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 こんにちは!Hamu's Sidewalk Cafeのマスター・はむ!です。
 この第2ブログでは、ばんえい競馬を中心に地方競馬などスポーツ一般中心について語ります。

2019年12月31日火曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第21回ヤングチャンピオンシップ(12/30)

ばんえい重賞レース回顧
第21回ヤングチャンピオンシップ(BG2)-2019年12月30日-11R 200m直 曇 1.3%
  1着◎(6)キョウエイリュウ(松田道) 1分29秒2
  2着▲(10)ブラックサファイア
  3着△(7)カイセドクター
   単勝 8 150円(1番人気) 馬複 6-10 160円 三連単 6-10-7 900円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの2歳産駒選抜の第21回ヤングチャンピオンシップは、1番人気で十勝地区代表(足寄町産)のキョウエイリュウが2番手からゴール前で差し切り勝ち。デビュー以来無敗の10連勝で、ナナカマド賞に続く重賞連覇となった。松田道明騎手は2011年ブラックボス以来8年ぶり2度目のこのレース制覇、重賞は今季4勝で通算53勝目。村上慎一厩舎はこのレース初制覇で重賞通算22勝目。

レース振り返り
  馬場状態は昨日に続き、降水がなく乾燥気味。気温は氷点下で全体としては重めながら有力馬には走りやすい状態であったと思われる。
  レースは、スタート直前と直後にキョウエイリュウがゲート内で立ち上がる場面があったが、すぐに立て直し、他の各馬とともに第1障害に向かってダッシュ。第1障害ではデッカクナーレ、シルバーアロイあたりが遅れた他は各馬スムーズに越えて更にスピードを上げていく。その中でもキョウエイリュウがキャンターで走り先頭へ、内からはエンゼルフクヒメが前の方に出て行く。これにカイセドクター、コマサンダイヤが続き、1,2障害中間にさしかかったころにはタケノダイマオーや大外からブラックサファイアも近づいていった。このあたりで各馬一息刻みを入れ始め、その後は出たり入ったりしながらほとんど差のない態勢で進み、そのまま第2障害に向かう。第2障害手前にはキョウエイリュウがわずかに先着し、ブラックサファイア、カイセドクター、コマサンダイヤらがほとんど差がなく続いた。ここまで48秒と2歳戦らしいハイペース。
  一息入れた後、第2障害を先に仕掛けたのが大外の2番人気ブラックサファイア。首を大きく振りながら障害を楽に越え先頭へ。そして他の各馬も一斉に障害にチャレンジ、キョウエイリュウとカイセドクターもほぼ同時に力強く障害を下る。続いてコマサンダイヤ、少し離れてエンゼルフクヒメの順で降りていった。
  先頭で障害を降りたブラックサファイアはスピードに乗って逃げる。これにキョウエイリュウがキャンターで迫り、カイセドクターが1,2馬身差でついて行く。コマサンダイヤはややスピードがなくエンゼルフクヒメと4,5番手争い。先頭を行くブラックサファイアは残り20mを切ってもリードを保ち、更にスピードを上げ逃げ切り態勢へ、キョウエイリュウも必死で追うが2馬身ほど差がある。カイセドクターも懸命について行くが前と同じ脚色だった。残り10mあたりで、先頭を行くブラックサファイアの脚色が鈍り始めた。これにキョウエイリュウが激しく追い立てゴール前の接戦にもつれ込んだ。そして、キョウエイリュウがゴール直前でブラックサファイアをかわしその態勢でゴールへ駆け込んだ。見事な差しきり勝ちであった。ブラックサファイアは惜しくも2着。念願の南北海道産駒の優勝はならなかった。カイセドクターも追いつけなかったが離されず3着をしっかり確保した。4着争いはコマサンダイヤとエンゼルフクヒメが激しく争い、最後はコマサンダイヤがわずかに残って4着に入った。

次走へのメモ
キョウエイリュウ(1着):ゲートで立ち上がった時は心配されたが、気合いが入っていたということであろう。リカバリーが早かった。序盤は先手を取り、第2障害ではブラックサファイアに先に行かれたものの慌てず落ち着いて前をじっくり追い、最後できっちり差し切るという味のあるレースを見せた。20kgのハンデを考えればやはり実力は1枚上だったということか。タイムも秀逸。次の狙いは当然イレネー記念。定量戦でさらに力が発揮されるか。今回、賞金が大きく加算され、35kgというハンデになるため、平場は使わずぶっつけで行くことが考えられる。
ブラックサファイア(2着):明らかに勝ちに行っていた。脚質的には控える競馬も考えられたがそれでは追いつかないと見て、前半早めに詰めて障害も先に仕掛けてひと腰。残り20m付近では引き離しにかかる場面もあり一瞬アッと言わせたが、最後でわずかにスタミナが足りなかった。そこは経験の差というところか。しかし今回のレースで十分戦えるところは見せた。イレネー記念で逆転を狙う。
カイセドクター(3着):目立たぬ存在ではあったが、最後までしっかり前に付いていって勝ち馬とはわずか3秒差。期待以上の走りができたと思われる。脚質の自在さも生きたイメージだ。馬体重が28kg増と増加し体調も良かったことがうかがえる。キョウエイリュウ同様カネサテンリュウの仔がよく走れているのにも注目。
コマサンダイヤ(4着):これまでの実績から好走が期待されていたが、障害を降りてからの伸びを欠いた。序盤もやや自分のペースでは行けていなかったように見える。最内枠が影響したか。2歳戦でペースが速すぎたのもこの馬には向いていなかったように見える。今後の成長に期待したい。
エンゼルフクヒメ(5着):唯一の牝馬として堂々の走りはできたと思われる。ナナカマド賞時は流れについて行けず障害でも苦労したが、今回は序盤のハイペースにもしっかりついていた。騎手ともどもしっかり稽古した成果であろう。この馬の目標は2月の黒ユリ賞で牝馬チャンピオンを目指す。
  その他では、タケノダイマオー(6着)は、想定どおり前には付けられたが、他の各馬の勢いに押された形でスムーズに行けなかった。サロマタイショウ(7着)も前について行くのがやっとで見せ場は作れなかった。あとの馬たちは力に差があった。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 6 7枚 ワイド 7-6,7-10 各1枚 枠複 6-8 3枚 三連単6-10-7 計3枚
  これだけ的中のオンパレードだとホクホクのはずなんだが、連日の収支マイナスという悲しい結果。1、2番人気の連で決まるとやっぱり安いね。こういう時は絞り込んで厚めに買うべきというのはわかってるんだが、やっぱり夢も見たいしね(笑)1着2着が逆になったところで余計マイナスは大きくなるので、当たっただけ良しとしなければ。それにしても見応えのある直線だった。キョウエイリュウは強かったけど、ブラックの走りもすごかったね。馬券を離れても楽しめた。
  今回収支 -1,240
   (通常分) -1,420  (配当)3,180 (投入)4,600
   (単複・ワイド) +180  (配当)1,580 (投入)1,400
  今年度累計 -22,930(12/30・ヤングチャンピオンシップ終了時点)
   (通常分) -13,740 (配当 60,060 - 投入 73,800)
   (単複・ワイド) -9,190 (配当 16,710 - 投入 25,900)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次回重賞は、年が明けてすぐ。1月2日の帯広記念、3日の天馬賞です。明日1月1日まで帯広記念、2日までに天馬賞の予想をアップしたいと思います。それでは良いお年を。

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第48回ばんえいダービー(12/29)

ばんえい重賞レース回顧
第48回ばんえいダービー(BG1)-2019年12月29日-11R 200m直 晴 1.4%
  1着◎(8)メムロボブサップ(阿部武) 1分50秒2
  2着○(10)アオノブラック
  3着注(9)ジェイエース
   単勝 8 120円(1番人気) 馬複 8-10 170円 三連単 8-10-9 750円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの3歳重賞三冠最終戦、第48回ばんえいダービーは、1番人気のメムロボブサップが障害を先頭で抜け出し、後続を振り切って勝利、2001年ヨコハマボーイ以来18年ぶり5頭目の3歳三冠馬となった。重賞通算5勝目。阿部武臣騎手は昨年のアアモンドグンシンに続くダービー連覇で3勝、今季4勝で通算24勝目。坂本調教師は2度目のダービー制覇で重賞通算11勝目。

レース振り返り
  帯広はここ1週間程度はかなり気温が低く、日中氷点下で推移、降水がほとんどなく乾燥気味、馬場としてはやや重めであった。
  レースは、各馬一斉にスタートし第1障害はジェイエースらが引っかかりやや遅れ気味。第1障害を越えてからは1番人気メムロボブサップがまず前に出て、2番人気のアオノブラックも早めにこれについて行く。そしてインビクタやギンノダイマオーなど当初前に行くと思われた馬らがこれに続くという展開になった。メムロボブサップは小刻みに息を入れながらピッチを上げて後続を引っ張る形でどんどん前に行く。各馬もなんとかこれに食らいつくが、そのままの流れでメムロボブサップが第2障害手前に先着。アオノブラック、インビクタら各馬も相次いでこれに追いつく。ここまで57秒と馬場状況にしてはハイペース。
  数頭が揃って一息入れた後、第2障害はインビクタの方が先に仕掛け、メムロボブサップそしてアオノブラックが程なく続いた。インビクタは坂の中腹でストップしその後座り込んだ。一方、メムロボブサップとアオノブラックはスムーズに障害を越え、降りた時の勢いでメムロボブサップが一歩前を進み、アオノブラックが差がなく続いた。他の各馬は障害で苦戦。その間に序盤は後方から行っていたジェイエースがひと腰で障害を越え、更に少し遅れてサクラドリーマーが同様に障害を越えて前を追った。
  先頭争いはメムロボブサップとアオノブラックがほぼ1馬身差で進み、障害を降りた時の勢いのままスピードは落ちない。ジェイエース以下も追いつくことができず、前の2頭の一騎打ちの状況となった。残り20mあたりではアオノブラックがメムロボブサップに迫る場面もあったが、メムロボブサップも脚色が衰えずそのままゴール前へ。そして1馬身差を保ったままゴールを駆け抜けた。アオノブラックも最後まで粘り2着に入った。後続は、2馬身ほど開いて、3番手を行ったジェイエースをサクラドリーマーが追ったが、ジェイエースが走りきって3着。サクラドリーマーが4着に入った。

次走へのメモ
メムロボブサップ(1着):文句ない勝利。この日はほとんどのレースで勝ち時計が2分を越える重馬場の中1分50秒台のタイムは優秀。序盤から積極的に攻めていったことも想定どおりの走りであった。目一杯で追ってきたアオノブラックにかなり迫られたように見えるが、1馬身差から縮まることはなくゴール前はまだ余裕があった。クラシック三冠の栄誉を得て、父ナリタボブサップの種牡馬としての評価も高まったと言える。今後の成長も見込まれ、来年は4歳馬として次のチャレンジに向かう。一息入れるか、2月のチャンピオンカップで古馬の胸を借りるか。
アオノブラック(2着):明らかにメムロボブサップを負かせに行っていた。前半から攻めた結果、課題のあった障害も勢いで越えられた。一瞬の動きの差でボブサップに前に行かれ、完全に並びかけることができなかったのが悔やまれるが、この馬としては最高の走りができたと思われる。今後4歳三冠戦線で逆転を目指す。その前の3月のポプラ賞あたりも狙えそうだ。体調を維持して今回のような走りを続けていければチャンスは大いにあるだろう。
ジェイエース(3着):全体としてはようやくこの馬の本来の走りができたのではないか。第1障害で遅れをとった時は心配されたが、しっかりリカバリーし、第2障害はひと腰でまとめられたことは収穫だろう。前の2頭は次元が違ったが、現時点での力の差か。しかし今後に向けての展望は開けたと言える。上位での戦いを重ね経験を積めば4歳戦線でチャンスは生じるだろう。
サクラドリーマー(4着):課題の障害はひと腰でまとめたものの、全体のペースが速く前半で遅れを取ったことが直線で前に迫れなかった原因であろう。ただ重量にはそれなりに対応できるところを見せたのではないか。鋭い直線の切れ味が持ち前だけに今後4歳戦線で上位に入るためには更に展開に工夫が必要か。自己条件で勝ち味を覚えていきたい。
アオノゴッド(5着):今回はいきなりの高重量もあってか、障害でかなり苦戦し上位には大きく離されたが、最後でじわじわ伸びて掲示板内に入ってくるあたり、菊花賞3着が伊達ではないところは見せられたのではないか。今後も流れをつかめば上位で好勝負することは可能。
  その他では、当欄で単穴で狙ったダイリンファイター(6着)は、10番人気だったので好走だったと言えるが、障害をひと腰で上げていただけに、前半もう少し攻められていれば更に上位も可能だったか。重賞初挑戦のコマサンブラック(7着)もやや遠慮した走りに見えた。ただ今後に向け良い経験にはなったか。実績馬のギンノダイマオー(8着)は馬体重マイナス30kgとやはり体調が十分でなかったか。動きが良くなかった。ジェイカトレア(9着)は力負けか、インビクタ(10着)は序盤で前に行けなかったことがすべて。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 8 8枚 複勝 9 2枚 枠複 7-8 5枚 三連単8-10-9 計5枚
  ボブサップはやはり強かったがアオノブラックも迫って見応え十分、さすがダービーといったところ。馬券の方は、やはりこの組み合わせでは安い。これだけ的中を並べてもトータルではプラスにならないのだから困ったものだ。ま、とりあえず傷口は広がらなかったので、今後に向けてキープできたと考えよう。
  今回収支 -300
   (通常分) +200  (配当)4,500 (投入)4,300
   (単複・ワイド) -500  (配当)1,400 (投入)1,900
  今年度累計 -21,690(12/29・ばんえいダービー終了時点)
   (通常分) -12,320 (配当 56,880 - 投入 69,200)
   (単複・ワイド) -8,870 (配当 15,130 - 投入 24,500)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  この後すぐ、次の記事でヤングチャンピオンシップの結果もアップします。

2019年12月29日日曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第21回ヤングチャンピオンシップ(12/30)

  今年最後のばんえい重賞は2歳馬の産地別対抗重賞。いわゆるばんえい甲子園と言われるヤングチャンピオンシップです。それでは予想いきます。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第21回ヤングチャンピオンシップ(BG2)
(2019年12月30日(月)19:05発走 帯広11R ダ200m 2歳産駒特別選抜別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
コマサンダイヤ 牡2 600 島津新 金田勇 青毛 逃
十勝2着
  エンゼルフクヒメ 牝2 580 中山直 小林長 栗毛 追
釧路1着
  アオノソルテ 牡2 590 西謙一 金田勇 鹿毛 追
南北海道3着
  タケノダイマオー 牡2 590 船山蔵 大友人 栗毛 先
釧路2着
  デッカクナーレ 牡2 590 松本秀 大橋和 栗毛 差
北央1着
キョウエイリュウ 牡2 620 松田道 村上慎 鹿毛 先
十勝1着
カイセドクター 牡2 600 阿部武 坂本東 鹿毛 差
北見1着
  シルバーアロイ 牡2 590 長澤幸 服部義 芦毛 差
北央2着
サロマタイショウ 牡2 590 渡来心 久田守 鹿毛 追
北見2着
10 ブラックサファイア 牡2 600 藤野俊 松井浩 鹿毛 先
南北海道1着
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ヤングチャンピオンシップ」の概要と傾向
  ばんえいにおいてその年の最後に行われる重賞は、今年デビューした2歳馬重賞、ヤングチャンピオンシップ(当欄においては「ヤングCS」又は「YC」と略しています。)。このレースの出走条件は極めて特殊で、馬産地を十勝、釧路、北見、北央、南北海道の5つの地区に分け、予選(産駒特別)が行われ、それぞれ上位2頭の馬が出走できる。いわゆる「ばんえい甲子園」と呼ばれている。まずは予選を勝ち抜くことが求められ、実力馬でも予選で失敗すると出走できず、過去にもさまざまなドラマが展開された。
  地区では帯広競馬場のある十勝地区が最もレベルが高いとされており、過去10年で十勝産駒が6勝している。しかし、他地区の馬も予選を勝ち抜いてきただけあって健闘しており、ここ5年では釧路産駒が2勝、北央産駒、北見産駒がそれぞれ1勝、そして十勝地区はわずか1勝となっている。南北海道産駒の優勝はなく、連対も過去10年でも1頭にとどまっている。
  人気面では、過去10年1番人気は(4,2,2,2)と安定。優勝馬は全て3番人気以内となっており、上位馬が安定しているが、2着、3着には下位人気も入っており、馬券的にはヒモ穴狙いといったところか。タイムは1分30秒前後に収まることが多くスピード勝負と言える。馬体重1000kg以上の馬が過去10年で8勝と成長力もポイント。騎手では鈴木恵介騎手(今回不出走)が4連覇を含む5勝と大きくリードしており、あとは現役騎手では藤野騎手、松田騎手、菊池騎手が1勝ずつ挙げている。

今回のみどころ
  今回のYCは、世代最初の重賞ナナカマド賞の出走馬が3頭しかいない。レベルの高い十勝産駒に有力馬が偏っていたことや、その他の地区では上位馬が敗れる波乱が多かったことなどが原因か。その分フレッシュな対戦となり、ワンチャンスを経てきた無名馬が活躍することも考えられる。現在この世代トップを行くのがキョウエイリュウ。デビュー以来勝ち続け、ナナカマド賞を含む9連勝中。いずれも大勝ちであった。今回も危なげなく勝つのか、それともそれぞれの地区予選を勝ち抜いてきた伏兵馬が、いわゆる甲子園の本番の舞台でも一発ホームランを放つのか。その中でも直前で7連勝と勢いをつけてきたブラックサファイアはこれまでキョウエイリュウとの対戦が一度もなく、刺客となり得るか注目される。その他では、十勝産駒特別の2着馬コマサンダイヤ、切れ味のあるカイセドクターや牝馬で唯一勝ち残ったエンゼルフクヒメなどが一発の魅力がある。また重賞未勝利騎手が3人出場しており、初優勝のチャンスを狙う。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 コマサンダイヤ:ナナカマド賞は前で攻め、最後は脚が上がり気味だったが3着に粘った。その前の特別戦青雲賞でも人気薄を逃げ切り、予選の十勝産駒特別も障害を先頭で降りて、キョウエイリュウとともに他を大きく離して、2着を確保。ここに進んできた。先行した方が持ち味が生きそう。障害は焦るとミスが出ることも。
 2 エンゼルフクヒメ:牝馬特別のいちい賞、そして予選の釧路産駒特別でいずれも後方から追い込んでの勝利、ナナカマド賞では3番人気に推されたが障害でストップし9着に終わっている。とにかく障害を降りてからのスピードと最後の粘りが身上。障害のデキがポイント、前回減らした馬体重がどこまで回復しているか。
 3 アオノソルテ:南北海道産駒2着のアースネオジャパンが回避したことに伴い、同レース3着のこの馬にチャンスが巡ってきた。デビュー戦でキョウエイリュウと対戦。当初は馬体も小さく力不足感があったが、ここにきて成長した。障害はまずまず。直線では瞬発力より長い脚が使えるタイプ。前崩れの展開になれば浮上も。
 4 タケノダイマオー:重賞初出走。特別レースは牡馬戦の青雲賞が勝ち馬と5秒差の5着、釧路産駒特別は1秒差の2着と健闘している。中団から好位につけ、直線で鋭い切れ味を見せる。障害は踏ん張りながらじっくり登るタイプで、時間はかかるが崩れは少ない。最後どこまで粘れるか。レース序盤で流れに乗りたい。
 5 デッカクナーレ:北央産駒特別ではそれまでわずか1勝だったこともあり8番人気となったものの、中団から障害をひと腰で抜け出し最後まで粘りきって優勝。ここに駒を進めてきた。その他の重賞、特別戦は出ていない。能検時はメンバー唯一1回目は不合格だった馬だが、徐々に力はつけてきている。接戦なら見せ場も。
 6 キョウエイリュウ:重賞ナナカマド賞勝ちを含みデビュー以来9連勝中。能検も1番時計と未だ他馬の後塵を拝したことはない。スピードで圧倒というより、他馬に合わせて進み最後で突き放す横綱相撲を見せている。障害も安定しており降りてからの切れ味も鋭い。ただ重量が加増し、最後で緩むような展開になるとどうか。
 7 カイセドクター:重賞は初出走。青雲賞は後方待機から切れ味で上位争いに加わり最後は混戦を抜け出して3着に食い込んだ。北見産駒特別では速い流れに乗って好位から障害をひと腰で切って優勝、堂々出走権を得てきた。素軽い動きで自在に立ち回れる。馬体も急激に成長を遂げ力強さも出てきた。軽馬場ならさらに動けそう。
 8 シルバーアロイ:初の特別戦であった北央産駒特別で後方待機から、他馬が障害で苦しむところをひと腰で切って最後は2着に粘り込み、1勝馬ながら出走権を得てきた。能検時はタイム上位10位に入っており決して力のない馬ではないはず。障害は苦手というわけではないが勢いあまって崩れることも。好位につけられれば。
 9 サロマタイショウ:重賞は未経験で、特別戦は青雲賞(9着)と北見産駒特別に出ている。後方待機から鋭い切れ味で勝負する。デビュー当初は勢いがあったが、夏頃は障害などで苦しみ結果が出ていなかった。近走は立て直して持ち味を生かせる場面が戻ってきている。前半で流れに乗りたいのと、最後のもう一押しが欲しい。
 10 ブラックサファイア:能検4番時計。デビュー時はまだ幼く力が出せなかったが、一旦休養して立て直し、秋に復帰後7連勝と勢いをつけここに臨んできた。平場戦なら1分10秒台で走れるスピードがあり障害もこなせている。まだキョウエイリュウとの対決がなく注目される。南北海道産駒特別でややバテたのは気がかり。

【はむ!の見解まとめ】
  各地の産駒特別で激しいレースが展開されていた。十勝産駒のレベルが高いとは言え、他の地区で勝ち上がってきた馬も十分勝負になりそうなメンバー構成になり注目は高まる。特にこれまで2歳馬のトップを走っているキョウエイリュウにとって、最大と思える強敵が現れた。それが7連勝で勢いをつけてきたブラックサファイアである。南北海道産駒として初のヤングCS勝利をもたらすか。それともキョウエイリュウが意地を見せるか。最小でも20kgのハンデ差も微妙。
  展開予想だが、クラスが違うメンバーが集まり難解。2歳戦はペースが速くなりがちだが、今回は明らかな先行馬が不在で、どちらかというと切れ味で勝負したい馬が多い。したがって前半は牽制しあうことも考えられる。そんな中ではキョウエイリュウが自分で前に行くか。終わりの脚を考えて控えたいところだが、押し出されて前に出ると見る。他に前に行きそうな馬は、出走権があったアースネオジャパンが出ていればこの馬が前に行くと思われたが回避、あとは十勝2着のコマサンダイヤ、釧路2着のタケノダイマオーくらいか。ブラックサファイアも好位にはつけそうだが後半にスタミナは残しておきたい。ペースが落ちれば追い込み馬にチャンスが出てくる。
  展開を考えても、やはり無敗の◎(6)キョウエイリュウがその力を見せつける場面が想像できるため、この馬を本命に置いた。スピードの絶対値が違うし、障害の上手さや、最後の粘りまで兼ね備えている。その力は重量が増えハンデ差があっても変わることはないだろう。今回は自分でペースを握れそうで、焦らず行ければ堅いところ。
  相手だが、当然ブラックサファイアに目が行く。軽馬場なら1分10秒台で走れる脚と、近走の切れ味の鋭さを見れば逆転の期待までかけられそう。実際キョウエイリュウを負かすならこの馬しかいないとは思われる。しかし急激に上がってきて弱点が見えていないこと、勝利のない南北海道産駒ということ、そして大外枠に入ったことで、当欄では若干疑ってかかりたい。過去2走も圧勝に見えて最後で脚が上がっており、横綱キョウエイリュウを負かせるには一歩足りないと見る。
  そこで当欄では、対抗に安定した力を出せる○(1)コマサンダイヤの方を持ってきた。レベルの高い十勝産駒の一頭。青雲賞の時のようにスンナリ障害を越えてくれば少なくともキョウエイリュウ以外には勝てるだろう。そして勝つか負けるかという意味で▲(10)ブラックサファイアは単穴扱いとする。他で面白いのは△(7)カイセドクター注(9)サロマタイショウの北見の1,2着。いずれも流れに乗れれば切れ味は鋭い馬。障害力の差でカイセの方を上位に見たが、サロマも一発はある。その他では牝馬で切れ味鋭い(2)エンゼルフクヒメが注目されるが、この相手で前に詰められるか。(4)タケノダイマオーは先行できれば粘り込みも。北央産駒の2頭は力の差があり厳しいか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  自分的にはこれまでまずまず予想が当たっている方のヤングCS。ここらで攻めていこう。キョウエイリュウはトップハンデが気になるし、彗星のように現れてきたブラックサファイアは強敵となる気配は十分ある。でもここは、当欄にしては保守的な予想ではあるが、キョウエイリュウが意地を見せると予想した。後はうまく収支につながる馬券が買えれば。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 6→1,10→1,10,7,9,2 合計8通り 各200円
      6→1,10,7,9→1,10,7,9,2 合計16通り 各100円
      10→6→1,7,9,2 合計4通り 各200円
  枠複 6=1,8 合計2通り 各300円 合計 4,600円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 6 700円
  ワイド 7=6,1,10,9 9=6,1,10 合計7点 各100円
  合計 1,400円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、前日のばんえいダービーと合わせて年内には報告したいと思います。

2019年12月26日木曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第48回ばんえいダービー(12/29)

  ばんえいは年末年始開催に入ります。年末と年始に2つずつ重賞が行われます。当欄でも予想を頑張っていきたいところですが、あまりにも日程が詰まっており対応しきれない状況ですので、コラムなどは省略します。そして次の重賞予想のアップは結果報告の前になると思います。それでは、少し早いですが、3歳三冠の最終戦ばんえいダービーの予想からです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第48回ばんえいダービー(BG1)
(2019年12月29日(日)19:05発走 帯広11R ダ200m 3歳オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  アオノゴッド 牡3 730 村上章 金田勇 栗毛 追
父 マルニセンプー
  ギンノダイマオー 牡3 730 西将太 松井浩 芦毛 先
父 キタノドリーマー
  ジェイカトレア 牝3 710 藤野俊 平田義 青毛 先
父 トカチタカラ
インビクタ 牡3 730 島津新 松井浩 青毛 逃
父 イッスンボウシ
  コマサンブラック 牡3 730 松田道 金田勇 青毛 先
父 ウンカイ
ダイリンファイター 牡3 730 赤塚健 小林長 青毛 先
父 アローファイター
  サクラドリーマー 牡3 730 藤本匠 今井茂 鹿毛 追
父 キタノドリーマー
メムロボブサップ 牡3 730 阿部武 坂本東 鹿毛 逃
父 ナリタボブサップ
ジェイエース 牡3 730 鈴木恵 山本正 栗毛 差
父 ウンカイ
10 アオノブラック 牡3 730 西謙一 金田勇 鹿毛 差
父 ケンジュオー
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえいダービー」の概要と傾向
  ばんえいの3歳三冠いわゆるクラシック最終戦である「ばんえいダービー」。レースの格はむろん最高ランクのBG1である。ばんえいの場合は、イレネー記念や天馬賞など各世代でBG1があるため、このレースの価値はそれらに分散されるが、それでもダービーと名が付く以上、最高峰のレースであることは間違いない。年末のこの時期に行われるため、そのレースのスピードにも例えて「日本一遅いダービー」と表現される。
  定量戦であるため、実力馬が実力どおりの結果を出すのが本来だが、1番人気は(4,3,1,2)と有利ではあるものの絶対的な強さではない。むしろ2番人気の馬が(5,2,2,1)とこちらが好成績を挙げている。これはオークスでも同じような傾向がみられ、上位に力の差のない中で目標にする側とされる側の違いか。但し4番人気以下は未勝利であり穴馬が上位に入ってくることは少ない。ダービーの勝ち馬は三冠の「大賞典」「菊花賞」とも連動しないことも多く、臨戦過程でも目立った傾向はない。その時点で実力や調子を総合して、1,2番手の有力馬がしのぎを削るということになるだろう。騎手では鈴木恵介騎手が4勝で現役最多、藤本匠騎手が3勝、一方ベテランの藤野俊一騎手はまだこのレースに一度も勝っていない。

今回のみどころ
  大賞典、菊花賞と二冠を制したメムロボブサップが、ハクリユウ(1975年)、マルトダンサー(1980年)、ウンカイ(1997年)、ヨコハマボーイ(2001年)以来5頭目の三冠馬を目指す。今年の3歳世代は、2歳時にはアオノブラック、ギンノダイマオーと合わせて3強と言われたが、ここにきてメムロボブサップが一歩抜け出したイメージ。好調を維持し可能性も大きくふくらむ。これを阻止する馬は出るか。3強のうちの残り2頭を中心に、下位の馬でもそれぞれの条件で活躍しており、ここはワンチャンスを狙ってくることも考えられる。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 アオノゴッド:重賞はこれまで3走し、イレネー記念4着、菊花賞では3着といずれも人気薄のところを好走している。僚馬のアオノブラックの影に隠れがちだが、直線での鋭い追い込みが武器でしっかり掲示板に顔を出している。前半は後方待機で他馬の様子を見ながら進み直線で一気に切れ味を見せる。粘り強さもある。ただ流れに乗れないまま後方に置いて行かれたまま終わるパターンもしばしば。馬場・重量ともやや重めの方が成績が上がっている。
 2 ギンノダイマオー:2歳から3歳前半にかけ活躍、重賞常連で世代3強の一角であったが、最近はばんえい菊花賞回避を含め順調さを欠いており心配されるところ。得意なはずの障害も怪しくなっている。過去は4回重賞に出走しいずれも2着とシルバーコレクター。先行力があり安定した走りができるが、最後で切れ味のある有力馬に差されることが多い。そろそろ悲願の重賞タイトルが欲しいところだが、本来の体調がどこまで回復しているか。
 3 ジェイカトレア:ばんえいオークス馬。同世代牝馬では大きく他馬をリードしており、黒ユリ賞と合わせ重賞は2勝している。牡馬の中に入っても、大賞典で5着、はまなす賞4着などそこそこの好走は見せており、完成度の高い馬体は牡馬に見劣りすることはない。脚質的には前半はやや控えて直線でじわじわ伸びていく差しが基本だが、流れによって前に行ったり自在に動ける。但し、ペースは落ち着いた方がよさそう。障害は問題なくこなす。
 4 インビクタ:重賞は常連だがナナカマド賞と菊花賞の5着が最高で結果は出ていない。しかしながらこの馬は抜群の先行力が持ち味で、レースを引っ張り見せ場を作る。直線ではスピードは落ちるものの粘りの走りを見せ、これが平場戦になるとまんまと逃げ切ってしまうこともしばしば。直前でも3連勝している。特に軽馬場は大歓迎。ただ荷物が重くなるとスピードがそがれてしまう傾向にある。障害は上手な方だが慌てるとミスが出ることも。
 5 コマサンブラック:重賞初出走、特別戦も全く経験していなかったが、今年度に入り勝ち星を重ねてダービー出走権を得てきた。父はウンカイで、母は現役時代重賞などで活躍し人気もあったコマクイン。これまでのレースぶりから好位から差してくるタイプのように見える。障害も問題なくこなしており、成績は安定している。さすがに初重賞で、重量も未知数で流れも厳しくなりそうだが、血統的な素質がここで開花することも考えられる。
 6 ダイリンファイター:最後の出走権を得てきた馬。重賞は2歳時にヤングCSに出走、9番人気ながら最後の粘りで5着に食い込んでいる。その他産駒特別で1着に入った以外には重賞・特別戦の出走はない。この馬の母は現役時代ばんえいオークスなどを優勝したダイリンビューティ。大レースに強いと考えられ、実際成績も上げている。脚質は自在に対応できるが、先行してこそその脚が生きる。障害は上手な方で崩れることはまずない。
 7 サクラドリーマー:重賞はイレネー記念、大賞典、菊花賞に出走、一発の期待からそこそこ人気するが、いずれも6着にとどまっている。直線での切れ味は抜群なものを持っている一方、障害が苦手で一時期は好不調の波がはっきりして全くアテにならなかった。近走はこの障害を重点に攻められ克服しつつある。その分直線での目の覚めるようなキャンターは見られなくなったが、最後までしっかり伸びる。重量への対応は未知数の部分がある。
 8 メムロボブサップ:3歳三冠の可能性があるのはこの馬のみ。重賞はここまで5戦4勝。唯一アオノブラックに敗れた昨年のヤングCSは流れに乗れなかったがそれ以外は安定している。デビュー時は800kgそこそこの小柄な馬でフラフラ走っていた様子だったが、ここにきて急激に馬体が成長。1000kgを大きく上回り走りも力強さを増してきた。ばんえい菊花賞ではトップハンデながら自分から動いて快勝。先行力があり障害もこなす。
 9 ジェイエース:重賞はこれまでイレネー記念5着、大賞典と菊花賞が4着と掲示板内に入る実績を上げている。2歳時デビュー前の能検で1番時計、デビュー戦からいきなり1分10秒台を出すなど本来スピードのある馬で、直線での切れ味も抜群だが、障害がかなりの苦手で膝を折ることも多い。ただ上手く流れにのれれば大駆けの期待の大きい馬である。既に1100kgを越え馬格がしっかりしており、スケールは大きく重量にも対応できそう。
 10 アオノブラック:2歳時から3歳前半にかけては、世代3強の一角。昨年暮れのヤングCSでは好位から切れ味よく抜け出し快勝。これがこの馬の勝ちパターンであるといえる。重賞勝ちはこの1勝のみであるが、常に上位を争っており、これまで出走した重賞は全て3着以内に入っている。馬格があり、特に最後の直線での力強い走りがモットー。ただやや反応が鈍い時があり、障害も決して得意ではないが、崩れることは少なくしっかりこなしている。

【はむ!の見解まとめ】
  まず、展開予想だが、やはり先行してこそ力が出せるインビクタがすんなりハナを行くだろう。メムロボブサップも菊花賞の動きから見れば積極的に攻めて行くと思われる。あとはダイリンファイターあたりが下位クラスながら思い切って前に来ることも考えられる。アオノブラックも離されずについて行きたいところだが、前半どこまで脚を使わずに行けるか。ギンノダイマオーも本来前に行きたい馬だが無理がきくかどうか。ジェイエースやサクラドリーマーはさらに後方となりそうだが、これも流れ次第か。いずれにしても各馬障害までに脚を残しておきたい。
  予想だが、やはり今回は◎(8)メムロボブサップには逆らえない。たたき台に古馬オープン相手の特別戦(ホワイトクリスマス賞)を使い6着にはなったものの、現役最強馬が並ぶ中、しっかり流れについて行っていた。華奢だった馬もここにきて馬体重が増え急成長。どんどん強くなっていくイメージだ。先行してそのまま逃げ切る作戦で来るか。同世代相手なら何らかのミスが出ない限り負けることはないだろう。
  そして堅くなるが○(10)アオノブラックも充実。菊花賞もこの上ない動きであったが、一開催休んでダービーに向け万全の態勢を整えてきているように感じられる。ボブサップに先に行かれた時焦って障害でミスが出るような場面も考えておく必要はあるが、そこからでも取り戻せるだけの脚はある。
  一方、3着付けが難しく、このあたりに狙いをつけたいところ。ここで穴狙いとして▲(6)ダイリンファイターに注目した。出走権の最後の切符を得てくるなど格は下位ではあるが、先行力と障害力があり、スルッと抜け出すようなことがあるかも。母ダイリンビューティの活躍を思い出しそう。素直に狙うなら先行馬△(4)インビクタ。展開的に厳しいとは思われるが、近走充実しており、先行できる分好走は可能。
  追い込みの有力馬2頭も切れ味はあるが当てにはしづらい。レース全体の流れからすれば注(9)ジェイエースの方が向きそうだが、障害が課題。(7)サクラドリーマーも切れ味は鋭いが、こちらは流れが向かないとジリ脚になる可能性も。そして注目されるのが元々3強の一角であった(2)ギンノダイマオー。これまで順調さに欠けており当欄では無印としたが、元々実力がある馬、調子がどこまで戻っているか。あと、菊花賞で3着に突っ込んできた(1)アオノゴッドは定量戦では厳しいと見るが、切れ味はあり他が崩れると浮上も。

はむ!の馬券狙いどころ:
  今年の馬券戦線は好調ではないが踏みとどまっているというところ。そしてここにきて年末年始重賞4連発。逆転プラスを目指したいところだが、ここで負けが続くと一気にマイナスが膨らむ。なるべくマイナスのことは考えないで勝負したい。当欄的にはアオノブラック推しだが、やっぱりボブサップが強いかなといったところ。この馬複では配当はつかないと思うので、3着付けの穴狙いなどいろいろ工夫してみたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 8=10→6,4,9 合計6通り 各300円
      8→10→6,4,9,7 合計4通り 各200円
      8→6,4,9,5→10 合計4通り 各200円
  枠複 7=8 500円 7=7、8=8 各200円 合計 4,300円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 8 800円 単複(応援)9 各200円
  ワイド 6=8,10,4,2 2=8,10,4 合計7点 各100円
  合計 1,900円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、他の年末年始重賞と合わせて行いたいと思います。正月中に行えるか、それより後になるかもしれません。次回記事はばんえいダービーの翌日に行われるヤングチャンピオンシップの予想の予定です。

2019年12月9日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第44回ばんえいオークス(12/8)

ばんえい重賞レース回顧
第44回ばんえいオークス(BG1)-2019年12月8日-10R 200m直 曇 2.3%
  1着◎(6)ジェイカトレア(藤野俊) 1分57秒6
  2着 (4)クイーンヴォラ
  3着 (8)アアモンドラッシュ
   単勝 6 150円(1番人気) 馬複 4-6 2,750円 三連単 6-4-8 48,700円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの3歳牝馬女王決定戦、第44回ばんえいオークスは、1番人気のジェイカトレアが障害を先頭で降りてそのまま押し切って快勝。黒ユリ賞に続いて牝馬重賞を制覇し世代女王の座を守った。藤野俊一騎手は2006年ウィナーサマー以来3度目のオークス優勝。重賞は昨年岩見沢記念以来で通算53勝目。平田義弘調教師はこのレース初優勝。

レース振り返り
  帯広は12月に入り冬らしい気候となり、特に当日は小雪が舞う天気。馬場は表面は乾いているように見えるものの気温が低い分、水分が残っており、重くもなく軽くもなくといったところであった。
  レースは、一斉のスタートから第1障害もほとんど差がなく全ての馬がクリア。その後も各馬は刻みを入れながらもほとんど差は開かずに進む。第1障害を越えて心持ちヒメトラクイーンとアアモンドラッシュがやや前に出て、これに1番人気のジェイカトレアと最内のサクラユウシュンが差なく追う。その後も各馬出たり入ったりを繰り返しながら進み、ジェイセリナがやや遅れた以外はほぼ横一線のまま第2障害手前へ。ここまで61秒と平均ペース。
  各馬が障害に並んだところで、まずジェイカトレアが障害を仕掛け、一歩一歩力強く越え先頭でクリアした。続いてサクラユウシュン、アアモンドラッシュあたりが障害に挑戦するがストップ。サクラユウシュンは天板で膝を折った。その後も各馬次々と障害に挑戦。苦戦する馬が多い中、じっくり攻めたクイーンヴォラが一腰で越え、一旦天板で止まったアアモンドラッシュと、やはり一腰でまとめたハイトップフーガが続き、さらに遅れてヤマサンブラック、アアモンドノースが相次いで障害を越えた。
  しかし、後続が障害を降り始めたころには先頭で降りたジェイカトレアは残り30m手前あたりを快調に歩く。4,5馬身離れてクイーンヴォラ、これにアアモンドラッシュが少しずつ差を詰め、並走していたハイトップフーガがやや置かれた。先頭のジェイカトレアはそのままリードを保ちながらゴールに近づき、緩みそうになっても藤野騎手が気合いを入れて最後は余裕でゴールを駆け抜けた。2番手はクイーンヴォラが粘るところアアモンドラッシュが更に追うが差が縮まらず、クイーンヴォラが2着、アアモンドラッシュが3着に入った。後方も同じような脚色でハイトップフーガが続き4着、2番人気のヤマサンブラックも切れ味が出ずにそのままの脚色で5着に入った。当欄で対抗に狙ったヒメトラクイーンは障害で崩れ9着に終わった。

次走へのメモ
ジェイカトレア(1着):1番人気ということもあって、藤野騎手は今回はかなり慎重に歩を進めていたように見える。それでも中間は無理なく前に出ることができた。障害はいたってスムーズで最後の直線もしっかり歩いていた。また、しっかり仕上げられていた様子も見え、7kg減の馬体重がそれを現していた。やはりこのメンバーでは力と経験値が上であった。次はおそらくばんえいダービーに挑戦か。相手は強いが流れにしっかり乗れれば好走は可能。さらにその後はヒロインズカップ、チャンピオンカップ、ポプラ賞と出走権を得ており、経験を積むには絶好の機会となりそう。
クイーンヴォラ(2着):中段待機から障害をひと腰で越え2着まで食い込んだ。これまで黒ユリ賞でも好走しており決して意外な結果ではない。渡来騎手の手綱で、位置取りも含めしっかり自分のレースを展開した結果であろう。また、前開催が霧で取り止めになった分だけしっかり体を作ってプラス34kgと、元々小柄な馬がここにきて力をつけてきていたともいえる。父シベチャタイガーは晩成型、今後が楽しみである。当面は自己条件で勝ち星を重ねたい。
アアモンドラッシュ(3着):9番人気であったので3着は好走。先行馬ではあったが力関係で前に行けるか懸念されていた。しかし相手にかかわらず積極的に行ったことが結果的には最後の粘りにつながったといえる。障害もひと腰ではなかったもののしっかり対応できていた。これでBクラスに昇格、自己条件なら連勝できるだけの力はつけてきている。
ハイトップフーガ(4着):これも8番人気なのでまずまずの好走といえる。ただ黒ユリ賞2着の馬なので、まだまだ上位を狙えたのではというイメージは残る。先行してレースを引っ張っていけるかと思われたが、前に行ききれなかった。ただ障害は上手なところを見せていた。この馬もB4クラスに昇格、どこまで戦えるか。
ヤマサンブラック(5着):全体としてなんとなく淡泊なレースだったように見える。2番人気と期待されていただけにもう少し攻めてほしかった感がある。障害は立ち止まったものの崩れてはおらず、レースの組み立て自体は悪くなかった。ダービーの出走権が微妙な位置にいるが、そこは狙わず自己条件で賞金を稼ぎに行くか。
  その他では、最下位人気だったドルバコ(6着)は、格下でしかも今回は大外枠と条件的には不利であったが、気楽に走れたか、直線での追い込みの鋭さを見せており、今後チャンスがあれば狙い目となりそう。アアモンドノース(7着)は連勝の勢いで3番人気まで推されたが力の差があった。サクラユウシュン(8着)は攻めたが課題の障害でミスが出た。ヒメトラクイーン(8着)は障害でストップ、序盤から後手にまわり流れが向かなかったか。ジェイセリナ(10着)は始めから流れについて行けていなかった。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 6 7枚 のみ
  ジェイカトレアはやはり一枚上だった。そこは想像できたのだが、逆転もあり?と色気を出してしまった。いつもは本命が1着に来ずというパターンが多いのだが、今回は単勝しか当たらないという情けなさ。それも安めの。2着、3着に人気薄が来ているのだから、ここでワイドの大きいところでも入ってくれればいいのだが、そうもいかない。なんともチグハグな馬券でした。ヘコみ加減のまま年末年始に突入だが、ここらで挽回といきたいところ。
  今回収支 -4,650
   (通常分) -4,100  (配当)0 (投入)4,100
   (単複・ワイド) -550  (配当)1,050 (投入)1,600
  今年度累計 -21,390(12/8・ばんえいオークス終了時点)
   (通常分) -12,520 (配当 52,380 - 投入 64,900)
   (単複・ワイド) -8,870 (配当 13,730 - 投入 22,600)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  さて、重賞は年末年始までひと休み、そして年末年始は稼ぎ時、今年は年末に2本、年始に2本と重賞は4開催日連続で行われます。まず12月29日に3歳クラシックのばんえいダービー、翌30日には2歳の産駒地区選抜重賞ヤングチャンピオンシップが行われます。その後、1月2日に古馬の重賞、帯広記念、3日には明け5歳の重賞、天馬賞があります。当欄の予想ですが、その時の状況によって変更しますが、ダービーの前日までに年末の重賞2レース分を、1月1日までに年始の重賞2レース分をそれぞれまとめてアップしたいと思います。

2019年12月6日金曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】重賞予想・第44回ばんえいオークス(12/8)

  今週のばんえい重賞は、3歳牝馬のチャンピオン決定戦、ばんえいオークスです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第44回ばんえいオークス(BG1)
(2019年12月8日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 3歳牝馬オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
サクラユウシュン 牝3 670 阿部武 金山明 栗毛 追
父 ウンカイ
  ハイトップフーガ 牝3 670 西謙一 松井浩 鹿毛 逃
父 ウンカイ
ヒメトラクイーン 牝3 670 西将太 松井浩 鹿毛 差
父 ナリタボブサップ
  クイーンヴォラ 牝3 670 渡来心 坂本東 栗毛 差
父 シベチャタイガー
  ジェイセリナ 牝3 670 鈴木恵 平田義 栗毛 先
父 ミスタートカチ
ジェイカトレア 牝3 670 藤野俊 平田義 青毛 先
父 トカチタカラ
ヤマサンブラック 牝3 670 藤本匠 岩本利 青毛 差
父 カネサブラック
  アアモンドラッシュ 牝3 670 松田道 小林長 鹿毛 先
父 アアモンドケイジ
アアモンドノース 牝3 670 長澤幸 小林長 芦毛 差
父 トウリュウ
  10 ドルバコ 牝3 670 菊池一 大橋和 鹿毛 差
父 ヤマノミント
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ばんえいオークス」の概要と傾向
  ばんえいの3歳牝馬の重賞。いわゆるクラシックレース「オークス」のばんえい版で、帯広単独開催以降は毎年初冬のこの時期に行われている。ハンデのない定量戦で真の世代最強を決めるレースである。
  過去10年の傾向を見ると1番人気は(3,2,0,5)と定量戦の割には苦戦気味、むしろ2番人気の方が(4,3,2,1)と好走している。人気馬に何らかの盲点があるのか、あるいは実力がありながらあと一歩だった馬がここで力を発揮するというところか。同じ世代重賞の黒ユリ賞勝ち馬が4勝と同世代レースで好走していることは重要なファクターの一つであろう。上がり馬なら自己条件での近走の走りにも注目しておきたい。騎手別では鈴木恵介騎手が過去4勝でトップ。
今回のみどころ
  夏のグランプリ以来のBG1。今年の3歳牝馬は、一つ上のミスタカシマのような牡馬をも凌駕するような存在がおらず、未だ力関係がはっきりしない部分が多い。一応は、黒ユリ賞馬のジェイカトレアが稼ぎ頭となっておりそこそこ活躍しているが、改めて一堂に会した時に実績どおり走れるか。あとはヤマサンブラック、ヒメトラクイーン、サクラユウシュンあたりが上位で活躍している。一方、下位の馬たちも激しい出走権争いを制してきており、その中にも3年前に優勝したホクトノホシのようにダイヤの原石が眠っているかもしれない。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 サクラユウシュン:デビュー時から期待されており、いちい賞などで勝利、重賞はナナカマド賞で6着、そして黒ユリ賞では1番人気に推されたが結果は4着。この時は障害でのミスが出ていた。抜群の切れ味を持ち、動きは素軽いがやや走りが不安定。強い勝ち方で連勝することもあれば、障害などで大きく崩れることもしばしば。この夏は馬体重も減って苦戦したが取り戻しつつある。
 2 ハイトップフーガ:黒ユリ賞2着馬。重賞はこのほかイレネー記念にも出ており7着に入っている。実績馬だが、今シーズンは序盤に休養。復帰後はなかなか勝負勘が戻らず1勝のみで、このレースもようやく最後の出走枠に残ったところ。元々は先行力と力強い走りがモットーで、黒ユリ賞ではハナを奪って逃げるレースを展開した。やや動きが重い面もあるので高重量になって力を発揮か。
 3 ヒメトラクイーン:重賞は黒ユリ賞(6着)のほか、ナナカマド賞に出走しこの時は4着と善戦した。デビュー時から完成度が高い馬で最初の特別戦白菊賞で勝つなど将来性が期待されたが、その後は若干伸び悩んでいた。障害で崩れることは少ないが、前半に流れに乗れないと後手に回り追走で一杯というパターンも見られる。一旦障害を降りればじわじわ伸びていく脚を持っている。
 4 クイーンヴォラ:重賞は黒ユリ賞で5着に入っている。この時は後方待機から直線で伸びて接戦にもつれ込んだ。特別戦は釧路産駒特別、福寿草特別と出走、結果は出ていないが崩れはしていない。小柄な馬だが素軽さがあり、自在に立ち回れる。父シベチャタイガーは晩年になって力を発揮した馬。この馬も成長途上で非力な面があるが、苦手だった障害は自分から動いて克服しつつある。
 5 ジェイセリナ:重賞は初出走。特別戦は十勝産駒特別と福寿草特別に出走しておりいずれも6着に入っている。特に福寿草特別では最後方から直線一気の鋭い脚が見られた。父ミスタートカチ譲りのスピードど鋭い切れ味がこの馬のモットー。障害はかなり苦手で崩れてしまうこともしばしばあるが、一旦越えれば直線で鋭く加速してくる。流れが落ち着く重賞なら追い込みの脚も決まるか。
 6 ジェイカトレア:黒ユリ賞馬でむろんメンバー中唯一の重賞勝ち馬。その他重賞にも積極的に参加しており、はまなす賞4着など好走している。3歳としてはかなりの馬格があり力強い走りを見せる。どちらかというと直線の切れ味で勝負する馬だが、相手に合わせて先行することもある。父トカチタカラはじっくりタイプだったが、同様に多少高重量のゆったりした流れの方がよさそうだ。
 7 ヤマサンブラック:重賞は黒ユリ賞のほかヤングCSにも出走しているがいずれも大敗。しかしその後の世代牝馬戦福寿草特別では直線で抜け出して勝利している。自己条件でも上位人気ながら勝ちきれないレースも多かったが、前走軽馬場のレースでは圧勝した。力はあり障害もしっかり上げられるが、先行したり後方から行ったり気分次第のところがあり、流れに乗れないと凡走もある。
 8 アアモンドラッシュ:前開催のレースで快勝し出走権を得てきた。重賞は初出走。特別戦は白菊賞と福寿草特別に出ているが、いずれも離れた9着と大きく敗れている。父アアモンドケイジは現役時代は小柄な馬で全て最下位、種牡馬としてもほとんど実績はない。この馬も親同様小柄だったが、今シーズンに入り馬体が急成長し力を付けている。真面目に走れるタイプで障害もこなせる。
 9 アアモンドノース:出走権をめぐって賞金ランク10位が2頭並んだが、直前で3連勝したこの馬が今年度獲得賞金の差でマオノクイーンを抑え最後の切符をつかんだ。重賞はナナカマド賞に出走し9着。まだ気性的に若い面が見られ、レース中もソラを使いながら走る傾向にある。障害も力が入らず上がらないことも多いが、直線の切れ味は鋭く一気に追いつくだけのスピードを持っている。
 10 ドルバコ:重賞は初出走、特別戦も北央産駒特別のみ出走し大敗している。小柄で非力なイメージだが、父ヤマノミントの性質を受け継いでか、素軽い動きで自在に立ち回れる。特に近走は動きが良く、上位に食い込み賞金を加えて出走権を確保した。障害も特段上手ではないが立て直しが早く巻き返しが可能。全体の流れが速くなる軽馬場より、重馬場でじっくり攻めて他馬のミスを待ちたい。

【はむ!の見解まとめ】
  このメンバーの中では、ジェイカトレアが黒ユリ賞に勝っている上他の重賞にもほとんど出走しており、実績面では数段上。ただ牝馬同士のレースになった場合、伏兵が登場してくることはないのか。
  まず展開を予想してみると、黒ユリ賞で先行したハイトップフーガが今回も前半から前に行くか。他に先行力がありそうなのはアアモンドラッシュぐらいで、他はそれほど速くない。それならやはり前半からジェイカトレアが押し出されるように先頭に立つことになるか。他の有力馬ではヤマサンブラックやサクラユウシュンは勝ちに来るなら前について行きたいところ。ヒメトラクイーンは中団か。他の馬も障害を越えれば切れ味のある馬が多いので、もしジェイカトレアが何らかでもたつく場面があるとゴール前でもつれることもあり得る。
  それでも◎(6)ジェイカトレアは現時点で力は抜けており、定量戦のこのレースはやはり本命にせざるを得ない。ただ不安点としてはクラスが違うためこのメンバーでの対戦が少なく、想定外の展開にでもなれば一気に流れが変わってくることもある。かといって崩れることも考えづらく、一応軸には置きたい。
  相手だがこれは大混戦。サクラユウシュンは黒ユリ賞で1番人気になったが流れに乗れなかった。今シーズンも4連勝した時期もあるが一方では障害で引っかかり人気を裏切ることも多々見られ、それだとなかなか中心には狙いづらい。それならじわじわ力を出していける○(3)ヒメトラクイーンの方を取りたい。流れに乗れないと伸びてこない時もあるが、混戦になれば勝負根性は上。わずかながら逆転の可能性もあると見ている。流れに乗れれば怖い存在が▲(7)ヤマサンブラック。やや走りに不安定な面はあるものの動き自体は良い。大レースに強いのは父親のカネサブラック譲りか。ただジェイカトレアまで届くかは微妙で、単穴で。そして△(1)サクラユウシュンは、前述の理由によりリスクもあって、4番手評価とした。ただスピードの絶対値は違うのでやはり流れにのればそのまま押し切ることも。
  下位クラスからは直前で連勝し出走権を得てきた注(9)アアモンドノース(8)アアモンドラッシュのアアモンド勢、特にノースの方は直線の鋭い切れ味が出せるタイプで、一発の魅力がある。ラッシュもしっかりレースを作れるタイプでいずれも台風の目となるか、(2)ハイトップフーガは黒ユリ賞2着の実績があり逃げ切れる展開になれば。ただ現状の力関係からすれば抑えまでか。鈴木恵介騎手が乗ってきた(5)ジェイセリナも障害を越えられれば一発あるタイプ。

はむ!の馬券狙いどころ:
  いよいよBG1のばんえいオークス。実績上位のジェイカトレアをどこまで信頼するか。逆転もありと見るがその候補はいろいろ目移りしそう。これでも絞ったつもりなのだが。ワイドあたりも手広く狙いたい。なんとか勝って年末年始の重賞シリーズに向けてもここはしっかり資金を確保しておきたいところ。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 6,3,1→6,3,1,7→6,3,1,7 合計18通り 各300円
      6→3,1,7→3,1,7,9 合計9通り 各100円
      3,1,7→6→3,1,7 合計6通り 各100円
  枠複 6=3,7,8 3=7 合計4通り 各200円 合計 4,100円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 6 700円
  ワイド 3=1,7,9,5,2 9=6,1,7,5 合計9点 各100円
  合計 1,600円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】BFG(ばんえいフルゲート)その3
  前回までBFG(ばんえいフルゲート)の話をしていました。そして各レースはBFGに満たないレースが多いという話をしていました。その話を突き詰めると、理由として、ばんえいを含む地方競馬は綿密なクラス分けがされていて、そのクラスに応じて出走できるレースが決められているというシステムであるということにあります。
  例えばJRAなら御存知のとおり(主に1着の)獲得賞金に応じて、未勝利、1勝クラス(今年度まで500万円下)、2勝クラス(1000万円下)、3勝クラス(1600万円下)、オープンとかなり大雑把に分けられ、それぞれの各クラスには何百頭(場合によっては1000頭以上)といて、所属するクラスから開催場、距離や芝、ダートによって分けられた何種類ものレースを選んで出馬投票し、フルゲートを越えれば抽選で出走するというシステムになっています。(今年から一度上がれば降級することはなくなりました。)
  一方、地方競馬は主催者によって若干違いますが、過去数年の獲得賞金に応じてA(オープンを含む)、B、Cとランキングされその中でも賞金順にA1、A2・・・のように細分化、要するに上位馬はともかく、下位の馬はそのランクで決められた範囲のレースにしか出ることができません。要するに、中央に比べて、選択の幅が狭いのです。(登録馬や条件のバリエーションが少ないことと、ランクを細分化しないと、力の差が大きすぎて競馬が成り立たないからでしょう)
  ばんえいの場合は、2歳馬は獲得賞金順に全部並べて、9頭~10頭ずつA1、A2、A3(クラスの中の数は頭数によって決まる)、B1、B2・・・ときて、最後はDまでクラス分け、3歳馬以上は過去3年間の獲得賞金により格付け(例えば470万円以上ならオープン、それ未満で360万円以上ならA1、それ未満300万円以上ならA2,その後は、B1~B4ときて、5歳馬以上ならB4が最も下位ランク、3歳~4歳ならさらにC1,C2)され、またその格の中で組み分けがされる。というシステムになっています。
  文字で書いてもさっぱりわからないでしょうから、それをまとめた表は主催者の公式ホームページなどで確認いただくとして、つまり何が言いたいかというと、ばんえいば場合は、出走できるレースがしっかり決められて、選択の余地はほとんどないため、その馬の調子などで出走回避が出た場合、その分だけ頭数が減ることからBFGになりにくいという状況があるということです。もう少し馬に選択肢があればいいのですが、全体の頭数が少ないので難しいのかもしれません。

2019年12月2日月曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2019】回顧・第10回ドリームエイジカップ(12/1)

ばんえい重賞レース回顧
第10回ドリームエイジカップ(BG3)-2019年12月1日-10R 200m直 曇 1.5%
  1着△(9)アアモンドグンシン(長澤幸) 1分52秒3
  2着 (10)センゴクエース
  3着注(1)オレノココロ
   単勝 9 1,020円(5番人気) 馬複 9-10 8,420円 三連単 9-10-1 137,320円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえいの4歳~8歳以上の世代別重賞、第10回ドリームエイジカップは、4番人気のアアモンドグンシンが障害を先頭で抜け出し他を引き離して快勝。4歳馬として初めてこのレースを制した。この馬自身は昨年のばんえいダービー以来重賞3勝目、長澤幸太騎手は、このレースは2012年のテンマデトドケ以来2勝目、通算では一昨年のばんえいダービーをメジロゴーリキで制して以来4勝目。小林長吉調教師も昨年のばんえいダービー以来の重賞勝ちで通算9勝目。

レース振り返り
  帯広周辺はここ一週間はわずかな降水があったものの天気は概ね晴れ、しかし気温が低くコースにやや水分が残っている状況。馬場状態はやや重めといったところであった。
  レースは、メジロゴーリキとミノルシャープの5歳勢がスタートから勢いよく飛び出し、第1障害を越えてこの2頭が先行。これに4歳馬アアモンドグンシン、キタノユウジロウがついて行き、コウシュハウンカイとコウリキあたりその後に付けた。各馬小刻みに息を入れつつ、1,2障害の中間あたりではメジロゴーリキが前に出て、ミノルシャープが続くところをその外のアアモンドグンシンが積極的に前に出て行った。アアモンドグンシンはそのまま勢いをつけて進み、するすると抜け出して先頭に立った。そして第2障害手前に先着。2番手以下メジロゴーリキ、ミノルシャープがほどなく追いつき、他の各馬も続いた。ここまで57秒と馬場にしては少し速いペース。
  各馬十分息を入れたあと、ミノルシャープとアアモンドグンシンが同時に障害を仕掛け、ミノルシャープは中間で一旦止まった。一方アアモンドグンシンはしっかり歩を進めひと腰で障害をクリア、先頭に立った。他の馬も障害に挑戦するがそれぞれ天板あたりでストップ、オレノココロあたりは一旦膝を折っていた。しばらくして2腰目で力を入れたミノルシャープが2番手で障害を降り、そして十分溜めたキタノユウジロウが3番手、天板で一旦止まったメジロゴーリキが続いた。1番人気コウシュハウンカイは前半でやや遅れた上に障害でも止まり、立て直したオレノココロとともに5,6番手からの競馬となった。
  そうしている間に、先頭を行くアアモンドグンシンはスピードに乗って他を5,6馬身と大きく離して一人旅状態。ミノルシャープが2番手で追うが差は縮まらず、そのままの状態でゴールへ。最後は20mほど離してゴール線を駆け抜ける圧勝であった。2番手争いは、前を追っていたミノルシャープが残り20mあたりで立ち止まり、追っていたキタノユウジロウ、メジロゴーリキが近づくところ、後方7番手あたりで障害を越えていたセンゴクエースが、大外から一気に追い込み、逆転して2着に入った。ミノルシャープはその後立て直したが、その後最内から追い込んできたオレノココロにゴール直前でかわされ、オレノココロが3着、当欄で本命にしていたミノルシャープは4着だった。1番人気のコウシュハウンカイは遅れを取り戻せず7着。2番人気のメジロゴーリキも追いつけず6着に終わった。

次走へのメモ
アアモンドグンシン(1着):軽ハンデを生かして前半から積極的に前に行くレース、十分溜めることができ、課題のあった障害も楽に越えることができた。降りればこの馬のもの。あとはスピードで押しきった。前に行くことが命題であるような5歳勢に比べプレッシャーもなく余裕を持った走りができたことが大きい。挑戦者の強みといったところか。この馬の次の目標は正月の天馬賞となるが、今度はマークされる立場。今回ハンデの重かったキタノユウジロウや今回回避したミスタカシマらライバルは強力で本当の正念場になりそう。
センゴクエース(2着):まともに行ければ、これくらいの成績は当たり前に上げられる馬。今回は勝ちにこだわらず、とにかく障害をしっかり上げることに徹し、それが上手くいった形になった。大外で他馬に紛れることがなかったのも好都合だったか。苦手な障害も焦らなければ対応できるだろう。そのきっかけを作ったレースであった。次の狙いは高重量の帯広記念。いよいよこの馬の出番だ。今回同様じっくり攻めたい。
オレノココロ(3着):馬体重は1200kgを越え体調は戻っていた。障害で膝を折りかけたのがやはり気になるところだが、すぐに立て直しており、一応今後に目処の付いたレースにはなった。直線でしっかり歩ききり、最後で3着に潜り込んでくるあたりはさすがと思わせた。今後斤量が重くなると本来の力を最大に発揮することになるだろう。帯広記念では中心的存在となるか。
ミノルシャープ(4着):本来は前に行きたかったが、隣のアアモンドグンシンに先に行かれやや焦ったか。直線で甘くなることは想定内でそれ以上に粘りは見せていたものの、前半にややエネルギーを使った分だけ最後お釣りがなくなった形になった。全体としてはこの馬らしいレース運びで力を付けているところは見せたといえる。この後は帯広記念に行くのか、金杯の方に回るか。
キタノユウジロウ(5着):4歳馬で初めての770kg、上位馬ともハンデ差のない過酷な条件であったが、積極的に前につけ障害をひと腰でさばくなど、この馬の最大の力を発揮したといえる。馬体も充実してきており見えるほどに力をつけてきたイメージである。次の狙いはもちろん天馬賞。アアモンドグンシンから逆転を狙う。
  その他では、メジロゴーリキ(6着)は、やはり第2障害手前で先手を取れず後手にまわってしまったことが敗因か。相手次第では流れも変わるだろう。帯広記念ではさらにチャレンジしてほしい。コウシュハウンカイ(7着)も前半から前につけようとしたが、動きが重く障害でも立ち後れた。トップハンデが応えたか。全体的に動きが良くなく調子も下降気味に見えるのが気がかり。他の馬はここでは力の差がありすぎた。それぞれに適鞍があるはずで巻き返しに期待。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 ワイド 1-9 1枚 のみ
  これは馬券の買い方というより予想が甘かったとしか言いようがない。グンシンも気になっていたので△までは打っていたが、4歳馬不利というデータに頼ってしまって、その勢いとスピードを見限ってしまったというところか。さらにはセンゴクエース。当欄では比較的ひいき目に見て何らかは勝っている馬なのだが、今回はワイドすら買っていないという状況でこれも裏切ったことで逆に痛い目に遭わされた結果だ。信じることは重要。
  今回収支 -5,110
   (通常分) -4,300  (配当)0 (投入)4,300
   (単複・ワイド) -810  (配当)590 (投入)1,600
  今年度累計 -16,740(12/1・ドリームエイジカップ終了時点)
   (通常分) -8,420 (配当 52,380 - 投入 60,800)
   (単複・ワイド) -8,320 (配当 12,680 - 投入 21,000)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  重賞は2週連続、次回12月8日は、3歳牝馬の最高峰、ばんえいオークス(BG1)です。予想はいつもどおり前日までには書く予定です。