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 こんにちは!Hamu's Sidewalk Cafeのマスター・はむ!です。
 この第2ブログでは、ばんえい競馬を中心に地方競馬などスポーツ一般中心について語ります。

2019年12月31日火曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第21回ヤングチャンピオンシップ(12/30)

ばんえい重賞レース回顧
第21回ヤングチャンピオンシップ(BG2)-2019年12月30日-11R 200m直 曇 1.3%
  1着◎(6)キョウエイリュウ(松田道) 1分29秒2
  2着▲(10)ブラックサファイア
  3着△(7)カイセドクター
   単勝 8 150円(1番人気) 馬複 6-10 160円 三連単 6-10-7 900円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの2歳産駒選抜の第21回ヤングチャンピオンシップは、1番人気で十勝地区代表(足寄町産)のキョウエイリュウが2番手からゴール前で差し切り勝ち。デビュー以来無敗の10連勝で、ナナカマド賞に続く重賞連覇となった。松田道明騎手は2011年ブラックボス以来8年ぶり2度目のこのレース制覇、重賞は今季4勝で通算53勝目。村上慎一厩舎はこのレース初制覇で重賞通算22勝目。

レース振り返り
  馬場状態は昨日に続き、降水がなく乾燥気味。気温は氷点下で全体としては重めながら有力馬には走りやすい状態であったと思われる。
  レースは、スタート直前と直後にキョウエイリュウがゲート内で立ち上がる場面があったが、すぐに立て直し、他の各馬とともに第1障害に向かってダッシュ。第1障害ではデッカクナーレ、シルバーアロイあたりが遅れた他は各馬スムーズに越えて更にスピードを上げていく。その中でもキョウエイリュウがキャンターで走り先頭へ、内からはエンゼルフクヒメが前の方に出て行く。これにカイセドクター、コマサンダイヤが続き、1,2障害中間にさしかかったころにはタケノダイマオーや大外からブラックサファイアも近づいていった。このあたりで各馬一息刻みを入れ始め、その後は出たり入ったりしながらほとんど差のない態勢で進み、そのまま第2障害に向かう。第2障害手前にはキョウエイリュウがわずかに先着し、ブラックサファイア、カイセドクター、コマサンダイヤらがほとんど差がなく続いた。ここまで48秒と2歳戦らしいハイペース。
  一息入れた後、第2障害を先に仕掛けたのが大外の2番人気ブラックサファイア。首を大きく振りながら障害を楽に越え先頭へ。そして他の各馬も一斉に障害にチャレンジ、キョウエイリュウとカイセドクターもほぼ同時に力強く障害を下る。続いてコマサンダイヤ、少し離れてエンゼルフクヒメの順で降りていった。
  先頭で障害を降りたブラックサファイアはスピードに乗って逃げる。これにキョウエイリュウがキャンターで迫り、カイセドクターが1,2馬身差でついて行く。コマサンダイヤはややスピードがなくエンゼルフクヒメと4,5番手争い。先頭を行くブラックサファイアは残り20mを切ってもリードを保ち、更にスピードを上げ逃げ切り態勢へ、キョウエイリュウも必死で追うが2馬身ほど差がある。カイセドクターも懸命について行くが前と同じ脚色だった。残り10mあたりで、先頭を行くブラックサファイアの脚色が鈍り始めた。これにキョウエイリュウが激しく追い立てゴール前の接戦にもつれ込んだ。そして、キョウエイリュウがゴール直前でブラックサファイアをかわしその態勢でゴールへ駆け込んだ。見事な差しきり勝ちであった。ブラックサファイアは惜しくも2着。念願の南北海道産駒の優勝はならなかった。カイセドクターも追いつけなかったが離されず3着をしっかり確保した。4着争いはコマサンダイヤとエンゼルフクヒメが激しく争い、最後はコマサンダイヤがわずかに残って4着に入った。

次走へのメモ
キョウエイリュウ(1着):ゲートで立ち上がった時は心配されたが、気合いが入っていたということであろう。リカバリーが早かった。序盤は先手を取り、第2障害ではブラックサファイアに先に行かれたものの慌てず落ち着いて前をじっくり追い、最後できっちり差し切るという味のあるレースを見せた。20kgのハンデを考えればやはり実力は1枚上だったということか。タイムも秀逸。次の狙いは当然イレネー記念。定量戦でさらに力が発揮されるか。今回、賞金が大きく加算され、35kgというハンデになるため、平場は使わずぶっつけで行くことが考えられる。
ブラックサファイア(2着):明らかに勝ちに行っていた。脚質的には控える競馬も考えられたがそれでは追いつかないと見て、前半早めに詰めて障害も先に仕掛けてひと腰。残り20m付近では引き離しにかかる場面もあり一瞬アッと言わせたが、最後でわずかにスタミナが足りなかった。そこは経験の差というところか。しかし今回のレースで十分戦えるところは見せた。イレネー記念で逆転を狙う。
カイセドクター(3着):目立たぬ存在ではあったが、最後までしっかり前に付いていって勝ち馬とはわずか3秒差。期待以上の走りができたと思われる。脚質の自在さも生きたイメージだ。馬体重が28kg増と増加し体調も良かったことがうかがえる。キョウエイリュウ同様カネサテンリュウの仔がよく走れているのにも注目。
コマサンダイヤ(4着):これまでの実績から好走が期待されていたが、障害を降りてからの伸びを欠いた。序盤もやや自分のペースでは行けていなかったように見える。最内枠が影響したか。2歳戦でペースが速すぎたのもこの馬には向いていなかったように見える。今後の成長に期待したい。
エンゼルフクヒメ(5着):唯一の牝馬として堂々の走りはできたと思われる。ナナカマド賞時は流れについて行けず障害でも苦労したが、今回は序盤のハイペースにもしっかりついていた。騎手ともどもしっかり稽古した成果であろう。この馬の目標は2月の黒ユリ賞で牝馬チャンピオンを目指す。
  その他では、タケノダイマオー(6着)は、想定どおり前には付けられたが、他の各馬の勢いに押された形でスムーズに行けなかった。サロマタイショウ(7着)も前について行くのがやっとで見せ場は作れなかった。あとの馬たちは力に差があった。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 6 7枚 ワイド 7-6,7-10 各1枚 枠複 6-8 3枚 三連単6-10-7 計3枚
  これだけ的中のオンパレードだとホクホクのはずなんだが、連日の収支マイナスという悲しい結果。1、2番人気の連で決まるとやっぱり安いね。こういう時は絞り込んで厚めに買うべきというのはわかってるんだが、やっぱり夢も見たいしね(笑)1着2着が逆になったところで余計マイナスは大きくなるので、当たっただけ良しとしなければ。それにしても見応えのある直線だった。キョウエイリュウは強かったけど、ブラックの走りもすごかったね。馬券を離れても楽しめた。
  今回収支 -1,240
   (通常分) -1,420  (配当)3,180 (投入)4,600
   (単複・ワイド) +180  (配当)1,580 (投入)1,400
  今年度累計 -22,930(12/30・ヤングチャンピオンシップ終了時点)
   (通常分) -13,740 (配当 60,060 - 投入 73,800)
   (単複・ワイド) -9,190 (配当 16,710 - 投入 25,900)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回重賞は、年が明けてすぐ。1月2日の帯広記念、3日の天馬賞です。明日1月1日まで帯広記念、2日までに天馬賞の予想をアップしたいと思います。それでは良いお年を。

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第48回ばんえいダービー(12/29)

ばんえい重賞レース回顧
第48回ばんえいダービー(BG1)-2019年12月29日-11R 200m直 晴 1.4%
  1着◎(8)メムロボブサップ(阿部武) 1分50秒2
  2着○(10)アオノブラック
  3着注(9)ジェイエース
   単勝 8 120円(1番人気) 馬複 8-10 170円 三連単 8-10-9 750円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの3歳重賞三冠最終戦、第48回ばんえいダービーは、1番人気のメムロボブサップが障害を先頭で抜け出し、後続を振り切って勝利、2001年ヨコハマボーイ以来18年ぶり5頭目の3歳三冠馬となった。重賞通算5勝目。阿部武臣騎手は昨年のアアモンドグンシンに続くダービー連覇で3勝、今季4勝で通算24勝目。坂本調教師は2度目のダービー制覇で重賞通算11勝目。

レース振り返り
  帯広はここ1週間程度はかなり気温が低く、日中氷点下で推移、降水がほとんどなく乾燥気味、馬場としてはやや重めであった。
  レースは、各馬一斉にスタートし第1障害はジェイエースらが引っかかりやや遅れ気味。第1障害を越えてからは1番人気メムロボブサップがまず前に出て、2番人気のアオノブラックも早めにこれについて行く。そしてインビクタやギンノダイマオーなど当初前に行くと思われた馬らがこれに続くという展開になった。メムロボブサップは小刻みに息を入れながらピッチを上げて後続を引っ張る形でどんどん前に行く。各馬もなんとかこれに食らいつくが、そのままの流れでメムロボブサップが第2障害手前に先着。アオノブラック、インビクタら各馬も相次いでこれに追いつく。ここまで57秒と馬場状況にしてはハイペース。
  数頭が揃って一息入れた後、第2障害はインビクタの方が先に仕掛け、メムロボブサップそしてアオノブラックが程なく続いた。インビクタは坂の中腹でストップしその後座り込んだ。一方、メムロボブサップとアオノブラックはスムーズに障害を越え、降りた時の勢いでメムロボブサップが一歩前を進み、アオノブラックが差がなく続いた。他の各馬は障害で苦戦。その間に序盤は後方から行っていたジェイエースがひと腰で障害を越え、更に少し遅れてサクラドリーマーが同様に障害を越えて前を追った。
  先頭争いはメムロボブサップとアオノブラックがほぼ1馬身差で進み、障害を降りた時の勢いのままスピードは落ちない。ジェイエース以下も追いつくことができず、前の2頭の一騎打ちの状況となった。残り20mあたりではアオノブラックがメムロボブサップに迫る場面もあったが、メムロボブサップも脚色が衰えずそのままゴール前へ。そして1馬身差を保ったままゴールを駆け抜けた。アオノブラックも最後まで粘り2着に入った。後続は、2馬身ほど開いて、3番手を行ったジェイエースをサクラドリーマーが追ったが、ジェイエースが走りきって3着。サクラドリーマーが4着に入った。

次走へのメモ
メムロボブサップ(1着):文句ない勝利。この日はほとんどのレースで勝ち時計が2分を越える重馬場の中1分50秒台のタイムは優秀。序盤から積極的に攻めていったことも想定どおりの走りであった。目一杯で追ってきたアオノブラックにかなり迫られたように見えるが、1馬身差から縮まることはなくゴール前はまだ余裕があった。クラシック三冠の栄誉を得て、父ナリタボブサップの種牡馬としての評価も高まったと言える。今後の成長も見込まれ、来年は4歳馬として次のチャレンジに向かう。一息入れるか、2月のチャンピオンカップで古馬の胸を借りるか。
アオノブラック(2着):明らかにメムロボブサップを負かせに行っていた。前半から攻めた結果、課題のあった障害も勢いで越えられた。一瞬の動きの差でボブサップに前に行かれ、完全に並びかけることができなかったのが悔やまれるが、この馬としては最高の走りができたと思われる。今後4歳三冠戦線で逆転を目指す。その前の3月のポプラ賞あたりも狙えそうだ。体調を維持して今回のような走りを続けていければチャンスは大いにあるだろう。
ジェイエース(3着):全体としてはようやくこの馬の本来の走りができたのではないか。第1障害で遅れをとった時は心配されたが、しっかりリカバリーし、第2障害はひと腰でまとめられたことは収穫だろう。前の2頭は次元が違ったが、現時点での力の差か。しかし今後に向けての展望は開けたと言える。上位での戦いを重ね経験を積めば4歳戦線でチャンスは生じるだろう。
サクラドリーマー(4着):課題の障害はひと腰でまとめたものの、全体のペースが速く前半で遅れを取ったことが直線で前に迫れなかった原因であろう。ただ重量にはそれなりに対応できるところを見せたのではないか。鋭い直線の切れ味が持ち前だけに今後4歳戦線で上位に入るためには更に展開に工夫が必要か。自己条件で勝ち味を覚えていきたい。
アオノゴッド(5着):今回はいきなりの高重量もあってか、障害でかなり苦戦し上位には大きく離されたが、最後でじわじわ伸びて掲示板内に入ってくるあたり、菊花賞3着が伊達ではないところは見せられたのではないか。今後も流れをつかめば上位で好勝負することは可能。
  その他では、当欄で単穴で狙ったダイリンファイター(6着)は、10番人気だったので好走だったと言えるが、障害をひと腰で上げていただけに、前半もう少し攻められていれば更に上位も可能だったか。重賞初挑戦のコマサンブラック(7着)もやや遠慮した走りに見えた。ただ今後に向け良い経験にはなったか。実績馬のギンノダイマオー(8着)は馬体重マイナス30kgとやはり体調が十分でなかったか。動きが良くなかった。ジェイカトレア(9着)は力負けか、インビクタ(10着)は序盤で前に行けなかったことがすべて。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 8 8枚 複勝 9 2枚 枠複 7-8 5枚 三連単8-10-9 計5枚
  ボブサップはやはり強かったがアオノブラックも迫って見応え十分、さすがダービーといったところ。馬券の方は、やはりこの組み合わせでは安い。これだけ的中を並べてもトータルではプラスにならないのだから困ったものだ。ま、とりあえず傷口は広がらなかったので、今後に向けてキープできたと考えよう。
  今回収支 -300
   (通常分) +200  (配当)4,500 (投入)4,300
   (単複・ワイド) -500  (配当)1,400 (投入)1,900
  今年度累計 -21,690(12/29・ばんえいダービー終了時点)
   (通常分) -12,320 (配当 56,880 - 投入 69,200)
   (単複・ワイド) -8,870 (配当 15,130 - 投入 24,500)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  この後すぐ、次の記事でヤングチャンピオンシップの結果もアップします。

2019年12月29日日曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第21回ヤングチャンピオンシップ(12/30)

  今年最後のばんえい重賞は2歳馬の産地別対抗重賞。いわゆるばんえい甲子園と言われるヤングチャンピオンシップです。それでは予想いきます。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第21回ヤングチャンピオンシップ(BG2)
(2019年12月30日(月)19:05発走 帯広11R ダ200m 2歳産駒特別選抜別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
コマサンダイヤ 牡2 600 島津新 金田勇 青毛 逃
十勝2着
  エンゼルフクヒメ 牝2 580 中山直 小林長 栗毛 追
釧路1着
  アオノソルテ 牡2 590 西謙一 金田勇 鹿毛 追
南北海道3着
  タケノダイマオー 牡2 590 船山蔵 大友人 栗毛 先
釧路2着
  デッカクナーレ 牡2 590 松本秀 大橋和 栗毛 差
北央1着
キョウエイリュウ 牡2 620 松田道 村上慎 鹿毛 先
十勝1着
カイセドクター 牡2 600 阿部武 坂本東 鹿毛 差
北見1着
  シルバーアロイ 牡2 590 長澤幸 服部義 芦毛 差
北央2着
サロマタイショウ 牡2 590 渡来心 久田守 鹿毛 追
北見2着
10 ブラックサファイア 牡2 600 藤野俊 松井浩 鹿毛 先
南北海道1着
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ヤングチャンピオンシップ」の概要と傾向
  ばんえいにおいてその年の最後に行われる重賞は、今年デビューした2歳馬重賞、ヤングチャンピオンシップ(当欄においては「ヤングCS」又は「YC」と略しています。)。このレースの出走条件は極めて特殊で、馬産地を十勝、釧路、北見、北央、南北海道の5つの地区に分け、予選(産駒特別)が行われ、それぞれ上位2頭の馬が出走できる。いわゆる「ばんえい甲子園」と呼ばれている。まずは予選を勝ち抜くことが求められ、実力馬でも予選で失敗すると出走できず、過去にもさまざまなドラマが展開された。
  地区では帯広競馬場のある十勝地区が最もレベルが高いとされており、過去10年で十勝産駒が6勝している。しかし、他地区の馬も予選を勝ち抜いてきただけあって健闘しており、ここ5年では釧路産駒が2勝、北央産駒、北見産駒がそれぞれ1勝、そして十勝地区はわずか1勝となっている。南北海道産駒の優勝はなく、連対も過去10年でも1頭にとどまっている。
  人気面では、過去10年1番人気は(4,2,2,2)と安定。優勝馬は全て3番人気以内となっており、上位馬が安定しているが、2着、3着には下位人気も入っており、馬券的にはヒモ穴狙いといったところか。タイムは1分30秒前後に収まることが多くスピード勝負と言える。馬体重1000kg以上の馬が過去10年で8勝と成長力もポイント。騎手では鈴木恵介騎手(今回不出走)が4連覇を含む5勝と大きくリードしており、あとは現役騎手では藤野騎手、松田騎手、菊池騎手が1勝ずつ挙げている。

今回のみどころ
  今回のYCは、世代最初の重賞ナナカマド賞の出走馬が3頭しかいない。レベルの高い十勝産駒に有力馬が偏っていたことや、その他の地区では上位馬が敗れる波乱が多かったことなどが原因か。その分フレッシュな対戦となり、ワンチャンスを経てきた無名馬が活躍することも考えられる。現在この世代トップを行くのがキョウエイリュウ。デビュー以来勝ち続け、ナナカマド賞を含む9連勝中。いずれも大勝ちであった。今回も危なげなく勝つのか、それともそれぞれの地区予選を勝ち抜いてきた伏兵馬が、いわゆる甲子園の本番の舞台でも一発ホームランを放つのか。その中でも直前で7連勝と勢いをつけてきたブラックサファイアはこれまでキョウエイリュウとの対戦が一度もなく、刺客となり得るか注目される。その他では、十勝産駒特別の2着馬コマサンダイヤ、切れ味のあるカイセドクターや牝馬で唯一勝ち残ったエンゼルフクヒメなどが一発の魅力がある。また重賞未勝利騎手が3人出場しており、初優勝のチャンスを狙う。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 コマサンダイヤ:ナナカマド賞は前で攻め、最後は脚が上がり気味だったが3着に粘った。その前の特別戦青雲賞でも人気薄を逃げ切り、予選の十勝産駒特別も障害を先頭で降りて、キョウエイリュウとともに他を大きく離して、2着を確保。ここに進んできた。先行した方が持ち味が生きそう。障害は焦るとミスが出ることも。
 2 エンゼルフクヒメ:牝馬特別のいちい賞、そして予選の釧路産駒特別でいずれも後方から追い込んでの勝利、ナナカマド賞では3番人気に推されたが障害でストップし9着に終わっている。とにかく障害を降りてからのスピードと最後の粘りが身上。障害のデキがポイント、前回減らした馬体重がどこまで回復しているか。
 3 アオノソルテ:南北海道産駒2着のアースネオジャパンが回避したことに伴い、同レース3着のこの馬にチャンスが巡ってきた。デビュー戦でキョウエイリュウと対戦。当初は馬体も小さく力不足感があったが、ここにきて成長した。障害はまずまず。直線では瞬発力より長い脚が使えるタイプ。前崩れの展開になれば浮上も。
 4 タケノダイマオー:重賞初出走。特別レースは牡馬戦の青雲賞が勝ち馬と5秒差の5着、釧路産駒特別は1秒差の2着と健闘している。中団から好位につけ、直線で鋭い切れ味を見せる。障害は踏ん張りながらじっくり登るタイプで、時間はかかるが崩れは少ない。最後どこまで粘れるか。レース序盤で流れに乗りたい。
 5 デッカクナーレ:北央産駒特別ではそれまでわずか1勝だったこともあり8番人気となったものの、中団から障害をひと腰で抜け出し最後まで粘りきって優勝。ここに駒を進めてきた。その他の重賞、特別戦は出ていない。能検時はメンバー唯一1回目は不合格だった馬だが、徐々に力はつけてきている。接戦なら見せ場も。
 6 キョウエイリュウ:重賞ナナカマド賞勝ちを含みデビュー以来9連勝中。能検も1番時計と未だ他馬の後塵を拝したことはない。スピードで圧倒というより、他馬に合わせて進み最後で突き放す横綱相撲を見せている。障害も安定しており降りてからの切れ味も鋭い。ただ重量が加増し、最後で緩むような展開になるとどうか。
 7 カイセドクター:重賞は初出走。青雲賞は後方待機から切れ味で上位争いに加わり最後は混戦を抜け出して3着に食い込んだ。北見産駒特別では速い流れに乗って好位から障害をひと腰で切って優勝、堂々出走権を得てきた。素軽い動きで自在に立ち回れる。馬体も急激に成長を遂げ力強さも出てきた。軽馬場ならさらに動けそう。
 8 シルバーアロイ:初の特別戦であった北央産駒特別で後方待機から、他馬が障害で苦しむところをひと腰で切って最後は2着に粘り込み、1勝馬ながら出走権を得てきた。能検時はタイム上位10位に入っており決して力のない馬ではないはず。障害は苦手というわけではないが勢いあまって崩れることも。好位につけられれば。
 9 サロマタイショウ:重賞は未経験で、特別戦は青雲賞(9着)と北見産駒特別に出ている。後方待機から鋭い切れ味で勝負する。デビュー当初は勢いがあったが、夏頃は障害などで苦しみ結果が出ていなかった。近走は立て直して持ち味を生かせる場面が戻ってきている。前半で流れに乗りたいのと、最後のもう一押しが欲しい。
 10 ブラックサファイア:能検4番時計。デビュー時はまだ幼く力が出せなかったが、一旦休養して立て直し、秋に復帰後7連勝と勢いをつけここに臨んできた。平場戦なら1分10秒台で走れるスピードがあり障害もこなせている。まだキョウエイリュウとの対決がなく注目される。南北海道産駒特別でややバテたのは気がかり。

【はむ!の見解まとめ】
  各地の産駒特別で激しいレースが展開されていた。十勝産駒のレベルが高いとは言え、他の地区で勝ち上がってきた馬も十分勝負になりそうなメンバー構成になり注目は高まる。特にこれまで2歳馬のトップを走っているキョウエイリュウにとって、最大と思える強敵が現れた。それが7連勝で勢いをつけてきたブラックサファイアである。南北海道産駒として初のヤングCS勝利をもたらすか。それともキョウエイリュウが意地を見せるか。最小でも20kgのハンデ差も微妙。
  展開予想だが、クラスが違うメンバーが集まり難解。2歳戦はペースが速くなりがちだが、今回は明らかな先行馬が不在で、どちらかというと切れ味で勝負したい馬が多い。したがって前半は牽制しあうことも考えられる。そんな中ではキョウエイリュウが自分で前に行くか。終わりの脚を考えて控えたいところだが、押し出されて前に出ると見る。他に前に行きそうな馬は、出走権があったアースネオジャパンが出ていればこの馬が前に行くと思われたが回避、あとは十勝2着のコマサンダイヤ、釧路2着のタケノダイマオーくらいか。ブラックサファイアも好位にはつけそうだが後半にスタミナは残しておきたい。ペースが落ちれば追い込み馬にチャンスが出てくる。
  展開を考えても、やはり無敗の◎(6)キョウエイリュウがその力を見せつける場面が想像できるため、この馬を本命に置いた。スピードの絶対値が違うし、障害の上手さや、最後の粘りまで兼ね備えている。その力は重量が増えハンデ差があっても変わることはないだろう。今回は自分でペースを握れそうで、焦らず行ければ堅いところ。
  相手だが、当然ブラックサファイアに目が行く。軽馬場なら1分10秒台で走れる脚と、近走の切れ味の鋭さを見れば逆転の期待までかけられそう。実際キョウエイリュウを負かすならこの馬しかいないとは思われる。しかし急激に上がってきて弱点が見えていないこと、勝利のない南北海道産駒ということ、そして大外枠に入ったことで、当欄では若干疑ってかかりたい。過去2走も圧勝に見えて最後で脚が上がっており、横綱キョウエイリュウを負かせるには一歩足りないと見る。
  そこで当欄では、対抗に安定した力を出せる○(1)コマサンダイヤの方を持ってきた。レベルの高い十勝産駒の一頭。青雲賞の時のようにスンナリ障害を越えてくれば少なくともキョウエイリュウ以外には勝てるだろう。そして勝つか負けるかという意味で▲(10)ブラックサファイアは単穴扱いとする。他で面白いのは△(7)カイセドクター注(9)サロマタイショウの北見の1,2着。いずれも流れに乗れれば切れ味は鋭い馬。障害力の差でカイセの方を上位に見たが、サロマも一発はある。その他では牝馬で切れ味鋭い(2)エンゼルフクヒメが注目されるが、この相手で前に詰められるか。(4)タケノダイマオーは先行できれば粘り込みも。北央産駒の2頭は力の差があり厳しいか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  自分的にはこれまでまずまず予想が当たっている方のヤングCS。ここらで攻めていこう。キョウエイリュウはトップハンデが気になるし、彗星のように現れてきたブラックサファイアは強敵となる気配は十分ある。でもここは、当欄にしては保守的な予想ではあるが、キョウエイリュウが意地を見せると予想した。後はうまく収支につながる馬券が買えれば。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 6→1,10→1,10,7,9,2 合計8通り 各200円
      6→1,10,7,9→1,10,7,9,2 合計16通り 各100円
      10→6→1,7,9,2 合計4通り 各200円
  枠複 6=1,8 合計2通り 各300円 合計 4,600円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 6 700円
  ワイド 7=6,1,10,9 9=6,1,10 合計7点 各100円
  合計 1,400円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、前日のばんえいダービーと合わせて年内には報告したいと思います。

2019年12月26日木曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第48回ばんえいダービー(12/29)

  ばんえいは年末年始開催に入ります。年末と年始に2つずつ重賞が行われます。当欄でも予想を頑張っていきたいところですが、あまりにも日程が詰まっており対応しきれない状況ですので、コラムなどは省略します。そして次の重賞予想のアップは結果報告の前になると思います。それでは、少し早いですが、3歳三冠の最終戦ばんえいダービーの予想からです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第48回ばんえいダービー(BG1)
(2019年12月29日(日)19:05発走 帯広11R ダ200m 3歳オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  アオノゴッド 牡3 730 村上章 金田勇 栗毛 追
父 マルニセンプー
  ギンノダイマオー 牡3 730 西将太 松井浩 芦毛 先
父 キタノドリーマー
  ジェイカトレア 牝3 710 藤野俊 平田義 青毛 先
父 トカチタカラ
インビクタ 牡3 730 島津新 松井浩 青毛 逃
父 イッスンボウシ
  コマサンブラック 牡3 730 松田道 金田勇 青毛 先
父 ウンカイ
ダイリンファイター 牡3 730 赤塚健 小林長 青毛 先
父 アローファイター
  サクラドリーマー 牡3 730 藤本匠 今井茂 鹿毛 追
父 キタノドリーマー
メムロボブサップ 牡3 730 阿部武 坂本東 鹿毛 逃
父 ナリタボブサップ
ジェイエース 牡3 730 鈴木恵 山本正 栗毛 差
父 ウンカイ
10 アオノブラック 牡3 730 西謙一 金田勇 鹿毛 差
父 ケンジュオー
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえいダービー」の概要と傾向
  ばんえいの3歳三冠いわゆるクラシック最終戦である「ばんえいダービー」。レースの格はむろん最高ランクのBG1である。ばんえいの場合は、イレネー記念や天馬賞など各世代でBG1があるため、このレースの価値はそれらに分散されるが、それでもダービーと名が付く以上、最高峰のレースであることは間違いない。年末のこの時期に行われるため、そのレースのスピードにも例えて「日本一遅いダービー」と表現される。
  定量戦であるため、実力馬が実力どおりの結果を出すのが本来だが、1番人気は(4,3,1,2)と有利ではあるものの絶対的な強さではない。むしろ2番人気の馬が(5,2,2,1)とこちらが好成績を挙げている。これはオークスでも同じような傾向がみられ、上位に力の差のない中で目標にする側とされる側の違いか。但し4番人気以下は未勝利であり穴馬が上位に入ってくることは少ない。ダービーの勝ち馬は三冠の「大賞典」「菊花賞」とも連動しないことも多く、臨戦過程でも目立った傾向はない。その時点で実力や調子を総合して、1,2番手の有力馬がしのぎを削るということになるだろう。騎手では鈴木恵介騎手が4勝で現役最多、藤本匠騎手が3勝、一方ベテランの藤野俊一騎手はまだこのレースに一度も勝っていない。

今回のみどころ
  大賞典、菊花賞と二冠を制したメムロボブサップが、ハクリユウ(1975年)、マルトダンサー(1980年)、ウンカイ(1997年)、ヨコハマボーイ(2001年)以来5頭目の三冠馬を目指す。今年の3歳世代は、2歳時にはアオノブラック、ギンノダイマオーと合わせて3強と言われたが、ここにきてメムロボブサップが一歩抜け出したイメージ。好調を維持し可能性も大きくふくらむ。これを阻止する馬は出るか。3強のうちの残り2頭を中心に、下位の馬でもそれぞれの条件で活躍しており、ここはワンチャンスを狙ってくることも考えられる。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 アオノゴッド:重賞はこれまで3走し、イレネー記念4着、菊花賞では3着といずれも人気薄のところを好走している。僚馬のアオノブラックの影に隠れがちだが、直線での鋭い追い込みが武器でしっかり掲示板に顔を出している。前半は後方待機で他馬の様子を見ながら進み直線で一気に切れ味を見せる。粘り強さもある。ただ流れに乗れないまま後方に置いて行かれたまま終わるパターンもしばしば。馬場・重量ともやや重めの方が成績が上がっている。
 2 ギンノダイマオー:2歳から3歳前半にかけ活躍、重賞常連で世代3強の一角であったが、最近はばんえい菊花賞回避を含め順調さを欠いており心配されるところ。得意なはずの障害も怪しくなっている。過去は4回重賞に出走しいずれも2着とシルバーコレクター。先行力があり安定した走りができるが、最後で切れ味のある有力馬に差されることが多い。そろそろ悲願の重賞タイトルが欲しいところだが、本来の体調がどこまで回復しているか。
 3 ジェイカトレア:ばんえいオークス馬。同世代牝馬では大きく他馬をリードしており、黒ユリ賞と合わせ重賞は2勝している。牡馬の中に入っても、大賞典で5着、はまなす賞4着などそこそこの好走は見せており、完成度の高い馬体は牡馬に見劣りすることはない。脚質的には前半はやや控えて直線でじわじわ伸びていく差しが基本だが、流れによって前に行ったり自在に動ける。但し、ペースは落ち着いた方がよさそう。障害は問題なくこなす。
 4 インビクタ:重賞は常連だがナナカマド賞と菊花賞の5着が最高で結果は出ていない。しかしながらこの馬は抜群の先行力が持ち味で、レースを引っ張り見せ場を作る。直線ではスピードは落ちるものの粘りの走りを見せ、これが平場戦になるとまんまと逃げ切ってしまうこともしばしば。直前でも3連勝している。特に軽馬場は大歓迎。ただ荷物が重くなるとスピードがそがれてしまう傾向にある。障害は上手な方だが慌てるとミスが出ることも。
 5 コマサンブラック:重賞初出走、特別戦も全く経験していなかったが、今年度に入り勝ち星を重ねてダービー出走権を得てきた。父はウンカイで、母は現役時代重賞などで活躍し人気もあったコマクイン。これまでのレースぶりから好位から差してくるタイプのように見える。障害も問題なくこなしており、成績は安定している。さすがに初重賞で、重量も未知数で流れも厳しくなりそうだが、血統的な素質がここで開花することも考えられる。
 6 ダイリンファイター:最後の出走権を得てきた馬。重賞は2歳時にヤングCSに出走、9番人気ながら最後の粘りで5着に食い込んでいる。その他産駒特別で1着に入った以外には重賞・特別戦の出走はない。この馬の母は現役時代ばんえいオークスなどを優勝したダイリンビューティ。大レースに強いと考えられ、実際成績も上げている。脚質は自在に対応できるが、先行してこそその脚が生きる。障害は上手な方で崩れることはまずない。
 7 サクラドリーマー:重賞はイレネー記念、大賞典、菊花賞に出走、一発の期待からそこそこ人気するが、いずれも6着にとどまっている。直線での切れ味は抜群なものを持っている一方、障害が苦手で一時期は好不調の波がはっきりして全くアテにならなかった。近走はこの障害を重点に攻められ克服しつつある。その分直線での目の覚めるようなキャンターは見られなくなったが、最後までしっかり伸びる。重量への対応は未知数の部分がある。
 8 メムロボブサップ:3歳三冠の可能性があるのはこの馬のみ。重賞はここまで5戦4勝。唯一アオノブラックに敗れた昨年のヤングCSは流れに乗れなかったがそれ以外は安定している。デビュー時は800kgそこそこの小柄な馬でフラフラ走っていた様子だったが、ここにきて急激に馬体が成長。1000kgを大きく上回り走りも力強さを増してきた。ばんえい菊花賞ではトップハンデながら自分から動いて快勝。先行力があり障害もこなす。
 9 ジェイエース:重賞はこれまでイレネー記念5着、大賞典と菊花賞が4着と掲示板内に入る実績を上げている。2歳時デビュー前の能検で1番時計、デビュー戦からいきなり1分10秒台を出すなど本来スピードのある馬で、直線での切れ味も抜群だが、障害がかなりの苦手で膝を折ることも多い。ただ上手く流れにのれれば大駆けの期待の大きい馬である。既に1100kgを越え馬格がしっかりしており、スケールは大きく重量にも対応できそう。
 10 アオノブラック:2歳時から3歳前半にかけては、世代3強の一角。昨年暮れのヤングCSでは好位から切れ味よく抜け出し快勝。これがこの馬の勝ちパターンであるといえる。重賞勝ちはこの1勝のみであるが、常に上位を争っており、これまで出走した重賞は全て3着以内に入っている。馬格があり、特に最後の直線での力強い走りがモットー。ただやや反応が鈍い時があり、障害も決して得意ではないが、崩れることは少なくしっかりこなしている。

【はむ!の見解まとめ】
  まず、展開予想だが、やはり先行してこそ力が出せるインビクタがすんなりハナを行くだろう。メムロボブサップも菊花賞の動きから見れば積極的に攻めて行くと思われる。あとはダイリンファイターあたりが下位クラスながら思い切って前に来ることも考えられる。アオノブラックも離されずについて行きたいところだが、前半どこまで脚を使わずに行けるか。ギンノダイマオーも本来前に行きたい馬だが無理がきくかどうか。ジェイエースやサクラドリーマーはさらに後方となりそうだが、これも流れ次第か。いずれにしても各馬障害までに脚を残しておきたい。
  予想だが、やはり今回は◎(8)メムロボブサップには逆らえない。たたき台に古馬オープン相手の特別戦(ホワイトクリスマス賞)を使い6着にはなったものの、現役最強馬が並ぶ中、しっかり流れについて行っていた。華奢だった馬もここにきて馬体重が増え急成長。どんどん強くなっていくイメージだ。先行してそのまま逃げ切る作戦で来るか。同世代相手なら何らかのミスが出ない限り負けることはないだろう。
  そして堅くなるが○(10)アオノブラックも充実。菊花賞もこの上ない動きであったが、一開催休んでダービーに向け万全の態勢を整えてきているように感じられる。ボブサップに先に行かれた時焦って障害でミスが出るような場面も考えておく必要はあるが、そこからでも取り戻せるだけの脚はある。
  一方、3着付けが難しく、このあたりに狙いをつけたいところ。ここで穴狙いとして▲(6)ダイリンファイターに注目した。出走権の最後の切符を得てくるなど格は下位ではあるが、先行力と障害力があり、スルッと抜け出すようなことがあるかも。母ダイリンビューティの活躍を思い出しそう。素直に狙うなら先行馬△(4)インビクタ。展開的に厳しいとは思われるが、近走充実しており、先行できる分好走は可能。
  追い込みの有力馬2頭も切れ味はあるが当てにはしづらい。レース全体の流れからすれば注(9)ジェイエースの方が向きそうだが、障害が課題。(7)サクラドリーマーも切れ味は鋭いが、こちらは流れが向かないとジリ脚になる可能性も。そして注目されるのが元々3強の一角であった(2)ギンノダイマオー。これまで順調さに欠けており当欄では無印としたが、元々実力がある馬、調子がどこまで戻っているか。あと、菊花賞で3着に突っ込んできた(1)アオノゴッドは定量戦では厳しいと見るが、切れ味はあり他が崩れると浮上も。

はむ!の馬券狙いどころ:
  今年の馬券戦線は好調ではないが踏みとどまっているというところ。そしてここにきて年末年始重賞4連発。逆転プラスを目指したいところだが、ここで負けが続くと一気にマイナスが膨らむ。なるべくマイナスのことは考えないで勝負したい。当欄的にはアオノブラック推しだが、やっぱりボブサップが強いかなといったところ。この馬複では配当はつかないと思うので、3着付けの穴狙いなどいろいろ工夫してみたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8=10→6,4,9 合計6通り 各300円
      8→10→6,4,9,7 合計4通り 各200円
      8→6,4,9,5→10 合計4通り 各200円
  枠複 7=8 500円 7=7、8=8 各200円 合計 4,300円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 800円 単複(応援)9 各200円
  ワイド 6=8,10,4,2 2=8,10,4 合計7点 各100円
  合計 1,900円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、他の年末年始重賞と合わせて行いたいと思います。正月中に行えるか、それより後になるかもしれません。次回記事はばんえいダービーの翌日に行われるヤングチャンピオンシップの予想の予定です。

2019年12月9日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第44回ばんえいオークス(12/8)

ばんえい重賞レース回顧
第44回ばんえいオークス(BG1)-2019年12月8日-10R 200m直 曇 2.3%
  1着◎(6)ジェイカトレア(藤野俊) 1分57秒6
  2着 (4)クイーンヴォラ
  3着 (8)アアモンドラッシュ
   単勝 6 150円(1番人気) 馬複 4-6 2,750円 三連単 6-4-8 48,700円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの3歳牝馬女王決定戦、第44回ばんえいオークスは、1番人気のジェイカトレアが障害を先頭で降りてそのまま押し切って快勝。黒ユリ賞に続いて牝馬重賞を制覇し世代女王の座を守った。藤野俊一騎手は2006年ウィナーサマー以来3度目のオークス優勝。重賞は昨年岩見沢記念以来で通算53勝目。平田義弘調教師はこのレース初優勝。

レース振り返り
  帯広は12月に入り冬らしい気候となり、特に当日は小雪が舞う天気。馬場は表面は乾いているように見えるものの気温が低い分、水分が残っており、重くもなく軽くもなくといったところであった。
  レースは、一斉のスタートから第1障害もほとんど差がなく全ての馬がクリア。その後も各馬は刻みを入れながらもほとんど差は開かずに進む。第1障害を越えて心持ちヒメトラクイーンとアアモンドラッシュがやや前に出て、これに1番人気のジェイカトレアと最内のサクラユウシュンが差なく追う。その後も各馬出たり入ったりを繰り返しながら進み、ジェイセリナがやや遅れた以外はほぼ横一線のまま第2障害手前へ。ここまで61秒と平均ペース。
  各馬が障害に並んだところで、まずジェイカトレアが障害を仕掛け、一歩一歩力強く越え先頭でクリアした。続いてサクラユウシュン、アアモンドラッシュあたりが障害に挑戦するがストップ。サクラユウシュンは天板で膝を折った。その後も各馬次々と障害に挑戦。苦戦する馬が多い中、じっくり攻めたクイーンヴォラが一腰で越え、一旦天板で止まったアアモンドラッシュと、やはり一腰でまとめたハイトップフーガが続き、さらに遅れてヤマサンブラック、アアモンドノースが相次いで障害を越えた。
  しかし、後続が障害を降り始めたころには先頭で降りたジェイカトレアは残り30m手前あたりを快調に歩く。4,5馬身離れてクイーンヴォラ、これにアアモンドラッシュが少しずつ差を詰め、並走していたハイトップフーガがやや置かれた。先頭のジェイカトレアはそのままリードを保ちながらゴールに近づき、緩みそうになっても藤野騎手が気合いを入れて最後は余裕でゴールを駆け抜けた。2番手はクイーンヴォラが粘るところアアモンドラッシュが更に追うが差が縮まらず、クイーンヴォラが2着、アアモンドラッシュが3着に入った。後方も同じような脚色でハイトップフーガが続き4着、2番人気のヤマサンブラックも切れ味が出ずにそのままの脚色で5着に入った。当欄で対抗に狙ったヒメトラクイーンは障害で崩れ9着に終わった。

次走へのメモ
ジェイカトレア(1着):1番人気ということもあって、藤野騎手は今回はかなり慎重に歩を進めていたように見える。それでも中間は無理なく前に出ることができた。障害はいたってスムーズで最後の直線もしっかり歩いていた。また、しっかり仕上げられていた様子も見え、7kg減の馬体重がそれを現していた。やはりこのメンバーでは力と経験値が上であった。次はおそらくばんえいダービーに挑戦か。相手は強いが流れにしっかり乗れれば好走は可能。さらにその後はヒロインズカップ、チャンピオンカップ、ポプラ賞と出走権を得ており、経験を積むには絶好の機会となりそう。
クイーンヴォラ(2着):中段待機から障害をひと腰で越え2着まで食い込んだ。これまで黒ユリ賞でも好走しており決して意外な結果ではない。渡来騎手の手綱で、位置取りも含めしっかり自分のレースを展開した結果であろう。また、前開催が霧で取り止めになった分だけしっかり体を作ってプラス34kgと、元々小柄な馬がここにきて力をつけてきていたともいえる。父シベチャタイガーは晩成型、今後が楽しみである。当面は自己条件で勝ち星を重ねたい。
アアモンドラッシュ(3着):9番人気であったので3着は好走。先行馬ではあったが力関係で前に行けるか懸念されていた。しかし相手にかかわらず積極的に行ったことが結果的には最後の粘りにつながったといえる。障害もひと腰ではなかったもののしっかり対応できていた。これでBクラスに昇格、自己条件なら連勝できるだけの力はつけてきている。
ハイトップフーガ(4着):これも8番人気なのでまずまずの好走といえる。ただ黒ユリ賞2着の馬なので、まだまだ上位を狙えたのではというイメージは残る。先行してレースを引っ張っていけるかと思われたが、前に行ききれなかった。ただ障害は上手なところを見せていた。この馬もB4クラスに昇格、どこまで戦えるか。
ヤマサンブラック(5着):全体としてなんとなく淡泊なレースだったように見える。2番人気と期待されていただけにもう少し攻めてほしかった感がある。障害は立ち止まったものの崩れてはおらず、レースの組み立て自体は悪くなかった。ダービーの出走権が微妙な位置にいるが、そこは狙わず自己条件で賞金を稼ぎに行くか。
  その他では、最下位人気だったドルバコ(6着)は、格下でしかも今回は大外枠と条件的には不利であったが、気楽に走れたか、直線での追い込みの鋭さを見せており、今後チャンスがあれば狙い目となりそう。アアモンドノース(7着)は連勝の勢いで3番人気まで推されたが力の差があった。サクラユウシュン(8着)は攻めたが課題の障害でミスが出た。ヒメトラクイーン(8着)は障害でストップ、序盤から後手にまわり流れが向かなかったか。ジェイセリナ(10着)は始めから流れについて行けていなかった。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 6 7枚 のみ
  ジェイカトレアはやはり一枚上だった。そこは想像できたのだが、逆転もあり?と色気を出してしまった。いつもは本命が1着に来ずというパターンが多いのだが、今回は単勝しか当たらないという情けなさ。それも安めの。2着、3着に人気薄が来ているのだから、ここでワイドの大きいところでも入ってくれればいいのだが、そうもいかない。なんともチグハグな馬券でした。ヘコみ加減のまま年末年始に突入だが、ここらで挽回といきたいところ。
  今回収支 -4,650
   (通常分) -4,100  (配当)0 (投入)4,100
   (単複・ワイド) -550  (配当)1,050 (投入)1,600
  今年度累計 -21,390(12/8・ばんえいオークス終了時点)
   (通常分) -12,520 (配当 52,380 - 投入 64,900)
   (単複・ワイド) -8,870 (配当 13,730 - 投入 22,600)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  さて、重賞は年末年始までひと休み、そして年末年始は稼ぎ時、今年は年末に2本、年始に2本と重賞は4開催日連続で行われます。まず12月29日に3歳クラシックのばんえいダービー、翌30日には2歳の産駒地区選抜重賞ヤングチャンピオンシップが行われます。その後、1月2日に古馬の重賞、帯広記念、3日には明け5歳の重賞、天馬賞があります。当欄の予想ですが、その時の状況によって変更しますが、ダービーの前日までに年末の重賞2レース分を、1月1日までに年始の重賞2レース分をそれぞれまとめてアップしたいと思います。

2019年12月6日金曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第44回ばんえいオークス(12/8)

  今週のばんえい重賞は、3歳牝馬のチャンピオン決定戦、ばんえいオークスです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第44回ばんえいオークス(BG1)
(2019年12月8日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 3歳牝馬オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
サクラユウシュン 牝3 670 阿部武 金山明 栗毛 追
父 ウンカイ
  ハイトップフーガ 牝3 670 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
父 ウンカイ
ヒメトラクイーン 牝3 670 西将太 松井浩 鹿毛 差
父 ナリタボブサップ
  クイーンヴォラ 牝3 670 渡来心 坂本東 栗毛 差
父 シベチャタイガー
  ジェイセリナ 牝3 670 鈴木恵 平田義 栗毛 先
父 ミスタートカチ
ジェイカトレア 牝3 670 藤野俊 平田義 青毛 先
父 トカチタカラ
ヤマサンブラック 牝3 670 藤本匠 岩本利 青毛 差
父 カネサブラック
  アアモンドラッシュ 牝3 670 松田道 小林長 鹿毛 先
父 アアモンドケイジ
アアモンドノース 牝3 670 長澤幸 小林長 芦毛 差
父 トウリュウ
  10 ドルバコ 牝3 670 菊池一 大橋和 鹿毛 差
父 ヤマノミント
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえいオークス」の概要と傾向
  ばんえいの3歳牝馬の重賞。いわゆるクラシックレース「オークス」のばんえい版で、帯広単独開催以降は毎年初冬のこの時期に行われている。ハンデのない定量戦で真の世代最強を決めるレースである。
  過去10年の傾向を見ると1番人気は(3,2,0,5)と定量戦の割には苦戦気味、むしろ2番人気の方が(4,3,2,1)と好走している。人気馬に何らかの盲点があるのか、あるいは実力がありながらあと一歩だった馬がここで力を発揮するというところか。同じ世代重賞の黒ユリ賞勝ち馬が4勝と同世代レースで好走していることは重要なファクターの一つであろう。上がり馬なら自己条件での近走の走りにも注目しておきたい。騎手別では鈴木恵介騎手が過去4勝でトップ。
今回のみどころ
  夏のグランプリ以来のBG1。今年の3歳牝馬は、一つ上のミスタカシマのような牡馬をも凌駕するような存在がおらず、未だ力関係がはっきりしない部分が多い。一応は、黒ユリ賞馬のジェイカトレアが稼ぎ頭となっておりそこそこ活躍しているが、改めて一堂に会した時に実績どおり走れるか。あとはヤマサンブラック、ヒメトラクイーン、サクラユウシュンあたりが上位で活躍している。一方、下位の馬たちも激しい出走権争いを制してきており、その中にも3年前に優勝したホクトノホシのようにダイヤの原石が眠っているかもしれない。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 サクラユウシュン:デビュー時から期待されており、いちい賞などで勝利、重賞はナナカマド賞で6着、そして黒ユリ賞では1番人気に推されたが結果は4着。この時は障害でのミスが出ていた。抜群の切れ味を持ち、動きは素軽いがやや走りが不安定。強い勝ち方で連勝することもあれば、障害などで大きく崩れることもしばしば。この夏は馬体重も減って苦戦したが取り戻しつつある。
 2 ハイトップフーガ:黒ユリ賞2着馬。重賞はこのほかイレネー記念にも出ており7着に入っている。実績馬だが、今シーズンは序盤に休養。復帰後はなかなか勝負勘が戻らず1勝のみで、このレースもようやく最後の出走枠に残ったところ。元々は先行力と力強い走りがモットーで、黒ユリ賞ではハナを奪って逃げるレースを展開した。やや動きが重い面もあるので高重量になって力を発揮か。
 3 ヒメトラクイーン:重賞は黒ユリ賞(6着)のほか、ナナカマド賞に出走しこの時は4着と善戦した。デビュー時から完成度が高い馬で最初の特別戦白菊賞で勝つなど将来性が期待されたが、その後は若干伸び悩んでいた。障害で崩れることは少ないが、前半に流れに乗れないと後手に回り追走で一杯というパターンも見られる。一旦障害を降りればじわじわ伸びていく脚を持っている。
 4 クイーンヴォラ:重賞は黒ユリ賞で5着に入っている。この時は後方待機から直線で伸びて接戦にもつれ込んだ。特別戦は釧路産駒特別、福寿草特別と出走、結果は出ていないが崩れはしていない。小柄な馬だが素軽さがあり、自在に立ち回れる。父シベチャタイガーは晩年になって力を発揮した馬。この馬も成長途上で非力な面があるが、苦手だった障害は自分から動いて克服しつつある。
 5 ジェイセリナ:重賞は初出走。特別戦は十勝産駒特別と福寿草特別に出走しておりいずれも6着に入っている。特に福寿草特別では最後方から直線一気の鋭い脚が見られた。父ミスタートカチ譲りのスピードど鋭い切れ味がこの馬のモットー。障害はかなり苦手で崩れてしまうこともしばしばあるが、一旦越えれば直線で鋭く加速してくる。流れが落ち着く重賞なら追い込みの脚も決まるか。
 6 ジェイカトレア:黒ユリ賞馬でむろんメンバー中唯一の重賞勝ち馬。その他重賞にも積極的に参加しており、はまなす賞4着など好走している。3歳としてはかなりの馬格があり力強い走りを見せる。どちらかというと直線の切れ味で勝負する馬だが、相手に合わせて先行することもある。父トカチタカラはじっくりタイプだったが、同様に多少高重量のゆったりした流れの方がよさそうだ。
 7 ヤマサンブラック:重賞は黒ユリ賞のほかヤングCSにも出走しているがいずれも大敗。しかしその後の世代牝馬戦福寿草特別では直線で抜け出して勝利している。自己条件でも上位人気ながら勝ちきれないレースも多かったが、前走軽馬場のレースでは圧勝した。力はあり障害もしっかり上げられるが、先行したり後方から行ったり気分次第のところがあり、流れに乗れないと凡走もある。
 8 アアモンドラッシュ:前開催のレースで快勝し出走権を得てきた。重賞は初出走。特別戦は白菊賞と福寿草特別に出ているが、いずれも離れた9着と大きく敗れている。父アアモンドケイジは現役時代は小柄な馬で全て最下位、種牡馬としてもほとんど実績はない。この馬も親同様小柄だったが、今シーズンに入り馬体が急成長し力を付けている。真面目に走れるタイプで障害もこなせる。
 9 アアモンドノース:出走権をめぐって賞金ランク10位が2頭並んだが、直前で3連勝したこの馬が今年度獲得賞金の差でマオノクイーンを抑え最後の切符をつかんだ。重賞はナナカマド賞に出走し9着。まだ気性的に若い面が見られ、レース中もソラを使いながら走る傾向にある。障害も力が入らず上がらないことも多いが、直線の切れ味は鋭く一気に追いつくだけのスピードを持っている。
 10 ドルバコ:重賞は初出走、特別戦も北央産駒特別のみ出走し大敗している。小柄で非力なイメージだが、父ヤマノミントの性質を受け継いでか、素軽い動きで自在に立ち回れる。特に近走は動きが良く、上位に食い込み賞金を加えて出走権を確保した。障害も特段上手ではないが立て直しが早く巻き返しが可能。全体の流れが速くなる軽馬場より、重馬場でじっくり攻めて他馬のミスを待ちたい。

【はむ!の見解まとめ】
  このメンバーの中では、ジェイカトレアが黒ユリ賞に勝っている上他の重賞にもほとんど出走しており、実績面では数段上。ただ牝馬同士のレースになった場合、伏兵が登場してくることはないのか。
  まず展開を予想してみると、黒ユリ賞で先行したハイトップフーガが今回も前半から前に行くか。他に先行力がありそうなのはアアモンドラッシュぐらいで、他はそれほど速くない。それならやはり前半からジェイカトレアが押し出されるように先頭に立つことになるか。他の有力馬ではヤマサンブラックやサクラユウシュンは勝ちに来るなら前について行きたいところ。ヒメトラクイーンは中団か。他の馬も障害を越えれば切れ味のある馬が多いので、もしジェイカトレアが何らかでもたつく場面があるとゴール前でもつれることもあり得る。
  それでも◎(6)ジェイカトレアは現時点で力は抜けており、定量戦のこのレースはやはり本命にせざるを得ない。ただ不安点としてはクラスが違うためこのメンバーでの対戦が少なく、想定外の展開にでもなれば一気に流れが変わってくることもある。かといって崩れることも考えづらく、一応軸には置きたい。
  相手だがこれは大混戦。サクラユウシュンは黒ユリ賞で1番人気になったが流れに乗れなかった。今シーズンも4連勝した時期もあるが一方では障害で引っかかり人気を裏切ることも多々見られ、それだとなかなか中心には狙いづらい。それならじわじわ力を出していける○(3)ヒメトラクイーンの方を取りたい。流れに乗れないと伸びてこない時もあるが、混戦になれば勝負根性は上。わずかながら逆転の可能性もあると見ている。流れに乗れれば怖い存在が▲(7)ヤマサンブラック。やや走りに不安定な面はあるものの動き自体は良い。大レースに強いのは父親のカネサブラック譲りか。ただジェイカトレアまで届くかは微妙で、単穴で。そして△(1)サクラユウシュンは、前述の理由によりリスクもあって、4番手評価とした。ただスピードの絶対値は違うのでやはり流れにのればそのまま押し切ることも。
  下位クラスからは直前で連勝し出走権を得てきた注(9)アアモンドノース(8)アアモンドラッシュのアアモンド勢、特にノースの方は直線の鋭い切れ味が出せるタイプで、一発の魅力がある。ラッシュもしっかりレースを作れるタイプでいずれも台風の目となるか、(2)ハイトップフーガは黒ユリ賞2着の実績があり逃げ切れる展開になれば。ただ現状の力関係からすれば抑えまでか。鈴木恵介騎手が乗ってきた(5)ジェイセリナも障害を越えられれば一発あるタイプ。

はむ!の馬券狙いどころ:
  いよいよBG1のばんえいオークス。実績上位のジェイカトレアをどこまで信頼するか。逆転もありと見るがその候補はいろいろ目移りしそう。これでも絞ったつもりなのだが。ワイドあたりも手広く狙いたい。なんとか勝って年末年始の重賞シリーズに向けてもここはしっかり資金を確保しておきたいところ。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 6,3,1→6,3,1,7→6,3,1,7 合計18通り 各300円
      6→3,1,7→3,1,7,9 合計9通り 各100円
      3,1,7→6→3,1,7 合計6通り 各100円
  枠複 6=3,7,8 3=7 合計4通り 各200円 合計 4,100円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 6 700円
  ワイド 3=1,7,9,5,2 9=6,1,7,5 合計9点 各100円
  合計 1,600円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】BFG(ばんえいフルゲート)その3
  前回までBFG(ばんえいフルゲート)の話をしていました。そして各レースはBFGに満たないレースが多いという話をしていました。その話を突き詰めると、理由として、ばんえいを含む地方競馬は綿密なクラス分けがされていて、そのクラスに応じて出走できるレースが決められているというシステムであるということにあります。
  例えばJRAなら御存知のとおり(主に1着の)獲得賞金に応じて、未勝利、1勝クラス(今年度まで500万円下)、2勝クラス(1000万円下)、3勝クラス(1600万円下)、オープンとかなり大雑把に分けられ、それぞれの各クラスには何百頭(場合によっては1000頭以上)といて、所属するクラスから開催場、距離や芝、ダートによって分けられた何種類ものレースを選んで出馬投票し、フルゲートを越えれば抽選で出走するというシステムになっています。(今年から一度上がれば降級することはなくなりました。)
  一方、地方競馬は主催者によって若干違いますが、過去数年の獲得賞金に応じてA(オープンを含む)、B、Cとランキングされその中でも賞金順にA1、A2・・・のように細分化、要するに上位馬はともかく、下位の馬はそのランクで決められた範囲のレースにしか出ることができません。要するに、中央に比べて、選択の幅が狭いのです。(登録馬や条件のバリエーションが少ないことと、ランクを細分化しないと、力の差が大きすぎて競馬が成り立たないからでしょう)
  ばんえいの場合は、2歳馬は獲得賞金順に全部並べて、9頭~10頭ずつA1、A2、A3(クラスの中の数は頭数によって決まる)、B1、B2・・・ときて、最後はDまでクラス分け、3歳馬以上は過去3年間の獲得賞金により格付け(例えば470万円以上ならオープン、それ未満で360万円以上ならA1、それ未満300万円以上ならA2,その後は、B1~B4ときて、5歳馬以上ならB4が最も下位ランク、3歳~4歳ならさらにC1,C2)され、またその格の中で組み分けがされる。というシステムになっています。
  文字で書いてもさっぱりわからないでしょうから、それをまとめた表は主催者の公式ホームページなどで確認いただくとして、つまり何が言いたいかというと、ばんえいば場合は、出走できるレースがしっかり決められて、選択の余地はほとんどないため、その馬の調子などで出走回避が出た場合、その分だけ頭数が減ることからBFGになりにくいという状況があるということです。もう少し馬に選択肢があればいいのですが、全体の頭数が少ないので難しいのかもしれません。

2019年12月2日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第10回ドリームエイジカップ(12/1)

ばんえい重賞レース回顧
第10回ドリームエイジカップ(BG3)-2019年12月1日-10R 200m直 曇 1.5%
  1着△(9)アアモンドグンシン(長澤幸) 1分52秒3
  2着 (10)センゴクエース
  3着注(1)オレノココロ
   単勝 9 1,020円(5番人気) 馬複 9-10 8,420円 三連単 9-10-1 137,320円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの4歳~8歳以上の世代別重賞、第10回ドリームエイジカップは、4番人気のアアモンドグンシンが障害を先頭で抜け出し他を引き離して快勝。4歳馬として初めてこのレースを制した。この馬自身は昨年のばんえいダービー以来重賞3勝目、長澤幸太騎手は、このレースは2012年のテンマデトドケ以来2勝目、通算では一昨年のばんえいダービーをメジロゴーリキで制して以来4勝目。小林長吉調教師も昨年のばんえいダービー以来の重賞勝ちで通算9勝目。

レース振り返り
  帯広周辺はここ一週間はわずかな降水があったものの天気は概ね晴れ、しかし気温が低くコースにやや水分が残っている状況。馬場状態はやや重めといったところであった。
  レースは、メジロゴーリキとミノルシャープの5歳勢がスタートから勢いよく飛び出し、第1障害を越えてこの2頭が先行。これに4歳馬アアモンドグンシン、キタノユウジロウがついて行き、コウシュハウンカイとコウリキあたりその後に付けた。各馬小刻みに息を入れつつ、1,2障害の中間あたりではメジロゴーリキが前に出て、ミノルシャープが続くところをその外のアアモンドグンシンが積極的に前に出て行った。アアモンドグンシンはそのまま勢いをつけて進み、するすると抜け出して先頭に立った。そして第2障害手前に先着。2番手以下メジロゴーリキ、ミノルシャープがほどなく追いつき、他の各馬も続いた。ここまで57秒と馬場にしては少し速いペース。
  各馬十分息を入れたあと、ミノルシャープとアアモンドグンシンが同時に障害を仕掛け、ミノルシャープは中間で一旦止まった。一方アアモンドグンシンはしっかり歩を進めひと腰で障害をクリア、先頭に立った。他の馬も障害に挑戦するがそれぞれ天板あたりでストップ、オレノココロあたりは一旦膝を折っていた。しばらくして2腰目で力を入れたミノルシャープが2番手で障害を降り、そして十分溜めたキタノユウジロウが3番手、天板で一旦止まったメジロゴーリキが続いた。1番人気コウシュハウンカイは前半でやや遅れた上に障害でも止まり、立て直したオレノココロとともに5,6番手からの競馬となった。
  そうしている間に、先頭を行くアアモンドグンシンはスピードに乗って他を5,6馬身と大きく離して一人旅状態。ミノルシャープが2番手で追うが差は縮まらず、そのままの状態でゴールへ。最後は20mほど離してゴール線を駆け抜ける圧勝であった。2番手争いは、前を追っていたミノルシャープが残り20mあたりで立ち止まり、追っていたキタノユウジロウ、メジロゴーリキが近づくところ、後方7番手あたりで障害を越えていたセンゴクエースが、大外から一気に追い込み、逆転して2着に入った。ミノルシャープはその後立て直したが、その後最内から追い込んできたオレノココロにゴール直前でかわされ、オレノココロが3着、当欄で本命にしていたミノルシャープは4着だった。1番人気のコウシュハウンカイは遅れを取り戻せず7着。2番人気のメジロゴーリキも追いつけず6着に終わった。

次走へのメモ
アアモンドグンシン(1着):軽ハンデを生かして前半から積極的に前に行くレース、十分溜めることができ、課題のあった障害も楽に越えることができた。降りればこの馬のもの。あとはスピードで押しきった。前に行くことが命題であるような5歳勢に比べプレッシャーもなく余裕を持った走りができたことが大きい。挑戦者の強みといったところか。この馬の次の目標は正月の天馬賞となるが、今度はマークされる立場。今回ハンデの重かったキタノユウジロウや今回回避したミスタカシマらライバルは強力で本当の正念場になりそう。
センゴクエース(2着):まともに行ければ、これくらいの成績は当たり前に上げられる馬。今回は勝ちにこだわらず、とにかく障害をしっかり上げることに徹し、それが上手くいった形になった。大外で他馬に紛れることがなかったのも好都合だったか。苦手な障害も焦らなければ対応できるだろう。そのきっかけを作ったレースであった。次の狙いは高重量の帯広記念。いよいよこの馬の出番だ。今回同様じっくり攻めたい。
オレノココロ(3着):馬体重は1200kgを越え体調は戻っていた。障害で膝を折りかけたのがやはり気になるところだが、すぐに立て直しており、一応今後に目処の付いたレースにはなった。直線でしっかり歩ききり、最後で3着に潜り込んでくるあたりはさすがと思わせた。今後斤量が重くなると本来の力を最大に発揮することになるだろう。帯広記念では中心的存在となるか。
ミノルシャープ(4着):本来は前に行きたかったが、隣のアアモンドグンシンに先に行かれやや焦ったか。直線で甘くなることは想定内でそれ以上に粘りは見せていたものの、前半にややエネルギーを使った分だけ最後お釣りがなくなった形になった。全体としてはこの馬らしいレース運びで力を付けているところは見せたといえる。この後は帯広記念に行くのか、金杯の方に回るか。
キタノユウジロウ(5着):4歳馬で初めての770kg、上位馬ともハンデ差のない過酷な条件であったが、積極的に前につけ障害をひと腰でさばくなど、この馬の最大の力を発揮したといえる。馬体も充実してきており見えるほどに力をつけてきたイメージである。次の狙いはもちろん天馬賞。アアモンドグンシンから逆転を狙う。
  その他では、メジロゴーリキ(6着)は、やはり第2障害手前で先手を取れず後手にまわってしまったことが敗因か。相手次第では流れも変わるだろう。帯広記念ではさらにチャレンジしてほしい。コウシュハウンカイ(7着)も前半から前につけようとしたが、動きが重く障害でも立ち後れた。トップハンデが応えたか。全体的に動きが良くなく調子も下降気味に見えるのが気がかり。他の馬はここでは力の差がありすぎた。それぞれに適鞍があるはずで巻き返しに期待。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 ワイド 1-9 1枚 のみ
  これは馬券の買い方というより予想が甘かったとしか言いようがない。グンシンも気になっていたので△までは打っていたが、4歳馬不利というデータに頼ってしまって、その勢いとスピードを見限ってしまったというところか。さらにはセンゴクエース。当欄では比較的ひいき目に見て何らかは勝っている馬なのだが、今回はワイドすら買っていないという状況でこれも裏切ったことで逆に痛い目に遭わされた結果だ。信じることは重要。
  今回収支 -5,110
   (通常分) -4,300  (配当)0 (投入)4,300
   (単複・ワイド) -810  (配当)590 (投入)1,600
  今年度累計 -16,740(12/1・ドリームエイジカップ終了時点)
   (通常分) -8,420 (配当 52,380 - 投入 60,800)
   (単複・ワイド) -8,320 (配当 12,680 - 投入 21,000)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  重賞は2週連続、次回12月8日は、3歳牝馬の最高峰、ばんえいオークス(BG1)です。予想はいつもどおり前日までには書く予定です。

2019年11月30日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第10回ドリームエイジカップ(12/1)

  今週のばんえいは世代別の対抗重賞、ドリームエイジカップです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想

【出馬表及びはむ!の予想印】
第10回ドリームエイジカップ(BG3)
(2019年12月1日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 4歳以上馬齢選抜別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
オレノココロ 牡9 780 鈴木恵 槻舘重 青毛 差
  コウリキ 牡7 770 西将太 長部幸 鹿毛 差
コウシュハウンカイ 牡9 790 藤本匠 松井浩 栗毛 先
  タカラシップ 牡6 760 阿部武 岩本利 鹿毛 先
メジロゴーリキ 牡5 770 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
  キタノユウジロウ 牡4 770 松田道 村上慎 栗毛 差
  フナノクン 牡6 760 船山蔵 松井浩 栗毛 先
ミノルシャープ 牡5 770 島津新 大友人 鹿毛 逃
アアモンドグンシン セン4 750 長澤幸 小林長 鹿毛 先
  10 センゴクエース 牡7 770 菊池一 槻舘重 鹿毛 追
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ドリームエイジカップ」の概要と傾向
  4歳から8歳以上まで馬の年齢別にそれぞれ賞金上位2頭が選抜されるばんえい独自の出走条件で今年で10回目の開催。それ以前にも「オールスターカップ」という馬齢別選抜のレースが行われていた時期もあったが、2010年以降はグレード格付けされた重賞レースとして確立している。同時期の古馬重賞に比べ負担重量が軽いこと、ハンデ差が大きいレースであることから例年波乱を呼ぶレースである。
  過去9年で1番人気は(2,2,1,4)と苦戦傾向。6番人気以下が4勝で連対数も多く大波乱もしばしば見られる。しかし優勝馬の名前を並べると名馬と呼ばれる馬が多く、ハンデ差などが原因で負けが込んで人気を落としていた実力馬というのが狙い目か。若馬が善戦で5歳馬が過去4勝している。さすがに4歳馬は厳しい。牝馬は出走自体が少ないものの、3年前にキサラキクが勝っている。したがって非力ながらスピードのある馬が四大記念競走では厳しくてもこのレースならチャンスがあるというところか。騎手では鈴木恵介騎手が4勝と抜けている。

今回のみどころ
  今シーズンの古馬重賞戦線は、前半はオレノココロやセンゴクエース、夏はコウシュハウンカイが台頭、そして前回の重賞北見記念では適性を生かしてシンザンボーイが優勝。これらにメジロゴーリキやミノルシャープらの5歳馬勢が好走し、存在感をみせている状況。今回は古馬重賞の中でも負担重量が軽いこと、ハンデ差があることなどがどのように影響するか。特に近走障害での苦戦が続くオレノココロやセンゴクエースが軽くなって一変できるかが注目。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 オレノココロ:ばんえいのトップランナー。今シーズン前半は強さを発揮していたが、その後は若干体調を崩した影響か全体的に動きが悪く苦戦している。前走の特別戦の狩勝賞では8番人気と屈辱的であったが障害は改善してきている。一息入れそろそろエンジン始動か。
 2 コウリキ:7歳馬。昨年のこのレース以来の重賞出走。昨年は直線の切れ味を見せ、勝ち馬とは約6秒差の5着に入った。かつて障害は苦手だったが、近走は前半から積極的に攻めて行き、障害も時間はかかるもののしっかり踏みしめて上がってくる。前半で流れに乗れれば。
 3 コウシュハウンカイ:昨年は好調を維持しながらこのレースの出走権がなく涙をのんだが、今年は文句なく出走。夏は絶好調でグランプリなどで強い勝ち方を見せたが、前走の北見記念では珍しく障害で止まるなど本来の力が出せなかった。重量的には適鞍で立て直しを図る。
 4 タカラシップ:6歳馬。重賞は一昨年のポプラ賞以来で4度目の出走。特別戦では常連だが、今シーズンはあまり成績が上がっていない。先行力がこの馬の持ち味だが、同タイプの馬が多い中でどこまで行けるか。障害は時間はかかるが崩れない。ペースが落ち着けば。
 5 メジロゴーリキ:5歳馬勢の中でも世代トップを行き、今シーズンは古馬トップ馬相手に全て4着以内と安定した成績を上げている。先行力と障害力には自信を持っており、レースを引っ張っていけるだけのものは持っている。最後の粘りは課題だが、今回の条件ならチャンスか。
 6 キタノユウジロウ:4歳馬。ミスタカシマが回避したためこの馬にチャンスが回ってきた。世代重賞では常連だが古馬重賞は初めて。重賞も善戦止まりだったが、ここにきてはまなす賞、銀河賞と連勝し勢いをつけている。安定した走りで自在の展開に対応。障害もこなす。
 7 フナノクン:6歳馬ではマルミゴウカイが登録抹消となり、この馬が世代筆頭となった。重賞は3度目の出走で今回は出走権を最初から取ってきた。切れ味があり粘りも持っているが、今シーズンは行き脚が悪く障害でも手間取るなど伸び悩んでいる。重賞なら巻き返しも。
 8 ミノルシャープ:5歳馬として古馬重賞戦線にも果敢に挑戦。旭川記念や北見記念ではいずれも2着に粘っている。スピードと障害力で押して行ってどこまで粘れるかというのがこの馬の型。以前はジリ貧な面もあったが近走は馬体重も増え最後まで力を出せるようになってきた。
 9 アアモンドグンシン:4歳セン馬。重賞は昨年のダービー以来遠ざかっている。今シーズン前半は障害が上がれず苦戦が続いたが、秋になり充実してきている。北見記念では840kgながら力を見せ5着に粘った一方、その後のオープン戦では軽馬場を味方につけ快勝した。
 10 センゴクエース:7歳馬。今年は3月にばんえい記念勝利後、障害が全く上がらず崩れるシーンが多く苦戦している。夏前には体調も崩しそれ以降は復活の兆しも見えていない。馬体重自体は減っておらず、障害をクリアできれば必ず伸びてくる、あとは気持ち次第。

【はむ!の見解まとめ】
  若馬か実績馬か。特に力のある実績馬がここまで順調とはいえないだけに、若馬にもチャンスは出てくる。
  展開だが、前の方で勝負したい馬が多く、牽制しあいながらもペースは速くなりそう。その中でもミノルシャープ、メジロゴーリキの5歳馬2頭はハナが速く、これらが引っ張る展開か。タカラシップあたりも前に行きたいだろうがついて行けるか。コウシュハウンカイも早めには行きたいが極端に速くならなければ焦る必要はないか。アアモンドグンシン、キタノユウジロウの4歳勢、コウリキ、フナノクンあたりも流れによって前に出て行くことも考えられる。オレノココロやセンゴクエースは必然的に後方からとなりそう。荷物も軽めで早めに行った馬が粘り込むことが考えられ障害の巧拙はかなりものを言いそう。
  そして予想だが、全体の流れを見て、今回は思い切って5歳馬◎(8)ミノルシャープを本命に置いた。しっかり先行し確実に障害が越えられる。昨年は4歳ながら3着の実績。ウィークポイントは最後の詰めだが、最近は力をつけしぶとさも増している。他馬をリードして直線に入れればそのままゴールまで粘り込む展開が考えられる。
  相手だがこちらも5歳馬○(5)メジロゴーリキ。力は十分持っており安定感もあるが、近走は障害を含めやや動きが固いように見える。ただ今回の斤量ならスムーズに動けるか。抜群の先行力はあるが決め手のない分対抗に回した。実力馬▲(3)コウシュハウンカイも北見記念ではまさかの失速だったが、ここでは負けられないところ。しかし流れが速くなれば追走一杯になることも考えられる。ハンデも微妙。展開に左右されそうで安定性のあるこの馬としては珍しく単穴評価とした。
  一発を狙うなら4歳馬△(9)アアモンドグンシン。北見記念での好走を見れば力で見劣りすることはない。障害さえ上手く降りれば最も切れ味のあるのはこの馬だろう。4歳馬不利のデータもハンデ差が生きれば。そして実績馬注(1)オレノココロがどこまで復調しているか。流れ的には不利には見えるが、この馬の本領が発揮されれば最後の末脚は確かだろう。本番は先だが、昨年も優勝しており無視はできない。その他では繰り上がり出走の4歳馬(6)キタノユウジロウの勢いも侮れない。目下絶好調。重量も対応できる。ただ先行馬が強力なのでついて行けるか。そして問題は(10)センゴクエース。障害で苦しんでおりまだ復活まで時間がかかりそうか。たとえ立て直せても、今回は若馬の方が勢いがありそうで、今は見送りが賢明か。

はむ!の馬券狙いどころ:
  今シーズンの収支はなんだかんだ持ちこたえてはいるものの、これから重賞は年末年始に向けて佳境に入ってくる。このへんでスカッとクリーンヒットを打ちたいところ。
  今回の本命は思い切ってミノルシャープ。でも馬券的にはメジロゴーリキとコウシュハウンカイと無難なところを混ぜて、結局手広くなってしまった。枠複あたりでなんとか取りたいところ。ワイドは4歳馬から狙ってみる。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8,5,3→8,5,3,9→8,5,3,9,1 合計27通り 各100円
  枠複 7=5,3,8,1 合計4通り 各400円
  合計 4,300円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 500円
  ワイド 9=8,5,3,1,6 6=8,5,3,1 合計9点 各100円
  合計 1,400円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】BFG(ばんえいフルゲート)その2
  1か月前の北見記念の時に書いた話の続きです。ばんえい競馬において、全てのゲートが埋まるレースをばんえいフルゲート(BFG)と呼んでいるという話をしました。少頭数のレースも馬券を当てやすいとか、それぞれの馬をじっくり見られるというメリットはありますが、やはり全ての馬がゲートに揃うレースの方が面白いし、本当の意味での勝負といえるでしょう。それでは1日でどの程度がBFGとなるのでしょうか。概ね11レース中4~5レースくらいが平均、その中でも2歳戦が多く、古馬戦では全部揃わないことが多いです。昔は頭数も多くフルゲートで行われることが多かったようです。最近は8~9頭立てになることが多く、最近では7月のビッグウェイトカップで直前の取消・除外馬が相次いで出た関係で3頭立てという寂しいレースもありました。
  このようなことになるのは、レース番組の組み方によるところが大きいと思われます。(その詳細についてはまた別の機会に)もっとも、他の地方競馬やJRAでも出走可能頭数まで馬が揃っていないレースの方が多いので、ばんえいだけことさら問題視することはないのですが、元々の出走可能頭数が少ない(10頭)わけですから、せめてゲートが埋まるBFGのレースが見たいものです。

2019年11月18日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第44回クインカップ(11/17)

ばんえい重賞レース回顧
第44回クインカップ(BG3)-2019年11月17日-10R 200m直 晴 1.8%
  1着◎(8)ミスタカシマ(鈴木恵) 2分05秒0
  2着○(6)アフロディーテ
  3着▲(1)サンシルクラポピー
   単勝 8 150円(1番人気) 馬複 6-8 160円 三連単 8-6-1 760円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい4歳牝馬重賞の第44回クインカップは、1番人気のミスタカシマが第2障害を先頭で越え、追いすがる後続を振り切って勝利。重賞は柏林賞に続き6勝目。この世代の牝馬重賞を全て勝利した。鈴木恵介騎手はクインカップは2014年ナナノチカラ以来5年ぶり4度目、今シーズンは柏林賞以来で4勝目通算78勝目。槻舘調教師はこのレース初制覇。

レース振り返り
  この週から帯広競馬場のコースはロードヒーティングが稼働、ゴール前の砂障害が撤去され、冬仕様に変更になった。この週の帯広は金曜日に雪が降り馬場はある程度水分を含んだ状況。ただロータリーハローもかけられており、ややハードな馬場状態であった。
  レースは、揃ったスタートから大外のカイセリュウキ以外ほぼ横一線で第1障害へ。第1障害を越えたあたりから、先行すると予想されたサトクィーンが前に出て、アフロディーテ、ジャスミンガールあたりが先頭集団へ、これにプランセス、最内からサンシルクラポピーと続き、ミスタカシマはこれらを見るようについて行く。各馬小刻みに息を入れながら、同じような態勢で第2障害手前へ。このころにはミスタカシマも追いつき、4,5頭が一線に並び第2障害に到達。ここまで59秒とほぼ平均ペース。
  各馬じっくり溜めたあと、第2障害はまずサトクィーンが仕掛けるが坂の中腹で力が入らずストップ。これを待つように、アフロディーテとミスタカシマがほぼ同時に障害に挑戦、いずれも一歩ずつ力強く障害を越え、2頭ほぼ同時に障害を降りた。後続はかなり離れて、障害をふた腰ほどでまとめたジャスミンガールが3番手、一旦膝を折って立て直したたサンシルクラポピーが4番手、その他は更に障害で苦しんだ。
  先頭争いはアフロディーテとミスタカシマの2頭の完全なマッチレースとなり、全く並んでデッドヒート。しかし残り30mを切ったあたりから徐々にミスタカシマが前に出る。アフロディーテも懸命に追うがじわじわ差が広がっていく。残り10mあたりでは1馬身半差まで広がった。ゴール前ではミスタカシマも緩みかけアフロディーテも食らいつくが、その差は縮まらず、そのままの態勢でゴール。ミスタカシマがトップハンデをものともせず1番人気に応えた。アフロディーテが2着に入り、3着争いは直線でジャスミンガールが粘るところをサンシルクラポピーがかわして3着、ジャスミンガールは後続にも迫られたが4着に入った。4番人気となっていたプランセスは障害が上がらず最下位の10着に終わった。

次走へのメモ
ミスタカシマ(1着):順当勝ちであった。特に今回は遅れを取らないよう前半から先頭集団をぴったりマークするなどかなり攻めていた。それが結果的に逃げ切りという流れになったということであろう。着差は大きくつかなかったように見えるが、逆転の余地もなく、トップハンデなどを考慮すればやはり快勝であった。むしろ併走したアフロディーテがこれ以上ない力を出しても届かないほど強かったと言える。次の狙いは当然BG1の天馬賞だろう。牡馬も含めた世代最強の座をしっかり手にしたいところ。その後は同じくBG1のヒロインズカップで全世代女王をめざすか。
アフロディーテ(2着):先行して障害はひと腰、最後まで粘ってミスタカシマを追い続け差のない2着。この馬としては最高のレースができていたのではと思われる。これで世代重賞はいずれもミスタカシマの2着と結果を見れば残念だが、十分力を付けてきたように感じられる。今後古馬戦線の中に入って特別戦などで活躍しそうだ。賞金を加算したので天馬賞に出走するチャンスも広がり、出られれば面白い存在になりそう。
サンシルクラポピー(3着):心配された障害での崩れが出たが、すぐに立て直せたことで直線の切れ味で3着まで食い込んだ。ペースが落ち着いたことも功を奏したのであろう。このあたりは兄のオイドンを思い出させる力強い動きであった。アフロディーテ同様に天馬賞の出走権が微妙だがやはり出たいところだろう。自己条件でしっかり賞金加算したい。そのためにも障害の克服が課題。
ジャスミンガール(4着):この馬の持ち味である先行力と障害力で果敢に攻めていった。最後は一杯になって、なんとか4着に残った形にはなったが、初めての重賞としては好走といえる。経験値を加えたことで、更に自信を付けたのではないか。自己条件で勝って、また上位で戦えることが期待される。
ウィナーキララ(5着):自分のレースをすることに徹して後方待機、障害も崩れず、最後は掲示板内に入り4着にもあとわずかのところまで迫った。最下位人気であったことを考慮すると好走といえよう。やはりオークスなどを経験していることも作戦上有利になったか。今後にも生かせそう。
  その他では、最後の切符を得て出走してきたカイセリュウキ(6着)は先行することも想定されたが、作戦だったのか出遅れたのか後方からの競馬であった。最後は押し上げての6着だが前に行っていれば展開は違ったかも。テツアズマ(7着)も前回ほどではなかったが障害で苦しんだ。今後のこの馬の課題となりそう。穴人気になっていたプランセス(10着)は障害で崩れた。やはりこの馬は軽い方が力を出せるタイプか。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 三連単 8-6-1 5枚 単勝 8 9枚
  これは安い。◎○▲で当たってプラスにならないなんて。1,2,3番人気だからしょうがないけど。当欄では完全本命できてしまうとプラスにならない仕組みなんだ。でも1点買いとかできないしね。当たったから良しということで。それにしてもミスタカシマはやはり強かった。でもアフロディーテもよく頑張ってた。しかし4歳牝馬世代は結構存在感あるね。またそれぞれのレースでこの世代の馬が出れば狙わせてもらう。
  今回収支 -850
   (通常分) -600  (配当)3,800 (投入)4,400
   (単複・ワイド) -250  (配当)1,350 (投入)1,600
  今年度累計 -11,630(11/17・クインカップ終了時点)
   (通常分) -4,120 (配当 52,380 - 投入 56,500)
   (単複・ワイド) -7,510 (配当 12,090 - 投入 19,600)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回の重賞は2週間後の12月1日、4歳~8歳以上の馬齢別選抜重賞、ドリームエイジカップカップです。予想はいつもどおり前日までには書く予定です。

2019年11月16日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第44回クインカップ(11/17)

  3週続きのばんえい重賞、今週は4歳牝馬の重賞、クインカップです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第44回クインカップ(BG3)
(2019年11月17日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 4歳牝馬オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
サンシルクラポピー 牝4 700 村上章 鈴木邦 栗毛 差
  ウィナーキララ 牝4 680 西将太 大友人 青毛 差
テツアズマ 牝4 690 菊池一 松井浩 青毛 追
  ブレークスルー 牝4 690 藤本匠 長部幸 鹿毛 逃
  ジャスミンガール 牝4 690 渡来心 大友人 鹿毛 先
アフロディーテ 牝4 700 西謙一 西弘美 栗毛 先
プランセス 牝4 690 赤塚健 久田守 青毛 差
ミスタカシマ 牝4 720 鈴木恵 槻舘重 栗毛 先
  サトクィーン 牝4 690 阿部武 大友人 青毛 逃
  10 カイセリュウキ 牝4 680 松田道 坂本東 鹿毛 先
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「クインカップ」の概要と傾向
  ばんえいの場合は4歳世代にも三冠(柏林賞、銀河賞、天馬賞)があるが、さらにこの世代の牝馬重賞として、クインカップが行われている。その歴史は意外に長く44回目。過去の勝ち馬には名牝と呼ばれる実力馬もみられるが、どちらかというと個性派でかつ人気のあった懐かしい名前が並ぶ。成熟した牝馬たちの華やかなレースで興味深い。
  過去10年間では1番人気は(6,1,1,2)と好成績を挙げている。一方、2,3番人気は合わせて1勝と芳しくない。一方、6番人気以下の勝利もなく、基本的には大荒れは少ない。ばんえいオークス馬の勝利は過去10年では1頭(ナナノチカラ)のみ。一方、前月に行われる同条件の特別戦「紅バラ賞」の勝ち馬は5勝しており、実績より調子の良い馬が優先というところか。別定重量によるハンデがあるが、極端な重量差があるときに多少影響する程度。現役騎手では藤野俊一騎手と鈴木恵介騎手がそれぞれこのレースを3勝している。
今回のみどころ
  この世代の牝馬はとにかくミスタカシマが一頭大きく抜けている。牡馬を含めて世代トップの座におり、柏林賞でも有力牡馬勢を抑えて快勝。ここでは格が違いすぎる。唯一ポイントがあるとすればハンデ差のみ。しかし重賞の場合のハンデ差はわずか。打倒ミスタカシマの一番手は、黒ユリ賞、ばんえいオークスでいずれも2着だったアフロディーテ。調子も上がってきている。その他上位常連のサンシルクラポピーや、ここにきて上昇してきた馬も何頭かいるが、ミスタカシマが中心となることは仕方のないことだろう。どんな走りを見せるか注目。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 サンシルクラポピー:重賞は過去2度の出走で黒ユリ賞3着の実績。スピードが自慢で、2走前の軽量戦・疾風賞ではトップクラスのスピード馬を完封して快勝。障害がポイントだが、何腰かかかっても早めに立て直せれば追いつくだけの切れ味はある。
 2 ウィナーキララ:重賞はばんえいオークスのみに出走。この時は追走一杯で9着。トライアルの紅バラ賞ではほぼ最後方から前の馬を拾って5着まで押し上がった。父カネサブラックと母父サカノタイソンという注目の血統。重量があれば素質開花か。
 3 テツアズマ:デビュー後は素質はあったものの体も小さく力不足感があった。その後徐々に力をつけ、近走は小気味よい切れ味のある走りで上位に進出してきた。障害は得意とは言えない。紅バラ賞では久々の特別戦で戸惑ったせいか最下位に沈んだ。
 4 ブレークスルー:重賞初出走。目立った実績はなかったが、今シーズンあたりからは馬体も充実して好走パターンも多く、2走前の疾風賞では古馬一線級のスピード馬を相手に3着に入り素質の片鱗を見せた。障害は課題だが越えられれば一発も。
 5 ジャスミンガール:重賞は初出走。準重賞のばんえいプリンセス賞で8着、トライアルの紅バラ賞で7着と目立った実績はない。先行力があり直線も切れ味はないがしっかり走りきれるタイプなので、流れに乗れれば粘り込みも。障害もある程度こなせる。
 6 アフロディーテ:重賞は黒ユリ賞、ばんえいオークスともに2着。世代2番手の牝馬という位置づけである。但し自己条件なら滅法強くトライアルの紅バラ賞ではハンデ差も生かして逃げ粘った。ただ逃げ馬というより好位差しタイプ。障害もこなす。
 7 プランセス:2歳時からスピードと勢いがあり期待されたが、重賞は黒ユリ賞6着、オークス7着と、今一つ成績が上がらなかった。しかし4歳になり馬体増も含めて落ち着きが出てきた。障害が苦手というわけではないが、流れによりミスが出ることも。
 8 ミスタカシマ:ここまでばんえいオークスのほか、ナナカマド賞、ばんえい菊花賞、柏林賞といずれも牡馬勢を抑えて優勝。終始安定した走り、そして馬格的にも世代トップの風格がある。あとはハンデのみだが今回の条件なら問題ないだろう。
 9 サトクィーン:世代の牝馬の上位リストには常に入っており、重賞は黒ユリ賞とオークスに出走。しかしいずれも大きく敗れている。先行力がありハナを奪いに行くこともしばしば、障害力もあるが、直線ではスタミナ切れの傾向。軽馬場なら一変も。
 10 カイセリュウキ:激しい出走権争いの末2走前に接戦を勝って最後の切符をつかんできた。重賞出走は10着だった黒ユリ賞以来。当時より馬体も大きく成長し力を付けてきている。先行できるタイプではあるが障害はさほど得意ではない。時計がかかれば。

【はむ!の見解まとめ】
  とにかく実力だけならミスタカシマが何枚も上、あとは自身の大きなミスが出るかくらいしか逆転の要素がないだろう。トライアルの紅バラ賞では40kgのハンデ差でようやくアフロディーテが逃げ切れたが、今回のハンデ差は20kg。普通に考えてミスタカシマが何歩も抜けていることは否めない。
  展開予想だが、ハナに行きたいのはサトクィーン。この馬は前に行けないとまず勝ち目はない。アフロディーテもできるだけ先行してくるだろう。少なくともミスタカシマより前で競馬をしたいところ。ミスタカシマはそれほど慌てることはないが、自然と前に出て行くことになるだろう。それで他馬が慌てると思うつぼ。あとはスピード馬のサンシルクラポピーやブレークスルーあたりも、障害のことを考えると前に行きたいところ。その他ジャスミンガール、カイセリュウキなど先行したい馬が多く必然的に全体的にペースが速くなりそう。
  そして、当欄の見解だが、やはり◎(8)ミスタカシマには逆らえないだろう。ハンデはあるものの経験している重量だし、そもそも力が違いすぎる。勝てる可能性の大きい銀河賞を回避してでもここに合わせて調整してきており、余程のミスが出ない限り他馬が逆転する余地はほとんどないだろう。
  相手も堅いところで○(6)アフロディーテ。ミスタカシマを本気で負かせに行くかどうかで展開は変わってくるが、無理に行くと自滅も。先行力と障害力があり他馬より安定度が高く、着実に2着狙いに徹してくると、やはり重量2着2回のこの馬が強いだろう。一発を狙うなら、障害のリスクがあっても切れ味のある馬を狙いたい。そうすると▲(1)サンシルクラポピーが浮上する。軽量戦の疾風賞で勝つなどスピードは抜群だが、障害に難があり、特に大きいレースでは力を出し切れていない。しかし今回の相手で流れを上手くつかんで障害を越えれば食い込んでくる。若馬のころはかなり期待されていた△(7)プランセスもようやく安定した力が出せるようになってきた。粘り合いに持ちこめれば上位のチャンスも。
  その他では、上がり馬注(3)テツアズマは紅バラ賞では自分の走りができなかったが、持ち味の素軽さが出て障害を上手く切って来れればチャンスも。あとは先行力で階段を駆け上がってきた(10)カイセリュウキ、スピードのある(4)ブレークスルーあたりの走りには注目したいが、上位進出まではどうか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  さすがに3週連続は金銭的にもきつい。菊花賞では3頭目がなんとかうまく引っかかってくれたもののまだ心許ない。ここでしっかり当てて年末に向けた資金を確保したいものだ。今回はミスタカシマが堅いがアフロディーテも好調なので、この2頭は表裏と攻めたい。裏が来てくれればそこそこ配当付きそうだが。あとはどれだけ絞れるか。たくさん買っているようだが重み付けにしている。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8=6→1,7,3,10,4 合計10通り 各200円
      8=6→1,7,3 合計6通り 各100円
      8→6,1,7→6,1,7,3 合計9通り 各200円 合計 4,400円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 900円
  ワイド 3=6,1,7,10 7=6,1,10 合計7点 各100円
  合計 1,600円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】ばんえい8年ぶりの新人騎手
  先日14日にばんえい競馬にとって久々の朗報がありました。本年度の騎手免許試験の合格者が発表され、ばんえい競馬では2011年に舘澤騎手がデビューして以来8年ぶりの新人騎手が誕生することになりました。新しい合格者は現在小林厩舎に所属する林康文(はやしやすふみ)厩務員です。同人は1981年生まれの38歳。兵庫県出身で元漁師という異色の経歴の持ち主。詳細はまたデビュー以降インタビューなどで明らかになっていくことでしょう。プロ選手というカテゴリーでは特別の遅咲きではありますが、逆にいうとチャレンジする気持ちさえあればチャンスは生じるということでしょう。大いに活躍を期待したいものです。11月現在ばんえいの騎手はわずか18人。この8年相次いで引退・廃業となった騎手はいたものの、新たな騎手の誕生がなく本当に危機的な状況でありました。そしてまだ厳しい状況は続きます。引き続きばんえい騎手を目指す馬好きの志士の挑戦が待たれるところです。

2019年11月12日火曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第44回ばんえい菊花賞(11/10)

ばんえい重賞レース回顧
第44回ばんえい菊花賞(BG2)-2019年11月10日-10R 200m直 晴 0.9%
  1着○(6)メムロボブサップ(阿部武) 1分43秒8
  2着◎(2)アオノブラック
  3着 (7)アオノゴッド
   単勝 6 180円(1番人気) 馬複 2-6 180円 三連単 6-2-7 4,800円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい3歳重賞クラシック第2弾の第44回ばんえい菊花賞は、1番人気のメムロボブサップが序盤から主導権を握り後続を断ち切って快勝。これでばんえい大賞典に続き3歳二冠を達成。重賞は通算4勝目となった。阿部武臣騎手はばんえい菊花賞初制覇。今季は先週の北見記念に続き重賞3勝目で通算23勝目。坂本調教師もこのレース初制覇で通算重賞10勝目。

レース振り返り
  この週の帯広は降水がほとんどなかったが気温が低く推移、馬場は乾燥していたものの脚抜けが丁度良く、水分表示に比して時計の出る馬場であった。
  レースは、スタートから各馬勢いよく飛び出しキャンター気味に第1障害まで駆ける。第1障害を越えたあたりからメムロボブサップが積極的に前に出て、外からインビクタ、そしてアオノブラックも前に並びかける。第1障害の中間手前あたりまでは各馬刻まずに勢いをつけて行き、そこからは小刻みに進み始めた。各馬出たり入ったりを繰り返すものの基本的にはメムロボブサップ、インビクタ、アオノブラックが先頭集団を引っ張り、これに最内からジェイエースが付いていく展開。第2障害手前には、わずかにメムロボブサップが先着、程なく3頭も到着した。ここまで前半53秒とやや速いペース。
  そして第2障害はインビクタが先に仕掛け、すぐにメムロボブサップそしてアオノブラックが続く。いずれも障害をしっかり越えたが、降りてすぐメムロボブサップが勢いよく先頭へ、そしてアオノブラック、インビクタが追う展開となった。後続は少し間があいてジェイエースが障害に挑戦、苦しみながらも崩れずになんとか越えた。その間にアオノゴッドが一腰で障害を切り、こちらの方が勢いを付けて4番手、ジェイエースが5番手。さらに後続は障害で取り残された。
  先頭争いは、メムロボブサップが2,3馬身リードを保ちながら進み、アオノブラックが激しく追う。しかしその差は縮まらない。インビクタは前の2頭に徐々に置いて行かれた。残り20m近くではアオノブラックがさらにギアを入れて迫ろうとするが、その前を行くメムロボブサップも脚色は鈍らず、1馬身半差程度まで詰めたところでもうゴール線へ。そしてメムロボブサップはそのままゴールを駆け抜けた。アオノブラックは届かなかったがそのままの脚色で2着でゴールした。3着争いは、インビクタの勢いが落ちたところを、アオノゴッドがじわじわ伸びて残り20m手前で逆転し3着に入った。2着からは10秒遅れとなった。なお、当欄において単穴で期待した牝馬ジェイカトレアは序盤から前に行けず7着に終わった。

次走へのメモ
メムロボブサップ(1着):今回は前半から積極的に前に出て行き自分からレースを引っ張る形。障害を軽く越え、最後の直線も全くスピードを落とさず終始先頭をキープしてゴール。他の追随を許さない完璧なレースであった。馬体重も増え、全体的に走りが安定。かつてのフワフワ感も見られなくなった。730kgとトップハンデで快勝したことも大きい。年末のばんえいダービーで三冠を目指すが、今日の勝ち方を見ると視界は極めて良好だ。
アオノブラック(2着):この馬としては最高のコンディションで、馬体重もプラス34kgと充実した状態でこのレースに臨んでいた。そして今回はその調子の良さに任せ思い切って前に行き、唯一課題だった障害もしっかり越えた。しかし勝ち馬にそれ以上の完璧なレースをされてしまった。次はダービーで巻き返しを図る。ボブサップの三冠を阻止できるのはこの馬しかいないだろう。しっかり状態をキープすればチャンスは巡ってくる。
アオノゴッド(3着):アオノブラックの僚馬でいつも影の存在だが、今回は軽ハンデでチャンスを生かし、持ち前の直線での伸びを見せて3着に食い込んだ。もっともイレネー4着などの実績からすると決して珍しい成績ではない。今回は勝ち馬の隣の枠で、前半から上手く流れに乗れたのも功を奏したか。障害もスムーズであった。今回に賞金を加算できたことでダービーの出走権もほぼ手中、今後また台風の目となる予感も。
ジェイエース(4着):この馬は大体このあたりの着順が定位置。重賞になると力を発揮するものの一歩足りない部分がある。今回も前を目指して進み障害もなんとかクリアしたが、その後の勢いが足りず、最後にインビクタをかわして4着に入るのが精一杯。ウンカイ産駒でまだこれから強くなる余地は大いにある。
インビクタ(5着):馬体重もようやく1トンに乗せ調子自体は悪くなさそうであったが、とにかく上位馬の勢いがすごく、序盤から逃げ切れなかったのが敗因といえる。今後、馬場状況次第ではまた展開も変わってくるかもしれない。
  その他では、サクラドリーマー(6着)は障害で手間取り、立て直した時には既に各馬前に行っていた。このような流れの中では一旦障害で滞るとやはり厳しい。流れが向くときも来るだろう。ジェイカトレア(7着)も序盤から上位馬の勢いに押され前に行けなかったことがすべて。アポロン(8着)は最下位ではあったが、流れには付いていっており長いトンネルからは抜け出しつつある。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 三連単 6-2-7 2枚 ワイド 7-2 7-6各1枚
  無印のアオノゴッドを最後で押さえていたので、ワイドを含めてなんとかプラスに持って行けたが、予想的にはスッキリとまではいかない感じ。でもまあ当たったから良しとしよう。この勢いでプラスまで持って行けたら。それにしても、やはりボブサップが強かった。アオノブラックも頑張って追ったが届かなかった。そのままダービーで三冠となるのか。馬券予想ではひねりたい気持ちもあるがその余地あるのか。楽しみ。
  今回収支 +5,690
   (通常分) +5,200  (配当)9,600 (投入)4,400
   (単複・ワイド) +490  (配当)2,290 (投入)1,800
  今年度累計 -10,780(11/10・ばんえい菊花賞終了時点)
   (通常分) -3,520 (配当 48,580 - 投入 52,100)
   (単複・ワイド) -7,260 (配当 10,740 - 投入 18,000)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回の重賞は11月17日、4歳牝馬の重賞、クインカップです。予想はいつもどおり前日までには書く予定です。

2019年11月9日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第44回ばんえい菊花賞(11/10)

  今週のばんえい重賞は、3歳三冠の第2弾、ばんえい菊花賞です。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第44回ばんえい菊花賞(BG2)
(2019年11月10日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 3歳オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  ジェイエース 牡3 700 鈴木恵 山本正 栗毛 差
アオノブラック 牡3 720 西謙一 金田勇 鹿毛 差
▲  ジェイカトレア 牝3 680 藤野俊 平田義 青毛 先
サクラドリーマー 牡3 700 藤本匠 今井茂 鹿毛 追
  アポロン 牡3 690 長澤幸 服部義 芦毛 先
メムロボブサップ 牡3 730 阿部武 坂本東 鹿毛 逃
  アオノゴッド 牡3 690 村上章 金田勇 栗毛 追
インビクタ 牡3 700 島津新 松井浩 青毛 逃
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえい菊花賞」の概要と傾向
  「ばんえい菊花賞」は、ばんえいの3歳重賞、いわゆるクラシック三冠レースの第2弾である。ばんえいの3歳三冠は現在「大賞典」「菊花賞」「ダービー」の順に行われている。過去に三冠を制したのは、ハクリユウ(1975年)、マルトダンサー(1980年)、ウンカイ(1997年)、ヨコハマボーイ(2001年)の4頭で、それ以降は出ていない。さらには「大賞典」と「菊花賞」を連覇した馬もヨコハマボーイ以来18年遠ざかっている。
  過去10年で1番人気が(6,0,1,3)と勝つか負けるか極端。一方、2番人気、3番人気ともに未勝利で、下位人気もしばしば連に絡んできている。また1か月前に行われるトライアル「秋桜賞」で上位に入った馬が好走している傾向にあり、実績いかんに関わらず勢いのある馬が期待に応える走りをしている。牝馬が活躍するレースで、一昨年、昨年と牝馬が優勝している。騎手では現役では最高でも2勝と混戦。

今回のみどころ
  今年の3歳馬の重賞は、これまで2歳三冠、3歳のばんえい大賞典まで行われてきたが、牝馬限定の黒ユリ賞と4歳馬との混合のはまなす賞を除いては、3強(メムロボブサップ、アオノブラック、ギンノダイマオー)がすべて1~3着を独占している。一方、ハンデ差の大きい特別戦などでは、3強以外の馬が割って入る場合もある。そして今回のばんえい菊花賞。3強のうちギンノダイマオーが回避。つまりこれまで歯が立たなかった馬も1頭は3着以内に入ることができる。2強の中でも重賞3勝のメムロボブサップが力の差を見せるか、アオノブラックが巻き返すか、それとも2強の中に割って入る馬はいるのか。年末に行われるばんえいダービーも見据えて楽しみな一戦である。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 ジェイエース:重賞はこれまでイレネー記念5着、ばんえい大賞典4着の実績。デビュー前の能検で1番時計を出すなどスピードと切れ味のある馬だが、障害はかなりの苦手。膝を折ることも多くこの馬のウイークポイントとなっている。スケールの大きい馬で、自分の型にはまれば強みを発揮できそう。
 2 アオノブラック:世代トップ3と呼ばれているうちの1頭。重賞は2歳時のヤングCSのみだが常に上位争いをしており、はまなす賞では4歳馬の中に入って2着と好走。走りは力強く直線では確実に伸びてくる脚がある。障害でやや手間取ることがありそこが若干課題だが崩れることは少ない。前半好位置につけたい。
 3 ジェイカトレア:黒ユリ賞馬。牝馬だが、牡馬の間に入っても大賞典5着、はまなす賞4着となかなかの好走を見せている。後方からの追い込みにかける馬だったが、近走は積極的に前に行く競馬も見せており、展開に厚みを増してきている。障害もこなす。大きな馬体は牡馬に見劣りせず力強い。
 4 サクラドリーマー:重賞はイレネー記念と大賞典に出走、いずれも6着に沈んでいる。直線の切れ味とスピードは相当なものを持っているが障害がかなり苦手で、期待されながら伸び悩んでいた。近走は立て直し、追い込み一辺倒から、前半から積極的に攻めて障害克服に努めるなど脚質変更しつつある。
 5 アポロン:重賞出走は大賞典(8着)のみ。2歳から3歳前半にかけ勢いがあり、今シーズン最初の特別戦とかち皐月賞では混戦を抜け出して勝利。しかしその後は全く良いところがなく、障害も崩れて大敗が続いている。馬体重の変動も大きく決して丈夫ではなさそうだ。スピードと潜在能力はありそうだが。
 6 メムロボブサップ:重賞はここまで3勝。トップ3の中でもこの馬が今のところ一歩リードしている。大賞典勝ち後はレースを選び調整。着外が2レース続いたが、これは大きなハンデ差や、古馬一線級に混じったレースで問題ない。小柄な馬であったがここにきて馬体も充実、さらに力をつけてきたイメージ。
 7 アオノゴッド:重賞はこれまでイレネー記念と大賞典に出走。イレネーでは最下位人気ながら鋭い追い込みで4着に食い込んだ。後方待機から直線の決め手で勝負するタイプ。しかし置いて行かれて届かないことも多い。障害は極端に苦手ではないがこなす程度。前半にもう少し攻めて行ってもよさそう。
 8 インビクタ:抜群の先行力を持っており、レースの主導権を握れる。しかし重賞ではその力は発揮できず、大賞典では時間失格となるなど成績は上がっていない。一方、特別戦や平場戦では滅法強くそのスピードを生かして好走する。特に軽馬場は鬼の部類。第2障害までに他馬を引き離して逃げたい。

【はむ!の見解まとめ】
  この世代はこれまで3強で推移しており、その中からメムロボブサップや大賞典で強い勝ち方をしてやや抜け出した感がある。3強以外も力はつけてきているがまだ3強とは差があるイメージ。今回はギンノダイマオーが回避した中、菊花賞ではハンデ差なども含めてどのような展開になるのか。
  展開予想としては、やはりインビクタがとにかくハナに行きたいところだろう。これに、近走前で競馬をして結果を出しているジェイカトレアも行きそうだ。アオノブラックそしてメムロボブサップといったところは控えて中団あたりというところだが、障害もあるのであまり離されたくはないだろう。ジェイエースやサクラドリーマーはさらに後ろということになるが、これも障害を意識して前につけたいところ。重量に比して流れは早くなりそうなイメージ。
  そして予想だが、今回も大賞典時と同様に当欄では◎(2)アオノブラックから入りたい。今回はどの馬にも厳しい流れになりそうだが、末脚勝負になると一枚上とみている。大賞典では障害でもたついた分3着にとどまったが、明らかに隣の馬の転倒による不利を受けたものと思われる。その後のレースでははまなす賞で善戦するなどしっかり立て直してきており、確実に力はつけてきている。
  そして○(6)メムロボブサップ。力はやはり一枚上か。大賞典以降の2戦は着外だったが、これは極端なハンデ差など理由がはっきりしている。特に前走の狩勝賞では古馬トップクラスの蒼々たるメンバーと差のないレースをしており、むしろ更に力をつけたところを見せたといえる。過去10年で6勝している1番人気馬が有利というデータも大きい。ただハンデ差と、馬券妙味も考えた予想上対抗としただけで、◎と○の差はない。
  そして、2強に割って入るというより、3着付けで狙いたいのが▲(3)ジェイカトレア。近走脚質転換し積極的な走りが功を奏しており、重賞で好走している。この馬はあくまで目標は12月のばんえいオークスの方だが、ばんえい菊花賞は目下牝馬が連覇しており、オークスのたたき台にもなっている。馬格も牡馬と見劣りしておらず、先行力、障害力ともあり、となると少なくとも2強以外とは好勝負になるのではないか。
  その他では、先行力抜群の△(8)インビクタ。大賞典で障害転倒があったが、その後は立て直しており、粘りもでてきた。上手く逃げられれば最後前残りも。一発の魅力があるのがジェイエースとサクラドリーマー。いずれも障害が課題だが、直線の切れ味は抜群。注(4)サクラドリーマーの方は、最近は苦手な障害を重点的に攻めてきており、大きく離されずに行けば追いつく可能性も。(1)ジェイエースも切れ味はあるが、やはり障害に大きな課題。最内はむしろ歓迎すべきではあるが。その他では(7)アオノゴッド。後方で置いていかれなければ、じわじわと伸びてはきそう。(5)アポロンも一発はあるが近走の状況から見ると狙いづらい。

はむ!の馬券狙いどころ:
  やはり筆者多忙の中、連続重賞は若干疲れるかな。だからといって馬券で妥協するわけにはいかない。というか妥協してくれない。重賞は買うと決めた以上買うのだ。ただ当たるように買えてないので、そこは考え直していかねば。今回は、ギンノダイマオー不在となると、やはり2強か。しかしそれでは配当がつかないので、絞りつつ、本命にしたアオノブラックを少し厚めに、3着づけやワイドをヒモ穴狙いでいきたい。なお、山本厩舎応援馬券としてジェイエースの単複は少なくともダービーまでは買いたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 2=6→3,8,4,1,7 合計10通り 各200円
      2=6→3,8,4 合計6通り 各200円
      2→6→3,8,4 合計3通り 各100円
  馬複 2=3,8,4 合計3通り 各300円 合計 4,400円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 2 700円 単複(応援)1 各200円
  ワイド 8=2,6,3,7 7=2,6,3 合計7点 各100円
  合計 1,800円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】JBC浦和
  先週の11月4日には地方競馬の祭典JBCが行われました。(当欄でも例年予想をアップしていましたが、体調不良の理由により断念しました。お楽しみにされていた方?がいらっしゃればごめんなさい。)今年は浦和で初めての開催ということで、浦和競馬場は街の住宅地の中のかなり狭い区域にあるので、混乱も心配されましたが、整然とかつ盛大に実施されたようです。関係者の努力あってこそでしょう。地方競馬の中でも地方競馬らしい浦和でのJBC成功は、地方競馬や競馬全体の発展にも良い影響を与えたと思います。
  レースの方は、JBCレディスクラシックは武豊騎手騎乗のヤマニンアンプリメが並んできたゴールドクイーンを振り切って快勝。武豊騎手はこれで地方競馬のGⅠ・JpnⅠは全て制覇となり、これも大記録です。2レース目のJBCスプリントは、地元浦和所属のブルドッグボスが、藤田菜七子騎手騎乗で大注目となっていたコパノキッキングをゴール手前で逆転。2007年スプリントのフジノウェーブと2017年レディスクラシックのララベルに続く3頭目の地方所属馬の優勝となりました。そして3レース目JBCクラシックは1番人気のチュウワウィザードがオメガパフュームとのGI馬同士の大接戦の末ハナ差で勝利しました。ここでも3着に地元浦和のセンチュリオンが入り、地方競馬勢の存在感を見せました。いずれも大盛り上がりのレースで、やはりJBCは祭典だなと思わせる1日でした。
  さて、来年のJBCは大井で行われますが、これまでの交流重賞(JpnⅠ)3レースに加え、さらに「JBC2歳優駿」が同日に行われ、それはホッカイドウ競馬の門別競馬場で行われることになります。JBCは行われることはないと言われた門別でJBCのレースが行われることは画期的なことです。もっとも門別は馬産地に近いことやトレーニング施設が充実していることから競走馬のレベルが高く、門別で行われることはむしろ必然的だったとも言えます。今後もばんえいを含む地方競馬全体の発展のため、JBCなどの地方競馬の祭典を応援をしていきたいと思います。

2019年11月4日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第40回北見記念(11/3)

ばんえい重賞レース回顧
第40回北見記念(BG2)-2019年11月3日-10R 200m直 晴 1.2%
  1着△(9)シンザンボーイ(阿部武) 2分36秒1
  2着 (3)ミノルシャープ
  3着○(5)メジロゴーリキ
   単勝 9 660円(3番人気) 馬複 3-9 3,530円 三連単 9-3-5 35,880円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい古馬重賞で4大記念競走の第3弾・第40回北見記念は、3番人気の8歳馬シンザンボーイが積極的なレース展開から障害を一腰で越えて先頭に立ち後続を振り切って快勝。8歳にして重賞は18度目の挑戦で初制覇となった。阿部武騎手は北見記念のみならず4大記念競走初制覇。今季重賞2勝目で通算は22勝目。坂本調教師もこのレース初制覇。

レース振り返り
  この週の帯広は週半ばほどにわずかな降水があったものの概ね晴れ。ただ、寒さもなく馬場は丁度良い乾きというイメージで重くもなく軽くもなくといった状態であった。
  レースは、スタートからややばらけた展開。第1障害は5歳馬のメジロゴーリキが最も早く越え、差なくゴールデンフウジンが続き、4歳馬のアアモンドグンシンも果敢に前に食らいついた。ミノルシャープは流れにまかせ好位につけた。圧倒的1番人気のコウシュハウンカイは行き脚がつかずやや後方となった。1,2障害中間までには各馬早めに刻みを入れ始めゆったりした流れに。その間にコウシュハウンカイは隣のシンザンボーイとともに徐々に前に上がっていった。各馬止まったり動いたりを繰り返しながらも全体としてはメジロゴーリキがハナを行った。これにアアモンドグンシンも付いて行く。そして第2障害手前にはアアモンドグンシンの方が先着。ここまで76秒と高重量戦ならではのゆったりしたペース。メジロゴーリキも到着、続いてミノルシャープ、ゴールデンフウジン。外からシンザンボーイ、そして一歩遅れてコウシュハウンカイが第2障害手前に到着した。
  各馬じっくり溜めて、最内のカンシャノココロあたりが到着したところで、各馬ほぼ一斉に障害を仕掛ける。アアモンドグンシン、ミノルシャープ、メジロゴーリキいずれも坂の中腹で一旦ストップ。次にゴールデンフウジン、カンシャノココロらが仕掛けるがこれも同じようなところでストップ。そして、これを見るように、外からコウシュハウンカイとシンザンボーイが仕掛ける。そしてその中で大外のシンザンボーイはひと腰で障害をクリア。コウシュハウンカイの方は障害中腹で立ち止まった。
  最後の直線に入り、先頭はシンザンボーイ、それにふた腰目で天板まで上がっていたミノルシャープが障害を越え2番手、一瞬の切れ味で前を追う。少し開いてゴールデンフウジン、カンシャノココロ、そしてメジロゴーリキと続き、その後にようやくコウシュハウンカイが降りたころには前は残り30mのところに達していた。先頭争いはシンザンボーイにミノルシャープが1馬身差あたりまで近づくが残り20mを切ったところで逆にシンザンボーイが突き放しにかかりそのままのスピードを保ったままゴールを駆け抜けた。終わってみれば10秒差以上をつける快勝。ミノルシャープも最後はゴール線上で詰まるなど厳しくなったが後続との差が大きく2着に粘り込んだ。3着争いは、ゴールデンフウジンがリードしていたが残り20mあたりで厳しくなり立ち止まる、これを巻き返しを図って追ってきたコウシュハウンカイが一旦かわしたが、こちらもゴール前で厳しくなり、一度抜かれて再度巻き返してきたメジロゴーリキに並ばれたところでゴール。写真判定の結果、メジロゴーリキが3着。コウシュハウンカイは4着だった。実績馬のセンゴクエースは大きく遅れて8着に終わった。

次走へのメモ
シンザンボーイ(1着):見事な重賞初制覇だった。思い起こせば今年正月の帯広記念でも障害をひと腰で越えて見せ場を作っていたが、今回はそれ以上に楽々越えて行ったイメージだ。帯広記念の時も阿部騎手であったが合っているのであろう。隣のコウシュハウンカイがやや出足が遅れたのをみて、うまくマークしながら前半楽なペースで行けていた。そこは30kgのハンデ差が生きたか。障害を降りてからもしっかり走れる馬なので、直線は安心感がある。今後帯広記念そしてばんえい記念と高重量戦でも大いに期待できそうだ。
ミノルシャープ(2着):6番人気で5歳馬で860kgも引っ張りながらこの成績は立派。主戦の阿部騎手に代わって乗った形になっていた島津騎手だが、この馬の特性を知り最大に力を発揮させていたように見えた。障害はある程度読めるのでハナにはこだわらず自分のペースを作っていた。最近は最後まで走れるスタミナもつけてきたように感じられる。次の狙いはまずドリームエイジカップがあるが、帯広記念も狙えそう。
メジロゴーリキ(3着):地味な結果となってしまったがそれでも3着。決して恥ずかしい結果ではなく、むしろ5歳馬としてさすがと言える。ハナは切っていったし、障害もひと腰ではなかったものの崩れたわけではない。ただ爆発力が上位馬より足りなかったというところか。このあたりはコウシュハウンカイとともに厩舎の課題かもしれない。次の狙いのドリームエイジカップは勝ちに行けるレースと言える。
コウシュハウンカイ(4着):ハンデ差、馬場状況、馬体重減など敗因を見つけようとするといろいろあるだろうが、今回は前半から行き脚も悪く、障害ももたつくなどこの馬らしくない走りに感じられた。今回のような負け方をすると、今後さらに高重量戦がある中でどうしても心配になってくるが、そこは実力馬。陣営も立て直してくるだろう。
アアモンドグンシン(5着):18年ぶりの4歳馬出走で5着は立派だ。前半から攻めていったことや、苦手な障害でも崩れずに我慢したことが最後の末脚につながった。この馬の当面の目標は正月の天馬賞。ハンデは多少もらったとはいえ、840kgで古馬と渡り合ったことはこの馬にとって大きな経験上のアドバンテージを得た。
  その他では、カンシャノココロ(6着)は好位置につけ障害もしっかり越えるなど、この馬らしい走りはしていたが、やはり同じ年齢のシンザンボーイに比して決め手に欠ける部分がある。流れに乗れれば良いが。ゴールデンフウジン(7着)は一瞬の切れ味で好位置につけたが最後で失速、最近は障害よりも最後の詰めの方に課題があるイメージだ。まだ成長の余地はある。センゴクエース(8着)は今回も厳しかった。前半の行き脚も良くないし、障害でも崩れかけるところを必死で押さえているという状況。立て直しまでもう少し時間がかかるのか。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 5-9 のみ
  また単勝がやられた。しかも今回は1.4倍の大本命が裏切られた形。こんなことならやはり本来の穴狙いで行ったほうが良いのかもしれないと思わされる。シンザンボーイはある程度納得できるが、頭の方に来ちゃうか~という感じ。そしてミノルシャープも完全に見限ってしまっていた。今回は馬券もさることながら予想自体がハズレとしかいいようがない。流れを断ち切らなければ。
  今回収支 -5,350
   (通常分) -4,100  (配当)0 (投入)4,100
   (単複・ワイド) -1,250  (配当)350 (投入)1,600
  今年度累計 -16,470(11/3・北見記念終了時点)
   (通常分) -8,720 (配当 38,980 - 投入 47,700)
   (単複・ワイド) -7,750 (配当 8,450 - 投入 16,200)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  重賞は3週連続、次回は11月10日、3歳の三冠レース第2弾、ばんえい菊花賞です。予想はいつもどおり前日までには書くつもりですが、筆者多忙・体調不良につき簡単に済ませるかもしれません。

2019年11月2日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第40回北見記念(11/3)

  今週のばんえいは古馬重賞、4大記念競走の第3弾、北見記念です。早速予想いってみましょう。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第40回北見記念(BG2)
(2019年11月3日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 3歳以上オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  カンシャノココロ 牡8 850 松田道 坂本東 鹿毛 差
  アアモンドグンシン セン4 840 長澤幸 小林長 鹿毛 先
  ミノルシャープ 牡5 860 島津新 大友人 鹿毛 逃
  ゴールデンフウジン 牡5 850 藤野俊 今井茂 青毛 追
メジロゴーリキ 牡5 860 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
センゴクエース 牡7 860 菊池一 槻舘重 鹿毛 差
ソウクンボーイ 牡9 850 村上章 西邑春 鹿毛 追
コウシュハウンカイ 牡9 880 藤本匠 松井浩 栗毛 先
シンザンボーイ 牡8 850 阿部武 坂本東 栗毛 差
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「北見記念」の概要と傾向
  古馬重賞の、いわゆるばんえい4大記念競走の第3戦。かつては北見競馬場で開催されていたが、同競馬場の廃止に伴い2007年からこれを記念して帯広で行われている。出走条件は9月の岩見沢記念と同じであるため、「岩見沢記念」と「北見記念」はセットで考えられそうだが、北見記念は基礎重量850kgと荷物が更に重くなり、別定によるハンデもあることから、あまり連動せず、それぞれタイプの違うレースとなっている。
  過去10年で1番人気は(1,2,3,4)で1勝のみと苦戦。下位人気でも勝つチャンスはある。頭数が少ないことが多く大荒れとまではいかないが、波乱含みのレースであると言える。BG1レースの狭間の時期であること、そして秋が深まり馬場的にも微妙な時期であることなどが波乱の要素になっているようだ。かつて2011~13年に、他では重賞勝ち実績の少ないギンガリュウセイがこのレースでは3連覇しているように、レース適性のようなものもありそうだ。古馬が強く、5歳馬の優勝は12年前のナリタボブサップに遡る。この時は馬場水分5.4%と超軽馬場であった。牝馬も、出走自体少ないが、帯広開催以降連対無しと苦戦で、このデータからみても力勝負のレースであると言える。騎手では藤本匠騎手が実に7勝しており、今のところ若手騎手に付け入る余地はない状況である。

今回のみどころ
  今シーズンの古馬戦線は、オッズパーク杯、旭川記念はオレノココロ、北斗賞はセンゴクエースと、過去にばんえい記念を勝った実績馬がリードしていたが、夏シーズンに調子を崩し障害で苦労した。その間に台頭したのがもう一頭の有力馬のコウシュハウンカイ、グランプリと岩見沢記念を優勝。また、今シーズン台風の目となっているのがメジロゴーリキやミノルシャープら5歳勢。最初は勢いだけだったが、徐々に力をつけ、近走は全く引けを取らず、好勝負になっている。さらにはシンザンボーイらの中堅どころも重量適性を生かし好走している。北見記念では荷物がさらに重くなる中、実績馬が実力を見せるか、新興勢力が台頭するか、それとも別タイプの馬が出てくるか、見ものである。なお、オレノココロは今回は回避して今後に向け立て直すことになった。また、アアモンドグンシンは4歳馬として2001年のシンエイキンカイ(2着)以来18年ぶりの出走。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 カンシャノココロ:準オープンのクラスだが、チャンスがあるごとに重賞に顔を出している。着順こそ目立った成績は上がっていないものの、人気以上には走っており存在感を見せている。障害は踏みしめながら登るので時間は多少かかるものの確実に越えてくる。最後までしっかり歩ける脚も持っている。
 2 アアモンドグンシン:4歳馬ではあるが、世代重賞のほか古馬重賞にも果敢にチャレンジし経験値を積み上げている。スピードはあるが障害が苦手。二の足が出ないことが多い。今回はいかにも荷物が重いが、他馬よりかはハンデをもらっているので、前半食らいついて、障害をを上手くさばければ見せ場も。
 3 ミノルシャープ:勢いのある5歳馬の1頭、古馬重賞戦線でも持ち前の先行力と障害力を生かして活躍しており、旭川記念では2着に食い込んでいる。最後の詰めはこの馬の課題であるが、最近は力をつけ粘りが増し、ズルズルと下がることは少なくなっている。初めての高重量は厳しいが経験を積みたい。
 4 ゴールデンフウジン:5歳馬の一角として、今シーズンから重賞戦線に参加。成績はオッズパーク杯、北斗賞の4着が最高だが、見せ場は作っている。障害を降りてからのスピードは抜群。障害自体は課題だが克服しつつある。先行力もある。ただ高重量への対応はもう少し力と経験と積んでからか。
 5 メジロゴーリキ:まだ5歳馬であることが不思議なほど存在感を見せている。グランプリと岩見沢記念でいずれも2着、今シーズンは特別戦を含めてもすべて4着以上に入っており、安定性は抜群。先行力と障害力に自信をもっており、まず崩れることはない。未知の高重量だがこの馬ならこなせるだろう。
 6 センゴクエース:今シーズンはばんえい記念勝利の反動か、思うように動けていない。7月の北斗賞で勝利し復活の兆しが見えたが、その後体調を崩したこともあってかさらに苦しいレースが続いている。障害が上がらず膝折癖も気になるところ。しかしじっくり構えられる重量戦なら一変も十分あり得る。
 7 ソウクンボーイ:9歳馬にはオレノココロ、コウシュハウンカイの双璧がいるが、この馬も9歳として重賞勝ちの経験もあり負けていない。特に近走は特別戦で直線の切れ味を見せ好走している。一昨年のばんえい記念で勝ち馬の7秒差に迫った馬。高重量ならチャンスもある。障害をうまく切りたい。
 8 コウシュハウンカイ:今シーズンは前半は勝ちきれないレースもあったが、大崩れはしていなかった。そして夏以降はさらに充実、ばんえいグランプリ、岩見沢記念と強さを見せた。さらに北見記念は連覇中と相性の良いレース。斤量は増えるもののこの馬としては守備範囲。障害も安心して見られる。
 9 シンザンボーイ:円熟の8歳馬。今シーズン前半は軽いレースが多く、流れに乗れないことが多かったが、ばんえいグランプリや岩見沢記念では、持ち前のじわじわ伸びる切れ味を見せ、いずれも人気薄ながら3着に食い込んだ。その後も好調が続いている。高重量は大歓迎。攻めて行ければさらに上位も。

【はむ!の見解まとめ】
  有力どころからは、オレノココロが回避、センゴクエースもまだ立て直せていない。その間に5歳馬勢が活躍するなど勢力図が変わってきている。今回も若馬勢は台風の目となりそうだが、高重量の荷物にどこまで対応できるのか。
  展開だが、最近の古馬レースはほぼ似たような態勢になっている。やはり5歳馬勢がペースを引っ張る形か。特にメジロゴーリキとミノルシャープは争いながら前に行くだろう。ゴールデンフウジンあたりも障害を考えて早めに動くか。コウシュハウンカイは先頭集団の一歩後ろぐらいにつけそう。ここで無駄な力を使わない限りは、障害も直線も全く問題にしないだろう。あとの馬も好位にはつけておきたいところ。
  予想だが、当欄では今の勢いや力関係を勘案してもやはり◎(8)コウシュハウンカイの軸は不動とみて本命とした。負担重量的にも許容範囲。他の馬が荷物に苦しむことが予想され、その分だけこの馬に有利に働くだろう。8分のデキであっても他とは開きがある。
  相手はやはり5歳馬の勢いが気になるが、初めての斤量にどう対応できるか。しかし、その中でも○(5)メジロゴーリキは、これまで800kgを越えてもしっかり最後まで走っており、重い荷物でも対応できそう。馬体重増ならさらに期待ができそう。先行力と障害力でレースを自分で組み立てていけるのも強み。
  単穴として、ばんえい記念馬▲(6)センゴクエースを今一度狙ってみたい。近走は障害が全く上がらず良いところがないが、そこは実力馬。高重量となりペースが落ち着けば、障害もじっくり攻められるのではないか。今回同厩舎のオレノココロが回避し鈴木騎手に代わるかと思われたが、最近の主戦となっている菊池騎手が引き続き乗ることになり意地を見せたいところ。障害を越えられればメンバー随一の脚が生きる。
 8歳馬△(9)シンザンボーイもここにきて重賞で連続3着と好調。自分の走りに徹し、最後の粘りで落ちてくる馬を拾いながら着を上げていくレースを展開している。今回は阿部騎手となりその力は十分に発揮できるだろう。その他では、こここに来て勢いが出てきた9歳馬注(7)ソウクンボーイなども好位置で障害を降りられれば面白い存在になりそう。5歳馬(3)ミノルシャープも粘りは出てきているがさすがに今回の斤量では余程の軽馬場にでもならない限りは難しいか。(4)ゴールデンフウジンも勢いは出てきているが、ここでは荷が重そう。それなら(1)カンシャノココロの方が確実に上がってこれるが先頭グループまで届くのは難しいか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  前回ようやく少し取り返したもののまだマイナスは続いている。今週から3週続く重賞で取り戻せるのか、それともまた傷口が広がるのか。
  本当は一発大きなところも狙ってみたいのだが、やっぱりここは着実にコウシュハウンカイから。そうすると絞るしかない。一発あるとすればセンゴクくらい。近走をみるとかなりアテにならないがそろそろ。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8→5,6,9→5,6,9,7 合計9通り 各200円
      8→5,6→5,6,9,7,1 合計8通り 各100円
      5,6→8→5,6,9,7 合計6通り 各100円
  枠複 8=5,6,8 合計3通り 各300円 合計 4,100円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 800円
  ワイド 5=6,9,7,1 9=8,6,7,1 合計8点 各100円
  合計 1,600円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】BFG(ばんえいフルゲート)その1
  (時々同じことを言うのですが)当ブログは、本来はもう少し競馬全般について語ろうとしていました。しかし、競馬というのは非常に奥深いもので、素人で、趣味で馬券を楽しむ一ファンである筆者にとっては限界があります。本業もあるので、競馬自体を見ることも難しいこともあります。それでもばんえい重賞予想はもう7年も続けているので、これはなかなかやめられません。時折キツいので縮小を試みるのですが(今回も筆者風邪引きで中止することも考えた)、結局長々と書いているのもなんか自分らしいです。このコラム欄もそうです。本当はいろいろおしゃべりしたいのだけど、文章で書くのでうまくまとめなければならぬ。それでも楽しみでもあるのでなんとなく続けています。
  ところでここ数回当コラム欄ではたわいもなくサラブレッド系の話が多かったので、本来のばんえいの話に戻します。ばんえいファンでここ数年の流行言葉に「ばんえいフルゲート」というのがあります。略して「BFG」とも言っています。全てのゲートに馬が入るいわゆる「フルゲート」は、普通の平地競馬ではコースや距離によって違いますが、JRAで最高18頭(昔は30頭立て以上の時代もあった。)、地方競馬では大井や門別など広い競馬場では16頭、その他は12~14頭ですが、ばんえい競馬はソリを引っ張るレースということもあり、コースが決められているセパレートコースとなっているため、最高10頭となっています。しかし、レースによって10頭揃わないことが多くなっています。やはりゲートが全て埋まるレースの方が賑やかで良いことです。そこで数年前から10頭揃うレースを「ばんえいフルゲート」と呼ぶようになりました。(この話もまた今後続けます。)

2019年10月21日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第42回ナナカマド賞(10/20)

ばんえい重賞レース回顧
第42回ナナカマド賞(BG3)-2019年10月20日-10R 200m直 晴 1.9%
  1着◎(6)キョウエイリュウ(松田道) 1分22秒6
  2着○(1)ゴールデンペガサス
  3着 (10)コマサンダイヤ
   単勝 6 130円(1番人気) 馬複 1-6 1,290円 三連単 6-1-10 5,300円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい2歳最初の重賞・第42回ナナカマド賞は、1番人気のキョウエイリュウが障害4番手から直線で一気に抜き去り最後は突き放して快勝。デビュー以来無敗の8連勝で重賞制覇となった。松田道明騎手、村上慎一調教師ともに銀河賞に続き連続重賞勝ち。松田騎手は2013年ホクショウメジャー以来3度目のナナカマド賞優勝で重賞は通算52勝目。村上厩舎はナナカマド賞初制覇。

レース振り返り
  帯広は前日に冷たい雨が降り、当日は天気が回復したものの馬場は水分を十分含んでおり基本は軽馬場。ただ昼間は晴れて風もあったため障害周辺では乾いているという難しい状況であった。
  レースは、スタートから各馬一斉にダッシュ。特にキョウエイリュウのスタートが良く第1障害を先頭で越えた。キョウエイリュウが早めに刻みを入れている間に、先行することが予想されたアヴエクトワとゴールデンペガサスの内枠の2頭が追いつき、1,2障害の中間では大外のコマサンダイヤも前に取り付いた。その後はエンゼルフクヒメ、トワトラナノココロあたりが続いた。この中からアヴエクトワとゴールデンペガサスが抜け出し、1,2回刻んだ程度で一気に第2障害手前に到着、ここまで39秒のハイペース。
  2頭に続いてコマサンダイヤそしてキョウエイリュウが第2障害に到着するやいなや、まず障害を仕掛けたのがアヴエクトワ。ほどなくゴールデンペガサス、そしてコマサンダイヤが相次いで障害にチャレンジ。いずれも一歩一歩踏みしめて障害を越え、この3頭がほぼ並んで先頭争いを展開。1番人気のキョウエイリュウの方はこれらを見るようにじっくり溜めてから障害越えに挑み、スムーズに障害を越えた。それからはキャンターで一気に前の3頭に迫り、早くも残り30m手前の時点で一気に抜き去った。先に行っていた3頭も粘ろうとするがスピードが全く違った、キョウエイリュウはさらに突き放し、最後は5馬身ほど差をつけ余裕のゴールとなった。2番手争いからアヴエクトワが徐々に後退、2着をめぐってはゴールデンペガサスとコマサンダイヤの争いとなり、残り20mあたりからコマサンダイヤの方がやや緩んで、ゴールデンペガサスがそのままのペースを保ち2着に入った。2番人気コマサンダイヤは、後続のキタノボブサップとトワトラナノココロが少しずつ迫ってきたものの、序盤のリードを守り3着。4連勝で3番人気に推されていた牝馬エンゼルフクヒメは障害で立ち止まり、9着に終わった。

次走へのメモ
キョウエイリュウ(1着):やはりモノが違った。久々やトップハンデなどいろいろ不安点はささやかれたもののこれらは杞憂に終わった。今回は逃げ一辺倒のこれまでと違い他馬を見ながらじっくり攻めて行く作戦。最後で差し切れる自信があってのものだろう。障害もスムーズで全く問題なかった。今後、多少斤量が増になっても対応できそうで、センゴクエース以来の2歳三冠を達成できる可能性はかなり大きくなってきた。まずは次の重賞ヤングチャンピオンシップに向け予選の十勝産駒特別をしっかり勝ちたいところ。
ゴールデンペガサス(2着):持ち味の先行力とスピードを生かし好走。30kgの馬体重増と調子の良さを示していた。今回は勝ち馬に差をつけられた格好だが、直線での粘りも見せており、大敗感はない。既に1050kgを越えるスケールの大きな馬であり、これからさらに成長して力をつけてくれば面白い存在になる。次はまずライバルの多い十勝産駒特別でしっかり2着以内をめざす。
コマサンダイヤ(3着):青雲賞の勢いをそのままに、積極的なレース展開で3着に粘り込んだ。大外枠で周りのペースも速く、障害への対応も心配されたがほとんど影響はなかった。安定した力を出せるようになってきており、むしろ今後の伸びしろの方が大きいか。斤量増も歓迎材料だろう。当面の重賞もあるが、長い目で見ていきたい。
キタノボブサップ(4着):好位につけ最後の直線でじわじわ伸びていくという、この馬の走りはしていた。しかし今回は速いペースについて行くのがやっとという印象。ペースが落ち着けば本来の持ち味が発揮できるようになるだろう。馬体重は17kg増であったがまだ小柄でもう少し成長を待ちたい。
トワトラナノココロ(5着):上位馬のスピードには遅れを取ったものの、好位につけ最後まで伸びており、この馬自身の走りはできていた。一時期は伸び悩んでいたように見えたが、安定した走りは維持しており、今後力をつけていけば上位での活躍が期待できる。
  その他では、結局牡馬に力の差を見せられた形になった牝馬勢だが、その中ではニセコヒカル(6着)は追加出走ながら、後方待機から最後詰めていくこの馬の形を見せ牝馬最先着。当欄で単穴として狙ったアヴエクトワ(7着)は最後一杯になったものの、第2障害を越えたあたりまで先頭に立つなど見せ場は十分であった。また4連勝で3番人気に支持され期待されたエンゼルフクヒメ(9着)は速いペースに巻き込まれ、障害でも止まってしまい、持ち前の切れ味を発揮できなかった。ただ牝馬勢も流れが変われば上位進出の可能性はあり、次の重賞に向けた立て直しを期待する。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 6 7枚 枠複 1-6 1枚 馬複 1-6 1枚 三連単6-1-10 1枚
  キョウエイリュウはやはり強かった。そして久々に当欄での◎が1着。単勝は思い切り安かったけど、まず本命を当てることは大事。2着も○で馬複、枠複は結構配当付いたしこれは満足だ。3着は無印だったが3連単もよく押さえていた。これも1着を当てたからできたようなものだ。プラスはわずかだったが、それでもマイナス街道も深いところに向かいかけていただけに、まずは歯止めをかけられたことは収穫だ。1週おいて3週連続重賞が待っているので、ここでなんとかまた落ちていかないように頑張らなければ。
  今回収支 +2,840
   (通常分) +3,730  (配当)7,930 (投入)4,200
   (単複・ワイド) -890  (配当)910 (投入)1,800
  今年度累計 -11,120(10/20・ナナカマド賞終了時点)
   (通常分) -4,620 (配当 38,980 - 投入 43,600)
   (単複・ワイド) -6,500 (配当 8,100 - 投入 14,600)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回の重賞は2週間後の11月3日、古馬重賞で4大記念競走の第3弾、北見記念です。そして北見記念を含め3週間連続で重賞があります。予想はいつもどおり前日までには書きたいと思っています。また、11月5日には平地競走ですが、地方競馬の祭典JBC3レースが開催されます。今年は初めて浦和で開催されるということでこちらも楽しみです。こちらの方も例年馬券は買っており、こちらでも公開しておりますので、今回も簡単な予想をしてみたいと思います。

2019年10月19日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第42回ナナカマド賞(10/20)

  今週のばんえい重賞は2歳馬が初めて挑戦する重賞。ナナカマド賞です。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第42回ナナカマド賞(BG3)
(2019年10月20日(日)20:10発走 帯広10R ダ200m 2歳オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
ゴールデンペガサス 牡2 570 菊池一 大友人 栗毛 逃
父インフィニティー
アヴエクトワ 牝2 550 渡来心 久田守 鹿毛 逃
父コトノカツマ
  アサヒユウシン 牡2 570 西謙一 久田守 栗毛 先
父シウン
エンゼルフクヒメ 牝2 560 中山直 小林長 栗毛 追
父コマローレンス
キタノボブサップ 牡2 570 鈴木恵 服部義 鹿毛 差
父ナリタボブサップ
キョウエイリュウ 牡2 580 松田道 村上慎 鹿毛 逃
父カネサテンリュウ
  トワトラナノココロ 牡2 570 阿部武 坂本東 鹿毛 先
父ナリタボブサップ
  ニセコヒカル 牝2 550 赤塚健 平田義 栗毛 追
父ホッカイヒカル
  ヒラリ 牝2 550 藤本匠 今井茂 青毛 差
父カネサブラック
  10 コマサンダイヤ 牡2 570 藤野俊 金田勇 青毛 先
父ウンカイ
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ナナカマド賞」の概要と傾向
  ばんえいにおいては平地競馬に比べて成長のピーク年齢が高く、トップクラスなら6~7歳以降に活躍する場合が多い。一方、春にデビューしたての2歳馬は、古馬に比べまだ馬体重も軽く体自体が未完成である。しかしながら、平地競馬同様、2歳重賞路線が整えられており、最初に行われるナナカマド賞、年末のヤングチャンピオンシップ、年があけて年度末の3月に行われるイレネー記念まで、各馬は重賞を目指してしのぎを削る。成長の早い遅いもあって、まだ互いの力関係も十分わかってないこの時期。未来への扉を開く馬を探すレースとなっている。
  ナナカマド賞の過去の勝ち馬を眺めると、名馬と呼ばれる馬もいる一方、その後伸び悩んだ馬もおり、馬の完成度合いを見極めることがこのレースを攻略するポイントとなりそうか。傾向だが、過去10年で1番人気は(4,3,1,2)と比較的安定、2番人気も3勝している一方、3番人気になると(0,0,1,9)と大不振。上位人気馬は信頼できるが、穴人気程度の馬には要注意といえる。さらに、5番人気以下の下位人気でも勝つこともあり、また連に絡むこともしばしば。馬体重は大きい方が有利で、特に1000kgを越える馬の連対率は高い。軽めの馬も善戦しており、昨年のメムロボブサップの(当時)馬体重901kgが最近の勝ち馬では最も軽量であった。やはり現時点での完成度の高さがポイントか。牝馬は一昨年にミスタカシマが勝ったのが20年ぶりだったということで、ある程度の力を持つ馬なら対応できそう。騎手は現役ではこのレース2勝が最高で分散している。
今回のみどころ
  能検1番時計、そしてデビュー以来7勝無敗でこのレースに臨んできたキョウエイリュウに注目が集まる。無敗のナナカマド賞馬と言えば最近ではセンゴクエース、ホクショウムゲンがいるが、センゴクはナナカマド賞に勝ってその後も連勝を続けた一方、ムゲンの方はナナカマド賞で大敗、その後イレネー記念で勝ったものの伸び悩んでいる。これまでのキョウエイリュウの勝ち方は圧倒的ではあったが、前走取り消したのもムゲンと同じパターン、そういった不安を払拭できるかが見もの。これに対して、常に上位で好走してきたトワトラナノココロや、ここに来て抜群の切れ味で連勝してきた牝馬エンゼルフクヒメ、牡馬の前哨戦・青雲賞を勝ってきたコマサンダイヤらが実績のあるところだが、どこまで戦えるか。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 ゴールデンペガサス:能検は総合6位。父インフィニティー譲りの先行力、特にゲートからの出足が非常に良く、前半はキャンターでダイナミックに前に出て行く。それでいて障害力もある。スピードはあるがスタミナに課題があり最後の直線で詰まることも多い。
 2 アヴエクトワ:能検は2度目で合格、デビューが遅れたがその後頭角を現し連勝。白菊賞、いちい賞の両牝馬特別ではいずれも2着に入り力を見せている。父コトノカツマ。先行力が持ち味で、序盤から先頭争いができ障害もこなす。決め手勝負になると課題も。
 3 アサヒユウシン:回避馬が出たためA-2組ながら出走。前哨戦の青雲賞では障害から直線に出るところで失速。前走も障害で立ち止まるなど伸び悩み最下位となった。能検は第1回で7番時計でパスしており潜在能力はあるはず。持ち前の先行力でどこまで粘れるか。
 4 エンゼルフクヒメ:デビュー時は非力さが目立ちレースにならなかった時期もあったが、ここに来て牝馬特別のいちい賞で鋭い差し脚が決まり勝利、前走A-1戦でも混戦を抜け出し勝利と連勝しブレイク。父コマローレンスはブチオなどを輩出、勝負強さと粘りが身上。
 5 キタノボブサップ:能検3番時計。牡馬特別の白菊賞では2着と好走。1歳年上の全姉に重賞でも活躍しているヒメトラクイーンがおり、崩れず安定した走りを見せる。障害もこなし、降りてからの切れ味と長く使える脚もこの馬らしさか。時計はかかった方がよさそう。
 6 キョウエイリュウ:能検1番時計。そしてデビュー以来7戦無敗。青雲賞や前走のA-1戦を回避して臨んできた。非凡なスピードはあるが、ここまで勢いで来た感はある。障害力は未知数だが粘りはありそう。父カネサテンリュウは軽い方が良いタイプだった。
 7 トワトラナノココロ:能検2番時計。デビュー時から安定した力を発揮、常にトップクラスにおり完成度が高い馬だった。青雲賞では1番人気に推されたが追い比べで失速、先行力はあるが切れ味は課題になるか。父はナリタボブサップで大レースには強そうだが。
 8 ニセコヒカル:アバシリルビーなどが回避したため、2歳賞金ランク21位ながら出走機会を得てきた。父ホッカイヒカルは最後方からじわじわ伸びて行くタイプであったが、この馬も後方待機から直線で勝負する。いちい賞では追い込んで4着に食い込んでいる。
 9 ヒラリ:能検は総合9位で合格。デビュー2,3戦後に本領を発揮。牝馬特別の白菊賞では好位から抜け出し有力馬を押さえて快勝。その後はやや勢いがそがれているが、父カネサブラックで勝負根性はありそうで、接戦に持ちこめれば持ち味を発揮できそう。
 10 コマサンダイヤ:父は名種牡馬ウンカイ、そして母は現役時代オープンで活躍し人気のあったコマクイン。デビュー時は後方で追いかけるのが精一杯だったが、青雲賞では9番人気ながら積極的なレースで障害も軽くさばいて接戦を制して勝利。前走でも勢いを維持。

【はむ!の見解まとめ】
  2歳馬の最初のレースということで、まだ各馬の力関係がはっきりせず、難解なレースである。先にも述べたとおり、7戦無敗のキョウエイリュウをどう見るかが予想のポイントとなりそう。また、今回4頭出走する牝馬も今年はかなりのメンバーが揃っており展開的にも注目である。土曜日にまとまった雨が降っており軽めの馬場になりそうで、スピードに対する適性にも留意。
  展開としては、斤量面・馬場状態から見てもかなり速くなりそうで、キョウエイリュウに、ハナの速いゴールデンペガサス、牝馬のアヴエクトワあたりが先行争いを、キタノボブサップ、トワトラナノココロあたりがこれに続くという展開か。エンゼルフクヒメらは中団から後方あたりに位置取り、終盤の追い込みにかける。
  そして当欄の予想だが、やはり◎(6)キョウエイリュウを本命におきたい。久々であることや10kgのハンデを含む斤量増など不安点はあるものの、これまでの勝ちっぷりを見るとやはり他の馬より力は抜けており、軸は不動であると見る。前走休養前のレースでアバシリルビー(今回不出場)に迫られたものの余裕のある走りで最後は差し返す強さがあった。父も軽馬場得意の馬。唯一の気がかりは前走取消で体調面がどうか。
  相手だか、こちらはかなり難解である。いろいろ気になる馬はいるが、当欄では○(1)ゴールデンペガサスという馬に注目したい。とにかく出足の速い馬。父インフィニティーは重馬場得意のイメージだが先行力がありこれを受け継いでいる様子。最後の詰めは課題だが軽馬場なら逃げ粘りも。変にキョウエイリュウを負かせに行かず自分のペースで走れればチャンスはある。
  牝馬勢では、特に4連勝中のエンゼルフクヒメが注目されるところだが、後方から行く馬なので、軽馬場の中一歩遅れると追いつけるかどうか。10kg加増も気になる。それなら出足のスピードがある▲(2)アヴエクトワの方を狙ってみたい。成績的には目立たないが、障害も上手く有力馬とも差のないレースを展開している。穴で一考。
  入着候補として△(5)キタノボブサップも安定した力の出せる馬。成績だけみると平凡に見えるが常にA-1クラスで好走しており、一発はないがじわじわて伸びて食い込んできそう。そして前述の注(4)エンゼルフクヒメは注意マークにとどめた。
  その他でも気になる馬は多い。春から夏にかけて活躍した(7)トワトラナノココロは軽馬場で一変の可能性がある。青雲賞に勝ち勢いがある(10)コマサンダイヤも障害を降りてからの脚が速いが全体のペースが速くなるとどうか。追加出走の(8)ニセコヒカルも切れ味があり前が崩れた時は食い込んでくる可能性がある。ただ、馬券となるとどこまで絞れるかもポイント。

はむ!の馬券狙いどころ:
  前回の銀河賞で完全外れとなり、マイナスが膨らんできているところ。ここらで歯止めをかけたいがここで難解な2歳戦。少しでも当たる確率の高いところを狙いたい。ということで1番人気になりそうなキョウエイリュウを軸に手広く流す。21年目で初重賞制覇を目指す中山直樹騎手のエンゼルフクヒメと、同じく初重賞を狙う渡来心路騎手のアヴエクトワについては、収支とは別に応援馬券でいきたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 6→1,2,5→1,2,5,4,7,10 合計15通り 各100円
      6→1,2,5,4→1,2,5,4 合計12通り 各100円
      1→6=2,5 合計4通り 各100円
  馬複 6=1,2,5,4 1=2,5 2=5 合計7通り 各100円
  枠複 6=1,2,5,4 合計4通り 各100円 合計 4,200円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 6 700円
  応援馬券(単+複)4,2 計400円
  ワイド 2=6,1,5,8 8=6,1,5 合計7点 各100円
  合計 1,800円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】災害お見舞い
  次から次に自然災害がやってくるため、当欄でも時折災害の話をしていますが、先週もまた台風19号により各地に大きな被害が出てしまいました。まずは被災された方にお見舞い申し上げます(当事者の方が当欄に目を通すような状況にはならないとは思いますが・・・気持ちだけでも)。今回の台風は当初「猛烈な」などという形容詞がついていたため、暴風の方に注目されましたが、「大型」であったことから特に大雨の範囲が非常に広く、それが洪水などの被害につながったということなのでしょう。とにかく少しでも早い回復を願うばかりです。
  そして、今回の災害で改めて認識させられたのは、災害はどこでも起きる、そして想定以上のことが起きるということです。たまたま筆者の在住地の南九州では今回はほとんど影響はありませんでしたが、これまで当地も同様の災害は何度も遭ってきています。今回改めて、災害に遭う前、あるいは遭ってしまってから、各自がそれぞれどのように行動するべきか考える機会になったと思います。互いに気をつけていきましょう。
  さて、こんな時に競馬などやっているのは不謹慎だという考え方もありますが、全てが自粛していると経済活動は滞ることになります。公営ギャンブルは公共事業にもつながるわけですし、楽しむことは楽しんで、それぞれが自分の生活をしっかり送っていくことが我々のできることの一つではないでしょうか。(といいながら競馬をやる口実を作っている。)

2019年9月30日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第27回銀河賞(9/29)

ばんえい重賞レース回顧
第27回銀河賞(BG2)-2019年9月29日-10R 200m直 晴 1.0%
  1着 (1)キタノユウジロウ(松田道) 1分58秒6
  2着◎(2)アアモンドグンシン
  3着○(5)コウシュハレガシー
   単勝 1 450円(2番人気) 馬複 1-2 380円 三連単 1-2-5 4,430円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい4歳世代重賞三冠の第2弾・第27回銀河賞は、2番人気のキタノユウジロウが、最内枠から第2障害を先頭で抜け出し、後続を振り切って快勝。はまなす賞に続く重賞連覇となった。松田道明騎手もはまなす賞以来の重賞制覇、銀河賞は2013年ホクショウユウキで優勝して以来6年ぶり3度目、重賞通算51勝目。村上慎一調教師はこのレース初制覇となった。

レース振り返り
  帯広は1週間前に大雨が降ったが、それ以降は概ね晴れが続き、馬場は表面が乾燥していたため当日ABC散水が行われた。その影響で基本は力のいる馬場ではあったものの、夜になってやや水分が浮き走りやすい状況になっていた。
  揃ったスタートから各馬第1障害を横一線で越え、まず1番人気のアアモンドグンシンがやはり前のポジションを取りに一旦先頭へ、コウシュハレガシー、オレワチャンピオンもこれに続く。そして各馬が一旦刻みを入れ始めたところで、今度はトップハンデのキタノユウジロウが最内枠からスルスルと中間付近まで止まらずに行きレースの主導権を握ろうとする。その後はペースが落ち着き、キタノユウジロウがややリードしつつも、アアモンドグンシン、コウシュハレガシー、オレワチャンピオンが出入りを繰り返しながら先頭争いに加わろうとする。これにミノルシンザンやマツノタイガーあたりが差なく続く。第2障害手前にはオレワチャンピオンとコウシュハレガシーがほぼ並んで先着、わずかの差でキタノユウジロウ、アアモンドグンシン、マツノタイガーがこれに追いつく。ここまで60秒のほぼ平均ペース。
  各馬じっくり溜めて障害の仕掛けのタイミングを伺う。そしてオレワチャンピオン、マツノタイガーがほぼ同時に障害に挑戦。ごくわずかの差でコウシュハレガシーそしてキタノユウジロウが続き。ワンテンポ遅れてアアモンドグンシンそして外から追ってきたハマノダイマオーあたりが障害にチャレンジ。各馬グイグイと力を入れ登り始め、まずオレワチャンピオンが止まらずに障害を降り始め、キタノユウジロウ、コウシュハレガシー、一歩遅れてマツノタイガー、さらに一歩遅れてアアモンドグンシンが障害を降りた。
  先頭争いはわずかに先に降りたオレワチャンピオンを、キタノユウジロウ、コウシュハレガシーがすぐに追い抜いた。残り30m地点ではその2頭が並んで先頭争い、半馬身差でオレワチャンピオン、そして1歩遅れたアアモンドグンシンが前をじわじわと追い、1~2馬身差に近づいた。マツノタイガーは遅れはじめた。アアモンドグンシンはさらに前に詰めてくるが、前もしぶとく差の縮まり方はわずか。残り20m地点ごろからコウシュハレガシーがやや緩み始め、キタノユウジロウが前に出た。そしてアアモンドグンシンもコウシュハレガシーに並びかけるが、その前には届かない。キタノユウジロウはそのままのスピードで進み最後は突き放す形でゴールを先頭で駆け抜けた。アアモンドグンシンも迫ったが先頭と脚色が同じになり届かず半馬身差で2着。コウシュハレガシーも粘ったが最後は1馬身差で3着。4番手で粘っていたオレワチャンピオンを後方から来たオレノタイショウがかわし4着に入った。

次走へのメモ
キタノユウジロウ(1着):トップハンデの上、勝ち星のなかった最内枠に入り、かなり不利な状況であったが、積極的なレース展開で主導権を握り、障害もしっかりさばき、そして最後の直線も脚色が衰えることなく力強く走りきった。終わってみれば予想以上の強さであった。勝ちきれなかった時期を乗り越えて正に本格化してきたと言える。更に強くなる余地もあり、今後が楽しみな存在になってきた。次の目標は当然正月の天馬賞であるがまだ少し時間があるので、特別戦などで古馬オープン級に挑んで更に力をつけていくのも手か。
アアモンドグンシン(2着):序盤から積極的に攻める姿勢を見せた上に、障害も一腰で越えており、レースプランは全く問題がなかった。しかし最後の直線で追いつききれなかった。結果的に切れ味が不発に終わったのは、勝ち馬に前半からペースを握られ、見た目より消耗していたか。あるいは馬体が大きくなりズブさが出てきたようにも見える。いずれにせよ不完全燃焼感は残る。今後も重賞にチャレンジし巻き返しを期待。
コウシュハレガシー(3着):今回はいつも以上に積極的に攻めていたように見えるが、またしても3着。やはり決め手に欠けるのがこの馬の泣き所か。ただはまなす賞の不可解な敗戦のショックからは十分立ち直れたように見えた。安定感は抜群なものを持っており、今後も重賞での着争いには確実に入ってきそう。最近は馬体重も増やしてきており力強さが出てきた。
オレノタイショウ(4着):柏林賞で3着に入った実績から今回も最後の末脚で突っ込んでくることは期待された。馬券圏内には届かなかったが8番人気であったので善戦と言えよう。この馬にとってはもう少し流れが落ち着いてほしかったことであろう。ただ切れ味はさすがで、まだこれから伸びる余地はありそう。
オレワチャンピオン(5着):序盤からしっかり走り先行力のあるところは見せていたが、有力馬に早めに並びかけられ、この馬の持ち味を生かし切れなかった。ただ最後の直線もズルズル下がったわけではないので、今後も流れ次第では粘り込み可能。
  その他では、当欄で単穴に狙ったミノルシンザン(6着)は、位置取りは悪くなかったが、両隣に有力な先行馬が並びそのペースに巻き込まれたイメージか。障害でもやや戸惑っていた。3連勝で臨み3番人気に推されたハマノダイマオー(10着)は、やはり重賞では荷が重かったか。もう少し実戦を積むことが必要か。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 なし
  ワイドなどを含め完全外れ。ユウジロウを全く無印にしたのでしょうがないといえばしょうがないのだが、◎○が見事に2着3着と、やっぱり馬券の買い方はなんとかならなかったものかと反省。マイナスがさらにふくらんでさすがに滅入りそうだが、長くやっていればまたヒットも打てることと信じてやっていきたい。
  今回収支 -5,800
   (通常分) -4,100  (配当)0 (投入)4,100
   (単複・ワイド) -1,700  (配当)0 (投入)1,700
  今年度累計 -13,960(9/29・銀河賞終了時点)
   (通常分) -8,350 (配当 31,050 - 投入 39,400)
   (単複・ワイド) -5,610 (配当 7,190 - 投入 12,800)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回の重賞は3週間後の10月22日、2歳最初の重賞、ナナカマド賞です。予想はいつもどおり前日までには書きたいと思っています。