ばんえい重賞レース回顧
第31回はまなす賞(BG3)-2019年9月1日-10R 200m直 晴 1.5%
1着△(5)キタノユウジロウ 1分50秒5
2着 (4)アオノブラック
3着▲(3)アアモンドグンシン
単勝 5 680円(4番人気) 馬複 4-5 1,970円 三連単 5-4-3 17,840円
※その他の払戻金を含み、結果は必ず主催者又は地方競馬情報サイト(KEIBA.GO.JP)を参照ください。
(◎○等は、はむ!の当初予想印)
ばんえいの3歳・4歳による重賞、第31回はまなす賞は、4番人気の4歳馬キタノユウジロウが直線の一騎打ちを制し、念願の重賞初制覇となった。松田道明騎手は2017年2月のチャンピオンカップ(フジダイビクトリー)以来2年半ぶり通算50回目の重賞制覇。はまなす賞は2002年のヴィクトリーベガ以来17年ぶりの勝利。
レース振り返り
この週の北海道方面は局地的に大雨が降る不安定な天気、そして帯広も木曜日ごろにややまとまった雨が降り、その影響もあって馬場は表面は乾いているものの、水分を含んで軽めで推移していた。
レースは、各馬勢いよく飛び出して一斉に第1障害を越え、前半からかなり速いペース。その後各馬が刻みを入れ始める中、軽量の3歳牝馬ジェイカトレアが中間まで止まらずに行き一歩前に出る。しかし、すぐにミスタカシマ、アアモンドグンシンら有力各馬も追いつき、後続もほとんど差がないまま第2障害へ向かう。第2障害手前にはミスタカシマがわずかに先着するも、各馬も追いつき出走馬7頭がほぼ横一線に並んだ。ここまで53秒のハイペース。
そして、ほとんど息をつく暇もなく最初に障害を仕掛けたのはミスタカシマ。その後すぐにコウシュハレガシー、キタノユウジロウが障害に挑戦。ミスタカシマは天板まで足をかけるが勢い余って膝を折った。コウシュハレガシーも坂の中腹でストップ、その一方、キタノユウジロウが一歩一歩踏みしめながら障害を越えた。その間にやや後ろから行っていたアオノブラックがややふらつきながらも障害をしっかり越え、この2頭が障害を降りて先頭へ。後続の障害は、じっくり溜めたアアモンドグンシンが障害に挑戦するがこれも膝折、踏み出したコウシュハレガシーと更に後から障害に挑戦したジェイカトレア、ジェイコマンダーを含めた4頭が苦労しながらようやく障害を越えた。膝折の立て直しに時間のかかったミスタカシマは最後方から追う展開となった。
後続が障害を越えたころは、前を行くキタノユウジロウとアオノブラックの2頭は早くも残り30m地点に達しており、2頭が全く並んで激しいデッドヒートを展開、互いに譲らない好レースとなった。そして、残り10mを切ったところでわずかにキタノユウジロウが前に出て、最後はかなり緩んだもののそのままゴールを駆け抜けた。続くアオノブラックはさらにゴール前で厳しくなって、後方から追ってきたアアモンドグンシンに激しく迫られたものの半馬身ほどのリードを残して2着にゴール。アアモンドグンシンが3着、軽量のジェイカトレアが4着に入った。1番人気のミスタカシマは最後に激しく追ったもの5着まで押し上げるのが精一杯。当欄で本命に狙ったコウシュハレガシーは直線伸びず最下位の7着に終わった。
次走へのメモ
キタノユウジロウ(1着):自分の存在を忘れるなとこの馬が言っているような力強い勝ち方であった。これまでイレネー記念やダービーなど好走するも2着どまりで勝ちきれないレースが多かったが、今回は最後の直線でイキの良い3歳馬との一騎打ちとなり、最後は年上の意地を見せた。速いペースに惑わされず自分のペースで走れたことと、障害に自信を持っていたことも勝因として挙げられるだろう。松田騎手が我慢してこの馬を育てたことが花開いたともいえる。次は狙いはもちろん今月末の銀河賞。今回のようにしっかり自分の走りができれば、連続重賞勝利も十分考えられる。
アオノブラック(2着):3歳馬代表として堂々たるレース運びであった。軽馬場を味方につけ、前半遅れずに好位置につけられたことで、障害を上手く越え、直線勝負に持ちこめた。このあたりは阿部騎手の手腕か。最後は4歳馬に力負けの形になったが、3歳馬のレベルの高さを示したと言える。次の照準は11月のばんえい菊花賞、今回出走しなかった他の同世代ライバルたちに経験というアドバンテージを得たのではないだろうか。
アアモンドグンシン(3着):直線は脚を持て余す感じの3着。走りは悪くなかったが敗因を探すなら、やはり前半の流れにうまく乗れなかったことか。障害である程度時間がかかることは織り込み済みのはず。直線の切れ味のある馬なので、前半もっと思い切って行っても良かったかもしれない。銀河賞で巻き返したい。
ジェイカトレア(4着):強い相手の中、後方待機かと思われたが、軽ハンデを生かして積極的に前に行きレースを引っ張り見せ場を作った。最下位人気ながら4着に粘り込んだことは立派なレースであった。この馬の最大目標は12月のばんえいオークス、ライバルにかなり差をつけたのではないか。
ミスタカシマ(5着):珍しく膝折が出てしまい、立て直しにも時間がかかった。ペースが速くなってやや慌てたことが障害のミスにつながったか。馬体重が落ちており、このレースに向けてはやや順調でなかったのかもしれない。しかし銀河賞では当然巻き返してくるだろう。
その他では、ジェイコマンダー(6着)は走りそのものは悪くなかったが、前半の速い流れに対し遅れを取ったイメージ。大外枠も影響したか。そして当欄で本命に狙ったコウシュハレガシー(7着)も流れに上手く乗れなかった。この2頭は降りてからの切れ味もあまりなく一旦遅れるとジリジリと下がっていく傾向にある。今後、負担重量が増え力のいるレースになれば持ち味を発揮できる場面もありそう。巻き返しに期待。
はむ!の予想(馬券)結果
的中 ワイド 3-4 のみ
本命のコウシュハレガシーが最下位という時点で問題外であったが、人気馬勢も相次いでコケたため、これは予想も馬券も大外れ。密かにワイドで狙ったジェイカトレアも惜しい4着と馬券には絡まず。もう一頭の3歳アオノブラックからのワイドもユウジロウまでは回らずと、本当にうまくいかないものだ。ま、今回の組み合わせで三連単1万円ちょっとしかつかないし、しょうがないと思うしかない。またマイナス街道に戻ったが、すぐに抜け出せるよう秋シーズンを頑張っていきたい。
今回収支 -5,350
(通常分) -4,500 (配当)0 (投入)4,500
(単複・ワイド) -850 (配当)450 (投入)1,300
今年度累計 -3,800(9/1・はまなす賞終了時点)
(通常分) -540 (配当 30,160 - 投入 30,700)
(単複・ワイド) -3,260 (配当 6,640 - 投入 9,900)
今回の結果を含む今年度の成績は次のリンク先のとおりです。
・はむ!のばんえい競馬ファイル(2019データ・馬券成績表)
次回の重賞は3週間後の9月22日、古馬重賞で4大記念競走の第2弾、岩見沢記念です。予想はいつもどおり前日までには書きたいと思っています。
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