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 こんにちは!Hamu's Sidewalk Cafeのマスター・はむ!です。
 この第2ブログでは、ばんえい競馬を中心に地方競馬などスポーツ一般中心について語ります。

2020年2月29日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2020】重賞予想・第41回チャンピオンカップ(3/1)

  新型コロナウイルスの影響で、ばんえいを含む地方競馬は当面無観客で行われることとなりました。ばんえいも折角今週から年度末に向け4週連続重賞と最後の追い込み、大一番のばんえい記念まで4週連続の重賞で盛り上がるはずのところで、寂しい限りですが、ネットで馬券は買えますので頑張っていきましょう。年度末重賞シリーズの第1弾は今季の重賞優勝馬によるチャンピオンカップです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第41回チャンピオンカップ(BG2)
(2020年3月1日(日)18:05発走 帯広10R ダ200m 4歳以上選抜別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
シンザンボーイ 牡9 810 阿部武 坂本東 栗毛 追
北見記念
  コウシュハレガシー 牡5 810 藤野俊 平田義 栗毛 先
天馬賞
コウシュハウンカイ 牡10 850 藤本匠 松井浩 栗毛 先
グランプリなど
アアモンドグンシン セン5 810 長澤幸 小林長 鹿毛 逃
ドリームエイジC
センゴクエース 牡8 810 菊池一 槻舘重 鹿毛 先
北斗賞
  キタノユウジロウ 牡5 810 松田道 村上慎 栗毛 差
銀河賞など
オレノココロ 牡10 820 鈴木恵 槻舘重 青毛 差
オッズパーク杯など
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「チャンピオンカップ」の概要と傾向
  ばんえいの重賞には古馬重賞のほか3歳、4歳などの世代別重賞や牝馬重賞があるが、チャンピオンカップはそれらのレースについてその年度における優勝馬が一堂に会するいわゆる決勝戦的位置づけの重賞である。
  世代によって力の差があるため大きめのハンデがあること、また、この時期にしては負担重量が軽めであることが特色。したがって力量的にやや不足の馬でも活躍できるチャンスがある。
  過去10年で1番人気は(4,2,0,4)で微妙、2,3番人気も比較的苦戦しており、中波乱といったところか。複数の重賞勝ち馬が多い年は頭数が揃わないことが多くその時は配当的に安く収まる。一方、過去にはカネサブラックやオレノココロなど、後にばんえい記念に勝つ馬がここでもそれぞれ3勝しているなど、年度末の大一番ばんえい記念に向けて、良いたたき台と考えている陣営も多いようだ。全体としては古馬有利だが、昨年はメジロゴーリキが優勝するなど5歳馬も軽ハンデで侮れない。騎手では松田道明騎手がこのレース4勝と現役では最も多く勝っている。

今回のみどころ
  古馬と若馬のチャンピオンが争うという興味深い条件であるが、特に若馬の場合、1頭が複数の重賞を制していることや、牝馬などでは明らかに力の差があること、ポプラ賞など別路線の狙いもあるため、回避馬が続出して頭数が揃わない場合が多い。一方、常に上位の常連にいながら今年の重賞勝ちに手が届かず出走権が得られない馬もいる。昨年のセンゴクエース、今年は昨年優勝のメジロゴーリキらが涙をのんでいる。そして今年は、ミノルシャープら強いはずの6歳馬が一頭もいないという不思議な現象がおき、また、牝馬勢と4歳馬が回避して結局7頭立てと頭数的にはやや寂しい。
  さて、古馬勢は年度末の大一番ばんえい記念に向けての調整としてとらえる向きもあるし、一方、やや軽めの荷物とハンデ差があることから、若馬を中心にこのレース自体を狙ってきている馬もいるだろう。どこから入るかが考えどころ。帯広記念に勝ったコウシュハウンカイ、立て直してきた実力馬オレノココロ、そしてばんえい記念連覇に向けてここで調整したいセンゴクエースの実績馬に対し、一発のあるアアモンドグンシンらが虎視眈々と狙ってきていると思われる。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 シンザンボーイ:9歳馬ながら昨年度まで重賞勝ちがなかったため、過去のこのレースには出走ができなかった。今シーズンは北見記念で障害力を生かして快勝、堂々出走権を得てきた。帯広記念では行き脚がつかず良いところが見られなかったが、その後は立て直してきている。斤量も丁度良く、再び鋭い切れ味を見せるチャンス。ただ最内枠はやや不利か。
 2 コウシュハレガシー:力はありながら無冠がつづいていたが、天馬賞では障害力で押しきり重賞初制覇。素質の片鱗を見せた。藤野騎手が手綱を握るようになってさらに力が出せるようになっている。今回は昨年優勝の全兄のメジロゴーリキが出走権が得られなかったためその敵討ちとなる。若馬らしく積極的にレースを引っ張って行ければ見せ場も作れそう。
 3 コウシュハウンカイ:今シーズンはグランプリ、帯広記念とBG1を2勝と強いところを見せている。但し、このレースは過去5回出走しているが、2着2回が最高で、ここ2年は5着とあまり得意としていない。時期的に大レースの狭間で調整段階といったところか。ハンデも大きい。ただ力は上位で、安定した走りと障害力でしっかり走って来れるだろう。
 4 アアモンドグンシン:昨年12月のドリームエイジカップで古馬勢に勝ち、5歳馬でこのレース初出走。同世代の中でもランクは一番上で実力上位のはずだが、なぜか4歳三冠は無冠に終わっている。一方、古馬戦線にも積極的に参戦し好走している。障害が得意ではないほか序盤の走りにやや無駄があり、力を持て余している感がある。今回の条件は悪くないが。
 5 センゴクエース:チャンピオンカップは一昨年に出走し2着、昨年はこのレースまでに重賞勝ちがなく出走がかなわなかった。結果的にその後ばんえい記念で勝利することになるが、このレースとの関連性は定かでない。この馬のすべては障害の可否いかん。ようやく調子を上げてきているので、ここはしっかり障害を上げて最終目標に臨みたいところ。
 6 キタノユウジロウ:5歳馬でこのレースは初出走。今シーズンは夏に2つの重賞を連勝し、善戦止まりにピリオドを打っている。まだ古馬戦線に本格参戦はしていないが、ドリームエイジカップに出走、5着だったが積極的に攻めて良い経験ができた。一方、天馬賞では流れをつかめずに敗れた。やはり好位につけ自分のペースに持ち込みたいところ。
 7 オレノココロ:このレースは過去5回出走し3勝している。敗れた2戦もハンデ差によるもので差はほとんどない。この馬は目標はあくまで翌月のばんえい記念だが、それに向け、斤量も手頃で、調子を整えるための良いたたき台となっているようだ。課題の障害もこのレースで立て直しを図る。イキの良い若馬勢のペースにしっかりついていきたい。

【はむ!の見解まとめ】
  とにかく3週間後にばんえい記念という大レースがあり、そこに向けて調整を進める陣営と、そこには向かわず、適度な重量で力試しと考える陣営とで思惑の違いがあると思われ、そこを読むのが難しいところ。レースを引っ張る6歳馬の有力どころがいないのも影響がありそうだ。
  そんな中展開を予想すると、明らかな逃げ馬がいないものの、障害をじっくり攻めたい馬が前半から飛ばしていくことが考えられる。その中ではまずアアモンドグンシンが飛び出して行きそう。コウシュハウンカイも前に付けるだろう。センゴクエースやオレノココロも障害のことを考えて前に行くか。障害力はコウシュハウンカイが抜けているが、トップハンデも考えて先頭で降りて大きくリードを保つことが重要。後の馬はいずれも障害がカギ。各馬がもたつくようだとシンザンボーイあたりが追いついて抜け出してくるか。
  予想だが、ここは◎(4)アアモンドグンシンが勝てる条件が揃っている。スピード、素軽さ、直線での伸びなどどれをとっても秀逸。重量も北見記念で840kgまで経験しており問題はない。流れに乗れないと後手を踏むこともしばしばあるが、今回は他に速い馬も少ないので自分のペースで行けそう。本命視して良いだろう。
  相手には、ようやく調子の上がってきた○(5)センゴクエースを推す。まだ障害での不安は残るが、本番のばんえい記念に向けしっかり調整してきている様子。今回は斤量も手頃で、じっくり構えて行けそう。単穴にはすっかり重賞慣れしてきた▲(1)シンザンボーイ、今回は相手的に流れに乗れそうでチャンスが広がる。最内枠が若干気になるが力は出せそう。△(7)オレノココロも実力的にはまだまだ上位だが、近走は勝ち癖がついておらず、前走も大幅体重減など体調がやや不安。ばんえい記念も見据えて今回はどこまで仕上げてきているか。グランプリや帯広記念を勝ってきた注(3)コウシュハウンカイはやはり大きなハンデ差がネック。それでも実力は上位。前半で流れには乗れれば良いが。
  あとは5歳馬(6)キタノユウジロウ(2)コウシュハレガシーと、いずれも動きは良く、障害はこなせそうで、前半からうまく流れをつかめれば上位に食い込むことは可能だが、相対的にはやや力不足感がある。

はむ!の馬券狙いどころ:
  こんな時期だからこそ、改めてネットで馬券が買えるのは嬉しいことだ。さて、ばんえい記念に向けて最後の追い込み。ここはしっかりつないでいきたい。
  今回は、少頭数なので控えめに。グンシンの一発にかけてみたい。センゴクもそうだけど、どちらかというと勝つか負けるかというタイプなので全面信頼はできないけど、勝ったときにはスカッとした気分になりそう。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 4=5→1,7,3 合計6通り 各200円
      4→5,1,7,3→5,1,7,3 合計12通り 各100円
      5→4,1,7,3→4,1,7,3 合計12通り 各100円
  馬複  4=5,1,7 合計3通り 各300円
合計 4,500円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 4 700円
  ワイド 1=4,5,7,3 3=1,4,5 合計7点 各100円
  合計 1,400円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】招かざる客
  世間を騒がせている新型コロナウイルスの感染拡大。まさに招かざる客です。そして日に日に影響が大きくなり、学校の一斉休校が要請されたり、一方では、買い占めなど社会の混乱を招いており、出口の見えない状況となっています。メディアやネットでいろいろ議論が巻き起こり、何が正しいのか間違っているのかわからない状況です。我々は変な情報に惑わされず、インフルエンザや他の病気などと同様に、手洗いうがいなど一人一人ができる感染予防対策を取ることくらいでしょう。
  政府は26日に、感染防止対策として、今後2週間のスポーツ、文化イベントの中止、延期、規模縮小を要請しました。これを受けて、ばんえいを含む地方競馬は無観客としてレースを開催することが決定。競馬場のほか直営場外発売所も閉場され、馬券はネットのみでの発売となりました。無観客というとえっ?と思うかもしれませんが、公営ギャンブルではこれまでもミッドナイト競輪で無観客で実施されており、ネットでの売上が8割を占めるようになった昨今では売上だけ見るとさほど影響はないでしょう。
  ばんえい帯広競馬は、2月29日から3月8日までが無観客レース、場外は3月13日までが閉鎖となり、その後については状況を見てというところです。ばんえいの場合、観光資源としての側面も大きいだけに、観客がいないのは寂しい限りですがこういうご時世なのでやむを得ない判断でしょう。早く事態が収拾することを祈るのみです。

2020年2月19日水曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2020】回顧・第45回黒ユリ賞(2/16)

ばんえい重賞レース回顧
第45回黒ユリ賞(BG2)-2020年2月16日-10R 200m直 雪 1.6%
  1着△(6)エンゼルフクヒメ(中山直) 1分30秒7
  2着 (5)アヴエクトワ
  3着◎(3)アバシリルビー
   単勝 6 540円(2番人気) 馬複 5-6 5,620円 三連単 6-5-3 19,740円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい明け3歳牝馬の重賞、第45回黒ユリ賞は、2番人気のエンゼルフクヒメが第2障害4番手から最後の直線で差し切って勝利し重賞初制覇。中山直樹騎手は49歳、デビュー23年目にして初めての重賞勝利となった。小林長吉調教師は昨年12月のドリームエイジカップ以来重賞10勝目。

レース振り返り
  この日はレース前半はやや乾燥気味の馬場であったが、午後の5Rごろから雪が降り出し、黒ユリ賞までには走路が白くなり始め、超高速までには至らないもののスピードの出る軽めの馬場になっていた。
  レースは、ゲートが開いてから各馬ダッシュで進み、第1障害をほぼ横一線で越えた。そこからはやはりアバシリルビーとアヴエクトワといった先行馬が一歩前に出てそのままキャンター気味に進む。これにアーティウィング、コウシュハハイジーあたりが続き、後続の馬もキラリとミスリオンあたりが遅れ気味だった他は、ほとんどが離れずについて行く、そして各馬刻みを入れないまま、相次いで第2障害手前に到着。ここまで36秒とかなりのハイペース。
  各馬一息入れた後、障害を先に仕掛けたのはアヴエクトワ。すぐに隣のヒメトラマジックがこれに続く、更にアバシリルビー、アーティウィングもほどなく続く。この中でアーティウィングが膝を折りかけたほかは、ほぼスムーズに障害を越えた。直線に入り、最初に降りたアヴエクトワを、アバシリルビーがすぐにかわし先頭へ、ヒメトラマジックが続く。そして一歩遅れて障害を仕掛けたエンゼルフクヒメは障害を上手くまとめたが少し離れた4番手で障害を降りた。
  先頭を行くアバシリルビーは更に勢いをつけて他馬を離しにかかる。ヒメトラマジック、アヴエクトワがこれに続き、エンゼルフクヒメがじわじわと前に迫る。アバシリルビーの方は残り20m付近では2~3馬身のリードを保ち逃げ切りを図るがここから徐々にスピードが緩む。後続はエンゼルフクヒメがヒメトラマジック、アヴエクトワに残り20mを切ったところで並びかけ、3頭がほぼ横一線で前を追う。そしてアバシリルビーが残り10mの手前で詰まって立ち止まったところを、3頭から脚色良く抜け出したエンゼルフクヒメがかわし、アヴエクトワとヒメトラマジックが続く、アバシリルビーも立て直し、4頭が並びサバイバル合戦の様相。その中からヒメトラマジックが脱落、アヴエクトワも緩み始め、エンゼルフクヒメとアバシリルビーの一騎打ちへ。そしてゴール前でアバシリルビーがもう一度止まり、結局止まることのなかったエンゼルフクヒメがそのまま最初にゴールに駆け込んだ。更に止まっているアバシリルビーをアヴエクトワが差し返し2着、1番人気のアバシリルビーが惜しくも3着、後方から追っていたニセコヒカルが最後再び止まったヒメトラマジックをかわし4着に入った。当欄で対抗に推したフォルテシモは前半で後れ6着に終わった。

次走へのメモ
エンゼルフクヒメ(1着):人馬一体となった見事な勝利であった。軽馬場となり後方から行くこの馬には厳しい流れと思われたが、前半から無理なく好位につけ、障害をスムーズにまとめたのが大きかった。最後の直線も止まることなく駆け抜け、切れ味だけでなくこの馬のスタミナが生きた形となった。馬の能力とそれを最大に引き出した中山騎手のファインプレーであったと思われる。この後はイレネー記念に挑戦するか。ヤングチャンピオンシップでも差のない5着に好走しており、流れに乗れば十分戦えそう。
アヴエクトワ(2着):近走の成績から調子を崩していたように思われたが、馬体重も再び900kg台に戻し、かなり体調は回復していたようだ。そうなると元々持っていた力は上位。それを鈴木騎手が最大に生かして積極的に展開、直線でも粘って一瞬勝ちが見えるところまで運んだ。先行力と障害力があり、まだまだこれから成長の余地がある。今後の活躍に期待。イレネー記念にも出走可能だがこの馬は長い目で見た方が良いか。
アバシリルビー(3着):レース運びそのものは理想の形であった。ただ馬場が軽かったことで、逆に他の馬の追随を許してしまったというところか。前に行くためのエネルギーを前半で使ってしまい、心配された直線での緩みにつながった形となった。ただ絶対的なスピードは持っており巻き返しに期待。イレネー記念も出走可能圏内で、牡馬勢に迫った実績からも出走すれば面白い存在になる。
ニセコヒカル(4着):やはりこの馬には馬場が軽すぎた。最後の直線では止まることなく走って最後は4着まで押し上げただけに、前半でついて行けなかったことが悔やまれる。ペースが落ち着けばチャンスも生まれてくるだろう。次は年度末の世代牝馬戦の福寿草特別あたりが狙いか。
ヒメトラマジック(5着):馬場も見ながら前半からなんとか食らいついていったが、やはりこの馬にはオーバーペースだったか。最後はお釣りがなくなった。しかし先行力と障害力があるところは見せた。こちらも今後は世代の牝馬戦あたりで活躍のチャンスはありそう。
  その他では、フォルテシモ(6着)は前に行く素振りも見せたが、やはり全体が速すぎたか。端枠と隣の馬の転倒も影響したように見える。5着とはわずかの差。立て直し可能。アーティウィング(7着)は障害での膝折が惜しまれるが、前半も流れについて行くのがやっとであった。ミスリオン(10着)は全くついていけず、障害でも転倒。まだ力不足か。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 応援馬券(単+複) 6 各2枚
  まず、エンゼルフクヒメと中山直樹騎手、悲願の重賞制覇おめでとうございます。ヒーローインタビューでも苦節23年のいろんな思いが表れて感動的でした。馬券の方はほとんど外れたけど、応援馬券が入ってくれて良かった。しかし、当初はエンゼルフクヒメを本命に考えていただけに、雪予報で惑わされた感じか。信じることが大事だと思う。さて、年度末の4連続重賞に向けて立て直し。
  今回収支 -4,800
   (通常分) -4,200  (配当)0 (投入)4,200
   (単複・ワイド) -600  (配当)1,400 (投入)2,000
  今年度累計 -30,680(2/16・黒ユリ賞終了時点)
   (通常分) -21,390 (配当 69,410 - 投入 90,800)
   (単複・ワイド) -9,290 (配当 22,710 - 投入 32,000)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次の重賞は2週あいて3月1日、今年度の重賞勝ち馬による一戦、チャンピオンカップです。そしてその後は年度最後のばんえい記念まで4週連続で重賞があります。いつものように予想は前日までにアップしたいと思います。

2020年2月15日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2020】重賞予想・第45回黒ユリ賞(2/16)

  今週のばんえい重賞は、明け3歳牝馬のチャンピオン決定戦、黒ユリ賞です。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第45回黒ユリ賞(BG2)
(2020年2月16日(日)18:00発走 帯広10R ダ200m 3歳牝馬オープン定量)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  キラリ 牝3 640 村上章 谷あゆ 鹿毛 差
父インフィニティー
  ニセコヒカル 牝3 640 赤塚健 平田義 栗毛 追
父ホッカイヒカル
アバシリルビー 牝3 640 藤野俊 金田勇 鹿毛 差
父カネサブラック
  ヒメトラマジック 牝3 640 藤本匠 松井浩 鹿毛 先
父ナリタボブサップ
  アヴエクトワ 牝3 640 鈴木恵 久田守 鹿毛 逃
父コトノカツマ
エンゼルフクヒメ 牝3 640 中山直 小林長 栗毛 追
父コマローレンス
  コウシュハハイジー 牝3 640 渡来心 大友人 栗毛 追
父マルニセンプー
アーティウィング 牝3 640 西謙一 坂本東 鹿毛 先
父シベチャタイガー
ミスリオン 牝3 640 松田道 坂本東 鹿毛 追
父アサノカイリキ
10 フォルテシモ 牝3 640 阿部武 坂本東 栗毛 先
父シベチャタイガー
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「黒ユリ賞」の概要と傾向
  ばんえいの明け3歳牝馬による一戦。1975年創設以降、4場開催時代から一貫して帯広で行われている伝統ある重賞。この世代にとって初めての牝馬重賞で、JRAで言えば桜花賞と阪神ジュベナイルフィリーズを足して2で割ったくらいの位置づけ。過去の勝ち馬にはハイトップレディ、サダエリコ、フクイズミ、最近ではナナノチカラ、キサラキク、現役のミスタカシマなど名牝といわれる馬の名前がずらりと並ぶ。
  傾向としては、2011年以降定量戦で行われており、実力どおりに決まりそうなものだが、過去10年では1番人気は(4,1,2,3)とやや微妙。6番人気以下の馬でも3勝しており、波乱含み。対戦が少なく、勝負付けがまだ済んでいないということも理由としてあるだろう。重賞や特別戦の経験があってもそれが有利というわけではない。その時点で好調な馬にチャンスが多い。パドックの様子などに注目。騎手では鈴木恵介騎手が現役4勝でトップ。

今回のみどころ
  今年の明け3歳牝馬世代はなかなかの粒ぞろい。当初は牡馬とも互角に争っていた。重賞ではさすがに牡馬勢の力に押されたものの存在感は見せている。今回のメンバーの中では、牝馬特別のいちい賞勝ちなど既に6勝し、ヤングチャンピオンシップで5着に入ったエンゼルフクヒメが実績筆頭、牝馬特別でいずれも2着だったアヴエクトワ、そして特別戦いずれも3着ながら、目下無敗の牡馬キョウエイリュウにわずかの差まで迫ったアバシリルビーといったところが注目される。ただ全体としては力の差はそれほどなく、まだ成長途上の馬もおり、どの馬にも十分チャンスはある。なお、帯広地方は雪予報が出ており馬場状態によっては大きく展開も変わってくることが考えられるため注目。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 キラリ:3歳牝馬ランク10位。重賞は初出走。特別戦も十勝産駒特別に登録があったが取り消している。後方に構えて、直線で勝負するタイプだが、一瞬の切れ味というより尻上がりに伸びてくる。障害は上手な方。速いペースだとついて行けないことも。父インフィニティー、母の父ニシキダイジンという血統からも晩成型か。
 2 ニセコヒカル:3歳牝馬ランク5位。前走A-4クラスを差し切り勝ちで最後の切符を得てきた。ナナカマド賞では牝馬最先着の6着。その他白菊賞6着、いちい賞4着の実績がある。父ホッカイヒカル、母エメラルドとも重賞勝ち馬、序盤後方からじわじわ先団に取り付く差しタイプ。障害もこなす。最後どこまで粘れるか。
 3 アバシリルビー:4勝し、3歳牝馬ランクは2位。白菊賞、いちい賞ではいずれも1番人気に推されたが3着、北見産駒特別でも一旦は先頭に立つ場面もあったが惜しくも3着だった。出足のスピードがある上、切れ味も鋭く、キョウエイリュウを追い詰めたレースは圧巻だった。ただゴール直前でのスタミナ切れがこの馬の課題。
 4 ヒメトラマジック:3歳牝馬ランクは4位。これまで4勝でうちAクラスで2勝。特別戦は白菊賞4着、いちい賞5着と上位と差のないレースを展開している。半兄にメジロゴーリキやコウシュハレガシーらがおり素質は十分。好位につけ抜け出すタイプだが速いペースだとついて行けていない。障害も大崩れはないが不安はある。
 5 アヴエクトワ:3歳牝馬ランクは6位。これまで3勝、重賞ナナカマド賞に出走し7着、特別戦は白菊賞、いちい賞はいずれも2着、釧路産駒特別で4着に入っている。特別戦でも見せたように、行けるだけ行って逃げ粘るタイプ。障害力もあるので後続が苦しむとそのまま抜け出すことも。馬体重が増えていないのは気がかり。
 6 エンゼルフクヒメ:先にも述べたようにいちい賞を含む6勝を挙げており3歳牝馬ランク目下1位。最上位のA-1クラスでも混戦を抜け出し勝利している。小気味よい切れ味で後方からでも追いつけるだけの脚を持つ。障害は上手ではないが大崩れはしていない。主戦の中山直樹騎手にとっても悲願の初重賞制覇のチャンス。
 7 コウシュハハイジー:3歳牝馬ランクは7位。これまで4勝している。特別戦はいちい賞8着、十勝産駒特別では離されての8着に終わっている。栗毛だが母は白毛のハクバビューティーでその毛色が混じっている。大勝と大敗を繰り返すなど成績はかなり不安定。前半の入りと障害がポイント。直線の伸び脚は鋭いものがある。
 8 アーティウィング:3歳牝馬ランクは3位。前々走Aクラスでの初めての勝利を含め4勝。特別戦はいちい賞で6着、釧路産駒特別で5着ながら離されずについていっての結果。この冬になって一気に馬体重も増え力を付けてきたイメージ。中団に位置づけ、直線は切れ味というよりじわじわ伸びていくタイプ、障害もこなす。
 9 ミスリオン:3歳牝馬ランク9位。前走B-1クラスで最後方から鋭い追い込みで逆転勝利し出走権を得てきた。後方から直線の伸び脚で勝負するタイプだが速いペースだと追いつききれない。障害の大崩れもあるが近走は越えてきている。父アサノカイリキは現役時代の実績はないが産駒にハクタイホウなどがおりここで素質開花も。
 10 フォルテシモ:3歳牝馬ランクは8位。これまで3勝で特別戦は白菊賞、いちい賞ともに7着。釧路産駒特別で3着に粘っている。どちらかというと先行して押して行くタイプ、障害も上手く直線での粘りもあり、Aクラスでも上位争いを演じている。デビュー時は華奢だった馬体重も大きく増え、成長力が顕著に現れている。

【はむ!の見解まとめ】
  とにかくこれを書いている時点で当地の雪の予報がどの程度かわからず、それによって大きく予想が変わるため、非常に難しい状況である。普通の馬場なら重賞実績でエンゼルフクヒメ、勢いでアバシリルビー、この2頭の一騎打ちの様相と考えられたが、雪で高速馬場にでもなると、追い込みにかけるエンゼルフクヒメは苦しい。アバシリルビーも勢い余って上滑りの可能性がある。そうなると他の馬にチャンスが巡ってくることが考えられる。
  展開予想をしようにも、明け3歳牝馬でまだ脚質が固まっていない馬も多く非常に難しい。一応、小雪でやや軽めということで予想をしてみる、前半ハナを切って行くのはアヴエクトワか。調子が良ければ他を引き離して逃げたいところだが、近走までやや体調が落ち気味に見えているのが心配。アバシリルビーも前の方に行くか場合によってはこちらの方が先頭に行く可能性もある。他ではフォルテシモも先行して力を出せるし、時計が落ち着けばヒメトラマジックあたりも先頭集団について行くか。エンゼルフクヒメは中団からやや後ろか。しかしなんとか離されずには行きたい。障害は軽馬場ならひと腰で、そうでなければ各馬2,3腰かかると思われる。前半のペース次第では直線で詰まる馬も出ると思われ、順位争いで生き残り合戦にもつれ込む可能性も、
  そして予想だが、当初はエンゼルフクヒメが鞍上の中山騎手に念願の初重賞プレゼントすることを期待して本命に考えたが、やはり馬場状況が苦しい。一方、アバシリルビーもオーバーペースになると直前での失速が心配。第3の馬も視野に置く必要がありそう。一応、軸ということで◎(3)アバシリルビーを本命とした。やはりメンバーの中ではスピード上位。スムーズに行ければ強いが、流れによって接戦に持ち込まれれば思わぬ落とし穴も。しかしここは重賞の勝ち方を知るベテラン藤野騎手の手綱にかけてみたい。
  相手だが、目下調教師リーディングの坂本東一厩舎の3頭が外枠に並びいずれも軽馬場で跳ねそうな馬が揃った。その中ではここにきて急成長してきた○(10)フォルテシモが面白い。先行力があり、最後までしっかり粘れる。激しい騎手リーディング争いのさなかにいる阿部武臣騎手がこの馬を上位に導けるか。さらに同厩舎で父親も同じシベチャタイガー産駒の▲(8)アーティウィングも先行して直線での伸びが期待できる。そして△(6)エンゼルフクヒメは入着とした。流れとしてはかなり厳しくなりそうだが、それでも強い相手と戦ってきた経験もあり、今回は障害も越えられそうで好走は期待できそう。
  その他では、穴狙いとして、もう一頭坂本厩舎から出走してくる注(9)ミスリオンが軽馬場になって障害を越えてくれば切れ味があり面白い存在になりそう。重馬場のままなら(2)ニセコヒカルの切れ味や、(4)ヒメトラマジックの粘りの走りの方が浮上してくるが、どちらを取るかは難しいところ。また(5)アヴエクトワも特別戦2着2回の実績馬で今回鈴木恵介騎手が乗ってくるが、近走の体調が良く見えず、逃げ切りは難しいとみて無印とした。

はむ!の馬券狙いどころ:
  次回からは4週連続の重賞シリーズに入るし、ここはなんとか資金を維持して臨みたいところ。しかしここでこの難解なレース。しかも天気予報も読めず。とにかく少しでも返ってくれれば良いというところで、無難なアバシリルビーを中心にいきたい。応援したいのはエンゼルフクヒメの方だが今回は難しいのか。そこは応援馬券で対応。穴狙いはワイドの方でカバーしたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 3=10,8→10,8,6,9 合計12通り 各100円
      3→10,8,6→10,8,6,9,2 合計12通り 各100円
  枠複 3=7,8 7=8 各500円 8=8 300円 合計 4,200円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 3 700円
  応援馬券(単+複)6 各200円
  ワイド 2=3,10,8,9,4 4=3,10,8,9 合計9点 各100円
  合計 2,000円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】2020世界へのアピール
  前回記事でホクショウマサルの30連勝について取り上げましたが、この時は全国のニュースに取り上げられ、ばんえい競馬の存在を少しでも知ってもらえるきっかけになったのでは思います。その前、昨年末にもう一つ話題になったことがあります。今年開催される2020東京オリンピックの聖火リレーは各都道府県の名所・旧跡などを回るわけですが、その中で北海道のルートに帯広競馬場、それもばんえい競馬のソリに乗せて走ることが発表されました。
  これは素晴らしいことで、ばんえい競馬を日本のみならず世界に知らしめる大きな機会となることでしょう。筆者も当欄でも述べたことがありますが、何かばんえいがオリパラの際にアピールできないものかと願っていたところでした。ルート選定にあたっては、各都道府県(北海道なら道庁)が、各市町村(北海道なら振興局など含む)からの意見などを踏まえて案を作成、有識者などの意見を経て、組織委員会提出し決定されたものです。そのプロセスの中でばんえい競馬をルートに組み込むアイデアが出され、採用されたものと思います。これは「ばんえい競馬」が世界にアピールできる日本文化の一つであることが認識されていたという証で、関係者の方々の、それも普段からの地道な努力があってこそ。そしてファンが後押ししたとも言えると思います。
  聖火リレーは1人あたり200mを走ることが原則となっています。それこそ、ばんえいのコースと同じ距離です。当日は、恐らく、市内を走ってきた聖火が競馬場に到着、そして発送ゲートからゴールまで聖火が走ることと思われます。さて、その栄えある聖火を持つのはもちろん騎手になると思いますが、誰が持つことになるのでしょう。そしてそれを引っ張る馬は?帯広に聖火がやってくる6月14日を楽しみにしましょう。

2020年2月12日水曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2020】回顧・第30回ヒロインズカップ(2/9)

ばんえい重賞レース回顧
第30回ヒロインズカップ(BG1)-2020年2月9日-10R 200m直 晴 1.8%
  1着◎(4)アフロディーテ(西謙一) 2分13秒3
  2着 (3)タナボタチャン
  3着△(8)フェアリースズ
   単勝 4 280円(2番人気) 馬複 3-4 1,800円 三連単 4-3-8 10,430円
 ※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
  (◎○等は、はむ!の当初予想印)

  ばんえい牝馬の女王決定戦、第30回ヒロインズカップは、2番人気の5歳馬アフロディーテが障害を先頭で抜け出し、他の追随を許さず快勝、重賞は4度目の挑戦で初制覇となった。西謙一騎手はヒロインズカップは初制覇、重賞は昨年のポプラ賞以来9勝目。西弘美調教師もこのレース初制覇で重賞は10年ぶりの勝利となった。

レース振り返り
  帯広方面は前の週にややまとまった雪が降ったあと、寒波の影響でかなり気温が低い状況。ただロードヒーティングが効いて走路も整備されており、やや力の要る馬場であった。
  レースは、重量を意識しながらのゆったりしたペース。第1障害を越えてアフロディーテと外のシンエイボブがやや前に出るが早めに刻みを入れ始める。1、2障害中間あたりからは先行馬のヤマノホシがじわじわ前に出て、これに隣の枠のタナボタチャンがついて行く。ミスタカシマら有力どころはやや後ろから。第2障害手前に向けては、各馬出入りを繰り返しながら、ヤマノホシ、アフロディーテ、タナボタチャンの3頭がやや前に出て先頭集団を形成、そのまま第2障害に到着した。ここまで70秒。後続からはイズミクィーン、フェアリースズあたりが追いついた。他もそれほど大きく離れていなかった。
  障害を先に仕掛けたのはヤマノホシ。かなり苦労しながらも力を入れ一歩一歩坂の頂上へ進んだ。これをじっくり見るようにしてアフロディーテが障害に挑戦し、こちらは大きい歩幅でしっかり坂の頂上へ。ヤマノホシの方がわずかに先に障害を降り始めたが、すぐにアフロディーテがこれをかわし、勢いよく障害を越えていった。その後はタナボタチャン、ナカゼンガキタ、シンエイボブがそれぞれひと腰でまとめ、フェアリースズ、ナカゼンレディーと続々と障害を降りる。1番人気ミスタカシマはさらにその後で障害を降りたが勢いはない。
  各馬が障害を降りたころには、アフロディーテが先頭で残り30m。後続は3,4馬身離れて、ヤマノホシが失速するところをシンエイボブが追い抜いて逆転し2番手、さらにナカゼンガキタが続くが、内からタナボタチャン、外からフェアリースズ、最内からナカゼンレディーがこれを追う展開で混戦模様。先頭は残り20mを切りアフロディーテが逃げるところ、シンエイボブが激しく追う。しかしシンエイボブの方がいっぱいになり失速。アフロディーテが突き放しにかかる。後ろからは混戦をタナボタチャンが抜け出し後続も追うが、逃げるアフロディーテはまだ余裕があった。そしてそのままゴールを駆け抜けた。続いてタナボタチャンが流れ込んで2着、3着争いは半馬身差でフェアリースズが内から切れ込んだナカゼンレディーをわずかに押さえ3着だった。1番人気ミスタカシマは結局最後まで伸びきれず7着に終わった。

次走へのメモ
アフロディーテ(1着):前半から積極的に前に行き、障害をしっかり越えて快勝。最後も緩むことなく走りきった。特にライバルのミスタカシマにはハンデ差も生かし序盤から差をつけ、まさに勝ちに行っての勝利。2着続きにピリオドを打った。これでオープン入り。相手は強くなり当初は戸惑うだろうが、父のニシキダイジンは大レースに強く晩成型、この馬もまだこれから力をつけて好勝負できそうだ。次はどこを狙うか。重賞ならチャンピオンカップなどの出走権を得たので、勢いでチャレンジしてみても面白いが。
タナボタチャン(2着):どちらかというと後方から行って切れ味で勝負するタイプだが、今回は序盤から積極的に行っていた。それがやや苦手な障害も勢いでクリアし、末脚の伸びにつながった。混戦を抜け出したのもこの馬らしいレース運びであった。調子も良かったのだろう。元々重賞2着の実力馬でその力を証明したレースであった。今シーズンで繁殖入りがささやかれており、このまま引退となるか、A1クラスの特別戦あたりをラストランに選ぶか注目される。
フェアリースズ(3着):好位置につけ、障害も問題なくクリアしじわじわ伸びての3着。鋭い切れ味がないため我慢のレースとなったが、しっかり3着に入ってきたことはこの馬の潜在的能力は発揮できたといえる。この馬もこれで一旦オープンに上がるが、自分の走りを続ければ勝てるチャンスは出てくるだろう。
ナカゼンレディー(4着):繰り上がりでの重賞初挑戦ながら、それなりに走れる自信を持っていたのだろう。障害をしっかりクリアし、スルスル抜け出し3着までわずかのところまで迫った。8番人気であり善戦といえるだろう。8歳になるのでこのあとの動向は不明だが、自己条件ならまだまだ十分戦えそう。
ナカゼンガキタ(5着):好位につけ、障害もしっかり越えるなど本来のレース展開は見せていたが、この馬らしいしっかり伸びてくる脚があまり見られなかった。マイナス26kgの馬体重が示すように、体調自体は万全でなかったか。790kgの荷物もこたえた。巻き返しに期待。
  その他では、シンエイボブ(6着)は近走の成績から人気を落としていたが、元々は重賞常連の実力馬。直線では一瞬先頭を伺うなど見せ場を作ったのはさすがといえよう。まだまだ戦える。そしてミスタカシマ(7着)。序盤から行き脚が良くなく、追走一杯。やはり800kgの荷物は厳しかったか。ただ勝ち馬には10秒差以内に収まっており、見限るのは早い。イズミクィーン(8着)は前に行く素振りもあったがやはりここは厳しかった。ヤマノホシ(9着)は序盤で逃げ切れなかった。メヂカラ(10着)も万全ではなかったか障害が上がれなかった。

はむ!の予想(馬券)結果
  的中 単勝 4 6枚 ワイド 3-4,3-8 各1枚
  アフロディーテはよく頑張ってくれた。良いレースだった。ミスタカシマはやはりハンデが厳しかったね。それにしてもタナボタチャンが魅せた。2着までくるとは思わなかった。馬券の方は単勝とタナボタチャンのワイドからがなんとか引っかかったけど思ったより安かった。3連単などはミスタカシマがいない分ハズレ、しかしこれも配当はそれほどでもない感じ。みんな馬券上手いよね。重賞は来週もあるし、その後はクライマックスも近いから頑張りたいところだけど、難解レースが続くよ。なんとか資金持たせたい。
  今回収支 -2,910
   (通常分) -4,100  (配当)0 (投入)4,100
   (単複・ワイド) +1,190  (配当)2,690 (投入)1,500
  今年度累計 -25,880(2/9・ヒロインズカップ終了時点)
   (通常分) -17,190 (配当 69,410 - 投入 86,600)
   (単複・ワイド) -8,690 (配当 21,310 - 投入 30,000)

今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
   ・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)

  次の重賞はすぐ。次の日曜日2月16日、今度は若い明け3歳牝馬の重賞、黒ユリ賞です。いつものように予想は前日までにアップしたいと思います。

2020年2月8日土曜日

【はむ!のばんえい競馬watch2020】重賞予想・第30回ヒロインズカップ(2/9)

  正月以来1か月ぶりのばんえい重賞は牝馬女王決定戦のBG1、ヒロインズカップです。

はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第30回ヒロインズカップ(BG1)
(2020年2月9日(日)18:00発走 帯広10R ダ200m 4歳以上牝馬オープン別定)
はむ
予想

  馬     名 性齢 負担
重量
騎手 調教師 備 考
  ナカゼンレディー 牝8 760 船山蔵 小北栄 鹿毛 差
  ヤマノホシ 牝8 780 中山直 長部幸 鹿毛 逃
タナボタチャン 牝10 770 阿部武 坂本東 栗毛 差
アフロディーテ 牝5 760 西謙一 西弘美 栗毛 先
ナカゼンガキタ 牝6 790 藤本匠 松井浩 鹿毛 逃
  メヂカラ 牝6 770 長澤幸 西邑春 鹿毛 追
  イズミクィーン 牝6 770 村上章 小北栄 芦毛 差
フェアリースズ 牝6 780 島津新 岩本利 栗毛 先
  シンエイボブ 牝6 780 渡来心 久田守 鹿毛 追
10 ミスタカシマ 牝5 800 鈴木恵 槻舘重 栗毛 先
 ※脚質ははむ!の主観。出走馬等の正確なデータは主催者のものを参照ください。

「ヒロインズカップ」の概要と傾向
  ばんえいの場合、牝馬は全体の頭数が少ないことや力の差があることから、牝馬重賞は絞られており、世代戦として2歳(明け3歳)の黒ユリ賞、3歳のばんえいオークス、4歳のクインカップ、そして世代共通の重賞としてこのヒロインズカップと4レースのみとなっている。その中で、ヒロインズカップは真の女王を決める一戦で、昨年からBG1に格付けされている。JRAでいえばエリザベス女王杯にあたるレースと考えて良い。
  レース傾向だが、過去10年で1番人気は(3,2,1,4)とやや微妙なところ。牝馬チャンピオン決定戦ではあるが、サダエリコ、アンローズと言ったトップと言われる馬が勝てていない。わずかなハンデ差も影響か。ただ、2番人気、3番人気がそれぞれ3勝しており、ランク下位の馬が逆転する可能性は低い。3歳時にばんえいオークスを勝った馬が5勝している一方、昨年のタイキン、3年前のアアモンドセブンのようにあまり実績のない馬が勢いに乗って勝つこともある。これらのことから、上位人気と上手く組み合わせて狙ってみたいところ。年齢ではかつて高齢馬が強い時期があったが、ここ7年優勝馬は5歳~7歳で分け合い、8歳馬は2着が過去10年5回、4歳馬は厳しいがそれ以外は年齢による有利不利はあまりないようだ。騎手では藤本匠騎手が4勝と現役トップ。藤野騎手はこのレース未勝利、鈴木騎手は9年前に1勝したのみ。

今回のみどころ
  なんといっても、5歳馬ミスタカシマが満を持しての初登場。ここまで世代牝馬重賞を総ナメ、牡馬・セン馬を含む重賞レースにも勝ち、重賞通算6勝、2016年ナナノチカラ以来の牝馬重賞完全制覇をめざす。ナナノチカラはこれを6歳で達成しており、ミスタカシマがもし5歳で達成できれば上回る記録となる。現在、獲得賞金でも2位のナカゼンガキタの2倍近く差を付けてリードしており、数字どおりの力を発揮できるか。そのナカゼンガキタをはじめ一つ上の世代もここは先輩格の意地を見せたいところだろう。重賞勝ち馬のメヂカラに上位常連のフェアリースズ、シンエイボブそして華麗な両親を親に持つイズミクィーンなど、女王をめぐる熱き戦いになりそう。

各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
 1 ナカゼンレディー:牝馬賞金ランク16位、8歳馬にして重賞はこれまで未経験。今回は引退馬や回避馬が出たため、繰り上げ出走で栄光の舞台に立つことになった。普段はB1~B2クラスで活躍しており、特別戦にも出てまずまずの成績を収めている。中団から抜け出すタイプで、障害の崩れはない。一つ上の全兄にオープンで活躍するカンシャノココロがおり、重賞での走りで一変があるか注目される。
 2 ヤマノホシ:牝馬賞金ランク7位、8歳馬。昨年に続いてのヒロインズカップ出走。昨年は中間まで先頭に立ち、逃げ粘って差のない4着に入っている。前哨戦のレディースカップ好走後ここに臨むという過程は昨年同様。抜群の先行力が持ち味で、とにかくハナを切ってどこまで粘れるかというところ。今回の相手なら逃げ切りも可能か。障害も大きい馬体を生かして力強く越えていける。馬場状態は問わない。
 3 タナボタチャン:牝馬賞金ランク11位、7歳馬。前開催最終レースの雪の馬場をノンストップで駆け抜け、昨年に続いてのヒロインズカップ出走権をもぎ取ってきた。これまで重賞は牝馬戦のみに出走、黒ユリ賞では2着に入っている。淡い栗毛の馬で人気がある。脚質は後方から行って直線の伸び脚で勝負するタイプ。障害は一時期は苦手としていた時期もあったが、最近はある程度こなしている。
 4 アフロディーテ:牝馬賞金ランク9位、5歳馬。重賞は世代牝馬戦のみ出走し、いずれもミスタカシマには敗れているものの2着を確保。この馬自身馬体も成長して力を付けてきておりその差は詰まってきている。先行力があり、障害も確実に上がれる。それでいて切れ味も持っている。いきなりの高重量は未知数だが、重馬場はこなしており、父はニシキダイジンというところからも対応できそう。
 5 ナカゼンガキタ:牝馬賞金ランク2位、6歳馬。昨年もこのレースに出走しわずかの差の3着と好走している。重賞勝ちは3歳時のオークスのみ。しかし各重賞にはしばしば顔を出し、ばんえい菊花賞では2着に入っている。近走の着順は大きいがAクラスの有力どころと戦っているためであり、大敗はしていない。先行力、障害力ともしっかりしており、松井厩舎の馬らしく安定した力を発揮し崩れも少ない。
 6 メヂカラ:牝馬賞金ランク13位、6歳馬。登録なしの馬が出たため出走権に滑り込んだ。重賞は世代牝馬戦を中心に活躍、4歳時にクインカップで大外一気の追い込みで勝利している。その他黒ユリ賞3着、オークス5着などの実績。近走は障害などで苦戦気味。スピードと鋭い切れ味が持ち味。障害は得意とは言えないが、流れに乗れればすんなり越えられる。前半で遅れを取ると伸びきれないことも。
 7 イズミクィーン:牝馬賞金ランク8位、6歳馬。重賞出走は4歳時のクインカップで8着。カネサブラックとフクイズミという現役時代大活躍した名馬を父母に持ち、デビュー前から注目されていたが、成長が緩やかであったことや障害が苦手であったことで出世が遅れていた。古馬になってからようやく本格化、障害を降りてからの切れ味は抜群で最後の粘りもある。いきなりの高重量でどこまでやれるか。
 8 フェアリースズ:牝馬賞金ランク3位、6歳馬。昨年に続く出走。初出走だった昨年はそれまでの実績からそこそこ人気したが、ついて行けず大きく敗れている。その後もスランプの時期があったが、今年度の夏頃は絶好調で連勝を重ねていた。障害力があり坂はしっかり上がれる。最後の直線も粘り強さがあるタイプ。切れ味があまりないので流れに乗れないと遅れることも。特に高重量だと厳しいか。
 9 シンエイボブ:牝馬賞金ランク5位、6歳馬でこのレース初出走。重賞勝ちこそないがオークス2着、柏林賞3着などの成績が目立つ。いずれも人気以上の走りで鋭い切れ味を見せ上位に食い込んでいる。ただ好不調の波が大きく、一旦不調に陥ると全く力を出せずに大敗することも多い。障害も苦手で、特に近走は動けていない。これが軽馬場になると一変することも。障害を越えられれば長い脚が使える。
 10 ミスタカシマ:牝馬賞金ランク1位、5歳馬。重賞6勝でオークスなど世代牝馬重賞3勝と、ナナカマド賞、ばんえい菊花賞、柏林賞といずれも牡馬・セン馬の強豪相手に勝利してきている。ただ他世代との勝負は昨年5月のカーネーションカップで勝っているもののまだ未知数な面もある。好位につけ障害力と切れ味で勝負するタイプで安定感も抜群。ただ時々出足が悪さを見せ、焦って障害で崩れることも。

【はむ!の見解まとめ】
  メンバーを並べると、やはり明け5歳ながらミスタカシマの成績が目立つ。ただ若い牝馬には過酷な高重量戦。ここは古馬勢も一矢報いたいところ。前哨戦のレディースカップのサカノチサトのように大駆けする馬もありえるか。
  展開予想だが、まずペースは馬場状態にもよるが平均くらいか。ハナに行きたいのはヤマノホシ。そしてアフロディーテも少なくともミスタカシマより前に位置取りしたいところだろう。この2頭が先行か。ミスタカシマは出足は良いほうではないので中間くらいで先頭グループに近づく形か、ペース次第で入れ替わりも。あとはナカゼンガキタ、フェアリースズあたりが中団からやや前といったところか。障害がカギになりそうだが、ミスタカシマはどの位置で降りられるか。その他追い込みにかける馬も好位置につけ障害を我慢して越えてくればチャンスも。
  当欄の見解だが、やはりミスタカシマ・・といきたいところだが、どうしても800kgの斤量とハンデ差が気になる。そこでミスタカシマに40kgのハンデをもらった同じ5歳馬の◎(4)アフロディーテの方を本命に取った。近走力をつけてきて馬体も充実。ミスタカシマとの差は確実に縮まってきている。他馬と比しても760kgで走れるのは魅力だ。障害も上手な方で軸にできる。うまく先行して逃げきりたい。
  そして、○(10)ミスタカシマ。それでも力は上位だろう。ハンデ差は気になるが重量面でも昨年のポプラ賞で770kgまでなら経験しており不安は少ない。大外枠も柏林賞で勝っており問題ない。ペースを攪乱してくるような馬が出てくれば、焦って障害でミスが出る心配はあるが、まずは問題ないだろう。
  古馬勢からは、昨年同レース3着の実績がありオープン格の▲(5)ナカゼンガキタ、女王の座を年下の馬には持って行かれたくないところ。持ち前の障害力で先に抜け出せれば。同じく障害力があって安定した力の出せる△(8)フェアリースズも力はは引けを取らない。ただ切れ味の違いでナカゼンの方を単穴、フェアリーの方を入着とした。穴っぽいところではその素質が注目されてきた注(7)イズミクィーン。障害は苦手だが、高重量でペースが落ち着いた時上手くクリアできれば直線の脚は鋭い。同タイプも多く厳しいが、母娘でのヒロインズカップ制覇に期待をこめて。
  その他では、実績のある(9)シンエイボブ、軽くなれば(3)タナボタチャンの切れ味、先行力のある(2)ヤマノホシも流れが嵌まれば逃げ粘りも。繰り上がり出走の(1)ナカゼンレディーも障害が上手く不気味な存在ではあるが、やはり未知な分狙いづらい。重賞勝ち経験のある(6)メヂカラも切れ味はあるが現状ではやや厳しいか。

はむ!の馬券狙いどころ:
  馬券的にも年末年始の激戦から1か月あいて、ようやく刻みを(一息)入れることができたというところか。「問題はここからであります。」(by井馬博アナ←永年ばんえいの実況を担当した名物アナのセリフの一つ)、年度末までが最後の追い込み。なんとかここから逆転を狙っていきたい。今回は上位2頭が本命サイド本命にする堅い予想だが、しっかり取っていきたい。

【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
  三連単 4=10→5,8,7 合計6通り 各200円
      4=10→5,8,9,3,2 合計10通り 各100円
      4→10=5,8,7 合計6通り 各100円
      10→5,8,7→4 合計3通り 各100円
  枠複  4=8,7 合計2通り 各500円 合計 4,100円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
  単勝 4 600円
  ワイド 3=4,10,5,8,2 2=4,10,5,8 合計9点 各100円
  合計 1,500円で勝負! 

  今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。

【コラム】ホクショウマサル日本記録の30連勝
  久々のコラムの記述です。当欄でも時々取り上げ、既に報道などでも御存知だとは思いますが、ばんえいのホクショウマサルが1月6日の準重賞「ばんえい十勝金杯」において30連勝を達成、2001年の宇都宮競馬におけるドージマファイターの29連勝を塗り替え、中央・地方を通じて日本記録となりました。たいへん素晴らしいことですし、全国のニュースでも紹介され、ばんえいの存在を知らしめることとなり、ファンとしても好ましいことです。
  一方、表面上だけ見ている人には、下位からの連勝で最上位クラスとの対戦もなかったこと、勝てるレースを選んで出走したように見えることから、記録を狙うための作戦であったように見えるかもしれません。しかしアクシデントもつきものの競馬のレースで30戦負けなしを続けることは並大抵のことではありません。もともとイレネー記念やばんえいダービーなどを勝った実力馬ではあったものの、喉の病気で2年以上の休養を余儀なくされ、そして復帰して一から出直し。ここに至るまでは厩舎はじめ関係者の並々ならぬ努力があってこそです。ここは心から賞賛したいと思います。
  そして最上位クラスのオープン1組、つまりオレノココロやコウシュハウンカイなどばんえいを代表するトップクラスとの対決が見られる位置まで上がってきました。今後はいよいよそれらとの対決に臨むか、それとももう少し連勝記録を伸ばすため一クラス下のレースに出られるまで待つか。馬の調子を見ながら相談することになると思います。ファンとしては早くトップとの対決が見たいものです。その時期は近いでしょう。