遅くなりましたが年末年始の重賞3本の回顧を一度に行います。日付の新しいものを上にしております。
ばんえい重賞レース回顧
第11回天馬賞(BG1)-2018年1月3日-10R 200m直 曇 2.7%
1着◎(9)マルミゴウカイ(藤本匠)1分50秒6
2着▲(5)ホクショウディープ
3着△(4)タカラシップ
単勝 9 140円 馬単9-5 460円 三連単 9-5-4 1,640円
※その他の配当、結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印)
正月恒例、ばんえい明け5歳のチャンピオン決定戦の第11回天馬賞は、マルミゴウカイが障害中団から力強く抜け出し1番人気に応えて快勝。史上3頭目の4歳(明け5歳)三冠を達成した。同馬は通算5度目の重賞制覇。藤本騎手はこのレース3度目の制覇、今季は帯広記念に続き重賞5勝通算62勝目となった。
帯広は正月1日から雪が降ったりやんだりで3日の朝も多少降ったが、気温が比較的高いこともあって、馬場水分で表されるほど軽い状況ではなかった。レースはゆったりしたスタートで1,2障害中間手前まではほぼ横一戦。その後各馬刻みを入れる中、2番人気に推されていたタカラシップが果敢に前に出て行った。他馬はこれに付いていかず、集団からフウジンライデン、ホクショウディープらがやや前を行く程度、この時点でマルミゴウカイらは中団から後ろ。タカラシップが先頭で第2障害手前に到達。ここまで53秒。続いてフウジンライデンらが追うところをツルイテンリュウが詰めて2番手で障害手前に到達。後方から詰めてきたマルミゴウカイを始め各馬が障害に到達する間もなく、タカラシップは先に障害に挑戦。一歩一歩力強く踏みしめて仕掛け障害を越えた。続いてフウジンライデン、ツルイテンリュウ、ホクショウディープが障害に挑戦し、このうちツルイテンリュウは立ち止まり、他の馬は懸命に腰を入れて障害をなんとか越える。そうしているうちに外のマルミゴウカイも障害をしっかり越えた。降りてからの脚色はマルミゴウカイとホクショウディープが鋭い。しかし2頭ではマルミゴウカイが上回っていた。前でタカラシップが必死に逃げていたところ残り30mでかわし先頭へ、ホクショウディープも続いて残り20mのところで2番手に上がり懸命に追うが、前は離れる一方。そしてマルミゴウカイが勢いよくゴールを駆け抜けた。ホクショウディープも最後疲れたが2着を確保、タカラシップが粘って3着に入った。3番人気フウジンライデンは障害を降りてからの勢いがなく、最後は後ろからきたプレザントウェーにもかわされ5着だった。
  マルミゴウカイ(1着):結果としては力の差を見せつけた形になったが、まだこれでもこの馬の8分ぐらいの力しか出していない印象。ブルーオーシャンが出走取消になって端枠になったこともあり、ソラを使わぬよう左イタイタを付けて走っていたが、前半は決して反応が良くなくどうかと思わせた。しかし障害を越えてからはやはり力が違った。今後の成長が楽しみだし、ファンとしては古馬勢にもどんどん挑戦してほしいところ。それがさらに気性の成長にもつながるだろう。ただ槻館厩舎にはオレノココロ、センゴクエースといったトップ馬がおり、それらとの兼ね合いが注目。次の狙いは2月のチャンピオンカップや3月のポプラ賞が考えられるが、ハンデ差もあるのでどのように対応してくるか。
  ホクショウディープ(2着):またしてもマルミゴウカイの後塵を拝した。それでも今回は臨戦過程からか4番人気に甘んじていたものの、重賞になるときっちり仕上げてきた。苦手な障害もしっかり越えたし、いつものゴール前での緩みもなかった。立派な2着と言える。次の狙いはポプラ賞か、しかし馬体重も減っているように少し使い詰めのような感じもするので、一息入れて立て直すのも良いのではないか。
  タカラシップ(3着):積極的な逃げは初めて重賞に出走した昨年度のポプラ賞と同様。しかし前回よりも数段力を付けてきた印象だ。障害を力強く越え、直線での粘りも立派であった。2番人気にまで押し上がっていたのもうなづける。今後も重賞でこの走りを見たいところだが出走にはさらに勝ち星を重ねる必要がある。まずは自己条件(A2クラス)で古馬の実力馬相手に魅せるレースを期待したいところ。
  プレザントウェー(4着):この馬なりに積極的に前に行って、障害もしっかり越えていたのだが、先行馬の勢いに隠れあまり目立たない状況であった。最後は落ちて来たフウジンライデンをかわして4着に入るのが精一杯だった。やはり善戦タイプで安定性はあるのだが、勝負に持ち込むにはさらに何かがほしいところ。自己条件(A2クラス)でしっかり勝ち味を覚えたい。
  フウジンライデン(5着):馬体はしっかり作ってきた印象で体重もプラス10kg、そこそこやれるかと思われたが案外だった。2番手につけ障害も上手く越えてはいたが、勢いがなかったことと、若干よそ見をする仕草もみられまだ十分力を発揮できていなかったように思われる。賞金的にはポプラ賞の出走は可能なので、そのあたりを狙って稽古を重ねていきたいところ。
  その他では、タフガイ(6着)は自分の走りに徹していた。最後の脚色はかなり良かったので、積極的に行ってもおもしろかったかも。ツルイテンリュウ(7着)は今回は障害が上がらなかった。前半で一気に前に詰めるなどやや脚を使いすぎた感もある。牝馬勢はやはりこの世代は牡馬との力の差が大きかった。
はむ!の予想結果
  一応は◎▲△で当たったんだけど、大本命のマルミゴウカイ頭だからねぇ。三連単1,640円はやはり安い。そして三連単3本と枠複を含め計算したところ残念ながら100円のマイナス。ま、負け続けの自分的には外れるよりかはよっぽどまし。さて、今年度の重賞は残り6つ。従って、いつもの投入ペースでいけば最後のばんえい記念まで資金が持ちそうだ。ホッとしているけどやはり少しでもマイナスは減らさなきゃ。
  今回収支 -100 (配当)5,600 (投入)5,700
  今年度累計 -64,330 (今年度残高35,670) (1/3現在)
第40回帯広記念(BG1)-2018年1月2日-9R 200m直 曇 2.7%
1着△(9)コウシュハウンカイ(藤本匠)2分15秒9
2着注(10)サクラリュウ
3着◎(7)フジダイビクトリー
単勝 9 610円 馬単 9-10 3,580円 三連単 9-10-7 19,800円
※その他の配当、結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印)
ばんえい正月恒例の古馬重賞・帯広記念は3番人気のコウシュハウンカイが障害2番手から抜け出しトップハンデをもろともせず快勝。重賞は今期3勝で通算7勝目となった。藤本匠騎手は帯広記念は2000年以来18年ぶり2度目の優勝。
帯広は元旦から雪で、2日も小雪が降ったりやんだり。ただ気温も0度を少し下回る程度で当地としては暖かく馬場も軽めではあるが適当に粘り気があり時計もそれなりにかかっていた。レースは揃ったスタートで第1障害を越えてもほぼ横一線。ペースはゆったりしているものの高重量戦としては比較的スムーズな流れ、各馬早めに刻みを入れる中で、先行馬のトレジャーハンターがハナに立ち、それをフジダイビクトリーと先行馬のサクラリュウが追う形、フジダイ以外のBIG4勢ではニュータカラコマも早めに前に取り付き、オレノココロ、コウシュハウンカイも一馬身ほどの差で続く。ほぼ同じ隊列で第2障害手前へ、ここまで70秒強とこのレースとしてはいつもの年より早め。障害を先に仕掛けたのは逃げたトレジャーハンターだが坂の中腹でストップ。続いて大外のサクラリュウが駆け上がりこちらはスムーズに障害を越えて先頭へ。差が無くフジダイビクトリーが行くが膝が入り立ち止まる。その間にニュータカラコマそしてコウシュハウンカイが続きこちらはひと腰でクリアし前を追う。後は少し遅れて立て直したフジダイとトレジャーが続き、1番人気オレノココロは障害でよれて苦戦しながら大きく遅れて6番手でようやく降りた。その間先頭争いは既にのこり30mサクラリュウをコウシュハウンカイがあっという間にかわして先頭へ、ニュータカラコマも追うがあまりスピードが上がらず、フジダイビクトリーが逆にこれに迫る形。コウシュハウンカイは力強く前進し、サクラリュウもしぶとく粘るが、これを振り切ってゴールを駆け抜けた。2馬身ほどの差でサクラリュウが2着、3着争いはフジダイビクトリーがさらに脚色の鈍ったニュータカラコマをかわし3着。ニュータカラコマは最後は急追してきたオレノココロにもかわされ、オレノココロが4着、ニュータカラコマが5着だった。
  コウシュハウンカイ(1着):この馬はこれまで帯広記念は成績が上がっていなかったこと、トップハンデであったこと、前哨戦でも伸びきれない4着が続いていたことなどから、若干不利ではないかと思われたが、今年は全く違って強みを見せつけた。イメージ的には北見記念とほぼ同様の展開で、他馬の動きに全く動じず自分の走りに徹した。軽馬場も味方したものの、力強く安定した走りというこの馬の持ち味が存分に発揮された。北見記念以降月イチのローテーションでしっかり調整した上でここに臨んだのが馬体重の11kg増にも現れている。次は当然年度末の大一番ばんえい記念を目指すが、どのような課程で調整してくるか。力は問題ない。
  サクラリュウ(2着):もう善戦というより実力どおりの走りと言って良いだろう。完全に強い8歳世代の一角に入った。前半は自然に前に付け、障害もひと腰で越えて、あとはどれだけ粘るかという展開。最後の直線も勝ち馬に食らいつく粘りを見せた。高重量は本当に得意なのだろう。当然次の目標は大一番ばんえい記念だが、まずは特別戦か平場戦ででも勝つ味を覚えたいところ。
  フジダイビクトリー(3着):条件は悪くなかった。軽馬場も本来は歓迎すべきところ。ただ時々この馬にはあることだが、障害で腰が入ってしまい一歩立ち後れてしまったことが悔やまれる。臨戦過程からの期待と8歳馬勢に先着されたことからやや完敗感が残るが、1,2着馬には今回うまく走られたということであり決して力負けではない。ばんえい記念でのタイトル奪還に向け再起を図る。
  オレノココロ(4着):今回は障害でのミスが全て。いつもならすぐに立て直して追えるのだが今回は馬体重が37kg増の1225kgでかなり重かった。一旦崩れると巨体を立て直すのが大変に見える。さらに、他の先行馬勢が楽に行ったのでやや焦りが出たか。前半少し無理に前に詰めていたようにも見えた。3連覇はならなかったが次にも目標があるのでしっかり立て直してほしい。
  ニュータカラコマ(5着):特に不調な様子はなかったが、最後でかなり脚色が鈍ってしまった。高重量でトップハンデ、それでいてペースが速くなり、この馬にはいかにも不向きな条件だったか。決して力が落ちた訳ではないだろう。最大目標はばんえい記念だが、まずはオープン特別でこの馬のカンを取り戻したいところ。この馬が出走権を持つ2月のチャンピオンカップあたりもおもしろい。
  その他では当欄で単穴に推したカンシャノココロ(6着)は無理に勝負に行かず終始自分の走りに徹していた。このメンバーで6着は悪くない。良い経験ができたというところか。シンザンボーイ(7着)も同様だが、馬体重減は厳しかった。トレジャーハンター(8着)も前半先行して見せ場までは作った。障害もう少し腰が入れていれば。
はむ!の予想結果
  引っかかったのはサクラリュウ絡みのワイドだけ。いつも焼け石に水状態。それにしてもコウシュハはいつも結構信じて買っていたのに、北見記念と今回の帯広記念、買わない時に限って来る。結果を見ればなぜ軽視しちゃったのか?という感じなのだが・・。あと他のレースでもそうなのだが、△を付けた馬がよく来てそれを頭で買ってないというパターンが多いような気がする。点数を広げてもボックスにするとか、馬複を手広くとかもっと工夫が必要かもしれない。あとオレノココロも買った時は来ないの法則が。
  今回収支 -4,460 (配当)1,440 (投入)5,900
  今年度累計 -64,230 (今年度残高35,770) (1/2現在)
第19回ヤングチャンピオンシップ(BG2)-2017年12月29日-10R 200m直 晴 1.5%
1着◎(8)オレワチャンピオン(鈴木恵)1分39秒7
2着▲(7)ジェイコマンダー
3着△(2)コウシュハレガシー
単勝 8 140円 馬単8-7 990円 三連単 8-7-2 5,110円
※その他の配当、結果は主催者のものを参照ください。 (◎○▲△等の印は、はむ!の当初予想印)
ばんえい2歳馬の産地選抜重賞第19回ヤングチャンピオンシップは、1番人気のオレワチャンピオンが後続を振り切って逃げ切り勝ち。むろん重賞初制覇。北央地区産駒の勝利は2006年のカネサリュウ以来11年ぶり3度目(当該レース名になってからは初)、鈴木恵介騎手はこのレース4連覇で重賞通算64勝目となった。
晴天が続く帯広らしい天気で、コースは乾き気味でかなり時計のかかる重馬場。序盤はこのレースとしてはゆったりしたスタート。大外のコウシュハギョイは若干出遅れたがそれ以外はほぼ横一戦。第1障害を越えたあたりから最内のアアモンドグンシンが果敢に先頭に立った。続いてバンリュウブラック、そしてオレワチャンピオンと先行馬が前を伺う。あとはキンツルモリウチ、コウシュハレガシーと行ったところが追っていって、第2障害手前へここまで49秒。そして障害を先に仕掛けたのはオレワチャンピオン、両脚で力強くグイグイ引っ張るように障害を越えて先頭へ。これにすぐ続いたのが隣のジェイコマンダー。こちらはスムーズに障害を越え前を追う。少し遅れて、アアモンドグンシン、キンツルモリウチが障害をひと腰で越え、コウシュハレガシーが続いた。あとの馬は障害で手間取った。先頭争いは逃げるオレワチャンピオンにジェイコマンダーが並びかけ一騎打ちの激しい叩き合い。しかしオレワチャンピオンが終始クビ差のリードを保ったまま緩むことなくそのままゴールを駆け抜けて優勝した。ジェイコマンダーはピッタリ追ったが前をかわすことはできずそのまま2着。3着争いはやや前に出たアアモンドグンシンと追ってきたコウシュハレガシーのこれも叩き合いとなったが、アアモンドグンシンがスピードが緩むところをコウシュハレガシーが走りきり3着。アアモンドグンシンは残り10mで力尽きて前脚から崩れ、そこを外から続いていたキンツルモリウチがかわし4着に入った。2番人気になっていたバンリュウブラックは障害であと一歩のところで止まり8着、3番人気のアアモンドグンシンはその後立て直したが最下位の10着となった。
  オレワチャンピオン(1着):粘りの勝利であった。最後の直線の叩き合いになったとき、いつもならゴール手前で緩むことも多かったが、今回は最後までしっかり走りきり追いすがるジェイコマンダーを振り切った。並びかけられて根性が復活したか。あるいは前半に力をセーブできていてその分、最後まで力を温存できていたのかもしれない。いずれにせよ終わってみればこの馬の力強さを見せるレースだった。この後は当然3月のイレネー記念を目指していくことになるが、それまでの平場戦を使えば賞金加増は+30kgとなる。ぶっつけで行くことも含めどのような臨戦過程を取るか。
  ジェイコマンダー(2着):近走障害で苦しみ4番人気まで下げていたが、今回はしっかり立て直してきた。マイナス10kgの馬体重も稽古をしっかりしてきた成果だろう。障害の捌きは勝ったオレワチャンピオン以上のものがあった。勝ち馬をかわすところまでは至らなかったがこの馬の持ち味は出せたと思われる。さらに磨きをかけてイレネー記念で雪辱を期する。
  コウシュハレガシー(3着):900kgそこそこの小柄な馬が今回プラス26kgと体重を増やしてきた。体調は良かったのだと思われる。ただ周りに合わせて仕掛けるタイプなので、どうしても一歩出遅れてしまう。荷物が重くなり切れ味の鋭さも若干そがれたように見えた。賞金加増はなかったので自己条件できっちり勝ってイレネー記念の出走権を確実なものとしたい。
  キンツルモリウチ(4着):隣の馬の影響か若干スタートダッシュがきかなかったように見えた。その分第2障害時点でも一歩遅れたか。キレのある馬ではないだけにさらに上位に入るためにはもう少し前に行きたかったところ。ただこのクラスでも十分やれるところは見せたのではないか。イレネー記念出走を確実にするためにはもう1勝くらいは積み上げたいところ。
  フレイムゴールド(5着):今回は終始後方から行っておりあまり無理には詰めなかったか。降りてからの切れ味の鋭いところは見せた。能検6位の素質馬がようやく本来の力を出せるところまで来たというところ。今後さらに稽古を重ねて力をつけていけばそこそこやれそう。
  その他では紅一点のセンショウブルー(6着)は自分のペースを貫き通した。激しいレースで戦った経験は今後に生きそうだ。バンリュウブラック(8着)は予選での走りなどから2番人気にまで押されていたが、障害を天板まで上げておきながらもう一歩が出なかった。アアモンドグンシン(10着)は果敢な逃げで見せ場は作ったが、オーバーペースがたたったか直線で崩れてしまった。
はむ!の予想結果
  本当に珍しいプラス配当。本命をしっかり抑えていたのが結果として良かったが、しかし「本命1着でプラス終始」というが今シーズン初というのがいかにも情けない。まだ大きなマイナスは続くので、今後も少しずつ借金を返していきたい。
  今回収支 +6,530 (配当)11,430 (投入)4,900
  今年度累計 -59,770 (今年度残高40,230)・・12/29終了時
今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
・はむ!のばんえい競馬ファイル(2017データ・馬券成績表)
次回の重賞は2週間と少しあいて。1月21日(日)、牝馬チャンピオン決定戦・ヒロインズカップ(BG2)です。薄暮開催なので発走時刻はいつものナイターに戻って18:05の予定。いつもどおり前日までには予想を書きたいと思います。
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