お疲れ様、尾ヶ瀬騎手
先日、ばんえいの尾ヶ瀬馨騎手が24年間の騎手生活にピリオド、惜しまれながら引退式が行われました。元騎手で父親の尾ヶ瀬富雄調教師を受け継ぐ形でデビューし(実際は同時に騎手だった時代あり)通算2066勝で、重賞勝利も多数。堅実な騎乗で、(筆者は最近しか見ていないのでこれまでの記録を含めての全体の印象ですが)この馬ならこの人というプロフェッショナルな印象が強く、特にハイトップレディ、フクイズミなの牝馬をスターに導きました。一方牡馬でもキングシャープやライデンロックなどが尾ヶ瀬騎手のお手馬でした。51歳といえども衰えもなくまだまだやれるという感じですが、勇退に近い感じで引退。筆者とは同じ年(学年)の騎手だったのでいっそう残念ですが、第二の人生を進むことに拍手を送りましょう。
さて、今週は3歳牝馬の最高峰のレース、ばんえいオークス(優駿牝馬)です。いわゆる若き乙女たちの戦い。尾ヶ瀬騎手も過去に2回優勝しており、2006年にはは最下位人気のキキリンドウという馬を優勝に導いたことがあります。今年はどんなドラマが待っているのでしょう。
はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第41回ばんえいオークス(BG1) (2016年12月4日(日)19:05発走 帯広10R ダ200m 3歳牝馬オープン定量) | |||||||
はむ 予想 |
馬 番 |
馬 名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手 | 調教師 | 備 考 |
1 | コウシュハローヤル | 牝3 | 670 | 工藤篤 | 松井浩 | 鹿毛 先 | |
▲ | 2 | フジノウンカイ | 牝3 | 670 | 菊池一 | 大友人 | 青毛 差 |
3 | ビュウティハート | 牝3 | 670 | 渡来心 | 坂本東 | 鹿毛 差 | |
◎ | 4 | ヒカルナナヒメ | 牝3 | 670 | 藤本匠 | 谷あゆ | 鹿毛 逃 |
5 | タナボタチャン | 牝3 | 670 | 阿部武 | 坂本東 | 栗毛 差 | |
注 | 6 | スギヤマ | 牝3 | 670 | 松田道 | 松井浩 | 鹿毛 先 |
○ | 7 | ラッセルクイン | 牝3 | 670 | 鈴木恵 | 岡田定 | 鹿毛 先 |
8 | ホクトノホシ | 牝3 | 670 | 村上章 | 村上慎 | 鹿毛 逃 | |
△ | 9 | グレースゴールド | 牝3 | 670 | 藤野俊 | 長部幸 | 栗毛 追 |
10 | コウシュハアレッポ | 牝3 | 670 | 西謙一 | 大友人 | 栗毛 先 |
(予想印、脚質ははむ!の主観による目安です。)
【はむ!の見解】(個人的見解です。)
ばんえいでは唯一の牝馬のG1レース、そして数少ない牝馬の重賞レースの一つ。牝馬ならどの馬もこのレースを目標にしているといっても過言ではない。過去の成績を振り返ると、1番人気は(3,3,0,4)と連対率6割となかなかの好成績、2番人気も(4,1,2,3)とかなりの成績を上げており、堅く収まる傾向にある。一方、3番人気の馬が(0,1,0,9)と成績が落ち、4番人気だと(2,3,5,0)とまた好成績を上げるなど不思議な現象が起きている。5番人気以下の(10年前に勝ったキキリンドウが例外中の例外で、それ以外は)勝利が全くなく、6番人気以下にいたっては2着もない。以上の傾向をもとに分析すると、牝馬は元々クラスがばらばらで上位馬と下位馬では力の差がかなりある。その中でハンデ無しの定量戦となると上位馬がやはり力を発揮するレースということだろう。3番人気の成績が悪いのは、憶測だが何らかの原因で穴人気していた馬が上位人気馬を追って崩れる馬が多かったというところか。あと、過去9年の勝ち馬はすべて2月の明け3歳重賞黒ユリ賞に出走しており、最近上がってきた馬にはイヤなデータだ。このあたりも留意しておく必要がありそう。
今年は黒ユリ賞勝ち馬で賞金ランクトップのブルーオーシャンが前走大敗で出走停止となってしまい、他の実績馬ももう一つ調子が上がらない状況、そんな中今年度初めは最下位ランクのC2クラスにいたラッセルクインが変わり身を果たし目下10連勝中。一気にシンデレラストーリーとなるか。あるいはこれを阻止する馬はいるのか。
各馬寸評:
1 コウシュハローヤル:重賞初出走。3歳牝馬の賞金ランク7位の馬。コウシュハの馬が最内と大外に別れて入ったが両馬ともニシキダイジン産駒で似たところがある。近走馬体重が増え調子は良い。障害は上手い方。
2 フジノウンカイ:重賞は黒ユリ賞5着の実績。ランクは8位。夏は4連勝するなど勢いがあった。近走はクラスが上がって厳しいレースが続くがそこそこの走りは見せている。前走9着も差はない。切れ味で勝負するタイプ。
3 ビュウティハート:タイキンの回避によりランク12位のこの馬に出走権がまわってきた。重賞もむろん初出走だが、3月の福寿草特別では上位馬相手に10番人気で3着に入っている。時計のかかるレースの方がよさそう。
4 ヒカルナナヒメ:ランク2位。重賞は黒ユリ賞(8着)など、しかし同世代の牝馬特別レースでは福寿賞特別に勝つなど強みを発揮。稲妻賞では古馬一線級相手に奮闘した。持ち味の先行力と障害力でタイトルを狙う。
5 タナボタチャン:ランク5位。重賞は黒ユリ賞2着の実績が光る。春先は大きく調子を崩した時期があったが、秋に入って馬体重も増え調子は上昇。持ち前の切れ味が出てきた。薄い毛色の特色ある馬体が目を引く。
6 スギヤマ:重賞は初出走。ランクは6位。父はばん馬の元祖ペルシュロン系。920kg前後と小柄な馬で非力な感じはするが、なかなかの粘り強さがあり、秋になって力もついてきた。重量は課題だが時計かかればチャンス。
7 ラッセルクイン:重賞初出走。ランクは3位。2歳時はなかなか勝てずC~Dクラスで甘んじていたが、ここにきて一気に力をつけて破竹の10連勝。スピードで押して行って障害も苦にしない。課題があるとすればスタミナ。
8 ホクトノホシ:3歳牝馬ランクは9位。重賞は初出走だが、特別レースでは4着2回の実績がある。先行タイプで他馬を引っ張るような展開になれば強みを発揮。大崩れも少ない。この馬に初騎乗の村上騎手がどうさばくか。
9 グレースゴールド:ランク4位。メンバー中経験は最も豊富で5つめの重賞出走。特にイレネー記念5着の実績が目立つ。後ろからついて行って直線の切れ味で勝負するタイプ。ただ障害は課題。前半の位置取りもポイント。
10 コウシュハアレッポ:ランク10位。重賞も特別戦も全く経験がなくいきなりの重賞出走。その分未知の魅力はある。父のニシキダイジンは高重量で勝ってきた馬。元々先行力がありしぶとさが発揮できる展開になれば。
まとめ:
とにかく10連勝でここに駒を進めてきたラッセルクインに注目が集まる。確かに勝ちっぷりが良く力のある馬であることは認めざるを得ない。しかしここは最も格調高いBG1、定量戦でハンデもない。ラッセルクインの連勝はC1クラスからのもの。相手に恵まれて勝ち上がってきたところがある。ジリ脚な面も見せているだけに、荷物が重くなると心配も出てくる。時計もかかりそう。ただ黒ユリ賞馬ブルーオーシャンがいないなど他のメンバーも小粒感があり、そのあたりの力関係が予想のポイントだ。
そこで当欄ではヒカルナナヒメを本命に推したい。この馬も連続連対中。前走ラッセルとの初の直接対決で敗れたものの枠順もあり差もわずか。十分逆転可能と見る。堅実な走りができ自分でペースを作れるタイプで、重賞や特別レース経験もある。黒ユリ賞は8着だったが、昨年も黒ユリ賞10着のホクショウモモが逃げ切って優勝しておりデータ的に問題はない。変にライバルを意識せず自分の走りが出来れば。
ラッセルクインは対抗にした。重賞経験なし特別レースも軽量戦の天の川賞(4着)だけで実績不足、当欄では弱点ありと見ているが、やはり他馬との比較になると、この馬の勢いはかなりのもの。あっさり勝たれることもあり得る。
上位2頭の一騎打ちの様相で、3番手以降はどれも決め手に欠け混戦。ならばやはり実績馬をとりたい。フジノウンカイは黒ユリ賞5着馬、今年の夏以降調子が良い。父ウンカイ、母父がマルゼンバージと実力馬の血統。大レースで強いところを見せるのではと単穴評価とした。そして実績ならグレースゴールド。近走成績は上がっていないが戦ってきた相手が強かった。追い込みの脚が嵌まれば勝ち負けまで。ただ障害が課題なので全面信頼は難しい。あとは、黒ユリ賞2着のタナボタチャンがいるがまだ本調子ではないように見える。時計がかかれば追い込みの脚があるが。それならば最近調子の良いスギヤマあたりを押さえたい。
はむ!の馬券狙いどころ:
やはりラッセルクインをどう見るかが馬券買いのポイント。その勢いは認めつつも、ここはG1レース。そうあっさり勝たれてはという気持ちがある。そこでヒカルナナヒメをはじめ実績馬を中心に組み立てていきたい。あまり好きではないが三連複も絡めて。あと、気になる穴馬もいるがそこはワイドで押さえる。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
三連単 4→7,2,9,6=7,2,9,6 合計12通り 各200円
三連単(追加) 4,7→4,7→4,7,2,9,6,5 合計8通り 各100円
三連複 4=7=2,9,6,5 合計4通り 各200円
馬複 4=2,9,6,5 合計4通り 各200円
(はむ!のワイドで勝負!) ワイド 5=4,7,2,8 8=4,7,2 合計7点 100円
合計5,500円で勝負!
今回の結果と回顧は、レース終了後近日アップします。
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