先週11月25日、ばんえい現役最年長騎手であった大ベテラン山本正彦騎手(愛称:マサ兄)が43年の騎手生活を終え引退しました。とにかく1975年のデビューということで、さすがに筆者もばんえいどころか競馬もほとんど知らない時期です。そんなにわかファンがレジェンド・マサ兄の功績について述べるのもどうかと思いますので、それはめいめいお調べいただくとして、とにかくお疲れ様という言葉で済ませることはできないほど様々な思いが詰まった43年間だったのだろうと思います。それがインタビューの時のマサ兄の涙に表されているようでした。今後は調教師に転身ということで、またいろんな個性的な馬を出てくることが期待されます。
さて、今週の重賞はBG1のばんえいオークス。第43回を数えますが、ちなみに山本騎手は第2回のオークス(当時のレース名は「ばんえい優駿牝馬」)で優勝しています。そんな歴史に思いをはせながら、今年のオークスを応援してまいりましょう。
はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第43回ばんえいオークス(BG1) (2018年12月2日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 3歳牝馬オープン定量) | |||||||
はむ予想 | 馬番 | 馬 名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | 調教師 | 備 考 |
1 | サンシルクラポピー | 牝3 | 670 | 村上章 | 鈴木邦 | 栗毛 追父 ハマナカキング | |
◎ | 2 | ミスタカシマ | 牝3 | 670 | 鈴木恵 | 槻舘重 | 栗毛 先父 ウンカイ |
▲ | 3 | プランセス | 牝3 | 670 | 赤塚健 | 久田守 | 青毛 差 父 キングファラオ |
4 | センリョウバコ | 牝3 | 670 | 菊池一 | 大橋和 | 鹿毛 追 父 ヤマノミント |
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○ | 5 | アフロディーテ | 牝3 | 670 | 西謙一 | 西弘美 | 栗毛 先父 ニシキダイジン |
注 | 6 | センショウブルー | 牝3 | 670 | 藤本匠 | 岩本利 | 黒鹿毛 追 父 カネサテンリュウ |
△ | 7 | サトクィーン | 牝3 | 670 | 阿部武 | 大友人 | 青毛 逃父 ニシキダイジン |
8 | カネササクラ | 牝3 | 670 | 松田道 | 村上慎 | 鹿毛 差父 カネサテンリュウ | |
9 | クイーンドリーマー | 牝3 | 670 | 藤野俊 | 今井茂 | 栗毛 差父 キタノドリーマー | |
10 | ウィナーキララ | 牝3 | 670 | 西将太 | 大友人 | 青毛 先 父 カネサブラック |
「ばんえいオークス」の概要と傾向
ばんえいの3歳牝馬の重賞。帯広単独開催以降は毎年初冬のこの時期に行われている。今年度からヒロインズカップがBG1に格上げされるが、それまではばんえいオークスが唯一の牝馬のBG1レースであった。負担重量は定量でハンデ無し。正に牝馬の世代最強を決めるレースである。過去10年で1番人気は(3,2,0,5)と連対か大敗かという極端な傾向を示している。まれに一昨年のホクトノホシのように人気薄が突っ込んでくることもあるものの、2着は全て5番人気以内の馬が入るなど、基本は上位人気の馬が優勢。その中で2番人気は(4,2,2,2)となかなかの好成績を上げており、そのあたりを狙うのが妙味か。明け3歳の黒ユリ賞の勝ち馬が4勝するなど、同世代レースで好走していることがポイント。いわゆるトライアルレースがないため臨戦過程で判断するのは難しいが、自己条件ででもある程度直近に勝ち星を上げてきている方が成績が上がっている。馬場状態や障害の巧拙などにより結果を左右されることも多い。騎手別では全体に分散しているが、鈴木恵介騎手の3勝がトップ。
今回のみどころ
とにかく今年の3歳牝馬はミスタカシマの実績が飛び抜けており、2歳時ナナカマド賞では20年ぶりに牝馬優勝、ばんえい菊花賞でも牡馬勢を寄せ付けない強さだった。もちろん黒ユリ賞も勝っており、既に重賞3勝。定量戦のここでは普通にいけばミスタカシマが突出しているが、そこは競馬なので、何が起こるかわからない。2歳時の十勝産駒特別ではまさかの障害ミスで最下位に沈んだようなこともある。他の馬たちはこのミスタカシマを負かしに行くのか、それとも無理せず2着狙いでいくのか。そのあたりで流れが変わってきそう。なお、黒ユリ賞ではアフロディーテが2着、サンシルクラポピーが3着となっている。また2歳時の白菊賞ではプランセスがミスタカシマに勝ったことがある。また重賞が初めての馬もおり、それらは未知の魅力がある。ホクトノホシのように彗星のごとく現れるような馬はいるか。
各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
1 サンシルクラポピー:重賞は黒ユリ賞3着の実績。その後の福寿草特別でも追い込んでの3着。出足は控えめだが障害を降りてからの切れ味が鋭い。最後まで粘りきれる脚も持っている。今年度に入って馬体が大きく成長しさらに力を付けてきた。時折障害でのミスが見られカギになっている。前々走は直線で膝を折った、しかし翌週は立て直して快勝。
2 ミスタカシマ:ここまで重賞3勝、2歳時のナナカマド賞では20年ぶりの牝馬制覇を果たしたし、ばんえい菊花賞では他馬を引きつけて引き離す強い勝ち方で牡馬勢を蹴散らした。他にも華々しい成績を上げている。先行力があり障害もほぼ問題ない。強いて言えば流れに乗れず追走する展開になった時、切れ味のある馬に脚元をすくわれることも。
3 プランセス:重賞は黒ユリ賞のみ出走、この時はそれまでの成績から2番人気に推されていたが、力を出し切れず6着だった。2歳時は特別戦の白菊賞勝ちなど4連勝して期待された時期もあったが、順調に出走できず伸び悩んでいた。近走ようやく力が出せるようになってきている。脚質は好位差し、障害はまずまず。まだ秘める力が眠っているはずだ。
4 センリョウバコ:重賞は黒ユリ賞のみ出走。当時最下位人気ながら最後の直線で追い込み、掲示板内の5着に食い込んだ。その後は特別戦にも出ていない。黒ユリ賞時のように、後方待機から、他馬が落ちてくるところを拾いながら順位を上げて行くタイプ。一瞬の切れ味よりも長い脚を使える。障害もこなす。ここにきて馬体が充実し好調をキープ。
5 アフロディーテ:重賞は黒ユリ賞のみ出走し、当時人気薄ながら最後の直線で接戦を演じ2着に入っている。その後の福寿草特別でも2着。デビュー時は小さく、いかにも非力な馬の印象だったが、馬体の成長とともに力も付けてきた。脚質は自在からやや控えめで他馬の様子を見ながら行くタイプ、ただ障害力は抜群で、降りてからの切れ味もある。
6 センショウブルー:重賞はヤングチャンピオンシップのみ出走。この時は強力な牡馬勢を相手に自分の走りを貫き、差の無い6着と善戦。他にいちい賞4着の実績もある。障害は得意ではなく2走前に完全に崩れて競争中止、しかしその次のレースでは慎重に障害をクリアし先頭で抜け出して快勝。降りてからの切れ味が鋭く、流れに乗せて行ければ。
7 サトクィーン:重賞出走は黒ユリ賞(8着)のみだが、同世代の特別戦は常に顔を出している。その中では4歳の実力馬も揃っていた7月の天の川賞での2着が光る。スピードには自信を持っており、ハナを切ってこそ持ち味が出る。逆に前に行けない時はずるずると後退することもある。今季はほとんど掲示板以内に入っており安定。最後の粘りが課題。
8 カネササクラ:重賞は初出走。特別戦では福寿草特別(5着)などに出走、まずまず好走している。今年度に入って急成長、馬体重も増えてきた。脚質的には好位差しタイプだが、先行馬にうまく付けて最後でかわすようなレースがこの馬の型のようだ。障害は上手ではないが崩れないで一歩ずつこなす方か。軽馬場で前半楽に行ければ粘りを見せそう。
9 クイーンドリーマー:重賞は黒ユリ賞のみ出走だが終始後方の9着。特別戦も福寿草特別などに出走しているがいずれも大敗している。好不調がはっきりしているタイプで、鋭い切れ味とスピードで強さを見せる時がある一方、道中ソラを使って持っている力を出せない時もある。障害が苦手なわけでもないので、集中さえできれば上位争いも可能。
10 ウィナーキララ:重賞初出走、特別戦も全く経験がない。今年度秋のシーズンに入ってから3勝して、オークス出走権の10番目に滑り込んできた。好位差しで競り合いに持ち込めば粘りを発揮。障害はあまり得意でないようだ。父カネサブラック、母父サカノタイソンと名馬の血を受け継いでおり、未知の魅力がある。きっかけをつかめば大化けも。
【はむ!の見解まとめ】
ばんえいオークスは世代最強牝馬を決める定量戦でありながら、1番人気が敗れたり下位人気が活躍することがしばしば見られる。これは例年この時期の3歳牝馬世代は力が拮抗していることが多いこともある。しかし今年は飛び抜けた馬が一頭おり、展開的にも過去のデータはあまりアテにならないかもしれない。
◎(2)ミスタカシマは実績を取っても走りの安定性を取っても他の馬とは全く次元が違う。特に今シーズンに入り馬体も成長して強さに磨きがかかっている。どうとらえても本命を外すのは無茶だ。もちろん競馬なので何があるかわからない。唯一、この馬の2歳時、十勝産駒特別で障害で引っかかり10着に沈み重賞出走権を逃した例がある。この時は軽馬場で、勝った馬の時計が1分10秒台と完全にペースを崩されていた。ほぼアクシデントの範疇、普通に走ればまず勝つことは間違いないだろう。
一方、2番手以降が混戦。各馬のそれぞれのクラスで戦っているため、力関係も複雑で予想が難しい。素直に狙うなら、黒ユリ賞2着などの実績を持つ○(5)アフロディーテだろう。安定した走りと障害力が定評。ミスタカシマを無理に負かしにいかず自分のペースで行ければ2着の可能性は高いところ。単穴としては、2歳時にミスタカシマを破ったことのある▲(3)プランセスがようやく調子を取り戻してきた。若干集中力に欠ける面があって持っている力を十分発揮できていないところがあるが、障害までに良いポジションに付けられば最後の追い比べで力のあるところを見せられそう。入着候補には△(7)サトクィーンに注目。出足が良くスピードもある。天の川賞の1分6秒台の走りは侮れない。最後のスタミナは課題だがハナを奪いに行くと思われ、軽馬場なら特に狙いたい。
その他では、黒ユリ賞3着など実績があり穴人気しそうな(1)サンシルクラポピーだが、1着か着外か好不調がはっきりしているタイプ、切れ味があり一発の魅力は秘めているが、障害でのリスクもありアテにはしづらい。同じリスクがあるならこちらも切れ味鋭い注(6)センショウブルーの方に妙味があると見て、こちらに印を入れた。あとは3着狙いというところで、成長の跡がみえる(8)カネササクラあたりを押さえるか。
はむ!の馬券狙いどころ:
取りガミもイヤだけど、前回のようにまるで当たらないのも辛い。今回は一頭飛び抜けて強い馬がおり、ここから狙うならかなり絞って厚めに買わないと取りガミは確定的、しかしやはり当てたいという気持ちの方が強いので、ミスタカシマを軸にしつつも適当に散らしていきたいと考えている。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
三連単 2→5,3,7,6→5,3,7,6 合計12通り 各200円
2→5,3→5,3,7,6,8,1 合計10通り 各100円
5,3→2→5,3,7,6 合計6通り 各100円
合計 4,000円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
単勝 2 1,000円
ワイド 3=5,7,6,1 1=5,7,6 合計7点 各100円
合計 1,700円で勝負!
今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。
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