はむ!の今週のばんえい重賞予想
【出馬表及びはむ!の予想印】
第50回イレネー記念(BG1) (2019年3月3日(日)18:00発走 帯広10R ダ200m 3歳オープン定量) | |||||||
はむ 予想 |
馬 番 |
馬 名 | 性齢 | 負担 重量 |
騎手 | 調教師 | 備 考 |
1 | ハイトップフーガ | 牝3 | 670 | 村上章 | 松井浩 | 栗毛 先父ウンカイ | |
2 | ジェイカトレア | 牝3 | 670 | 西将太 | 平田義 | 青毛 追父トカチタカラ | |
◎ | 3 | ギンノダイマオー | 牡3 | 690 | 藤野俊 | 松井浩 | 芦毛 先父キタノドリーマー |
注 | 4 | ジェイエース | 牡3 | 690 | 鈴木恵 | 松井浩 | 栗毛 差父ウンカイ |
5 | アオノゴッド | 牡3 | 690 | 島津新 | 金田勇 | 栗毛 差父マルニセンプー | |
6 | エースモリウチ | 牡3 | 690 | 西謙一 | 西弘美 | 鹿毛 先父アカダケキング | |
7 | インビクタ | 牡3 | 690 | 藤本匠 | 松井浩 | 青毛 逃父イッスンボウシ | |
○ | 8 | アオノブラック | 牡3 | 690 | 菊池一 | 金田勇 | 鹿毛 差父ケンジュオー |
▲ | 9 | サクラドリーマー | 牡3 | 690 | 工藤篤 | 今井茂 | 鹿毛 追父キタノドリーマー |
△ | 10 | メムロボブサップ | 牡3 | 690 | 阿部武 | 坂本東 | 鹿毛 逃父ナリタボブサップ |
「イレネー記念」の概要と傾向
ばんえいの2歳(明け3歳)世代の三冠レース最終戦である以上に、ばんえいで唯一顕著馬の名前がつく重賞で格付けはBG1、今年で50回目を数え、ダービー以上に格調高いレースである。第1回以降一貫して帯広で開催されている。過去の勝ち馬を見ると、後に最高峰のばんえい記念を勝つ馬はニューフロンテヤとキタノタイショウの2頭のみ。力のある馬より、成長の早いスピード馬が有利となっている。JRAでいえば皐月賞と朝日杯FSを足して2で割ったような位置づけというところか。
過去10年で1番人気は(3,3,2,2)とまずまず。大敗はないものの勝ちきれないことも多い。逆に2番人気が(5,2,2,1)とこちらの方が狙い目か。定量戦であるので大荒れは少ないが、混戦の場合は下位人気にも注意しておいた方が良いか。時計は馬場にもよるが2分弱というところで、この年齢にしては未経験の重さの荷物ということもありスピードだけでは押しきれない。過去10年の勝ち馬の馬体重は990kg以上となっており、ここからも、ある程度成長して力を付けていることが必要であることがわかる。実績は重賞勝ちにはこだわらないが、ヤングCS勝ち馬2勝に対し、ナナカマド賞勝ち馬が4勝とこちらがやや有利。牝馬の優勝は過去2頭のみで1999年アーティガール以来19年勝っていない。連対も2004年(エンジュオウカン)以来14年も遠ざかっており圧倒的不利。騎手については、過去には大河原騎手(現調教師)などこのレースに強い騎手がいたが、現役では鈴木恵介騎手の3勝が最高で特に傾向はない。ただ若手はほとんど勝てていない。
今回のみどころ
今年の明け3歳世代は上位拮抗。三冠の第1弾ナナカマド賞はメムロボブサップ、第2弾ヤングチャンピオンシップ(今後「ヤングCS」と略します。)はアオノブラック、そして両レースで2着のギンノダイマオー、の上位3頭が切磋琢磨を繰り返しつつリードしてきたが、ここに来て上昇気流にあるのがサクラドリーマー。鋭い切れ味で連勝し戦線に加わってきた。どこまで食い込んでくるかも見もの。
各馬寸評:(はむ!の個人的見解です。)
1 ハイトップフーガ:黒ユリ賞では果敢に先行、障害も力強くひと腰で越えた。最後はジェイカトレアの切れ味に敗れたが人気馬総崩れの中で2着に粘った走りは印象的だ。馬体重が1070kg台と牡馬を含めて世代では最も大きい。その体を生かした力強い走りがモットー。今回の相手でも、ペースが落ち着き前半しっかりついて行ければあれよあれよと逃げ粘るような展開になるか。
2 ジェイカトレア:牝馬重賞の黒ユリ賞勝ち馬。この時は人気薄ながら直線の切れ味で優勝した。牝馬ながら馬体順1050kg台の雄大な馬格、平場戦の速いペースの時はこの体を持て余し障害でも引っかかる場面が見られたが、重賞のようにペースが落ち着けば自分のペースに持ちこめ力強さを発揮する。末脚もしっかりしており、牡馬相手でも見劣りはしないがどこまでやれるか。
3 ギンノダイマオー:デビューから4連勝。ナナカマド賞、ヤングCSはいずれも2着。ライバルたちと激しいバトルを繰り広げながらも常に上位に入っており過去15走で13連対3着1回、前走4着と初めて着を外したが差はわずか。馬場状態やペースにも左右されない強みがある。障害も巧者の部類。最後の接戦になったときに勝ちきるだけの粘りを発揮できるか。好位には付けたい。
4 ジェイエース:能検1番時計で、潜在能力はありながら重賞の出走権に恵まれず、今回重賞初挑戦がいきなりこのレースになった。同厩舎に有力馬が多いこともあり、影に隠れた存在ではあるが、最上位クラスで常に勝負になるレースを展開している。障害は得意とは言えないが、これまで崩れず乗り越え、持ち前の切れ味でリカバリーしている。直線勝負に持ち込めればチャンスも。
5 アオノゴッド:重賞も特別戦も未出走であったが、直前のA-2クラスのレースで快勝し最後のイレネー記念の切符を手にして出走にこぎつけた。これまでもA~Bクラスのレースで掲示板内に確実に入り、力は持っている。脚質的には前半控えて、障害はしっかり越えて直線で加速していくタイプ。あまり前が早いと置いて行かれる可能性はあるが、ペースが落ち着けば追って行けそう。
トーだが、切れる脚を持っておらずペースが速くなると厳しい。ただ荷物が重くなって各馬が苦しめば浮上する可能性も。
6 エースモリウチ:重賞はヤングCSのみ。この時は持ち前の障害の上手さを発揮し、直線で一旦先頭に立つなど見せ場を作った。特別戦でも青雲賞2着、北央産駒特別では2着に20秒以上をつけて圧勝している。どのような展開でも対応できるが、直線での切れ味は他の有力馬に見劣りするので前半先頭グループにはつけたい。馬体重が増えてこないなど体調面での心配はある。
7 インビクタ:ナナカマド賞5着、ヤングCSは9着。抜群の先行力でトップ馬相手でもハナは譲らない。障害もしっかりこなす。しかし最後の切れ味とスタミナ面に課題がある。しかし大崩れしたのはヤングYCのみ、この時も果敢に攻めて大逃げを打った末での崩れ。結果的には同厩舎のギンノダイマオーのアシスト役になっている。軽馬場になれば逃げ切りも可能か。
8 アオノブラック:暮れの重賞ヤングCSの勝ち馬。デビュー当時は遅れをとっていたが、時期が進むにつれ馬体も急成長しメキメキ力を付けてきた。脚質的には差しタイプで、好位につけて中団から直線で抜け出すレースを見せる。障害もこれまでのところ崩れはなくスムーズ。馬格もあり高重量の荷物にも対応できそうだ。ただあまり速いペースになると追いつかないことも。
9 サクラドリーマー:重賞初出走、特別戦は十勝産駒特別で10番人気ながら4着に入っている。シーズン当初は若さが目立ち、重賞出走の機会も逃していたが、ここに来て本格化。特に前走は後方から鋭い切れ味を見せ差し切り勝ち、素質開花を感じさせた。元々は障害があまり得意でない方で、時折大敗することもあったが、ここにきて馬体も成長し、苦手も克服しつつある印象。
10 メムロボブサップ:ナナカマド賞では、直線の追い比べから切れ味の差で快勝。ハンデを背負ったヤングCSでは障害でわずかに出遅れ3着。実績は申し分なく定量戦なら持てる力をそのまま発揮できそう。馬体重が900kg台前半とまだ成長途上、見た目もフワフワした感じだが、その分素軽い動きで立ち回れる。障害はまずまず。前半からうまく流れに乗れるかがポイント。
【はむ!の見解まとめ】
いよいよ明け3歳最高峰のイレネー記念。この世代は昨年秋ごろまでは当初メムロボブサップとギンノダイマオーの2強のように思われ、ナナカマド賞ではメムロボブサップ1着、ギンノダイマオー2着であったが、その後、まずアオノブラックが出てきてヤングCSを勝ち、そしてここにきてサクラドリーマーがものすごい勢いで上がって来た。後発の馬たちは鋭い切れ味で勝負する馬が多く、これに対して春から活躍していた馬は前に行って粘るタイプが多い。各馬絡み合って混戦模様。展開や馬場状態によってもかなり左右されそう。当欄は少し早めに書くので、予想のファクターとしてはどうしても過去の成績などが中心となるが、できれば当日の各馬の気配なども見ながら予想を組み立てていきたいところ。
展開は、まずはインビクタが何が何でも前に行くだろう。ただこれまでで最も重い荷物なので、どこまで逃げられるか、それにより後続の馬たちがどこまで絡んで来られるかというところ。同厩舎のギンノダイマオーはこれに付けるだろうし、メムロボブサップ、エースモリウチあたりも前の方で展開するだろう。ジェイエースも障害を意識してなんとか前に付けたいところ。アオノブラックはその次か、そして末脚にかけるサクラドリーマーはどの位置に付けられるか。先行馬勢は、障害もある程度こなせるので引き離して行きたいところだが、タイミング一つで流れが変わることも。
そして予想だが、当欄ではこれまで、ナナカマド賞、ヤングCSとも本命をギンノダイマオーにして、いずれも2着であったことからここは初志貫徹、イレネー記念の本命も◎(3)ギンノダイマオーでいきたい。前々走までは全て3着以内の安定性、前走こそ混戦に巻き込まれ4着に沈んだが、決して大敗はしていない。障害も上手だし、切れ味もあるのであとは最後の10mをしっかり走り切れれば、後続を断ち切ることは可能。
対抗には、ヤングCS勝ち馬の○(8)アオノブラックを挙げたい。年末あたりは非常に勢いがあった。ここにきて若干動きが重くなり、2戦連続で着外に沈んでいるのが心配だが、ハンデ差もあり大負けしているわけではない。ここは一息入れて立て直しを図ってきた。直線の脚はしっかりしているし、重い荷物にも対応できそう。人気を落とすようだと更に狙い目か。そして怖い怖い上がり馬▲(9)サクラドリーマー。前走、前々走のように直線をキャンターで駆け抜けるものすごい脚を見せられると、もしかして主役交代とも感じさせる。奇しくもギンノダイマオーと同じキタノドリーマー産駒だが、これほどまでに脚質が違うのかというイメージ。ただ、重賞でしかも初めての690kgの荷物、これまでと同様に剛脚が見られるのか。また、障害に一抹の不安があり、展開もカギになる。ということでこの馬は当欄では単穴とした。狙い目の馬を挙げていくと、実績馬△(10)メムロボブサップの評価が相対的に低くなってしまった。実力は申し分ない。ただこの馬はまだ成長途上のイメージがあって、道中若干フラついたりすることがあり、持てる力を全て出し切っていないようにも見える。そんな中、今回大外に入ったことで障害なども含めて不安材料が見える。負担重量も微妙。ただ定量戦でもあり、自分の力を普通に出せれば勝ち負けまで。
あとは、一方、能検1番時計など素質がありながら重賞出走の機会がなかった注(4)ジェイエース。一発があるとすればこの馬だろう。実績のあるウンカイ産駒、大きいレースの方が走れそう。障害をしっかり切れれば面白いことになりそうだ。他では、最後に出走権を得てきた(5)アオノゴッドは、ペースが遅くなり、前半でついていければ直線勝負で見せ場もありそう。(6)エースモリウチは先行できれば粘り込みも。牝馬勢はいずれも力はあるが今回は厳しそう。
はむ!の馬券狙いどころ:
重賞も残り3つ。但し、ここ2戦ほどほぼゼロ配当の大外れでまた赤字街道に入っているだけに、流れを引き戻したい。イレネー記念は定量戦で世代チャンピオンを決める一戦。狙いは絞れそうだが、馬券になるとまた組み合わせでやられそう。買い方をなんとか工夫していきたい。
【はむ!の買い目】(=は裏表、→は一方のみ)
三連単 BOX 3,8,9,10 合計24通り 各100円
3→8,9,10→8,9,10,4 合計9通り 各100円
馬複 BOX 3,8,9,10 合計6通り 各100円
枠複 3=7,8 8=7,8 合計4通り 各200円
合計 4,700円
(はむ!の単・複・ワイドで勝負!)
単勝 3 500円
ワイド 8=3,9,10,4 4=3,9,10 合計7点 各100円
合計 1,200円で勝負!
今回の結果と回顧は、レース終了後数日以内に報告したいと思います。
(コラム)年度
日本の競馬の1年は、JRAは1月に始まり12月に終わる暦年を、地方競馬では、基本は4月から3月までのいわゆる会計年度を取っている場合が多いです。もっとも地方でも年度代表馬やリーディングなどは暦年進行を取ることもあり、まちまちです。一方、ばんえいは完全に年度による進行となり、1年は4月に始まり3月に終わります。これは冬期に開かれない期間があったことにより年度進行の方が都合が良いからでしょう。(地方競馬では岩手や金沢のように冬期休業の期間があり、こちらも春になって新年度開幕というイメージです)そして、3月の年度末が近づくと、ばんえいでは引退する馬が出てきます。ばんえいの引退するパターンとしては事故などを除いては、種牡馬又は繁殖牝馬になる(ばんえいの場合は引退してすぐ繁殖に入ることがあります)あるいは年度替わりのクラス編成変えを機に活躍できなかった馬の見切りというのがあります。そのうち前者については、年度末が来る前に引退し、春の繁殖シーズンに備えます。今年度は5歳馬のジェイエースが早めの引退。そして現役牝馬の最上位だったキサラキクが先週引退しました。キサラキクのことについては次回のこの欄でもう少し書きたいと思います。
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