみる。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8,5,3→8,5,3,9→8,5,3,9,1 合計27通り 各100円
  枠複 7=5,3,8,1 合計4通り 各400円
  合計 4,300円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 500円
  ワイド 9=8,5,3,1,6 6=8,5,3,1 合計9点 各100円
  合計 1,400円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】BFG(ばんえいフルゲート)その2
  1か月前の北見記念の時に書いた話の続きです。ばんえい競馬において、全てのゲートが埋まるレースをばんえいフルゲート(BFG)と呼んでいるという話をしました。少頭数のレースも馬券を当てやすいとか、それぞれの馬をじっくり見られるというメリットはありますが、やはり全ての馬がゲートに揃うレースの方が面白いし、本当の意味での勝負といえるでしょう。それでは1日でどの程度がBFGとなるのでしょうか。概ね11レース中4~5レースくらいが平均、その中でも2歳戦が多く、古馬戦では全部揃わないことが多いです。昔は頭数も多くフルゲートで行われることが多かったようです。最近は8~9頭立てになることが多く、最近では7月のビッグウェイトカップで直前の取消・除外馬が相次いで出た関係で3頭立てという寂しいレースもありました。
  このようなことになるのは、レース番組の組み方によるところが大きいと思われます。(その詳細についてはまた別の機会に)もっとも、他の地方競馬やJRAでも出走可能頭数まで馬が揃っていないレースの方が多いので、ばんえいだけことさら問題視することはないのですが、元々の出走可能頭数が少ない(10頭)わけですから、せめてゲートが埋まるBFGのレースが見たいものです。

2019年11月18日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第44回クインカップ(11/17)

ばんえい重賞レース回顧
第44回クインカップ(BG3)-2019年11月17日-10R 200m直 晴 1.8%
  1着◎(8)ミスタカシマ(鈴木恵) 2分05秒0
  2着○(6)アフロディーテ
  3着▲(1)サンシルクラポピー
   単勝 8 150円(1番人気) 馬複 6-8 160円 三連単 8-6-1 760円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい4歳牝馬重賞の第44回クインカップは、1番人気のミスタカシマが第2障害を先頭で越え、追いすがる後続を振り切って勝利。重賞は柏林賞に続き6勝目。この世代の牝馬重賞を全て勝利した。鈴木恵介騎手はクインカップは2014年ナナノチカラ以来5年ぶり4度目、今シーズンは柏林賞以来で4勝目通算78勝目。槻舘調教師はこのレース初制覇。

レース振り返り
  この週から帯広競馬場のコースはロードヒーティングが稼働、ゴール前の砂障害が撤去され、冬仕様に変更になった。この週の帯広は金曜日に雪が降り馬場はある程度水分を含んだ状況。ただロータリーハローもかけられており、ややハードな馬場状態であった。
  レースは、揃ったスタートから大外のカイセリュウキ以外ほぼ横一線で第1障害へ。第1障害を越えたあたりから、先行すると予想されたサトクィーンが前に出て、アフロディーテ、ジャスミンガールあたりが先頭集団へ、これにプランセス、最内からサンシルクラポピーと続き、ミスタカシマはこれらを見るようについて行く。各馬小刻みに息を入れながら、同じような態勢で第2障害手前へ。このころにはミスタカシマも追いつき、4,5頭が一線に並び第2障害に到達。ここまで59秒とほぼ平均ペース。
  各馬じっくり溜めたあと、第2障害はまずサトクィーンが仕掛けるが坂の中腹で力が入らずストップ。これを待つように、アフロディーテとミスタカシマがほぼ同時に障害に挑戦、いずれも一歩ずつ力強く障害を越え、2頭ほぼ同時に障害を降りた。後続はかなり離れて、障害をふた腰ほどでまとめたジャスミンガールが3番手、一旦膝を折って立て直したたサンシルクラポピーが4番手、その他は更に障害で苦しんだ。
  先頭争いはアフロディーテとミスタカシマの2頭の完全なマッチレースとなり、全く並んでデッドヒート。しかし残り30mを切ったあたりから徐々にミスタカシマが前に出る。アフロディーテも懸命に追うがじわじわ差が広がっていく。残り10mあたりでは1馬身半差まで広がった。ゴール前ではミスタカシマも緩みかけアフロディーテも食らいつくが、その差は縮まらず、そのままの態勢でゴール。ミスタカシマがトップハンデをものともせず1番人気に応えた。アフロディーテが2着に入り、3着争いは直線でジャスミンガールが粘るところをサンシルクラポピーがかわして3着、ジャスミンガールは後続にも迫られたが4着に入った。4番人気となっていたプランセスは障害が上がらず最下位の10着に終わった。

次走へのメモ
ミスタカシマ(1着):順当勝ちであった。特に今回は遅れを取らないよう前半から先頭集団をぴったりマークするなどかなり攻めていた。それが結果的に逃げ切りという流れになったということであろう。着差は大きくつかなかったように見えるが、逆転の余地もなく、トップハンデなどを考慮すればやはり快勝であった。むしろ併走したアフロディーテがこれ以上ない力を出しても届かないほど強かったと言える。次の狙いは当然BG1の天馬賞だろう。牡馬も含めた世代最強の座をしっかり手にしたいところ。その後は同じくBG1のヒロインズカップで全世代女王をめざすか。
アフロディーテ(2着):先行して障害はひと腰、最後まで粘ってミスタカシマを追い続け差のない2着。この馬としては最高のレースができていたのではと思われる。これで世代重賞はいずれもミスタカシマの2着と結果を見れば残念だが、十分力を付けてきたように感じられる。今後古馬戦線の中に入って特別戦などで活躍しそうだ。賞金を加算したので天馬賞に出走するチャンスも広がり、出られれば面白い存在になりそう。
サンシルクラポピー(3着):心配された障害での崩れが出たが、すぐに立て直せたことで直線の切れ味で3着まで食い込んだ。ペースが落ち着いたことも功を奏したのであろう。このあたりは兄のオイドンを思い出させる力強い動きであった。アフロディーテ同様に天馬賞の出走権が微妙だがやはり出たいところだろう。自己条件でしっかり賞金加算したい。そのためにも障害の克服が課題。
ジャスミンガール(4着):この馬の持ち味である先行力と障害力で果敢に攻めていった。最後は一杯になって、なんとか4着に残った形にはなったが、初めての重賞としては好走といえる。経験値を加えたことで、更に自信を付けたのではないか。自己条件で勝って、また上位で戦えることが期待される。
ウィナーキララ(5着):自分のレースをすることに徹して後方待機、障害も崩れず、最後は掲示板内に入り4着にもあとわずかのところまで迫った。最下位人気であったことを考慮すると好走といえよう。やはりオークスなどを経験していることも作戦上有利になったか。今後にも生かせそう。
  その他では、最後の切符を得て出走してきたカイセリュウキ(6着)は先行することも想定されたが、作戦だったのか出遅れたのか後方からの競馬であった。最後は押し上げての6着だが前に行っていれば展開は違ったかも。テツアズマ(7着)も前回ほどではなかったが障害で苦しんだ。今後のこの馬の課題となりそう。穴人気になっていたプランセス(10着)は障害で崩れた。やはりこの馬は軽い方が力を出せるタイプか。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 三連単 8-6-1 5枚 単勝 8 9枚
  これは安い。◎○▲で当たってプラスにならないなんて。1,2,3番人気だからしょうがないけど。当欄では完全本命できてしまうとプラスにならない仕組みなんだ。でも1点買いとかできないしね。当たったから良しということで。それにしてもミスタカシマはやはり強かった。でもアフロディーテもよく頑張ってた。しかし4歳牝馬世代は結構存在感あるね。またそれぞれのレースでこの世代の馬が出れば狙わせてもらう。
  今回収支 -850
   (通常分) -600  (配当)3,800 (投入)4,400
   (単複・ワイド) -250  (配当)1,350 (投入)1,600
  今年度累計 -11,630(11/17・クインカップ終了時点)
   (通常分) -4,120 (配当 52,380 - 投入 56,500)
   (単複・ワイド) -7,510 (配当 12,090 - 投入 19,600)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回の重賞は2週間後の12月1日、4歳~8歳以上の馬齢別選抜重賞、ドリームエイジカップカップです。予想はいつもどおり前日までには書く予定です。

2019年11月16日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第44回クインカップ(11/17)

  3週続きのばんえい重賞、今週は4歳牝馬の重賞、クインカップです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第44回クインカップ(BG3)
(2019年11月17日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 4歳牝馬オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
サンシルクラポピー 牝4 700 村上章 鈴木邦 栗毛 差
  ウィナーキララ 牝4 680 西将太 大友人 青毛 差
テツアズマ 牝4 690 菊池一 松井浩 青毛 追
  ブレークスルー 牝4 690 藤本匠 長部幸 鹿毛 逃
  ジャスミンガール 牝4 690 渡来心 大友人 鹿毛 先
アフロディーテ 牝4 700 西謙一 西弘美 栗毛 先
プランセス 牝4 690 赤塚健 久田守 青毛 差
ミスタカシマ 牝4 720 鈴木恵 槻舘重 栗毛 先
  サトクィーン 牝4 690 阿部武 大友人 青毛 逃
  10 カイセリュウキ 牝4 680 松田道 坂本東 鹿毛 先
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「クインカップ」の概要と傾向
  ばんえいの場合は4歳世代にも三冠(柏林賞、銀河賞、天馬賞)があるが、さらにこの世代の牝馬重賞として、クインカップが行われている。その歴史は意外に長く44回目。過去の勝ち馬には名牝と呼ばれる実力馬もみられるが、どちらかというと個性派でかつ人気のあった懐かしい名前が並ぶ。成熟した牝馬たちの華やかなレースで興味深い。
  過去10年間では1番人気は(6,1,1,2)と好成績を挙げている。一方、2,3番人気は合わせて1勝と芳しくない。一方、6番人気以下の勝利もなく、基本的には大荒れは少ない。ばんえいオークス馬の勝利は過去10年では1頭(ナナノチカラ)のみ。一方、前月に行われる同条件の特別戦「紅バラ賞」の勝ち馬は5勝しており、実績より調子の良い馬が優先というところか。別定重量によるハンデがあるが、極端な重量差があるときに多少影響する程度。現役騎手では藤野俊一騎手と鈴木恵介騎手がそれぞれこのレースを3勝している。
今回のみどころ
  この世代の牝馬はとにかくミスタカシマが一頭大きく抜けている。牡馬を含めて世代トップの座におり、柏林賞でも有力牡馬勢を抑えて快勝。ここでは格が違いすぎる。唯一ポイントがあるとすればハンデ差のみ。しかし重賞の場合のハンデ差はわずか。打倒ミスタカシマの一番手は、黒ユリ賞、ばんえいオークスでいずれも2着だったアフロディーテ。調子も上がってきている。その他上位常連のサンシルクラポピーや、ここにきて上昇してきた馬も何頭かいるが、ミスタカシマが中心となることは仕方のないことだろう。どんな走りを見せるか注目。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 サンシルクラポピー:重賞は過去2度の出走で黒ユリ賞3着の実績。スピードが自慢で、2走前の軽量戦・疾風賞ではトップクラスのスピード馬を完封して快勝。障害がポイントだが、何腰かかかっても早めに立て直せれば追いつくだけの切れ味はある。
 2 ウィナーキララ:重賞はばんえいオークスのみに出走。この時は追走一杯で9着。トライアルの紅バラ賞ではほぼ最後方から前の馬を拾って5着まで押し上がった。父カネサブラックと母父サカノタイソンという注目の血統。重量があれば素質開花か。
 3 テツアズマ:デビュー後は素質はあったものの体も小さく力不足感があった。その後徐々に力をつけ、近走は小気味よい切れ味のある走りで上位に進出してきた。障害は得意とは言えない。紅バラ賞では久々の特別戦で戸惑ったせいか最下位に沈んだ。
 4 ブレークスルー:重賞初出走。目立った実績はなかったが、今シーズンあたりからは馬体も充実して好走パターンも多く、2走前の疾風賞では古馬一線級のスピード馬を相手に3着に入り素質の片鱗を見せた。障害は課題だが越えられれば一発も。
 5 ジャスミンガール:重賞は初出走。準重賞のばんえいプリンセス賞で8着、トライアルの紅バラ賞で7着と目立った実績はない。先行力があり直線も切れ味はないがしっかり走りきれるタイプなので、流れに乗れれば粘り込みも。障害もある程度こなせる。
 6 アフロディーテ:重賞は黒ユリ賞、ばんえいオークスともに2着。世代2番手の牝馬という位置づけである。但し自己条件なら滅法強くトライアルの紅バラ賞ではハンデ差も生かして逃げ粘った。ただ逃げ馬というより好位差しタイプ。障害もこなす。
 7 プランセス:2歳時からスピードと勢いがあり期待されたが、重賞は黒ユリ賞6着、オークス7着と、今一つ成績が上がらなかった。しかし4歳になり馬体増も含めて落ち着きが出てきた。障害が苦手というわけではないが、流れによりミスが出ることも。
 8 ミスタカシマ:ここまでばんえいオークスのほか、ナナカマド賞、ばんえい菊花賞、柏林賞といずれも牡馬勢を抑えて優勝。終始安定した走り、そして馬格的にも世代トップの風格がある。あとはハンデのみだが今回の条件なら問題ないだろう。
 9 サトクィーン:世代の牝馬の上位リストには常に入っており、重賞は黒ユリ賞とオークスに出走。しかしいずれも大きく敗れている。先行力がありハナを奪いに行くこともしばしば、障害力もあるが、直線ではスタミナ切れの傾向。軽馬場なら一変も。
 10 カイセリュウキ:激しい出走権争いの末2走前に接戦を勝って最後の切符をつかんできた。重賞出走は10着だった黒ユリ賞以来。当時より馬体も大きく成長し力を付けてきている。先行できるタイプではあるが障害はさほど得意ではない。時計がかかれば。

【はむ!の見解まとめ】
  とにかく実力だけならミスタカシマが何枚も上、あとは自身の大きなミスが出るかくらいしか逆転の要素がないだろう。トライアルの紅バラ賞では40kgのハンデ差でようやくアフロディーテが逃げ切れたが、今回のハンデ差は20kg。普通に考えてミスタカシマが何歩も抜けていることは否めない。
  展開予想だが、ハナに行きたいのはサトクィーン。この馬は前に行けないとまず勝ち目はない。アフロディーテもできるだけ先行してくるだろう。少なくともミスタカシマより前で競馬をしたいところ。ミスタカシマはそれほど慌てることはないが、自然と前に出て行くことになるだろう。それで他馬が慌てると思うつぼ。あとはスピード馬のサンシルクラポピーやブレークスルーあたりも、障害のことを考えると前に行きたいところ。その他ジャスミンガール、カイセリュウキなど先行したい馬が多く必然的に全体的にペースが速くなりそう。
  そして、当欄の見解だが、やはり◎(8)ミスタカシマには逆らえないだろう。ハンデはあるものの経験している重量だし、そもそも力が違いすぎる。勝てる可能性の大きい銀河賞を回避してでもここに合わせて調整してきており、余程のミスが出ない限り他馬が逆転する余地はほとんどないだろう。
  相手も堅いところで○(6)アフロディーテ。ミスタカシマを本気で負かせに行くかどうかで展開は変わってくるが、無理に行くと自滅も。先行力と障害力があり他馬より安定度が高く、着実に2着狙いに徹してくると、やはり重量2着2回のこの馬が強いだろう。一発を狙うなら、障害のリスクがあっても切れ味のある馬を狙いたい。そうすると▲(1)サンシルクラポピーが浮上する。軽量戦の疾風賞で勝つなどスピードは抜群だが、障害に難があり、特に大きいレースでは力を出し切れていない。しかし今回の相手で流れを上手くつかんで障害を越えれば食い込んでくる。若馬のころはかなり期待されていた△(7)プランセスもようやく安定した力が出せるようになってきた。粘り合いに持ちこめれば上位のチャンスも。
  その他では、上がり馬注(3)テツアズマは紅バラ賞では自分の走りができなかったが、持ち味の素軽さが出て障害を上手く切って来れればチャンスも。あとは先行力で階段を駆け上がってきた(10)カイセリュウキ、スピードのある(4)ブレークスルーあたりの走りには注目したいが、上位進出まではどうか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  さすがに3週連続は金銭的にもきつい。菊花賞では3頭目がなんとかうまく引っかかってくれたもののまだ心許ない。ここでしっかり当てて年末に向けた資金を確保したいものだ。今回はミスタカシマが堅いがアフロディーテも好調なので、この2頭は表裏と攻めたい。裏が来てくれればそこそこ配当付きそうだが。あとはどれだけ絞れるか。たくさん買っているようだが重み付けにしている。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8=6→1,7,3,10,4 合計10通り 各200円
      8=6→1,7,3 合計6通り 各100円
      8→6,1,7→6,1,7,3 合計9通り 各200円 合計 4,400円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 900円
  ワイド 3=6,1,7,10 7=6,1,10 合計7点 各100円
  合計 1,600円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】ばんえい8年ぶりの新人騎手
  先日14日にばんえい競馬にとって久々の朗報がありました。本年度の騎手免許試験の合格者が発表され、ばんえい競馬では2011年に舘澤騎手がデビューして以来8年ぶりの新人騎手が誕生することになりました。新しい合格者は現在小林厩舎に所属する林康文(はやしやすふみ)厩務員です。同人は1981年生まれの38歳。兵庫県出身で元漁師という異色の経歴の持ち主。詳細はまたデビュー以降インタビューなどで明らかになっていくことでしょう。プロ選手というカテゴリーでは特別の遅咲きではありますが、逆にいうとチャレンジする気持ちさえあればチャンスは生じるということでしょう。大いに活躍を期待したいものです。11月現在ばんえいの騎手はわずか18人。この8年相次いで引退・廃業となった騎手はいたものの、新たな騎手の誕生がなく本当に危機的な状況でありました。そしてまだ厳しい状況は続きます。引き続きばんえい騎手を目指す馬好きの志士の挑戦が待たれるところです。

2019年11月12日火曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第44回ばんえい菊花賞(11/10)

ばんえい重賞レース回顧
第44回ばんえい菊花賞(BG2)-2019年11月10日-10R 200m直 晴 0.9%
  1着○(6)メムロボブサップ(阿部武) 1分43秒8
  2着◎(2)アオノブラック
  3着 (7)アオノゴッド
   単勝 6 180円(1番人気) 馬複 2-6 180円 三連単 6-2-7 4,800円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい3歳重賞クラシック第2弾の第44回ばんえい菊花賞は、1番人気のメムロボブサップが序盤から主導権を握り後続を断ち切って快勝。これでばんえい大賞典に続き3歳二冠を達成。重賞は通算4勝目となった。阿部武臣騎手はばんえい菊花賞初制覇。今季は先週の北見記念に続き重賞3勝目で通算23勝目。坂本調教師もこのレース初制覇で通算重賞10勝目。

レース振り返り
  この週の帯広は降水がほとんどなかったが気温が低く推移、馬場は乾燥していたものの脚抜けが丁度良く、水分表示に比して時計の出る馬場であった。
  レースは、スタートから各馬勢いよく飛び出しキャンター気味に第1障害まで駆ける。第1障害を越えたあたりからメムロボブサップが積極的に前に出て、外からインビクタ、そしてアオノブラックも前に並びかける。第1障害の中間手前あたりまでは各馬刻まずに勢いをつけて行き、そこからは小刻みに進み始めた。各馬出たり入ったりを繰り返すものの基本的にはメムロボブサップ、インビクタ、アオノブラックが先頭集団を引っ張り、これに最内からジェイエースが付いていく展開。第2障害手前には、わずかにメムロボブサップが先着、程なく3頭も到着した。ここまで前半53秒とやや速いペース。
  そして第2障害はインビクタが先に仕掛け、すぐにメムロボブサップそしてアオノブラックが続く。いずれも障害をしっかり越えたが、降りてすぐメムロボブサップが勢いよく先頭へ、そしてアオノブラック、インビクタが追う展開となった。後続は少し間があいてジェイエースが障害に挑戦、苦しみながらも崩れずになんとか越えた。その間にアオノゴッドが一腰で障害を切り、こちらの方が勢いを付けて4番手、ジェイエースが5番手。さらに後続は障害で取り残された。
  先頭争いは、メムロボブサップが2,3馬身リードを保ちながら進み、アオノブラックが激しく追う。しかしその差は縮まらない。インビクタは前の2頭に徐々に置いて行かれた。残り20m近くではアオノブラックがさらにギアを入れて迫ろうとするが、その前を行くメムロボブサップも脚色は鈍らず、1馬身半差程度まで詰めたところでもうゴール線へ。そしてメムロボブサップはそのままゴールを駆け抜けた。アオノブラックは届かなかったがそのままの脚色で2着でゴールした。3着争いは、インビクタの勢いが落ちたところを、アオノゴッドがじわじわ伸びて残り20m手前で逆転し3着に入った。2着からは10秒遅れとなった。なお、当欄において単穴で期待した牝馬ジェイカトレアは序盤から前に行けず7着に終わった。

次走へのメモ
メムロボブサップ(1着):今回は前半から積極的に前に出て行き自分からレースを引っ張る形。障害を軽く越え、最後の直線も全くスピードを落とさず終始先頭をキープしてゴール。他の追随を許さない完璧なレースであった。馬体重も増え、全体的に走りが安定。かつてのフワフワ感も見られなくなった。730kgとトップハンデで快勝したことも大きい。年末のばんえいダービーで三冠を目指すが、今日の勝ち方を見ると視界は極めて良好だ。
アオノブラック(2着):この馬としては最高のコンディションで、馬体重もプラス34kgと充実した状態でこのレースに臨んでいた。そして今回はその調子の良さに任せ思い切って前に行き、唯一課題だった障害もしっかり越えた。しかし勝ち馬にそれ以上の完璧なレースをされてしまった。次はダービーで巻き返しを図る。ボブサップの三冠を阻止できるのはこの馬しかいないだろう。しっかり状態をキープすればチャンスは巡ってくる。
アオノゴッド(3着):アオノブラックの僚馬でいつも影の存在だが、今回は軽ハンデでチャンスを生かし、持ち前の直線での伸びを見せて3着に食い込んだ。もっともイレネー4着などの実績からすると決して珍しい成績ではない。今回は勝ち馬の隣の枠で、前半から上手く流れに乗れたのも功を奏したか。障害もスムーズであった。今回に賞金を加算できたことでダービーの出走権もほぼ手中、今後また台風の目となる予感も。
ジェイエース(4着):この馬は大体このあたりの着順が定位置。重賞になると力を発揮するものの一歩足りない部分がある。今回も前を目指して進み障害もなんとかクリアしたが、その後の勢いが足りず、最後にインビクタをかわして4着に入るのが精一杯。ウンカイ産駒でまだこれから強くなる余地は大いにある。
インビクタ(5着):馬体重もようやく1トンに乗せ調子自体は悪くなさそうであったが、とにかく上位馬の勢いがすごく、序盤から逃げ切れなかったのが敗因といえる。今後、馬場状況次第ではまた展開も変わってくるかもしれない。
  その他では、サクラドリーマー(6着)は障害で手間取り、立て直した時には既に各馬前に行っていた。このような流れの中では一旦障害で滞るとやはり厳しい。流れが向くときも来るだろう。ジェイカトレア(7着)も序盤から上位馬の勢いに押され前に行けなかったことがすべて。アポロン(8着)は最下位ではあったが、流れには付いていっており長いトンネルからは抜け出しつつある。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 三連単 6-2-7 2枚 ワイド 7-2 7-6各1枚
  無印のアオノゴッドを最後で押さえていたので、ワイドを含めてなんとかプラスに持って行けたが、予想的にはスッキリとまではいかない感じ。でもまあ当たったから良しとしよう。この勢いでプラスまで持って行けたら。それにしても、やはりボブサップが強かった。アオノブラックも頑張って追ったが届かなかった。そのままダービーで三冠となるのか。馬券予想ではひねりたい気持ちもあるがその余地あるのか。楽しみ。
  今回収支 +5,690
   (通常分) +5,200  (配当)9,600 (投入)4,400
   (単複・ワイド) +490  (配当)2,290 (投入)1,800
  今年度累計 -10,780(11/10・ばんえい菊花賞終了時点)
   (通常分) -3,520 (配当 48,580 - 投入 52,100)
   (単複・ワイド) -7,260 (配当 10,740 - 投入 18,000)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回の重賞は11月17日、4歳牝馬の重賞、クインカップです。予想はいつもどおり前日までには書く予定です。

2019年11月9日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第44回ばんえい菊花賞(11/10)

  今週のばんえい重賞は、3歳三冠の第2弾、ばんえい菊花賞です。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第44回ばんえい菊花賞(BG2)
(2019年11月10日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 3歳オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  ジェイエース 牡3 700 鈴木恵 山本正 栗毛 差
アオノブラック 牡3 720 西謙一 金田勇 鹿毛 差
▲  ジェイカトレア 牝3 680 藤野俊 平田義 青毛 先
サクラドリーマー 牡3 700 藤本匠 今井茂 鹿毛 追
  アポロン 牡3 690 長澤幸 服部義 芦毛 先
メムロボブサップ 牡3 730 阿部武 坂本東 鹿毛 逃
  アオノゴッド 牡3 690 村上章 金田勇 栗毛 追
インビクタ 牡3 700 島津新 松井浩 青毛 逃
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえい菊花賞」の概要と傾向
  「ばんえい菊花賞」は、ばんえいの3歳重賞、いわゆるクラシック三冠レースの第2弾である。ばんえいの3歳三冠は現在「大賞典」「菊花賞」「ダービー」の順に行われている。過去に三冠を制したのは、ハクリユウ(1975年)、マルトダンサー(1980年)、ウンカイ(1997年)、ヨコハマボーイ(2001年)の4頭で、それ以降は出ていない。さらには「大賞典」と「菊花賞」を連覇した馬もヨコハマボーイ以来18年遠ざかっている。
  過去10年で1番人気が(6,0,1,3)と勝つか負けるか極端。一方、2番人気、3番人気ともに未勝利で、下位人気もしばしば連に絡んできている。また1か月前に行われるトライアル「秋桜賞」で上位に入った馬が好走している傾向にあり、実績いかんに関わらず勢いのある馬が期待に応える走りをしている。牝馬が活躍するレースで、一昨年、昨年と牝馬が優勝している。騎手では現役では最高でも2勝と混戦。

今回のみどころ
  今年の3歳馬の重賞は、これまで2歳三冠、3歳のばんえい大賞典まで行われてきたが、牝馬限定の黒ユリ賞と4歳馬との混合のはまなす賞を除いては、3強(メムロボブサップ、アオノブラック、ギンノダイマオー)がすべて1~3着を独占している。一方、ハンデ差の大きい特別戦などでは、3強以外の馬が割って入る場合もある。そして今回のばんえい菊花賞。3強のうちギンノダイマオーが回避。つまりこれまで歯が立たなかった馬も1頭は3着以内に入ることができる。2強の中でも重賞3勝のメムロボブサップが力の差を見せるか、アオノブラックが巻き返すか、それとも2強の中に割って入る馬はいるのか。年末に行われるばんえいダービーも見据えて楽しみな一戦である。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 ジェイエース:重賞はこれまでイレネー記念5着、ばんえい大賞典4着の実績。デビュー前の能検で1番時計を出すなどスピードと切れ味のある馬だが、障害はかなりの苦手。膝を折ることも多くこの馬のウイークポイントとなっている。スケールの大きい馬で、自分の型にはまれば強みを発揮できそう。
 2 アオノブラック:世代トップ3と呼ばれているうちの1頭。重賞は2歳時のヤングCSのみだが常に上位争いをしており、はまなす賞では4歳馬の中に入って2着と好走。走りは力強く直線では確実に伸びてくる脚がある。障害でやや手間取ることがありそこが若干課題だが崩れることは少ない。前半好位置につけたい。
 3 ジェイカトレア:黒ユリ賞馬。牝馬だが、牡馬の間に入っても大賞典5着、はまなす賞4着となかなかの好走を見せている。後方からの追い込みにかける馬だったが、近走は積極的に前に行く競馬も見せており、展開に厚みを増してきている。障害もこなす。大きな馬体は牡馬に見劣りせず力強い。
 4 サクラドリーマー:重賞はイレネー記念と大賞典に出走、いずれも6着に沈んでいる。直線の切れ味とスピードは相当なものを持っているが障害がかなり苦手で、期待されながら伸び悩んでいた。近走は立て直し、追い込み一辺倒から、前半から積極的に攻めて障害克服に努めるなど脚質変更しつつある。
 5 アポロン:重賞出走は大賞典(8着)のみ。2歳から3歳前半にかけ勢いがあり、今シーズン最初の特別戦とかち皐月賞では混戦を抜け出して勝利。しかしその後は全く良いところがなく、障害も崩れて大敗が続いている。馬体重の変動も大きく決して丈夫ではなさそうだ。スピードと潜在能力はありそうだが。
 6 メムロボブサップ:重賞はここまで3勝。トップ3の中でもこの馬が今のところ一歩リードしている。大賞典勝ち後はレースを選び調整。着外が2レース続いたが、これは大きなハンデ差や、古馬一線級に混じったレースで問題ない。小柄な馬であったがここにきて馬体も充実、さらに力をつけてきたイメージ。
 7 アオノゴッド:重賞はこれまでイレネー記念と大賞典に出走。イレネーでは最下位人気ながら鋭い追い込みで4着に食い込んだ。後方待機から直線の決め手で勝負するタイプ。しかし置いて行かれて届かないことも多い。障害は極端に苦手ではないがこなす程度。前半にもう少し攻めて行ってもよさそう。
 8 インビクタ:抜群の先行力を持っており、レースの主導権を握れる。しかし重賞ではその力は発揮できず、大賞典では時間失格となるなど成績は上がっていない。一方、特別戦や平場戦では滅法強くそのスピードを生かして好走する。特に軽馬場は鬼の部類。第2障害までに他馬を引き離して逃げたい。

【はむ!の見解まとめ】
  この世代はこれまで3強で推移しており、その中からメムロボブサップや大賞典で強い勝ち方をしてやや抜け出した感がある。3強以外も力はつけてきているがまだ3強とは差があるイメージ。今回はギンノダイマオーが回避した中、菊花賞ではハンデ差なども含めてどのような展開になるのか。
  展開予想としては、やはりインビクタがとにかくハナに行きたいところだろう。これに、近走前で競馬をして結果を出しているジェイカトレアも行きそうだ。アオノブラックそしてメムロボブサップといったところは控えて中団あたりというところだが、障害もあるのであまり離されたくはないだろう。ジェイエースやサクラドリーマーはさらに後ろということになるが、これも障害を意識して前につけたいところ。重量に比して流れは早くなりそうなイメージ。
  そして予想だが、今回も大賞典時と同様に当欄では◎(2)アオノブラックから入りたい。今回はどの馬にも厳しい流れになりそうだが、末脚勝負になると一枚上とみている。大賞典では障害でもたついた分3着にとどまったが、明らかに隣の馬の転倒による不利を受けたものと思われる。その後のレースでははまなす賞で善戦するなどしっかり立て直してきており、確実に力はつけてきている。
  そして○(6)メムロボブサップ。力はやはり一枚上か。大賞典以降の2戦は着外だったが、これは極端なハンデ差など理由がはっきりしている。特に前走の狩勝賞では古馬トップクラスの蒼々たるメンバーと差のないレースをしており、むしろ更に力をつけたところを見せたといえる。過去10年で6勝している1番人気馬が有利というデータも大きい。ただハンデ差と、馬券妙味も考えた予想上対抗としただけで、◎と○の差はない。
  そして、2強に割って入るというより、3着付けで狙いたいのが▲(3)ジェイカトレア。近走脚質転換し積極的な走りが功を奏しており、重賞で好走している。この馬はあくまで目標は12月のばんえいオークスの方だが、ばんえい菊花賞は目下牝馬が連覇しており、オークスのたたき台にもなっている。馬格も牡馬と見劣りしておらず、先行力、障害力ともあり、となると少なくとも2強以外とは好勝負になるのではないか。
  その他では、先行力抜群の△(8)インビクタ。大賞典で障害転倒があったが、その後は立て直しており、粘りもでてきた。上手く逃げられれば最後前残りも。一発の魅力があるのがジェイエースとサクラドリーマー。いずれも障害が課題だが、直線の切れ味は抜群。注(4)サクラドリーマーの方は、最近は苦手な障害を重点的に攻めてきており、大きく離されずに行けば追いつく可能性も。(1)ジェイエースも切れ味はあるが、やはり障害に大きな課題。最内はむしろ歓迎すべきではあるが。その他では(7)アオノゴッド。後方で置いていかれなければ、じわじわと伸びてはきそう。(5)アポロンも一発はあるが近走の状況から見ると狙いづらい。

はむ!の馬券狙いどころ:
  やはり筆者多忙の中、連続重賞は若干疲れるかな。だからといって馬券で妥協するわけにはいかない。というか妥協してくれない。重賞は買うと決めた以上買うのだ。ただ当たるように買えてないので、そこは考え直していかねば。今回は、ギンノダイマオー不在となると、やはり2強か。しかしそれでは配当がつかないので、絞りつつ、本命にしたアオノブラックを少し厚めに、3着づけやワイドをヒモ穴狙いでいきたい。なお、山本厩舎応援馬券としてジェイエースの単複は少なくともダービーまでは買いたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 2=6→3,8,4,1,7 合計10通り 各200円
      2=6→3,8,4 合計6通り 各200円
      2→6→3,8,4 合計3通り 各100円
  馬複 2=3,8,4 合計3通り 各300円 合計 4,400円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 2 700円 単複(応援)1 各200円
  ワイド 8=2,6,3,7 7=2,6,3 合計7点 各100円
  合計 1,800円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】JBC浦和
  先週の11月4日には地方競馬の祭典JBCが行われました。(当欄でも例年予想をアップしていましたが、体調不良の理由により断念しました。お楽しみにされていた方?がいらっしゃればごめんなさい。)今年は浦和で初めての開催ということで、浦和競馬場は街の住宅地の中のかなり狭い区域にあるので、混乱も心配されましたが、整然とかつ盛大に実施されたようです。関係者の努力あってこそでしょう。地方競馬の中でも地方競馬らしい浦和でのJBC成功は、地方競馬や競馬全体の発展にも良い影響を与えたと思います。
  レースの方は、JBCレディスクラシックは武豊騎手騎乗のヤマニンアンプリメが並んできたゴールドクイーンを振り切って快勝。武豊騎手はこれで地方競馬のGⅠ・JpnⅠは全て制覇となり、これも大記録です。2レース目のJBCスプリントは、地元浦和所属のブルドッグボスが、藤田菜七子騎手騎乗で大注目となっていたコパノキッキングをゴール手前で逆転。2007年スプリントのフジノウェーブと2017年レディスクラシックのララベルに続く3頭目の地方所属馬の優勝となりました。そして3レース目JBCクラシックは1番人気のチュウワウィザードがオメガパフュームとのGI馬同士の大接戦の末ハナ差で勝利しました。ここでも3着に地元浦和のセンチュリオンが入り、地方競馬勢の存在感を見せました。いずれも大盛り上がりのレースで、やはりJBCは祭典だなと思わせる1日でした。
  さて、来年のJBCは大井で行われますが、これまでの交流重賞(JpnⅠ)3レースに加え、さらに「JBC2歳優駿」が同日に行われ、それはホッカイドウ競馬の門別競馬場で行われることになります。JBCは行われることはないと言われた門別でJBCのレースが行われることは画期的なことです。もっとも門別は馬産地に近いことやトレーニング施設が充実していることから競走馬のレベルが高く、門別で行われることはむしろ必然的だったとも言えます。今後もばんえいを含む地方競馬全体の発展のため、JBCなどの地方競馬の祭典を応援をしていきたいと思います。

2019年11月4日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第40回北見記念(11/3)

ばんえい重賞レース回顧
第40回北見記念(BG2)-2019年11月3日-10R 200m直 晴 1.2%
  1着△(9)シンザンボーイ(阿部武) 2分36秒1
  2着 (3)ミノルシャープ
  3着○(5)メジロゴーリキ
   単勝 9 660円(3番人気) 馬複 3-9 3,530円 三連単 9-3-5 35,880円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい古馬重賞で4大記念競走の第3弾・第40回北見記念は、3番人気の8歳馬シンザンボーイが積極的なレース展開から障害を一腰で越えて先頭に立ち後続を振り切って快勝。8歳にして重賞は18度目の挑戦で初制覇となった。阿部武騎手は北見記念のみならず4大記念競走初制覇。今季重賞2勝目で通算は22勝目。坂本調教師もこのレース初制覇。

レース振り返り
  この週の帯広は週半ばほどにわずかな降水があったものの概ね晴れ。ただ、寒さもなく馬場は丁度良い乾きというイメージで重くもなく軽くもなくといった状態であった。
  レースは、スタートからややばらけた展開。第1障害は5歳馬のメジロゴーリキが最も早く越え、差なくゴールデンフウジンが続き、4歳馬のアアモンドグンシンも果敢に前に食らいついた。ミノルシャープは流れにまかせ好位につけた。圧倒的1番人気のコウシュハウンカイは行き脚がつかずやや後方となった。1,2障害中間までには各馬早めに刻みを入れ始めゆったりした流れに。その間にコウシュハウンカイは隣のシンザンボーイとともに徐々に前に上がっていった。各馬止まったり動いたりを繰り返しながらも全体としてはメジロゴーリキがハナを行った。これにアアモンドグンシンも付いて行く。そして第2障害手前にはアアモンドグンシンの方が先着。ここまで76秒と高重量戦ならではのゆったりしたペース。メジロゴーリキも到着、続いてミノルシャープ、ゴールデンフウジン。外からシンザンボーイ、そして一歩遅れてコウシュハウンカイが第2障害手前に到着した。
  各馬じっくり溜めて、最内のカンシャノココロあたりが到着したところで、各馬ほぼ一斉に障害を仕掛ける。アアモンドグンシン、ミノルシャープ、メジロゴーリキいずれも坂の中腹で一旦ストップ。次にゴールデンフウジン、カンシャノココロらが仕掛けるがこれも同じようなところでストップ。そして、これを見るように、外からコウシュハウンカイとシンザンボーイが仕掛ける。そしてその中で大外のシンザンボーイはひと腰で障害をクリア。コウシュハウンカイの方は障害中腹で立ち止まった。
  最後の直線に入り、先頭はシンザンボーイ、それにふた腰目で天板まで上がっていたミノルシャープが障害を越え2番手、一瞬の切れ味で前を追う。少し開いてゴールデンフウジン、カンシャノココロ、そしてメジロゴーリキと続き、その後にようやくコウシュハウンカイが降りたころには前は残り30mのところに達していた。先頭争いはシンザンボーイにミノルシャープが1馬身差あたりまで近づくが残り20mを切ったところで逆にシンザンボーイが突き放しにかかりそのままのスピードを保ったままゴールを駆け抜けた。終わってみれば10秒差以上をつける快勝。ミノルシャープも最後はゴール線上で詰まるなど厳しくなったが後続との差が大きく2着に粘り込んだ。3着争いは、ゴールデンフウジンがリードしていたが残り20mあたりで厳しくなり立ち止まる、これを巻き返しを図って追ってきたコウシュハウンカイが一旦かわしたが、こちらもゴール前で厳しくなり、一度抜かれて再度巻き返してきたメジロゴーリキに並ばれたところでゴール。写真判定の結果、メジロゴーリキが3着。コウシュハウンカイは4着だった。実績馬のセンゴクエースは大きく遅れて8着に終わった。

次走へのメモ
シンザンボーイ(1着):見事な重賞初制覇だった。思い起こせば今年正月の帯広記念でも障害をひと腰で越えて見せ場を作っていたが、今回はそれ以上に楽々越えて行ったイメージだ。帯広記念の時も阿部騎手であったが合っているのであろう。隣のコウシュハウンカイがやや出足が遅れたのをみて、うまくマークしながら前半楽なペースで行けていた。そこは30kgのハンデ差が生きたか。障害を降りてからもしっかり走れる馬なので、直線は安心感がある。今後帯広記念そしてばんえい記念と高重量戦でも大いに期待できそうだ。
ミノルシャープ(2着):6番人気で5歳馬で860kgも引っ張りながらこの成績は立派。主戦の阿部騎手に代わって乗った形になっていた島津騎手だが、この馬の特性を知り最大に力を発揮させていたように見えた。障害はある程度読めるのでハナにはこだわらず自分のペースを作っていた。最近は最後まで走れるスタミナもつけてきたように感じられる。次の狙いはまずドリームエイジカップがあるが、帯広記念も狙えそう。
メジロゴーリキ(3着):地味な結果となってしまったがそれでも3着。決して恥ずかしい結果ではなく、むしろ5歳馬としてさすがと言える。ハナは切っていったし、障害もひと腰ではなかったものの崩れたわけではない。ただ爆発力が上位馬より足りなかったというところか。このあたりはコウシュハウンカイとともに厩舎の課題かもしれない。次の狙いのドリームエイジカップは勝ちに行けるレースと言える。
コウシュハウンカイ(4着):ハンデ差、馬場状況、馬体重減など敗因を見つけようとするといろいろあるだろうが、今回は前半から行き脚も悪く、障害ももたつくなどこの馬らしくない走りに感じられた。今回のような負け方をすると、今後さらに高重量戦がある中でどうしても心配になってくるが、そこは実力馬。陣営も立て直してくるだろう。
アアモンドグンシン(5着):18年ぶりの4歳馬出走で5着は立派だ。前半から攻めていったことや、苦手な障害でも崩れずに我慢したことが最後の末脚につながった。この馬の当面の目標は正月の天馬賞。ハンデは多少もらったとはいえ、840kgで古馬と渡り合ったことはこの馬にとって大きな経験上のアドバンテージを得た。
  その他では、カンシャノココロ(6着)は好位置につけ障害もしっかり越えるなど、この馬らしい走りはしていたが、やはり同じ年齢のシンザンボーイに比して決め手に欠ける部分がある。流れに乗れれば良いが。ゴールデンフウジン(7着)は一瞬の切れ味で好位置につけたが最後で失速、最近は障害よりも最後の詰めの方に課題があるイメージだ。まだ成長の余地はある。センゴクエース(8着)は今回も厳しかった。前半の行き脚も良くないし、障害でも崩れかけるところを必死で押さえているという状況。立て直しまでもう少し時間がかかるのか。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 5-9 のみ
  また単勝がやられた。しかも今回は1.4倍の大本命が裏切られた形。こんなことならやはり本来の穴狙いで行ったほうが良いのかもしれないと思わされる。シンザンボーイはある程度納得できるが、頭の方に来ちゃうか~という感じ。そしてミノルシャープも完全に見限ってしまっていた。今回は馬券もさることながら予想自体がハズレとしかいいようがない。流れを断ち切らなければ。
  今回収支 -5,350
   (通常分) -4,100  (配当)0 (投入)4,100
   (単複・ワイド) -1,250  (配当)350 (投入)1,600
  今年度累計 -16,470(11/3・北見記念終了時点)
   (通常分) -8,720 (配当 38,980 - 投入 47,700)
   (単複・ワイド) -7,750 (配当 8,450 - 投入 16,200)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  重賞は3週連続、次回は11月10日、3歳の三冠レース第2弾、ばんえい菊花賞です。予想はいつもどおり前日までには書くつもりですが、筆者多忙・体調不良につき簡単に済ませるかもしれません。

2019年11月2日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第40回北見記念(11/3)

  今週のばんえいは古馬重賞、4大記念競走の第3弾、北見記念です。早速予想いってみましょう。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第40回北見記念(BG2)
(2019年11月3日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 3歳以上オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  カンシャノココロ 牡8 850 松田道 坂本東 鹿毛 差
  アアモンドグンシン セン4 840 長澤幸 小林長 鹿毛 先
  ミノルシャープ 牡5 860 島津新 大友人 鹿毛 逃
  ゴールデンフウジン 牡5 850 藤野俊 今井茂 青毛 追
メジロゴーリキ 牡5 860 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
センゴクエース 牡7 860 菊池一 槻舘重 鹿毛 差
ソウクンボーイ 牡9 850 村上章 西邑春 鹿毛 追
コウシュハウンカイ 牡9 880 藤本匠 松井浩 栗毛 先
シンザンボーイ 牡8 850 阿部武 坂本東 栗毛 差
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「北見記念」の概要と傾向
  古馬重賞の、いわゆるばんえい4大記念競走の第3戦。かつては北見競馬場で開催されていたが、同競馬場の廃止に伴い2007年からこれを記念して帯広で行われている。出走条件は9月の岩見沢記念と同じであるため、「岩見沢記念」と「北見記念」はセットで考えられそうだが、北見記念は基礎重量850kgと荷物が更に重くなり、別定によるハンデもあることから、あまり連動せず、それぞれタイプの違うレースとなっている。
  過去10年で1番人気は(1,2,3,4)で1勝のみと苦戦。下位人気でも勝つチャンスはある。頭数が少ないことが多く大荒れとまではいかないが、波乱含みのレースであると言える。BG1レースの狭間の時期であること、そして秋が深まり馬場的にも微妙な時期であることなどが波乱の要素になっているようだ。かつて2011~13年に、他では重賞勝ち実績の少ないギンガリュウセイがこのレースでは3連覇しているように、レース適性のようなものもありそうだ。古馬が強く、5歳馬の優勝は12年前のナリタボブサップに遡る。この時は馬場水分5.4%と超軽馬場であった。牝馬も、出走自体少ないが、帯広開催以降連対無しと苦戦で、このデータからみても力勝負のレースであると言える。騎手では藤本匠騎手が実に7勝しており、今のところ若手騎手に付け入る余地はない状況である。

今回のみどころ
  今シーズンの古馬戦線は、オッズパーク杯、旭川記念はオレノココロ、北斗賞はセンゴクエースと、過去にばんえい記念を勝った実績馬がリードしていたが、夏シーズンに調子を崩し障害で苦労した。その間に台頭したのがもう一頭の有力馬のコウシュハウンカイ、グランプリと岩見沢記念を優勝。また、今シーズン台風の目となっているのがメジロゴーリキやミノルシャープら5歳勢。最初は勢いだけだったが、徐々に力をつけ、近走は全く引けを取らず、好勝負になっている。さらにはシンザンボーイらの中堅どころも重量適性を生かし好走している。北見記念では荷物がさらに重くなる中、実績馬が実力を見せるか、新興勢力が台頭するか、それとも別タイプの馬が出てくるか、見ものである。なお、オレノココロは今回は回避して今後に向け立て直すことになった。また、アアモンドグンシンは4歳馬として2001年のシンエイキンカイ(2着)以来18年ぶりの出走。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 カンシャノココロ:準オープンのクラスだが、チャンスがあるごとに重賞に顔を出している。着順こそ目立った成績は上がっていないものの、人気以上には走っており存在感を見せている。障害は踏みしめながら登るので時間は多少かかるものの確実に越えてくる。最後までしっかり歩ける脚も持っている。
 2 アアモンドグンシン:4歳馬ではあるが、世代重賞のほか古馬重賞にも果敢にチャレンジし経験値を積み上げている。スピードはあるが障害が苦手。二の足が出ないことが多い。今回はいかにも荷物が重いが、他馬よりかはハンデをもらっているので、前半食らいついて、障害をを上手くさばければ見せ場も。
 3 ミノルシャープ:勢いのある5歳馬の1頭、古馬重賞戦線でも持ち前の先行力と障害力を生かして活躍しており、旭川記念では2着に食い込んでいる。最後の詰めはこの馬の課題であるが、最近は力をつけ粘りが増し、ズルズルと下がることは少なくなっている。初めての高重量は厳しいが経験を積みたい。
 4 ゴールデンフウジン:5歳馬の一角として、今シーズンから重賞戦線に参加。成績はオッズパーク杯、北斗賞の4着が最高だが、見せ場は作っている。障害を降りてからのスピードは抜群。障害自体は課題だが克服しつつある。先行力もある。ただ高重量への対応はもう少し力と経験と積んでからか。
 5 メジロゴーリキ:まだ5歳馬であることが不思議なほど存在感を見せている。グランプリと岩見沢記念でいずれも2着、今シーズンは特別戦を含めてもすべて4着以上に入っており、安定性は抜群。先行力と障害力に自信をもっており、まず崩れることはない。未知の高重量だがこの馬ならこなせるだろう。
 6 センゴクエース:今シーズンはばんえい記念勝利の反動か、思うように動けていない。7月の北斗賞で勝利し復活の兆しが見えたが、その後体調を崩したこともあってかさらに苦しいレースが続いている。障害が上がらず膝折癖も気になるところ。しかしじっくり構えられる重量戦なら一変も十分あり得る。
 7 ソウクンボーイ:9歳馬にはオレノココロ、コウシュハウンカイの双璧がいるが、この馬も9歳として重賞勝ちの経験もあり負けていない。特に近走は特別戦で直線の切れ味を見せ好走している。一昨年のばんえい記念で勝ち馬の7秒差に迫った馬。高重量ならチャンスもある。障害をうまく切りたい。
 8 コウシュハウンカイ:今シーズンは前半は勝ちきれないレースもあったが、大崩れはしていなかった。そして夏以降はさらに充実、ばんえいグランプリ、岩見沢記念と強さを見せた。さらに北見記念は連覇中と相性の良いレース。斤量は増えるもののこの馬としては守備範囲。障害も安心して見られる。
 9 シンザンボーイ:円熟の8歳馬。今シーズン前半は軽いレースが多く、流れに乗れないことが多かったが、ばんえいグランプリや岩見沢記念では、持ち前のじわじわ伸びる切れ味を見せ、いずれも人気薄ながら3着に食い込んだ。その後も好調が続いている。高重量は大歓迎。攻めて行ければさらに上位も。

【はむ!の見解まとめ】
  有力どころからは、オレノココロが回避、センゴクエースもまだ立て直せていない。その間に5歳馬勢が活躍するなど勢力図が変わってきている。今回も若馬勢は台風の目となりそうだが、高重量の荷物にどこまで対応できるのか。
  展開だが、最近の古馬レースはほぼ似たような態勢になっている。やはり5歳馬勢がペースを引っ張る形か。特にメジロゴーリキとミノルシャープは争いながら前に行くだろう。ゴールデンフウジンあたりも障害を考えて早めに動くか。コウシュハウンカイは先頭集団の一歩後ろぐらいにつけそう。ここで無駄な力を使わない限りは、障害も直線も全く問題にしないだろう。あとの馬も好位にはつけておきたいところ。
  予想だが、当欄では今の勢いや力関係を勘案してもやはり◎(8)コウシュハウンカイの軸は不動とみて本命とした。負担重量的にも許容範囲。他の馬が荷物に苦しむことが予想され、その分だけこの馬に有利に働くだろう。8分のデキであっても他とは開きがある。
  相手はやはり5歳馬の勢いが気になるが、初めての斤量にどう対応できるか。しかし、その中でも○(5)メジロゴーリキは、これまで800kgを越えてもしっかり最後まで走っており、重い荷物でも対応できそう。馬体重増ならさらに期待ができそう。先行力と障害力でレースを自分で組み立てていけるのも強み。
  単穴として、ばんえい記念馬▲(6)センゴクエースを今一度狙ってみたい。近走は障害が全く上がらず良いところがないが、そこは実力馬。高重量となりペースが落ち着けば、障害もじっくり攻められるのではないか。今回同厩舎のオレノココロが回避し鈴木騎手に代わるかと思われたが、最近の主戦となっている菊池騎手が引き続き乗ることになり意地を見せたいところ。障害を越えられればメンバー随一の脚が生きる。
 8歳馬△(9)シンザンボーイもここにきて重賞で連続3着と好調。自分の走りに徹し、最後の粘りで落ちてくる馬を拾いながら着を上げていくレースを展開している。今回は阿部騎手となりその力は十分に発揮できるだろう。その他では、こここに来て勢いが出てきた9歳馬注(7)ソウクンボーイなども好位置で障害を降りられれば面白い存在になりそう。5歳馬(3)ミノルシャープも粘りは出てきているがさすがに今回の斤量では余程の軽馬場にでもならない限りは難しいか。(4)ゴールデンフウジンも勢いは出てきているが、ここでは荷が重そう。それなら(1)カンシャノココロの方が確実に上がってこれるが先頭グループまで届くのは難しいか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  前回ようやく少し取り返したもののまだマイナスは続いている。今週から3週続く重賞で取り戻せるのか、それともまた傷口が広がるのか。
  本当は一発大きなところも狙ってみたいのだが、やっぱりここは着実にコウシュハウンカイから。そうすると絞るしかない。一発あるとすればセンゴクくらい。近走をみるとかなりアテにならないがそろそろ。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8→5,6,9→5,6,9,7 合計9通り 各200円
      8→5,6→5,6,9,7,1 合計8通り 各100円
      5,6→8→5,6,9,7 合計6通り 各100円
  枠複 8=5,6,8 合計3通り 各300円 合計 4,100円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 800円
  ワイド 5=6,9,7,1 9=8,6,7,1 合計8点 各100円
  合計 1,600円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】BFG(ばんえいフルゲート)その1
  (時々同じことを言うのですが)当ブログは、本来はもう少し競馬全般について語ろうとしていました。しかし、競馬というのは非常に奥深いもので、素人で、趣味で馬券を楽しむ一ファンである筆者にとっては限界があります。本業もあるので、競馬自体を見ることも難しいこともあります。それでもばんえい重賞予想はもう7年も続けているので、これはなかなかやめられません。時折キツいので縮小を試みるのですが(今回も筆者風邪引きで中止することも考えた)、結局長々と書いているのもなんか自分らしいです。このコラム欄もそうです。本当はいろいろおしゃべりしたいのだけど、文章で書くのでうまくまとめなければならぬ。それでも楽しみでもあるのでなんとなく続けています。
  ところでここ数回当コラム欄ではたわいもなくサラブレッド系の話が多かったので、本来のばんえいの話に戻します。ばんえいファンでここ数年の流行言葉に「ばんえいフルゲート」というのがあります。略して「BFG」とも言っています。全てのゲートに馬が入るいわゆる「フルゲート」は、普通の平地競馬ではコースや距離によって違いますが、JRAで最高18頭(昔は30頭立て以上の時代もあった。)、地方競馬では大井や門別など広い競馬場では16頭、その他は12~14頭ですが、ばんえい競馬はソリを引っ張るレースということもあり、コースが決められているセパレートコースとなっているため、最高10頭となっています。しかし、レースによって10頭揃わないことが多くなっています。やはりゲートが全て埋まるレースの方が賑やかで良いことです。そこで数年前から10頭揃うレースを「ばんえいフルゲート」と呼ぶようになりました。(この話もまた今後続けます。)