前回のこの欄でも触れたように、このほど地方競馬界を揺るがす2つの大きな出来事(不祥事)がありました。一つは門別競馬における順位取り違え事件、もう一つが岩手競馬の禁止薬物陽性馬発生事件です。前者の門別競馬の方は、写真判定の確認不足によるミスであり、もちろんあってはならないことではありますが、対応策も発表され(一部では救済しきれない被害者も出るかもしれませんが)真摯な対応により影響は最小限に収まりそうな気配です。
一方、後者の岩手競馬の方は深刻です。今年すでに1週間の開催中止、そして再度陽性馬が出たことにより全頭検査のためさらに中止。一時はいつ再開できるかもわからない状況に陥りました。岩手競馬は10年前には廃止寸前までいって関係者の努力でようやく存続し、持ち直してきたもの。現在でも赤字に陥れば即廃止の約束になっており、首の皮一枚でつながっています。今回の不祥事は存続への努力が水の泡となりかねない事態です。
今週なんとか再発防止策が整ったということで、岩手競馬11月24日から3週間ぶりに再開となりました。ただ、なぜこのような禁止薬物陽性馬が出てしまったのか?ファンには真相がよくわからないままです。さらなる真相究明と再発の防止を望みます。
いずれにしても、ばんえいを含む地方競馬は、ファンのみならず全ての人の信頼によって成り立つものです。厳しい修羅場を乗り越えてきているからこそ地方競馬に頑張ってほしいのです。ファンとしてこれからも応援していきます。
さて、ばんえいは今週から2週連続の重賞。今週は馬齢別選抜のドリームエイジカップです。なお、今週から準ナイターとなり時刻が変更になっているので注意が必要です。
はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第9回ドリームエイジカップ(BG3) (2018年11月25日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 4歳以上馬齢選抜別定) | |||||||
はむ 予想 |
馬 番 |
馬 名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手 | 調教師 | 備 考 |
1 | オレノココロ | 牡8 | 790 | 鈴木恵 | 槻舘重 | 青毛 差 | |
○ | 2 | マルミゴウカイ | 牡5 | 770 | 藤野俊 | 槻舘重 | 鹿毛 差 |
3 | ホクショウディープ | 牡5 | 760 | 島津新 | 服部義 | 青毛 追 | |
▲ | 4 | シンザンボーイ | 牡7 | 770 | 西謙一 | 坂本東 | 栗毛 先 |
5 | キサラキク | 牝7 | 740 | 菊池一 | 金田勇 | 芦毛 先 | |
注 | 6 | マツカゼウンカイ | 牡4 | 760 | 藤本匠 | 松井浩 | 鹿毛 先 |
◎ | 7 | センゴクエース | 牡6 | 780 | 工藤篤 | 槻舘重 | 鹿毛 差 |
△ | 8 | フジダイビクトリー | 牡10 | 760 | 西将太 | 中島敏 | 栗毛 逃 |
9 | ミノルシャープ | 牡4 | 760 | 阿部武 | 大友人 | 鹿毛 先 | |
10 | コウリキ | 牡6 | 750 | 松田道 | 長部幸 | 鹿毛 差 |
「ドリームエイジカップ」の概要と傾向
ドリームエイジカップは今年で9回目の開催。4歳から8歳以上まで年齢別に賞金上位2頭から選抜される世代別対抗戦重賞で、ばんえい独自の出走条件となっている。負担重量がこの時期にしては軽めの上にハンデ差が非常に大きく、毎年のように波乱のレースが展開される。過去8年で1番人気は(2,2,1,3)で苦戦傾向、6番人気以下が4勝しており、2着以下も人気薄がきて大万馬券になることもある。一方では昨年のように比較的堅く収まる時もある。トップハンデの馬は第1回に勝ったのみで、その後は7連敗中。年齢は5歳馬が4勝するなど若い馬が活躍する傾向にある。但しさすがに4歳馬は苦戦。牝馬は出走自体が少ないが、一昨年にキサラキクが勝っている。1分40秒前後の重賞としては速い勝ち時計で、4大記念競走のように重い荷物ではないので、非力な馬でもスピードで押していくことができる。実力馬よりもこのレースに照準を合わせてきた馬を狙いたい。騎手は鈴木恵介Jが3勝。
今回のみどころ
これまでばんえい界に君臨した最強の馬たちが年齢を重ねて「8歳以上」にひとくくりにされたことにより、例えばコウシュハウンカイが通算獲得賞金の差でこのレースに出られないなど、今年は各世代で出走権をめぐるドラマが生まれている。メンバーもいつもと違い新鮮だ。その中で特にオレノココロ、センゴクエース、マルミゴウカイら各世代のトップが貫禄を見せるか、あるいは隠れていた実力馬がここで開花するか。
各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
1 オレノココロ:重賞19勝と歴代最高にも迫る記録を持つばんえい界のトップランナー。今シーズンはBG1ばんえいグランプリで快勝。実力は当然ナンバーワンだが、前走障害が上がらなかったように、照準はあくまで帯広記念か。
2 マルミゴウカイ:4歳3冠後、古馬戦線に参戦、岩見沢記念で勝利するなど、最も勢いのある馬。他馬に合わせた自在のレースができ、今のところ重量もこなしている。障害も悪くはないがここ2~3走はやや力が入らない場面も見られた。
3 ホクショウディープ:長期休養を経て復帰後6戦出走したが、今のところ本来の力がほとんど出せていない。かつてマルミゴウカイと互角に渡り合った馬。馬体重は戻りつつあるので、本来のスピード豊かな走りを見せてもらいたいところ。
4 シンザンボーイ:時折重賞に顔を出し、今シーズンもグランプリ3着、北見記念5着などなかなかの成績を上げている。オープン格に上がっても好走が続いており前走も逃げて快勝、悲願の重賞初制覇のチャンスをうかがう。障害力には定評。
5 キサラキク:一昨年のこのレースの勝ち馬。古馬重賞は常に顔を出していたが、脚元不安があったようで岩見沢記念以来重賞から離れていた。前走から復帰したが馬体重も減って本調子でないようだ。元々苦手な障害でも力が入っていない。
6 マツカゼウンカイ:4歳馬。今年はまなす賞に勝って重賞制覇を果たしている。安定した走りで障害も上手、崩れることがほとんどない。相手なりに走れて先行しても良し、控えても良しの脚質。切れる脚はないので決め手には欠けるが。
7 センゴクエース:成績は安定しているが重賞になると勝ちきれないレースが続いていた。降りてからの脚は確かだがどうしても障害で一歩遅れてしまう。今回は斤量的にもチャンスだが、前走の特別戦で久々に障害膝折りが出たのは心配。
8 フジダイビクトリー:重賞10勝の実績馬だが、重賞勝ちは2年近く遠ざかっているし、今シーズンはまだ1勝、最近は得意だった障害で苦労することも多い。衰えではないだろうが。適度な負担重量のこのレースで巻き返せるか。
9 ミノルシャープ:4歳馬。重賞2勝の実績馬。先行力と障害力はかなりのものを持っているが、最後で緩むなどスタミナに課題がある。銀河賞ではセーフティーリードからぎりぎり粘りきった。古馬相手にハンデを生かして逃げ粘れるか。
10 コウリキ:出走権争いでキンメダルを破って登場。重賞は天馬賞でセンゴクエースの2着に入って以来2年ぶり、特別戦の常連だが古馬重賞は不思議にも初出走。障害が苦手だったが、最近は脚質転換で積極的に攻めるレースで勝っている。
【はむ!の見解まとめ】
先週、帯広も遅い初雪が観測され、ようやく冬が到来。それとともに馬場状態の変化がより注目される。寒くて雪でも降れば軽馬場になるが、一方でロードヒーティングやハローがけの効果でフカフカの馬場になった場合、時計がかかることも考えられる。当日の天気と馬場状態は十分見極めたい。負担重量もポイントで、今回は4大記念競走のような重い荷物ではないが、それでも重賞、それなりの重量、また世代等によってハンデ差もあり、そのあたりの見極めも重要。
今年は、実績のある古馬たちも気にはなるものの、やはりディフェンディングチャンピオンの6歳馬センゴクエースと今年の岩見沢記念に勝ち力をつけてきた5歳馬マルミゴウカイの同厩舎の両雄が実力的には一歩リードか。その中で、当欄では◎(7)センゴクエースの方が今度こそ意地を見せる番とみて、今回も本命とした。斤量や馬場的にも今回がチャンス。前半スムーズに付いていって障害をしっかり越えられれば上位は堅い。そして○(2)マルミゴウカイ。障害力もあり安定度ではこちらの方が上。斤量もセンゴクより10kg少ない。普通ならこちらの方を頭にしたいところ。しかし前走あたりは障害で止まっているように、流れ一つで変わってきそう。一日の長でセンゴクを本命、マルミを対抗とした。
2頭ががとび抜けているとみるが、そこは競馬。簡単に決まらないことも考えられる。そこで次にひとひねり面白そうなところということで、前走の特別戦で勝利するなど近走好調の▲(4)シンザンボーイを単穴に狙ってみた。重賞出走経験も積んできており、障害力はもともとあるので、上手く流れをつかめれば食い込みも。他では百戦錬磨の△(8)フジダイビクトリーは軽めの馬場でも力が出せる。ハンデ有利で逃げ粘りも。
そして実績ではナンバー1の(1)オレノココロ、3年前にこのレースを優勝している。ただこの馬はここが本番ではないと思われ、しかもトップハンデ、流れが向けば持ち前の力で食い込みもありえるが今回は押さえまでとしたい。それなら4歳馬ではあるが注(6)マツカゼウンカイの安定した走りが侮れない。同じ4歳馬の(9)ミノルシャープと共にもう少し力を付けてからという考え方もできるが、ここはついて行けそうなマツカゼの方に注意マークをつけておきたい。あとは、一昨年の勝ち馬(5)キサラキクは不調が続くが、ここは適鞍。流れに乗って障害が切れれば見せ場はあるか。
はむ!の馬券狙いどころ:
全然取り戻せてはいないものの、クインカップで久々のプラスだったことは、気持ち的にも楽になる。ここは勢いに乗って、2週続く重賞っを取って行きたいところ。
今回はとにかくセンゴク、マルミの2頭が強いと見て、そこから数頭に流してなるべく絞っていきたい。印を打った馬と、オレノココロを少々。他の穴目はワイドで押さえ。キサラキクの応援馬券は続けたい。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
三連単 7=2=4,8,6(マルチ) 合計18通り 各100円
7,2→7,2,4→7,2,4,8,6,1 合計16通り 各100円
7,2→1→7,2 合計2通り 各100円
合計3,600円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
単勝 7 700円
応援馬券(単+複)5 各200円
ワイド 4=7,2,8,6 6=7,2,8 合計7点 各100円
合計 1,800円で勝負!
今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告します。
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