ばんえい重賞レース回顧
第53回ばんえい記念(BG1)-2021年3月21日-9R 200m直 小雨 2.7%
1着 (9)ホクショウマサル(阿部武) 2分43秒4
2着注(4)キタノユウジロウ
3着▲(6)コウシュハウンカイ
単勝 9 390円(2番人気) 馬複 4-9 1,770円 三連単 9-4-6 13,330円
※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
(◎等は、はむ!の当初予想印)
ばんえい競馬の最高峰、農林水産大臣賞典第53回ばんえい記念は、2番人気の10歳馬ホクショウマサルが、障害3~4番手から、直線で一気に抜け出して快勝。重賞は3歳時のばんえいダービー以来久々の勝利で通算3勝。阿部武臣騎手はばんえい記念初優勝で通算28勝。合わせて阿部騎手は初の今年度リーディングとなった。坂本東一調教師もばんえい記念初優勝で重賞通算15勝目。
レース振り返り
帯広は当日朝から雪模様、午後からはみぞれから小雨に変わって、極端な高速馬場にはならなかったが、それでもかなり軽い馬場となっていた。
レースは、スタートからダッシュで進み、ホクショウマサルがやや置かれ気味ではあったが、全体的にばんえい記念としては速いペースで、第1障害へ進んだ。第1障害ではミノルシャープを先頭にメジロゴーリキ、それにセンゴクエースが勢いをつけて前に出て先頭グループへ、後続も差がなく続いた。各馬は早めの刻みに入り、その間にコウシュハウンカイ、オレノココロといったところも前に追いつく。さらに各馬小刻みに息を入れて1,2障害の中間に向かう。ペースは落ち着いた。その流れの中でミノルシャープ、メジロゴーリキが行くところ、コウシュハウンカイが徐々に前に進む。さらに外からオレノココロ、その外から遅れていたホクショウマサルも追いつき、中枠からはキタノユウジロウも徐々に前に取り付いて、5~6頭が何度も刻みを入れる中で出たり入ったりしながら、1,2障害の中間を越えた。第2障害に向けては、ミノルシャープにコウシュハウンカイが並びかけこれがやや前に出た。オレノココロ、ホクショウマサルが並ぶようにこれを追いかけ、センゴクエース、キタノユウジロウも差がなく続く。カンシャノココロも追いかけ、メジロゴーリキはやや置かれた。シンザンボーイとソウクンボーイは前のグループからは遅れて進んだ。そして第2障害手前にはコウシュハウンカイが先着。続いて、ここまで98秒と、道中流れが落ち着いたこともあって、ばんえい記念としてはやや速めぐらいのペース。続いて、オレノココロやミノルシャープら各馬が続々と到着。馬によっては障害のやや手前に位置取り、第2障害の挑戦に備えた。
各馬十分溜めた後、最初に障害を仕掛けたのはオレノココロとコウシュハウンカイ。オレノココロは坂の中腹でストップ、コウシュハウンカイはしっかり越えた。そして差がなく、カンシャノココロ、キタノユウジロウ、ホクショウマサル、ミノルシャープと続々と障害を仕掛け、カンシャノココロあたりが膝を折りかけたものの、その他はいずれもスムーズに障害を越えた。態勢はコウシュハウンカイにキタノユウジロウが続き、ミノルシャープとホクショウマサルがほぼ同時に障害を降り、これに立て直したオレノココロが5番手で続いた。
直線は勢いを付けて、残り30m手前ではコウシュハウンカイにキタノユウジロウが並びかけ、2馬身差でホクショウマサル、ミノルシャープが追いかけ、4~5馬身遅れてオレノココロが続く展開となった。残り30mあたりからホクショウマサルが加速して前の2頭に徐々に近づき、さらにキャンター気味に勢いを付けて並びかけてきた。先頭はコウシュハウンカイがキタノユウジロウを引き連れながら逃げ切りを図るが、ホクショウマサルの勢いが良く、残り20mで一気に前をかわし先頭へ。コウシュハウンカイ、キタノユウジロウも懸命に粘り、4番手のミノルシャープも追う。しかし、ホクショウマサルの勢いは止まらず、残り10mからは突き放して最後は1馬身差を付けてゴールを駆け抜けた。2番手争いは追っていたコウシュハウンカイにキタノユウジロウが再度並びかけ、ゴール直前でかわしてキタノユウジロウが2着。わずかに遅れてコウシュハウンカイが3着に入った。その後は粘っていたミノルシャープが立ち止まって、その間に後ろから追っていたオレノココロがかわし4着、ミノルシャープは5着に残った。なお、当欄で対抗としていたセンゴクエースは速いペースについて行けず9着に敗れた。
次走へのメモ
ホクショウマサル(1着):軽馬場を生かししっかり差し切った。序盤はいつものように立ち後れたものの、1,2障害の中間までに早めに前に付けることができ、あとは自分のペースで進められたことが、障害でのひと腰、そして直線での切れ味につながったのではないか。軽馬場とはいえ1トンを引っ張りながらの直線でのキャンターでの走りは圧巻。力強さを見せつけた。新王者として、来シーズンは追われる立場となるが、障害さえ気をつければ、重賞も何勝かできそう。昨年のようなダメージも少なそう。まずは年度明け初戦のオッズパーク杯を皮切りに、4大競走をじっくり狙ってきそう。
キタノユウジロウ(2着):6歳馬でこの走り。軽馬場が味方したとはいえ、前日にイレネー記念で勝った菊池騎手が代役ながら積極的なレース運びを展開、それが功を奏した。最後はコウシュハウンカイをゴール直前で差し切るなど、粘りのあるところも見せた。障害力があり、ある程度走れることは期待されていたが、ここまでやれるとは・・というイメージだ。軽馬場でこの馬も1トンのダメージを軽減されたことは大きい。これで6歳世代のトップとなり、オープン馬の牽引役としての活躍が期待される。
コウシュハウンカイ(3着):レースとしては軽馬場で先頭で抜け出して期待されたが、全体としては若馬のペースに巻き込まれて、最後は3着に残るのがやっとであった。まずはお疲れ様といえるラストラン。ばんえい記念のタイトルは獲得できなかったが、その他重賞などでは常に上位に入り、安定した存在感を見せた。これで引退となるが、安定した成績の出せる産駒を出せるよう期待したい。
オレノココロ(4着):まさに軽馬場に泣いた。前半はある程度ペースが落ち着いたため、前に付けられていたが、それでも追走に懸命というところで余裕はなかった。障害を最初に仕掛けたのもそのあたりの意識はあったのだろうが、結局立ち後れて、4着が精一杯。不完全燃焼のイメージはあるがここは仕方ない。種牡馬としての活躍を期待。
ミノルシャープ(5着):昨夏以降大きく調子を崩し、立て直しに時間がかかっていたため、ここではどうかと思われたが、序盤にハナを切って進むなどほぼ完調に近いところまで戻していた。最後はさすがに息があがったが、それでも掲示板内は立派。来シーズンは前半から活躍が期待される。
メジロゴーリキ(6着):最初はレースを引っ張る勢いがあったが、全体的に速く展開して逆に追いかける態勢となってしまったのが敗因か。障害でも躓いていた。やはりこの馬は重馬場でこそ持ち味の出せる馬。
カンシャノココロ(7着):一昨年のこともあるので、無理して行かずしっかり溜めてから障害を上げて少しでも着順を上げることに重点を置いていたようだ。しかしやはりもう少し馬場は落ち着いてほしかったか。
シンザンボーイ(8着):実績的には他の有力馬に見劣りせず、調子がよければ前半から詰めることも可能であったはずだが、無理しては行かなかった。障害は越えたが、その時は前とは既にかなり離されていた。
センゴクエース(9着):各馬が障害をひと腰で越えていったため、多少慌てた面もあったか。やはり障害で動けず完敗。軽馬場も歓迎できず。序盤からもう少し前に行ければ良かったのだが。
ソウクンボーイ(10着):ラストランで勝負に出るイメージではなかった印象。終始後方から行っていた。ただ苦手な障害は越えていただけに、まだ余力残しのまま引退というところか。
はむ!の予想(馬券)結果
的中 ワイド 4-9 1枚 4-8 2枚
ホクショウマサルか~。確かに力のある馬だし、馬場も向いている様子だったし、調子も上がっていて怖い存在だったけど、やはり目移りする馬も多く、ここを中心にはできなかったな。何はともあれ、素晴らしいレースだった。マサルには脱帽。馬券の方はまたワイドのみ。これは仕方ない。そして今年は以下のとおり結局通常分もマイナスに落ちたところで終了。ま、例年はもっとひどいのでまだましといったところ。来年度の方針は未定だけど、いずれにしてもばんえいを買うことには変わりないので、また引き続き頑張っていこう。
今回収支 -6,910
(通常分) -6,100 (配当)0 (投入)6,100
(単複・ワイド)-810 (配当)1,290 (投入)2,100
今年度累計 -13,020(3/21・ばんえい記念終了時点)
(通常分) -1,620 (配当 114,380 - 投入 116,000)
(単複・ワイド) -11,400 (配当 28,000 - 投入 39,400)
今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
・はむ!のばんえい競馬ファイル(2020データ・馬券成績表)
これにて、今年度は終了です。予想に付き合っていただきありがとうございました。先にお知らせしたとおり、現時点では次年度の方針は未定ですので改めてお知らせしますので少々お待ちください。なお、2021年の開幕は4月23日(金)、最初の重賞は5月2日のばんえい十勝オッズパーク杯です。またその前の4月18日には新しい年度にデビューする2歳馬の能力検査があります。
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