ばんえい重賞レース回顧(帯広記念)
第38回帯広記念(BG1)-2016年1月2日-9R 200m直 晴 1.9%
1着 (3)オレノココロ 2分46秒3
2着○(7)キタノタイショウ
3着 (8)ホクショウユウキ
単勝 3 660円 三連単 3-7-8 68,320円
※結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印です。)
  ばんえい新年2日のBG1帯広記念は、単勝4番人気の明け6歳馬オレノココロが第2障害中団から一気に前を追い抜き最後はリードして優勝。今季3度目、通算8度目の重賞制覇で最強世代の力を見せた。2着にはキタノタイショウ、3着にはホクショウユウキが入り、三連単で6万円台の波乱となった。
  当地は気温の低い乾燥した日が続いていたが、昼間ににわか雪が降り気温も0℃前後まで上昇。馬場も適度な湿り気がありベストコンディションに近い状況であった。レースは高重量戦ならではのスローペースでスタート、第1障害を越えたあたりで内からインフィニティー、ホリセンショウの先行馬とキタノタイショウ、ホクショウユウキらが心持ち前に行く展開。各馬何度も刻みながら第2障害に向けて進む。第2障害ではインフィニティー、ホリセンショウの内枠2頭が先に到着。そして4,5頭が出そろったところで、先行した頭がほぼ同時に両馬とも障害に挑戦するが坂の中間あたりでストップ。これを横目で見ながらホクショウユウキが障害に挑み坂の8分どころまで上がる。そして、ニュータカラコマとオレノココロが挑戦。いずれも膝を折る。ニュータカラコマは転倒しかけたがなんとか立て直し、結局他馬がもたついている間に先頭で障害を抜ける。続いてホクショウユウキ、インフィニティーとなんとか障害を越え、その後オレノココロ、キタノタイショウ、トレジャーハンターが相次いで障害を越えていく展開となった。ニュータカラコマは先頭を切ったものの脚色が鈍く、かなり手前で詰まる。ホクショウユウキ、インフィニティーも同じようなペースで行くが切れ味はない。そこをオレノココロとキタノタイショウが切れ味良く前に追いつく。特にオレノココロはどんどん加速していき、残り30m地点で先頭へ。そのあとは後続を引き離しセーフティーリードへ、残り5m地点で一旦詰まるもリードを保ったまま先頭でゴール。高重量をもろともしない快勝だった。キタノタイショウがこれに続いたが勝ち馬とは脚色が同じになり2着入線。3着争いはホクショウユウキが残り5mで詰まるところを大外からトップハンデのフジダイビクトリーが逆転しそのままゴールかと思われたがほぼゴール線上のところでストップ。結局線は越えておらず、ホクショウユウキが差し返して3着、フジダイビクトリーが4着。先行した1番人気ニュータカラコマは障害で力を使ってしまったのか、息が続かず7着まで沈んだ。
次走へのひとことメモ
  オレノココロ(1着):やはりこの馬は強いのか。この馬の癖である膝折が出てもすぐ立て直して障害を越えた後は一直線だった。ペースが落ち着いたのはこの馬向きになったのだろう。高重量でも全く問題ないということが証明された。1185kgの堂々とした馬体で風格がある。大一番のばんえい記念に向けても不足はない。陣営は未定のようだが、当然狙っていくのではないか。それまでのレースはハンデを背負うことになるので様子を見ながら調整のため使ってくるということはあるだろう。
  キタノタイショウ(2着):前半は無理なく先行し、苦手の障害もしっかり構えて越えて行き、最後は切れ味で勝負と、この馬にとってはこの上ないレース展開だったといえる。それでも勝ちきれなかったのは、勝った馬との勢いの差であり、力負けというわけではない。高重量が得意ということは改めて実証されたわけだし、ばんえい記念の連覇に向けて視界が開けたと言える。それまでは2月の重賞チャンピオンカップやオープン特別のレースなどで障害をチェックしながら本番に臨むといったローテーションか。
  ホクショウユウキ(3着):ひと腰目で障害を頂上付近まで行ったように、障害の上手さを見せた。もう一歩先に行けていればさらに面白い展開になったかもしれない。昨年のようにバテバテにならず、詰まりながらもしっかり走りきれたことが、最後で入着圏内に入った要因であろう。調子も戻してきているし力もつけている。ばんえい記念に向かうかどうかは不明だが、出ればそれなりの走りは十分できるだろう。オープン特別などでも勝ち癖をつけていきたい。
  フジダイビクトリー(4着):大外枠でゴール直前でのストップしたシーンは、昨年のばんえい記念を思い出してしまった。今回はトップハンデが応えたか。障害をもう少し勢いよく行ければ時間短縮になるのだが。しかししっかり走って確実に上位に食い込むあたり、やはりこの馬の地力は相当なものだ。今後は当然ばんえい記念を目指しての調整となるだろう。
  インフィニティー(5着):先行力が持ち味の馬だが、近走は障害に苦労しており癖になっている感もある。最内枠も災いしたか。今後はばんえい記念を目指しての調整となるだろうが、少々勝利から遠ざかっているので、自己条件のオープン2組あたりのレースで自信をつけたいところ。
  その他では、フクドリ(6着)は調子を取り戻したか、善戦。高重量なら走れる。1番人気のニュータカラコマ(7着)は意識的に自分からペースを作りに行ったが失速。特別戦は強いのに重賞はなかなか勝てない。雰囲気に飲まれるようなところもあるか。
はむ!の予想結果
  オレノココロにはいつもやられている。強いとは思うのだが頭では買い切れない。あとはニュータカラコマも買えば来ない。完敗です。○一つでは勝てないよな。
ばんえい重賞レース回顧(天馬賞)
第9回天馬賞(BG1)-2016年1月3日-10R 200m直 晴 1.7%
1着○(8)キサラキク 2分01秒4
2着◎(2)ハクタイホウ
3着△(4)カンシャノココロ
単勝 8 430円 三連単 8-2-4 2,780円
※結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印です。)
  ばんえいの新年シリーズ3日の明け5歳のBG1天馬賞は、単勝2番人気のキサラキクが第2障害を越えてから切れ味良く抜け出してそのままゴールし優勝。この馬にとって重賞は3勝目だが牡牝混合戦では初の重賞勝利となった。天馬賞での牝馬の優勝は初、鈴木恵介騎手は4連続重賞勝利となった。2着には1番人気となったハクタイホウ、3着にはカンシャノココロが入り、三連単2,780円の比較的堅い決着となった。
  前日のような小雪が降るようなこともなく、乾燥した晴天で馬場も乾き気味で少々力のいる馬場であった。レースはややばらついたスタートで、ホクショウマサルあたりはやや出遅れ。ペースは平均よりやや遅めといったところで、早めに刻む馬もいた。1,2障害中間あたりからハクタイホウ、カンシャノココロ、アアモンドセブンあたりの先行馬がやや前へ、シンザンボーイそしてキサラキクも続く。第2障害手前まで5頭ほどが揃う。そして先にハクタイホウが障害を仕掛けるが坂の中腹でストップ。二の腰も入らずやや苦戦。追ってカンシャノココロ、アアモンドセブンも続くが同じようにストップ。外からシンザンボーイが坂の頂上付近まで登ったが膝折、その間に力を溜めていた最内のカイシンゲキ、キサラキク、ホクショウメジャーが相次いで障害をふた腰程度でクリア、ハクタイホウもなんとか降りる。障害を越えてから脚色が良かったのがカイシンゲキ、ハクタイホウとキサラキク。中でもキサラキクがしっかりスピードを上げ前に出る。3頭がそのままの態勢で進んだが、まず残り10m程度でハクタイホウが詰まる。カイシンゲキも脚色が鈍る。それを見ながらキサラキクは最後緩みながらもゴール板を通過し勝利。2着争いは立て直しつつも再び止まったハクタイホウとカイシンゲキにカンシャノココロ、ホクショウメジャーが迫り、接戦となったが、ハクタイホウがなんとか抜け出し2着を確保、カイシンゲキがゴール直前で止まるところをカンシャノココロが抜いて3着、ホクショウメジャーがわずかの差で続き4着、カイシンゲキは5着だった。
次走へのひとことメモ
  キサラキク(1着):まさに快勝だった。これまでハンデもあり適鞍が少なかったが、定量戦で実力を遺憾なく発揮した。プラス37kgと減らしていた馬体重を戻し馬体も充実していた。無理のないペースで他馬を見ながらレースを進められて最後までしっかり走り切れた。高重量もむしろ得意そうで、名実ともにフクイズミ以来の強い牝馬といえる。次は、これもこの馬が勝ちたいレース・1月24日の牝馬限定ヒロインズカップに臨むことになるだろう。軽ハンデの馬もいる中、貫禄を見せられるか。
  ハクタイホウ(2着):序盤の先行力と最後の詰めの甘さを含め、良くも悪くもこの馬らしさの出たレースだった。誤算だったのは障害でやや手間取ったこと。やはり追い込むタイプではないので先に降りられないと苦しい。ただ2着に粘りこむあたりは、完全復調しさらに力を付けているといえる。今後の目標ははっきりしないが、当面は自己条件のオープン2組のレースで古馬を相手に経験を積んでいくか。
  カンシャノココロ(3着):元々先行する馬ではあったが、今回は特に早めに動いた。その分やや障害で時間がかかったか。最後の脚はしっかりしているので、直前3着に粘りこんだ。この馬はいつもこのような感じのレースをするので、安定度は高い。自己条件はA1クラスだが、次の特別戦あたりで勝てばオープン入りできるのでそのあたりを目指して行くか。
  ホクショウメジャー(4着):ランキングはメンバー中最も下位で人気薄ではあったが、この馬も重賞勝ちの力はある。切れの良い追い込みで見せ場を作った。しっかり障害を切ってこれたのも善戦の要因だろう。この馬の自己条件はA2組。すでにこのクラスでは勝っているので、今回の経験をもとにすれば楽に勝ち抜けるだろう。
  カイシンゲキ(5着):しっかり前につけ、障害も他馬の状況を見ながら上手く登っていったが、最後の直線で失速した。最内枠が微妙に影響したか。力負けのようには見えなかったが、ゴール手前で力尽きた感じだった。2月末のチャンピオンカップの出走権があるのでそこを目標とするか。
  その他では、ダービー馬ホクショウマサル(6着)は終始後ろからのレースで、やはり現状では厳しかったか。柏林賞勝ち馬カゲホウトウ(10着)は現状では力が出る状況ではなかった。
はむ!の予想結果
  ◎と○逆だったけど、もちろんキサラキクも押さえていて単複も勝っているので、スカッと当たり。安いけど。ワイドの方も来てくれた。ホクショウメジャーの脚色が良くて、こちらが来てくれればもう少し高配当になったんだけど、そうはうまくいかないね。でも当たることが大事。
今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
・はむ!のばんえい競馬ファイル(2015データ・馬券成績表)
なお、2日に本欄で全レース展望を行いました。一つ一つの答え合わせは時間がないので割愛させていただきますが、3つぐらい引っかかったものの、全体的にはハズレが多く、収支的にはマイナスでした。
さて、次のばんえい重賞は1月24日のヒロインズカップ(BG2)になります。重賞は少し間が空きますが、ばんえい自体は毎週やっていますので、引き続き応援してまいりましょう。前日(23日)までには重賞予想を書きたいと思います。
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