前回のばんえい重賞第47回ばんえい記念の回顧です。9歳馬キタノタイショウ(2番人気)が悲願のばんえい記念初制覇。名実ともに現役最強馬となりました。
ばんえい重賞レース回顧
第47回ばんえい記念(BG1)-2015年3月22日-10R 200m直 曇 2.4%
1着 (8)キタノタイショウ
2着▲(6)ニュータカラコマ
3着◎(1)インフィニティー
単勝 8 400円 三連単 8-6-1 5,180円
※結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印です。)
  1トンのソリを引くばんえい最高峰のレースばんえい記念。3度目の挑戦で今年は積極策を取ったキタノタイショウが第2障害をじっくり攻め、4番手で降りてからは前を行く馬たちにじわじわ迫り、最後10mで最前方を行くフジダイビクトリーをかわし、3分49秒9でゴールイン。念願の初優勝とともに、イレネー記念とばんえい記念の両方を優勝した馬としてその歴史に名を刻むことになった。1着賞金は800万円。ベテラン大河原騎手は2001年のサカノタイソン以来14年ぶり2回目のばんえい記念優勝騎手となった。
  2着には障害を上手くクリアして粘りの走りを見せたニュータカラコマが入り、昨年の覇者インフィニティーは先行したが障害の2度の膝折などが影響して3着に、先行したフジダイビクトリーは残り7mくらいまで先頭だったが、最後力尽きて4着となった。
  馬場水分は2.4%。ただ午前から昼頃にかけ小雪が降り、ほどよく湿って、この日の他のレースでは予想より若干早いタイムが出ていた。しかしペースは前半からスローペースで、第1障害から苦戦する馬も出ていた。そんな中キタノタイショウは積極的に前に行き、ハナを奪う勢い。インフィニティー、ホリセンショウといった先行馬もなんとか前に出ようとする。そして各馬出入りする中、第2障害にはキタノタイショウが先頭に取り付き一休み、そして先行馬勢も第2障害にたどり着きほぼ横一線に。最初に障害を仕掛けたのは最内のインフィニティー。しかし2回ほど膝をつく。その間に大外からフジダイビクトリーが障害を上手く越えて先頭に出る。次に勢いを付けて障害の天板まで来ていたニュータカラコマが障害をクリアして2番手で追う。インフィニティーは3番手。そして障害をじっくり溜めたキタノタイショウは4番手でクリア。先行するフジダイビクトリーはそのまま行ってしまいそうな勢いでゴールに近づくがだんだん詰まる。その間ニュータカラコマ、インフィニティーが追うがこれもストップ。そして追ってきたキタノタイショウは詰まりながらも一歩一歩のスピードがありどんどん前を詰めて、残り10mあたりで先頭まで近づき、一回刻んでから一気にゴール。フジダイビクトリーはもう少しだったが完全にストップ。その間をニュータカラコマが2着入線。そして最後はインフィニティーにもぎりぎりかわされ4着となった。
  その後は追ってきたホリセンショウが5着。障害に時間がかかった昨年2着のフクドリが直前でその前にいたトレジャーハンター(7着)をかわし6着。第1障害から引っかかり気味だったアオノレクサスはその後マイペースで進み8着。やはり序盤から苦しんだ今回ラストランのホッカイヒカルが9着。しんがりは第2障害でほとんど動けなくなっていたファーストスターが観客の大声援に押されて立ち上がり13分27秒かけて完走し、最後は大拍手となった。
次走へのひとことメモ
  キタノタイショウ(1着):近走は期待されながら障害の失敗が続きなかなか勝てなかったが、大一番で汚名を返上した。今回は障害を相当意識していたようで、他馬が先に障害を越えて行ってもすぐに動かず、とにかくじっくり溜めていた。越えられさえすれば前に届くと見ていたのだろう。障害苦手といえどもも崩れてしまうことはないので、そのあたりも上手く攻めたのだろう。降りてからは一歩一歩のスピードが違う。このあたりが能力の高さであろう。勝ちタイムが3分台と、このレースとしてはまずまず早い時計が出たということは雪で少し馬場が締まっていたと思われ、この馬にとってはラッキーであった。次走は3連覇のかかる4月オッズパーク杯が想定されるが、荷物が軽くなりスピードのある若馬勢が登場してくることが予想されるだけに、どう挑んでいくか。
  ニュータカラコマ(2着):この馬もとにかく障害を中心にトレーニングしてきたのだろう。近走を含め障害の苦手意識は全くなくなっているように感じる。しかし一方鋭かった切れ味が若干鈍っているように見えていた。今回も障害は2番手で最小限のアクションで越えたが、降りてからの脚色は目立つものはなかった。それでも早めの動きが功を奏して最後まで粘りきり、勝ち馬には差されたものの、前を行くフジダイビクトリーを最後でかわし2着に粘り込んだ。今後も重賞戦線で常に優勝争いできる存在になるだろうが、勝利には展開の助けも必要かもしれない。
  インフィニティー(3着):連覇を期待され1番人気に押されたが、プレッシャーもあったのではないか。先行しながら障害で2度の膝折など手間がかかってしまったのが直接的な敗因だが、最後は脚を余していたような印象もあり、中盤もう一工夫できていればさらに見せ場があったかもしれない。しかし諦めずに歩ききって最後は3着まで粘り込んだところはこの馬の力のあるところであろう。今後は、来年度のこのレースでの王者奪還を期しつつ、重量戦を中心に適鞍を探していくというところか。
  フジダイビクトリー(4着):第2障害を先頭で越えてからも勢いがあり、これはやったか?と思わせた。10m手前で詰まった際でもまだリードがあったが、残り1mで力尽きた感じで2頭に相次いでかわされ非常に惜しい4着となった。しかし初挑戦でしかも大外枠など不利な条件がある中見せ場を作り大善戦だったと言える。やはり先行した方が力の出せるタイプか。シーズンが明ければ賞金加算がリセットされるので、またこの馬らしい力が発揮できるだろう。当面は夏のグランプリあたりを中間目標に重賞戦線を戦うといったところか。
  ホリセンショウ(5着):この馬のペースでは行けており、ミスもほとんどなかったように見えるが、隣のフジダイビクトリーなどに先に行かれてしまい、行き脚をそがれた感じで後手に回ってしまった。こうなるとこの馬は切れ味勝負ではないだけに追いつくのは苦しい。ただそれでも5着に入ったのは自分のレースに徹したということだろう。10歳なので今後これから上積みというのは難しいかもしれないが、オープン特別あたりでまだまだいい勝負はできそうだ。
  フクドリ(6着):昨年2着で素質開花ということもあり、今年はさらに期待されたが、やはりその前走あたりで障害に手こずっていたのが尾を引いた感じか。最後の脚が良かっただけに悔やまれる。
  トレジャーハンター(7着):持ち味の先行力で前半は前線で戦っており、この馬らしいレースは出来ていたと思われる。しかし古馬重賞で勝つためにはもう少し地力をつけたいところ。スピード力はある馬なので、伸びる余地はまだまだある。
  アオノレクサス(8着):第1障害から怪しい足取りだったので心配したが、その後は自分のペースで行けており、第2障害も苦労はしたものの崩れることはなかった。高重量でも対応するだけの力は持っているように感じられる。やはりこの馬が出るとレース自体が盛り上がるので、今後もチャレンジしてほしい。
  ホッカイヒカル(9着):後方待機型の馬とは言え、ついて行くのが精一杯でやはり厳しかったか。今回ラストランでこのような個性のある馬の引退は寂しいが、記憶に残る馬の一頭となった。
  ファーストスター(10着):昨年初出場の際も見せ場は作っており、今年度も未勝利とは言え調子は上がってきた様子だったので期待したが、やはり体力が続かなかった。障害で崩れてしまったこともかなり消耗した原因であろう。ただ10分を越えても最後まで走りきったその根性に拍手だ。十分ケアして次のレースに挑むことが期待される。
はむ!の予想結果(;´Д`)
  まずはレースそのものに感動した。毎年ばんえい記念は感動ものだが、最後のファーストスターが入線するまで皆で見守るというのは他の平地競馬ではないことだ。まさに人馬一体であった。ただし馬券は・・・キタノタイショウを外せば来るの法則はやっぱり生きていた。しょうがない。キタノタイショウには素直に拍手だ。ただそれ以上にこの日一日の馬券成績が散々だったので、それが悔しい。来年度からは本当に買い方考え直さなくては。
今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
・はむ!のばんえい競馬ファイル(2014データ・馬券成績表)
さて、次回ですが、今年度のばんえい重賞は終了。しばし休みで、また4月から新たな年度が始まります。2歳馬の能力検定(4/12)などがあった後、開幕は4月18日から。そして重賞はまだ正式発表はありませんが、おそらく4/26オッズパーク杯が年度最初の重賞になりそうです。ばんえい重賞予想は重賞開催日の前日までに行います。
それから、このブログもかなり煮詰まってきていますので、もちろん来年も続けますが、また少し内容は変えたいと思います。4月早々にも来年度の方針を決めてアップする予定ですのでよろしくお願いします。
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