ばんえい重賞レース回顧
第49回ばんえい記念(BG1)-2017年3月20日-9R 200m直 晴 0.6%
1着△(8)オレノココロ(鈴木恵)4分07秒6
2着 (6)キタノタイショウ
3着▲(3)ニュータカラコマ
単勝 8 240円 馬単8-6 1,730円 三連単 8-6-3 5,440円
※結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印です。)
今年のばんえい競馬の最高峰、農林水産大臣賞典第49回ばんえい記念は、1番人気の7歳馬オレノココロが障害を越えてから一気に前の馬をかわし、1,2度息を入れるだけで勢いよくゴールを駆け抜けて快勝。ばんえい記念初出走で初優勝、名実ともに現役最強馬となった。重賞は13勝目、BG1は6勝目。また、このレースでラストランとなるキタノタイショウが追い込み2着に入った。
この1週間はほとんど降水がなく、馬場水分は0.6%とカラカラで砂ぼこりの立つ馬場。力は必要なものの脚抜けは良さそうではあった。
レースは当然のことながら各馬序盤からゆったりしたペース。フクドリが第1障害で苦労した以外はほぼ一線の序盤戦。各馬小刻みに息を入れながら進む。オレノココロやキタノタイショウら末脚にかける馬が少し前に出ながら様子をうかがう。第1,2障害中間からはフジダイビクトリー、ニュータカラコマあたりの先行馬も前方へ。第2障害到着は1分50秒程度といったところ。第2障害では各馬じっくりためて仕掛けのタイミングを待つ。そしてフジダイビクトリーとオレノココロが仕掛けるが三分どころでストップ、続いてニュータカラコマ、コウシュハウンカイ、サクラリュウあたり障害に挑戦。オレノココロらは膝を折りかける場面もあるが立て直して再挑戦。各馬4発、5発と攻め続けどの馬が先に抜け出せるかというところ。そして最も先に抜けたのは昨年同様ニュータカラコマ、そしてフジダイビクトリーも苦労しながら障害を越える。少し離れて3番手には控えた位置から勢いを付けて登ってきたカイシンゲキが越え、コウシュハウンカイが続き、前の2頭を追う。そして程なくオレノココロが障害を越えれば降りてからの脚色が非常に良く、前を行く馬に迫って残り30mの地点で一気に先頭へ、1,2度詰まって息が入るもののその後もスピードは衰えず、そのまま突き放してゴール。終わってみれば1番人気オレノココロの強さが際立つ走りであった。2着争いは先行各馬が苦しみ何度も詰まる中、7番手あたりで障害を降りていたキタノタイショウが一気に追い込んで2着に入り、差し馬同士の決着となった。3着には、ゴール前で止まったフジダイビクトリーを最後にかわしたニュータカラコマが入った。最後の入線はフクドリだったが、5分58秒と例年よりかなり早く全馬が完走した。
次走へのひとことメモ
  オレノココロ(1着):帯広記念の時もそうだったが、結果として圧勝となりその強さが際だつ一方、レース運びの上手さも光って、この馬を勝利に導いたと言える。障害自体は決して上手ではない馬だが、膝を折りかけても慌てずじっくり対応し直線にスタミナを温存していた。特に高重量戦では少々遅れても追いつけるという自信があるからこその走りだろう。来年度はさらに充実した戦いが期待されるが、同厩舎で2歳年下のセンゴクエースとの棲み分けもあり、どうローテーションを組んでくるかは厩舎サイド次第。夏のグランプリを目標に、適度に休養を挟みながら調整していくことになるのだろう。
  キタノタイショウ(2着):2着に終わったとはいえ、最後はこの馬の持ち味のしぶとい追い込みが見られた。全く成績が上がらなかった時期のことを考えると11歳でよくここまで復活したというところ。記憶に残る名馬として有終の美を飾ったと言って良い。これで種牡馬入りとなるが、今後この馬のスピードとスタミナを兼ね備えた性質を受け継いだ産駒の活躍が期待されるところ。
  ニュータカラコマ(3着):今回は狙っていたのではないか。この馬にはこれしかないという走りで、今回も障害をトップ抜け。切れ味のある1,2着の馬には差されたものの、同時に降りた前年優勝馬のフジダイビクトリーを最後で再逆転して粘りを発揮した。今年度は出走した全レースで掲示板内に入り非常に高い連対率を誇った。来年度も重賞戦線では当然柱になるだろう。本格始動は7月の北斗賞あたりか。
  フジダイビクトリー(4着):この馬として力は十分発揮したし、レース運びのミスがあったわけでもなかった。最内の1番枠が影響したのではとの見解があるが、それがどのように作用したのかははっきりしない。ただ障害ではいつものグイグイ押していく感じはなかった。乾いた馬場で差し馬の方に有利な展開だったということだろう。来年度はリベンジの年になりそう。力の衰えは全く感じられない。
  コウシュハウンカイ(5着):昨年の経験を生かし、有力馬にじっくりついて行く位置取り。障害も一瞬崩れそうな場面もあったが上手くさばいて、この馬らしいしっかり走りを見せた。ただ安定性はあるものの爆発力がないのが、ライバルのオレノココロとの違いか。最後は競り合いの中かなり一杯になっていた。今後も古馬重賞戦線で中心的存在としての活躍を期待。次の狙いは3連覇のかかる旭川記念か。
  サクラリュウ(6着):何としてもこのレースに出たかったのだろう。さすがに帯広記念で見せたほどのパフォーマンスは出せなかったが、障害力と重量適性のあるところを見せ、最後はコウシュハウンカイに直後まで迫り掲示板まであと一歩だった。今後重賞に出られればその先行力は脅威になりそうだ。
  カイシンゲキ(7着):6歳ながらしっかり走りきり、障害を3番手で越えて見せ場を作った。このレースで引退の浅田騎手らしく終始積極的なレース運びが印象的で、この馬にとっても力のあるところを見せ、今後さらなる成長が期待される。来年度は古馬重賞タイトルが欲しいところ。
  ホクショウユウキ(8着):昨年は掲示板内の5着に入りそこそこ好走して今年も期待したが、前半から行きっぷりが悪く、終始後方からのレース。障害もかなり苦労し、全体として力を出せなかった。馬体重も減っていて体調も万全でなかったのかも知れない。この馬の力からしてこれで終わる馬ではないはず。再度重賞で戦えるようまずは体調を整えていってほしい。
  フクドリ(9着):2年連続最下位。第1障害から苦労しており、やはり重い荷物で重い馬場はこの馬には苦しいところ。ただ昨年より3分早いタイムで抜け出せたのは、調子そのものは悪くなかったのではないかと言える。同世代のキタノタイショウが引退する中、この馬はどのあたりまで頑張るか。スピード勝負になればまだまだ戦えそうだが。
はむ!の予想結果
  ま、今回は馬券勝負はともかく、ばんえい記念という最高峰のレースを楽しむことに主を置いたので、勝ったオレノココロ、そして馬券は単勝100円しか買わなかったけど、ラストランを最後まで戦ったキタノタイショウ、騎手を引退する浅田騎手のカイシンゲキを始め各馬の頑張りに拍手だ。予想の方は、キタノタイショウを外していたことと、本命にしたフジダイが4着になったことで外れる結果になったけど仕方ない。来年度に向け馬券の買い方、その他いろいろ反省し立て直していきたいと思います。
  今回収支 -6,210 (配当)490 (投入)6,700
  (今年度累計)-55,220
今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
・はむ!のばんえい競馬ファイル(2016データ・馬券成績表)
さて、ばんえい記念の感動の余韻も残るところですが、これで今シーズンの重賞は全て終了。その他のレースも3月27日で一区切りです。その後3週間ほど休みがあって、来年度のばんえいは4月21日(金)に開幕します。その前の4月9日(日)には2歳馬の能力検査が始まり、現役馬もクラス再編成となり新しい気持ちでのシーズンが始まります。来年度の当欄の方針ですが、まだちゃんと決めていませんが、一応今年と変わりないスタンスでやるつもりです。(ただ、少しセーブしていきたいと思います。)
新シーズン最初の重賞は4月30日(日)のオッズパーク杯になります。その予想は前日までに、また、それまでに(第1回の2歳馬能力検査が終わったあたりに)次シーズンの取り組みなどについて書きたいと思います。それでは今後ともよろしくお願いします。
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